書評 木村至聖・森久聡編『社会学で読み解く文化遺産:新しい研究の視点とフィールド』@学会誌書評

木村至聖・森久聡編
『社会学で読み解く文化遺産:新しい研究の視点とフィールド』
の書評が学術誌3誌に同時掲載されました。

「文化経済学」19巻1号、評者 澤村 明氏

「フォーラム現代社会学」21号(2022)、評者 須藤 廣氏 

「年報地域社会学」34集(2022)、評者 中筋直哉氏


 評者の先生方にこころよりお礼申しあげます。

 

9784788516878 社会学で読み解く文化遺産
 新しい研究の視点とフィールド
 木村至聖・森久 聡 編
 出版年月日 2020/11/20
 ISBN 9784788516878
 A5判・216頁
 定価3,080円(本体2,800円+税)
 在庫あり

◎新曜社<新刊の御案内>■メール版 第222号■

2022年6月20日発行
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◇トピックス
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●お知らせ

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〇書評
ご書評くださいました先生、掲載紙ご担当者様に心よりお礼申し上げます。
ありがとうございました。

清水 亮 著『「予科練」戦友会の社会学』 の書評が2022年6月4日付、
朝日新聞書評欄に掲載されました。評者は保阪正康氏。
https://shin-yo-sha.cocolog-nifty.com/blog/2022/06/post-2cc980.html

 

能智正博・大橋靖史 編『ソーシャル・コンストラクショニズムと対人支援の心理学』の書評が

「こころの科学」最新号(224号2022.7)に掲載されました。評者は安達映子先生。
https://shin-yo-sha.cocolog-nifty.com/blog/2022/06/post-f9a27a.html


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◇近刊情報
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6月下旬発売予定
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ヴィゴツキー小事典
――思想・理論・研究の構想
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佐藤公治 著
四六判並製304頁・本体2800円+税
ISBN 978-4-7885-1779-0 C1011
分野=現代思想・心理学・教育学

ヴィゴツキーは人間精神の発達、教育を考える上で欠かせないが、その著作は多岐にわたり、読みこなすのは容易ではない。

重要な著作をとりあげ、思想・理論だけでなく、その背景にある研究構想まで含めて踏みこみ、一冊で理解できるヴィゴツキー案内。

*一冊でわかるヴィゴツキー案内


著者
佐藤公治(北海道大学名誉教授)

 

 


6月下旬発売予定
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詩歌療法の理論
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小山田隆明 著
四六判並製224頁・本体2300円+税
ISBN 978-4-7885-1778-3  C1011
分野=カウンセリング・心理学・詩歌論

詩歌療法という言葉を知らずとも、古来人は、詩歌に心理的な効果のあることに気づいていた。

古今東西の詩(歌)集や詩について書かれた本に詩歌療法のルーツを辿りながら、

現代の詩歌療法の理論を構築するための方途を探る、前著『詩歌療法』の続編。

*詩歌を詠み、読むことのカタルシス

 

著者
小山田隆明(岐阜大学名誉教授)

 

弊社関連書
小山田隆明 著
『詩歌療法』
https://www.shin-yo-sha.co.jp/book/b455709.html

 

 

 


6月下旬発売予定
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旅と観光の人類学
――「歩くこと」をめぐって
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橋本和也 著
四六判並製304頁・本体2800円+税
ISBN 978-4-7885-1763-9 C1011
分野=社会学・観光

観光とは「地域を歩くこと」から始まる。歩くことは迷うことでもある。日本古来の「旅」、インゴルドの徒歩旅行論などに刺激され、

「観光まちづくり」や「地域芸術祭」を歩き回った著者自らの体験を振り返りながら、観光のあるべきかたちを模索する。


*観光人類学の先駆者が自らの「歩いた」軌跡をたどりつつ、「観光」とは何かを熱く語る、恰好の入門書。


著者
橋本和也(京都文教大学名誉教授)

