書評 相沢直樹 著 『甦る「ゴンドラの唄」』
相沢直樹 著
『甦る「ゴンドラの唄」』
四六判上製336頁・定価3360円
発売日 12.11.20
ISBN 978-4-7885-1311-2
の書評が、「山形新聞」2013年3月3日付に掲載されました。
評者は東北大学大学院教授・佐藤伸宏氏。
評者の先生、掲載誌ご担当者さまに、心よりのお礼を申し上げます。ありがとうございました。
・・・・・・例えば歌人吉井勇が作詞したこの歌の成立に関して森鴎外訳アンデルセン「即興詩人」との関連が従来も指摘されてきたが、著者はその問題を周到に掘り下げる。そしてベネチアの里謡をアンデルセンが自らの作品に取り入れ、そのドイツ語訳に基づく鴎外の翻訳に吉井が独自の改変を加えることによって「ゴンドラの唄」が成立するに至るという、受容の経路を鮮やかに跡づけている。加えて「即興詩人」とこの歌とを結ぶ関係の背景に、ヨーロッパの伝統的な主題「カルペ・ディエム(今を楽しめ)」が豊かに広がっているという指摘も興味が尽きない。・・・・・・
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