紹介 荒川 紘 著 『教師・啄木と賢治』
荒川 紘 著 『教師・啄木と賢治』が、サンデー毎日「本棚の整理術」 2010年9月5日号に掲載されました。評者は阿武秀子氏。
「・・・・・・教科書を離れた自由な発想で課外授業なども行い、生徒たちにあざやかな印象を残した石川啄木と宮沢賢治。文学者として名を残す前に卓越した教師であった二人を中心に据え、近代日本の教育史をまとめたのが荒川紘著『教師・啄木と賢治』。
十歳違いの啄木と賢治は、盛岡中学校(岩手県立盛岡第一高校の前身)に学んだ。啄木は母校渋民小学校の代用教員として1906年から一年余り、賢治は1921年から26年まで稗貫農学校(後の県立花巻農業高)で教えた。著者は「政治と戦争の歴史」から日本の近代教育史を切り離すことができないと考え、明治維新以降の学校の制度の変遷を迫っていく。啄木、賢治を生み出した東北の教育事情や教育者にも注目している。
科学思想史を専攻するものは、戦前や戦時中に「科学的精神」が体制側に都合のいいようにゆがめられていった過程を丹念にたどる。そして「冷静な目をもった批判者の存在を許さなかった国家主義教育が、教師と生徒が自ら考え、みずからの意見を表明することを否定した」と述べる・・・・・・」
評者の先生方、書評紙ご担当者の方に心よりお礼申し上げます。
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