書評 『家族を超える社会学』
図書新聞 2010年5月29日号にて
牟田和恵 編
『家族を超える社会学──新たな生の基盤を求めて』
の書評が掲載されました。評者は岩間暁子氏。
評者の先生、掲載誌ご担当者さまには深くお礼申し上げます。
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「家族のオルタナティブ」を論じるという「序」で提起された問いへの一つの答えが山田昌弘によるコラム「家族のオルタナティブは可能か?」に示されているうように思われる。山田は「家族のオルタナティブ」に関わり、ケアの提供といった機能的必要については家族以外の集団や制度が代替できるが、アイデンティティの保障を家族以外が担うことは難しいのではないか、と指摘する。これに対する筆者の見解も読者としては知りたいところである。この山田のコラムのほかに4つのコラム(「高齢者虐待」「出産と家族」「ひきこもりと家族」「シングルマザー」)と二つのトピックス(ウーマン・リブのコレクティブがめざしたもの」「コレクティブハウジングの理念と実践」)も収められている。また、各章の最後には3冊の関連文献がが紹介されており、読者の理解を助ける工夫が随所に凝らされている。
本書は「近代家族」論を踏まえつつ、「家族とは何か」という根源的な問いを現代社会の文脈のなかで論じている。社会学に限らず、家族に関心を持つ読者に一読をお勧めしたい。
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