書評『〈盗作〉の文学史』
「世に「盗作」と呼ばれる現象は尽きないが、その定義は曖昧である。しかも、著者が言う「ポストモダンな批評」の登場は、盗作概念をさらに曖昧化することになった(と思える)。引用や作品の歴史的重層を方法かする「間テクスト性」(クリステヴァ)等の概念がそれである。卑俗に解された場合、それらの概念は、文学作品の「オリジナリティー」を破壊する。
著者は、そうした概念を括弧に入れることで、現代にいたるまでの日本文学における盗作の詳細な歴史を書き得た。しかしそのことは逆に言えば、・・・・・・」
栗原裕一郎 著『〈盗作〉の文学史』 の書評が
8月10日付東京新聞にて掲載されました。評者はすが秀実氏。ご書評くださいました評者の先生、掲載紙ご担当者の方には、こころよりお礼申し上げます。ありがとうございました。
« 新刊『文化大革命の記憶と忘却』 | トップページ | お知らせ 『〈盗作〉の文学史』発売記念 »
「書評」カテゴリの記事
- 書評 渡辺祐介 著『若者と軍隊生活』、図書新聞2023年11月11日付(2023.11.09)
- 書評 大内雅登・山本登志哉・渡辺忠温 編著『自閉症を語りなおす』 「図書新聞」2023年10月21日付(2023.10.17)
- 新刊紹介 実重重実 著『細胞はどう身体をつくったか』@日刊「アグリ・リサーチ」 2023年6月27日付(2023.06.27)
- 書評 関西学院大学震災の記録プロジェクト 金菱 清(ゼミナール) 編 『災害の記憶を解きほぐす』 2023年6月10日付 神戸新聞(2023.06.15)
- 書評 石井 大智 編著 清 義明・安田峰俊・藤倉善郎 著『2ちゃん化する世界』@「世界」2023年6月号(2023.06.13)
コメント