新装・改題版 ノーマン著『インビジブルコンピュータ』
ノーマン著『インビジブルコンピュータ』の見本ができました。配本日は16日です。書店さん店頭には2,3日後に届くと思います。
本書は2000年7月に発行いたしました『パソコンを隠せ、アナログ発想でいこう』の改題・新装版です。内容は同じものです。
今回の新装版発売にあたりまして、訳者の先生より、ひとことお寄せいただきました。ご一読ください。
訳者から改題版『インビジブルコンピュータ』の読者へ
「ユビキタスコンピューティング」の考え方は、ゼロックスPARCにいたマーク・ワイザーが1990年頃に提唱し、1990年代末頃から急に広がりを見せた。しかし、このユビキタスコンピューティングは、マーク・ワイザーの思いとは裏腹に、単にコンピュータをいたるところに組み込んだり、センサーネットを張り巡らすだけ、というような理解も少なくなかった。
マーク・ワイザー自身は実は「カーム(穏やかな)コンピューティング」ということを言いたかったのだ。ドナルド・ノーマンはヒューマンインタフェースの立場から、このユビキタスコンピューティングを的確に捉え、自ら Invisible Computer と題する本を1998年に出版した。
これを受け我々は翻訳に取りかかり訳本を出したが、当初は『パソコンを隠せ、アナログ発想でいこう』という書名であった。しかしこれでは、物理的にパソコンを隠したり、あるいは、アナログを復活させようということだと誤解されかねない。正しくノーマンの考えを反映させるために、出版社に無理を言って、今回改めて『インビジブルコンピュータ』と改題し、刊行することになった次第である。
マーク・ワイザーのユビキタスコンピューティングの考えを人間中心の立場から理解する上でも、この本は非常に重要であり、しっかり読み直す機会となってくれればと願っている。
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