書評 村上宣寛『ハイキング・ハンドブック』@PEAKS 2013年8月号
村上宣寛 著
四六判並製320頁・定価2730円
発売日 13.6.4
ISBN 978-4-7885-1338-9
の書評が、「PEAKS」8月号/2013年に掲載されました。
待望の書評です。
評者はあの『ウルトラライトハイキングギア』の寺澤英明氏です。
……本書には海外で得た長距離ハイキングの豊富な経験、広範な山道具の調査研究結果と、ハイキングに関わる科学を多くの論文で裏付けるなど、お仕事柄の手法が応用されており、一種論文の体をなしている。とはいえ読みやすい。
膨大な学術論文データベースを漁って得られた成果をハイキングに投影して、背景にある物理学、生理学、栄養学など広範な因果関係をハイキングの科学として説明している。歩く人にとっては長年の疑問が腑に落ちる事柄も多いだろう。アメリカのハイキング文化に関する説明も面白い。数年のうちに大学教授の職を引退なさるお年頃とはいえ、日々の摂生とトレーニングによって、まだまだ若い。これからは時間の自由が加わり、世界を股にかけた野宿旅が展開されるだろう。背中を押されたというが、研究生活と野宿で培った素養を持つ、解き放たれた野宿無頼の文武二道は歩くごとに深まるようだ。
評者の先生、掲載紙ご担当者に心よりお礼申し上げます。ありがとうございました。
« 書評 佐藤雅浩 著 『精神疾患言説の歴史社会学』 週刊読書人 2013年7月12日号 | トップページ | 新刊 田中 敏・中野博幸『R&STAR データ分析入門』 »
「書評」カテゴリの記事
- 書評 ジョルジュ・ディディ=ユベルマン 著『「それ」のあったところ』@朝日新聞 2024年11月2日付(2024.11.05)
- 書評 三浦耕吉郎著『自然死(老衰)で逝くということ』@毎日新聞24年11月2日付(2024.11.02)
- 書評 好井裕明著『原爆映画の社会学』の書評@図書新聞2024年11月2日付(2024.10.25)
- 書評 好井裕明著『原爆映画の社会学』 「週刊読書人」2024年9月13日付に掲載(2024.09.13)
- 紹介 柳原敏夫・小川晃弘 編『わたしたちは見ている』@東京新聞2024年7月27日付(2024.07.29)
« 書評 佐藤雅浩 著 『精神疾患言説の歴史社会学』 週刊読書人 2013年7月12日号 | トップページ | 新刊 田中 敏・中野博幸『R&STAR データ分析入門』 »
コメント