書評 佐藤雅浩 著 『精神疾患言説の歴史社会学』 図書新聞 2013年8月10日号
佐藤雅浩 著
精神疾患言説の歴史社会学
A5判上製520頁・定価5460円
発売日 13.3.28
ISBN 978-4-7885-1334-1
の書評が、図書新聞2013年8月10日号に掲載されました。
評者は金川英雄氏。
「今は使われなくなったが、昭和の頃「プレコックスゲフュール」という言葉があった。日本語に訳すと「統合失調症らしさ」とでもいうのだろうか。面接した時の未治療、あるいは状態の悪い統合失調症患者特有の奇妙な印象をいう。こういう全体的な雰囲気でも病名を診断した時代があった。「薬のさじ加減」と同じく、長年の修練によるカンがものをいった。
『精神疾患言説の歴史社会学』は一次資料、新聞を調査分析した大変な労作である。分かりやすくいうなら、「明治、大正、昭和の一般の人が精神病をどう見ていたかを、新聞記事から調べた」ということになるのだろうか。著者の新聞をチェックする長い昼と夜の姿が、行間から垣間見える。
この本のもう一つの計り知れない価値は、精神科疾患に関する新聞記事の詳細な検索簿、いわば住所録だということだ。……」
うーむ、全文掲載したいくらいの書評でした。ぜひ機会がございましたら、全文をお読みください。
評者の先生、掲載紙ご担当者に心よりお礼申し上げます。ありがとうございました。
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