新刊 苧阪直行『道徳の神経哲学』
苧阪直行 編
道徳の神経哲学
四六判上製226頁・定価2940円
発売日 12.11.20
ISBN 978-4-7885-1307-5
見本出来ました。11月19日配本です。11月22日ごろ書店に並びます。
『道徳の神経哲学』への序
社会脳シリーズの第1巻『社会脳科学の展望』では、多岐にわたる社会脳研究の現在を脳から社会を見るという視点で展望するという試みを行った。
第2巻からは、本シリーズの「刊行にあたって」に示した社会脳研究の諸分野のモデル図に即して、それぞれの領域における社会脳研究の最前線を見てゆく。
本巻(第2巻)では、ヒトが適応的な社会生活を営むにあたって、社会的存在としての心や、その行動規範を導く社会倫理や道徳を中心とした「社会脳」のは たらきをみてゆく。第1巻と同様に、最新の機能的磁気共鳴画像法(fMRI)やポジトロン断層法(PET)などの脳イメージングの方法と洗練された実験心 理学の手法を組み合わせて道徳とその関連領域のパズルを解いていきたい。神経哲学(Neurophilosophy:ニューロフィロソフィー)と神経倫理 学(Neuroethics:ニューロエシックス)が本巻の中心となる。社会脳研究がはらむ倫理的問題を哲学的論議をまじえて、近未来社会を射程にいれつ つ人文社会的な視座から取り上げている。従来、認知神経科学や社会脳ではあまり扱われることのなかった、道徳や公正などの社会規範、さらに規範からの逸脱 行為と社会脳のかかわりを、具体的な社会とのかかわりの中で考えてゆく。たとえばBMI(ブレインマシンインターフェース)はヒトと機械を結び、ヒトの心 や身体の能力をエンハンスする(高める)有用な技術であるが、この最新技術がその将来的発展の方向を誤らないように見守ってゆく必要がある。本巻では伝統 的な倫理では想定できない事態にも対応してゆける緊急を要する提案が、現状の紹介とともになされている。
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