書評『違和感のイタリア』
八木宏美 著『違和感のイタリア』 の書評が相次いで掲載されました。「・・・・・・・昨今、イタリアを題材にした書物は多いが、本書には単なる体験談には期待できない、幅の広さや奥行きがある。たとwば、ごく最近までイタリアが戦争の後遺症を引きずっていたことが生々しく記されている。「明るく陽気なイタリア人」といったイメージを吹き飛ばすような悲惨さに大半の読者は驚くのではないか。
今、日本は未来の社会のあり方を模索しているところだ。アメリカ型の競争社会だけが唯一の選択肢ではあるまい。もっとよい可能性があるのではないか。そのためのヒントが詰まっている好著である」(2008年10月26日付・産経新聞、許光俊氏 評)
「・・・・・・また、イタリアの大学生は「要約」が苦手だというのも面白い。日本では、簡潔にまとめることがしばしば要求されるが、これが著者が言うように俳句の伝統をもつ日本人の美意識を反映しているかどうかは別として、効率重視の分析的態度につながっているという指摘は正しいと思う。だが、効率重視は、場合によっては、創造性の芽を摘んでしまいかねない。これも日本の教育者にはこたえる言葉である。・・・・・・
題名が気になって手に取った本書だが、読者はどこから読んでも自分の知らないイタリア事情の説明を発見し退屈することなく全体を読み通せるだろう、読書の秋の一冊として一読を勧めたい」(週刊朝日08年11月7日号掲載、根井雅弘氏 評)
書評くださいました先生方、掲載紙誌ご担当者の方々に深くお礼申し上げます。ありがとうございました。
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