新刊 岡 昌之・生田倫子・妙木浩之 『心理療法の交差点』
岡 昌之・生田倫子・妙木浩之 編
四六判上製320頁・定価3570円
発売日 13.9.1
ISBN 978-4-7885-1349-5
見本出来ました。8月27日配本です。
8月30日ごろ書店に並びます。
まえがき
私はかつて次のように書きました。「心理療法が多様なのは、人間の多様性、文化、社会、個人の人間的特質の多様性があるからである。一言で言えば、心理療法とは人間的コミュニケーションによる関係の微調整であり、クライエントがより良い生活、人間関係を生きられるようなキッカケを与える、知性的および感性的な一連の体験の構造化である。それは必然的に、人間の文化の微細な様相に関わり、それゆえに工学や医学の得意とする科学・技術的過程の単純明快さとは、異なる様相を表すことになる」―(『臨床心理学とは何だろうか』第8章 新曜社、二〇一一)
さらに私は次のように書きました。「そしてまた、これら多くの心理療法は、ばらばらに切り離されて存在しているのではなく、歴史的にも社会的にもつながっており、そのつながりの様子もまた複雑であり、多様なのである。そもそも、このような問いを発して答えを手探りするという心的作業の意味は、その試みを通して、心理療法という発想と技術の本質を考えるというところにあるのではないかと筆者は考えており、その線で以下の考察を進めていきたい。この章が心理療法に関心をもつ読者の『考えるヒント』になったら幸いである」(同右) そうしたことを常々考えていた私にとって出会いがありました。二〇一〇年の日本心理臨床学会の秋季大会で、東北大学の長谷川啓三先生の企画により「セラピーの交差点」という興味深いシンポジウムが開催され、私もコメンテーターとして参加しました。
このシンポジウムは、異なる立場で心理療法を実践される四人の先生方が、司会者の生田倫子先生から提供された事例の見立てと介入方針をそれぞれ解説し、お互いの異同を自由にディスカッションするというものでした。
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