書評 ヴァカン著 『ボディ&ソウル』
ロイック・ヴァカン 著
田中研之輔・倉島哲・石岡丈昇 訳
四六判上製416頁・定価4515円
発売日 13.2.1
ISBN 978-4-7885-1319-8
の書評が、5月8日付 北海道新聞書評欄に掲載されました。評者は藤島大氏。
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「お前の感情が酸素を燃やしちまうからな」
先輩ブッチは、気持ちのコントロールの大切さをそう言った。老トレーナーのディーディーは技術書の無用を簡潔に説く。
「本じゃ、全部止まっている」
身体でつかんだ実感を知識と照合する。当事者にして観察者ならではの往復する視点は、貧しい環境がボクサーを生む、といった安易な分析から逃れ、そこにあるジムそのものがボクサーをつくる、という事実にいたる。本書はスポーツを学問に当てはめるのではなく、スポーツの渦中より導かれた考察の一冊である。そこが気持ちよい
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評者の先生、掲載紙ご担当者に心よりお礼申し上げます。ありがとうございました。
藤島大さんといえば私にとっては東京新聞夕刊エッセイのイメージが強く、なかでもボクシングについてのエッセイを読むのをほんとうにたのしみにしております。国内の、タイトル戦ではないけど、いい試合を描くのが本当にうまく、観戦しなかったことが本当に悔しくなるような、そんなエッセイなんですよ、これが。氏にこの本の書評をしていただいたのはこれ以上ないよろこびです。
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