書評 杉本章吾著 『岡崎京子論』
「流行は20年でひと回りする」と言われている。行動や嗜好の個人化・細分化が進み、流行というもの自体のありかたが昔とは違うとはいえ、この20年周期説にはそれなりの説得力があるように思われる。若い世代が成長するにつれ、自分が生まれたころの文化を発見し、感応する。残された作品は時を経ることで新たな意味を獲得し、歴史が紡がれてゆくのだ。
さて、2012年現在から20年前を振り返ったとき、あのころの「時代の顔」としてまっさきに思い出されるのが、岡崎京子というマンガ家だ・・・・・・・
・・・・・・本書では、79年生まれの研究者が、マンガ作品の内側と外側、すなわち誌面に刻まれた絵と言葉と、当時の読者や時代状況との両方に目を配りながら、岡崎作品を論じている。また独自の立ち位置で仕事をしてきた岡崎を取りあげるにあたって、これまで少女マンガはいかに論じられてきたのかを整理し、さらに少女マンガとはなにか、何が少女マンガとされてきたのかが探られる・・・・・・
杉本章吾 著
岡崎京子論――少女マンガ・都市・メディア
の書評が12月2日/2012年 山梨日日新聞、秋田魁新聞、北日本新聞、高知新聞、下野新聞に掲載されました(共同通信配信)
評者は野中モモ氏。 評者の先生、掲載紙ご担当者さまに心よりお礼申し上げます。
ありがとうございました。
四六判上製384頁・定価3570円
発売日 12.10.24
978-4-7885-1306-8
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