書評 平石典子著 『煩悶青年と女学生の文学誌』
「当時の日本の思潮までがうかがえる優れた文化論」として
平石典子『煩悶青年と女学生の文学誌』
の書評が、「週刊読書人」2012年5月25日付に掲載されました。
評者は長谷川啓氏。
「煩悶青年と女学生」とは、日本近代の一時期を象徴する何と魅力的なタイトルであろう。本書のモチーフは、19世紀の進歩史観に基づいた近代文明へと一気に開花していった明治社会にあって、西洋の文学が若者たちにどのような影響を与え、日本文学における知識層の青年男女がどのように形成されたのか検証したかったことにあるという。
著者の専門分野である比較文学研究をフルに活用しながら、同時代の欧米文学との比較や西洋の圧倒的な影響関係を通して、確かに、明治時代の中期から後期にかけての文学にみる若者表象、煩悶青年や女学生の発生と変遷が炙り出され、当時の日本の思潮までがうかがえる優れた文化論となっている・・・・・・・
評者の先生、掲載紙ご担当者さまに心よりお礼申し上げます。ありがとうございました。
平石典子『煩悶青年と女学生の文学誌』
――「西洋」を読み替えて
12.02.15
978-4-7885-1273-3
A5判360頁・定価4410円
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