書評 桂川 潤 著 『本は物である』
桂川 潤 著
本は物(モノ)である――装丁という仕事
が12月5日付河北新報に書評掲載されました。評者は臼田捷治氏。
「残す」へ気骨ある姿勢
・・・・・・
「本は物(モノ)である」という書名は本書の意図を見事に集約している。電子書籍化の大波に襲われ、自明の前提だった書物観がいま揺らいでいるからだ。しかし著者は安易な楽観論にも悲観論にもくみしない。「人間の目で、身体で確認でき、共有でき」る紙のかけがえのなさを踏まえ、「『物である本を残す』明確な意志」を掲げ続けようと、折に触れて説いているのだ。気骨ある姿勢が潔い。電子本との共存という新局面の装丁論、出版文化論として、確かな指標を示していて刺激的だ。
書評くださいました先生、掲載紙ご担当者の方に心よりお礼申し上げます。
« 書評 馬場公彦 著 『戦後日本人の中国像』 | トップページ | お知らせ 明治学院大学2010年度公開セミナー 小熊英二氏 × 高橋源一郎氏 »
「新刊」カテゴリの記事
- 書評 井上雅雄 著『戦後日本映画史』@図書新聞 2023年1月14日号 付(2023.01.11)
- 新刊 いのちに寄り添う自宅介護マニュアル(2021.06.21)
- 新刊 山 祐嗣 著 『「生きにくさ」はどこからくるのか』(2019.06.26)
- 新刊 中田基昭 編著 『保育のまなざし』(2019.06.13)
- 新刊 飯長喜一郎・園田雅代 編著『私とパーソンセンタード・アプローチ』(2019.06.11)
« 書評 馬場公彦 著 『戦後日本人の中国像』 | トップページ | お知らせ 明治学院大学2010年度公開セミナー 小熊英二氏 × 高橋源一郎氏 »
コメント