書評 平石典子 煩悶青年と女学生の文学誌
平石典子
煩悶青年と女学生の文学誌
――「西洋」を読み替えて
12.02.15
978-4-7885-1273-3
A5判360頁・定価4410円
の書評が2012年4月22日付讀賣新聞に掲載されました。評者は尾崎真理子氏。
・・・・・・源流をたどる博士論文だが、踏み込んだ新解釈は興味深い。とりわけイタリアの作家ダンヌンツィオの影響を挙げた〈第4章 「新しい男」の探究〉。東京帝大卒の森田草平が、令嬢・平塚明子(後のらいてう)と1908年に有名な心中未遂事件を起こしたのは、ダンヌンツィオにかぶれたから。その明子から草平の師・夏目漱石が発想したのが『三四郎』の気まぐれなヒロイン美禰子。が、その書き方に草平は不満で、自ら『煤煙』を新聞に連載した――
評者の先生、掲載紙ご担当者さまに心よりお礼申し上げます。ありがとうございました。
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