内田伸子・見上まり子 著 『虐待をこえて、生きる』
内田伸子・見上まり子 著
『虐待をこえて、生きる』
の見本ができました。配本日は4月16日。
書店さん店頭へは来週19日の週でしょうか。
ISBN 978-4-7885-1198-9 46判260頁・定価 本体1900円+税
現代の子どもは、きわめてストレスの高い状況に置かれています。子どもの自立を阻む過保護の親、偏差値教育の歪みにも気づかずがんじがらめに絡めとられて、子どもを幼児初期から塾に入れたり通信教育を受けさせたりして、文字や数の訓練を開始する親がいます。あるいは、親自身が地域社会から孤立し、閉鎖的な環境の中で強度のストレスを感じていて、家族の中で一番弱い存在である乳幼児にそのはけ口を求め、虐待に走り、ついには子どもを死なせてしまう親がいます。一方は子どもを猫可愛がりにし、他方は子どもを憎んでいます。現象的には逆のようですが、実際は子どもの発達を阻み、子どもを支配するという点では、どちらの親も同じです。
しかしこのような歪んだ環境の中で心身ともに深く傷つきながらも、見事に立ち直り、発達を遂げていく子どもたちがいます。そうした子どもたちは、人間の発達がいかに可塑性に富んでいるかを、最も劇的に示してくれています。そうした子どもたちがなぜ見事に発達できたのかをつぶさに調べてみると、そこには、必ずと言っていいほど、彼らを支える人たちとの出会いがあります。こうした子どもたちは、人と出会い、心の絆を結ぶことを介して、いつでも発達のやり直しはできるということを私たちに知らせてくれるのです。
「第1章 負の連鎖増え続ける虐待、傷つく子どもたち」より
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コメント
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ムライさま、ご感想およせくださいましたこと心よりお礼申し上げます。ありがとうございました。
投稿: 新曜社 中山 | 2010年12月12日 (日) 08時19分
専門用語も含まれており、一般の人にはやや難解な表現もあるが、内田氏の冷静な研究姿勢の根底に、人間に対する暖かな想いを感じ取ることができる。また、見上氏の、幼い子を持った母親の葛藤が見事に描かれていて、子育てに悩みを少しでも感じたら必ず手に取りたい書。また、教育関係者にもお勧めの1冊。
投稿: ムライ | 2010年12月 5日 (日) 12時27分