新刊 私市保彦・今井美恵『「赤ずきん」のフォークロア』
私市保彦・今井美恵 著
四六判上製256頁・定価:本体3200円+税
発売日 13.12.20
ISBN 978-4-7885-1362-4
見本出来ました。12月13日配本です。
12月16日ごろ書店に並びます。
あとがき
「赤ずきん」はペロー童話のなかでいちばん短いのに、「サンドリオン(シンデレラ)」と並んでいちばんよく知られている話である。しかも、「赤ずきん」 にまつわる話題はつきない。例えば神話学や精神分析学の立場からの解釈でにぎわうと、かつてはロバート・ダーントン、近年はザイプスなどから厳しい批判が 相次いだ。その後、フランスでは、フォークロアの分野での「赤ずきん」の背景の研究も進んでいる。日本でも、さまざまな形で「赤ずきん」が論じられてい る。わたし自身、何度か講演で「赤ずきん」を取り上げたことがあるが、そのたびに聴衆が大きく反応する手応えを感じてきた。短い物語なので、どうしてここ まで読者の関心を集めるのか?
そんなとき、〈胞衣につつまれて生まれた子ども〉と「赤ずきん」の物語をむすびつけて構造主義的な分析をこころみた今井美恵の論考を読む機会を得た。フ ランスの文化人類学者レヴィ=ストロースの弟子のニコル・ベルモンから示唆を受けたこの解釈は、「赤ずきん」論に新しい地平を開き、また「赤ずきん」の見 方を一気に深めるものであった。むろん日本では知られていない論点である。
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