書評 J.テイラー著『われらはチンパンジーにあらず』
――ヒト遺伝子の探求
四六判上製450頁・定価4410円
発売日 13.2.20
978-4-7885-1326-6
の書評が信濃毎日新聞2013年4月28日付書評欄に掲載されました。
評者は岡ノ谷一夫氏
・・・・・・ここ数年でわかってきたことは、DNA配列の比較の上では省略されてきたさまざまな変異が、実は人間とチンパンジーの違いに大きく関わっているらしいのだ。これらの部位の多くは、特に脳の形成に影響する。だから1・6%というのは、差異を矮小化するし、単純化しすぎた数字である。DNA配列が似ているという前提は、遺伝的に似ているという飛躍につながり、さらには行動や認知の上でも似ているはず、というバイアスを生み出した。この反対に、系統発生的に離れた動物は、行動や認知の上でも似ていないはずだ、というバイアスも生じている。どちらもそれほど根拠はない・・・・・・
評者の先生、掲載紙ご担当者さまに心よりお礼申し上げます。ありがとうございました。
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