書評 フィリップ・ステッドマン 著 鈴木光太郎 訳『フェルメールのカメラ』
フィリップ・ステッドマン 著 鈴木光太郎 訳
『フェルメールのカメラ』 の書評が、2011年1月16日産経新聞に掲載されました。評者は大竹昭子氏。
・・・・・・ トレースの行為はフェルメールの価値を貶(おとし)めることにはならないと著者は考える。光は決して一定しない。つねに動きゆらめいている。手を使って投影像を描きとめた画家はその事実をしかと実感したにちがいなく、またレンズと人の眼(め)の差にも気づいたはずである。
だから彼は投影像をそのまま描くのではなく、必要と思えば修正を加えた。眼前の「現実」と、二次元に置き換えられた「現実」とを比較分析しながら人の無意識を揺さぶる表現を追い求めたのだ。・・・・・・
ご書評くださいました先生、掲載紙ご担当者の方に心よりお礼申し上げます。
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