書評 相沢直樹 著 『甦る「ゴンドラの唄」』
相沢直樹 著
『甦る「ゴンドラの唄」』
四六判上製336頁・定価3360円
発売日 12.11.20
ISBN 978-4-7885-1311-2
の書評が、「週刊ポスト」2013年2月1日号に掲載されました。
評者は川本三郎氏。
評者の先生、掲載誌ご担当者さまに、心よりのお礼を申し上げます。ありがとうございました。
近代日本に登場したひとつの歌のことだけで一冊の本を書く。その着想、ひとつの歌を追い続けた熱意に感嘆する。
『ゴンドラの唄』。いのち短し、恋せよ、乙女・・・・・・は今も広く歌われている。いわば懐メロ。
・・・・・・
「恋せよ」とあるように恋愛賛歌。同時に、人間の命には限りがあるのだから生きているいまを大事にせよという生の讃歌にもなっている。この指摘が面白い。古くからヨーロッパ文化に流れる「カルペ・ディエム」(いまを楽しめ)の考え方と通い合うという。当初、この歌を中山晋平は失敗作と思っていたし、吉井勇もさほど思い入れを持っていなかったというのは意外。
ところが一本の映画のなかで印象的に歌われたために、二人とも自分たちの作った歌を改めて見直すことになった。
言うまでもなく黒澤明監督の『生きる』(52年)。・・・・・・
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