新刊 苧阪直行 『美しさと共感を生む脳』
苧阪直行 編
四六判上製192頁+カラー口絵6頁・定価2310円
発売日 13.9.15
ISBN 978-4-7885-1358-7
見本出来ました。9月13日配本です。
9月17日ごろ書店に並びます。
序
美しさは社会脳研究でとくに興味ある研究テーマである。というのも、われわれは常に美しさを求めて、美術作品や自然の風景を眺め、さらに身近なところで は顔、姿や立ち振る舞いの美しさを通して快い感情をもつことができるからである。本シリーズ第4巻「美しさと共感を生む脳─神経美学からみた芸術」では、 美しさの脳内表現について考える。
われわれは、なぜ美しさに引かれるのであろうか?
そして、美しさを感じることにかかわる脳の活動とはどのようなものであろうか?
さらに、美しさは対 象を受動的に見たり聞いたりすることからはじまるのか?
あるいは対象を能動的かつ創造的にとらえる心のはたらきとかかわるのであろうか?
美しさを感じる心のはたらきが、さまざまな脳の領域の活動とかかわることが最近わかってきた。近年、社会脳の研究が広がりをみせるにつれて、従来の認知神経科学では取 り組むことが困難だった美しさや、それとかかわる共感や感動などを、哲学的ではなく生物学的な立場から探る研究がはじまったのである (Rentschler et al. 1988; 岩田 1997)。
美しさ(あるいは醜さ)をどうとらえるかは、観念論と経験論をそれぞれ源流とする哲学、とくに美学上のテーマであった。たとえば、古代ギリシアでは、美 を観念的なイデアとしてとらえたプラトンに対して、アリストテレスは経験を通して美を考え、経験論から実証主義の系譜につながる美へのアプローチの源流と なった。近世では、18世紀のドイツの哲学者A・バウムガルテンが理性による美的認識に対して、快や不快の経験を含んだ感性による認識を
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