新刊 浅野光紀 著 『非合理性の哲学』
浅野光紀 著
非合理性の哲学
――アクラシアと自己欺瞞
四六判上製402頁・定価3990円
発売日 12.07.06
ISBN 978-4-7885-1296-2
見本出来ました。7月3日配本です。7月6日ごろ書店に並びます
非合理な現象と聞いて、一般には何が連想されるだろうか。前近代的な風習や儀礼、非効率な企業慣行、戦争やファシズムに見られる集団的熱狂、あるいは狂 信や狂気のような個人の心の逸脱だろうか。
本書で扱われる非合理性は、これらの現象とも関連性はあるが、そのささやかな日常性を特徴としている。最善の判 断に背く愚かな行為、最良の証拠に逆らう都合のいい信念が本書のテーマである。合理的に思考し、信じ、行為できるはずの通常の主体が陥る非合理性こそ、哲 学的な問題としての普遍性を有するもの、耳目を惹きつける華やかさや際立つ異常性とは無縁の場面で、私たちの心の構造について重要な事実を告げている問題 群である。
常軌を逸する度合いと内容の多彩さにおいてさまざまな形態を示す非合理性の、健常者にも馴染み深い、核となる部分を抽出してみたい。アクラシア と自己欺瞞、本書の課題は、この二つの非合理性をめぐる、古来から議論されてきた哲学的なパラドクスを解決することである。また、この作業を通じて、行為 を導く心の構造に関して、現代の経験科学的知見とも整合する、新たな認識に到達することである。
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