 

 


7月中旬発売予定
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賢治童話の魔術的地図
――土俗と想像力
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私市保彦 著
四六判上製264頁・本体2900円+税
ISBN 978-4-7885-1762-2 C1036
分野=文芸評論

賢治の童話は、岩手の野山が古くから伝えている声にひたすら耳を澄ませ、

本好きの賢治が海外の文学から響く声との共鳴に心うごかされて生まれた。

民俗的なもの、科学的なもの、宗教的なものなどの混交する魔術的宇宙の謎に世界文学の視点から迫る。

*生成変化する賢治のお話群を丁寧に解きほぐし、比較文学の手法でその魅力を解き明かす。

著者
私市保彦(武蔵大学名誉教授)

 


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編集後記

井狩春男著『本は読むより書く方が10倍楽しい』(新風舎)、2002/10

いま自費出版の世界はどうなっているのだろうかという疑問から、本書を手にとった。

著者の井狩春男氏は当時、出版業界にいる者で知らない人はいないぐらいの有名人。

鈴木書店という取次店で仕入課長・部長として務め、「日刊まるすニュース」という新刊書籍のお知らせを毎日! 

全国の取引書店、関係者に配信していた。『返品のない月曜日』(ちくま文庫)といったエッセイでも名高い。

私としては弊社書籍がまるすニュースにはあまりとりあげられなかったことをいまでも根にもっている。


本書自体は20年以上前に書かれている。発行元の新風舎は協力出版という名の自費出版で急成長した出版社だった。

自費出版を主とする出版社から、「本は読むより書く方が楽しい」と、自費出版を勧める本が出版されたわけだ。

書店に並ぶ、置かれる。(万が一)売れた場合には印税も支払うということをうたい文句に「自費出版」をすすめて拡大した新風舎の

出版活動は、本書刊行の4年後の2006年、新風舎は自費出版系を含めた年間出版点数では2788点と日本最大の出版社となる。

これは単純計算すると1日100冊の新刊を毎日出していた勘定になる。

これは本を流通させるためのさまざまな手続き(書籍の登録、配送スケジュール、店頭展示など)をなす流通インフラの恩恵に預かりながら、
それを破壊する活動となったのだ。

 

そうした自費出版をめぐる回顧・反省はさておき、あらためて本書を読みなおすとじつにおもしろい。

またジャンル別の書籍の返品率、有名無名の著者の初版部数と返品率などの数字、

そして自費出版を主とする出版各社のモデルケースなどはほかでは得られない、著者だから知りえた数字だろう。

見積書の見方、本の売り方などは今なお実践的で有用なものだ。


井狩氏の消息はあまり聞くことはなく、ずいぶん長い時間が経った。twitterで検索すると、

「写真集に詳しい井狩春男氏」として出ていたことを知る。2年前の記事なので、いまもお元気でおられるといいな。 (中山


デイリー新潮「宮崎美子、40年ぶり写真集が大ヒット」
https://www.dailyshincho.jp/article/2020/10291100/?all=1&page=3

書評 能智正博・大橋靖史 編『ソーシャル・コンストラクショニズムと対人支援の心理学』@「こころの科学」最新号(224号2022.7)

『ソーシャル・コンストラクショニズムと対人支援の心理学』の書評が「こころの科学」最新号(224号2022.7)に掲載されました。
評者は安達映子先生。ご書評いただきましたこと、ありがとうございます。こころよりお礼申し上げます。


・・・・・・各章の随所で述べられているように、主流派心理学は人の内部に「こころ」を想定し、その本質や普遍性を探ることで科学を自認してきた。そうした「こころ」の実在や実証を根底から疑うソーシャル・コンストラクショニズムは、心理学そのものへの大きな挑戦を含んでいる。「社会」ないし社会的存在としての人間を扱う社会学や、問題を因果関係から解放すべく「関係性」に焦点を当てる家族療法とは異なり、内面への志向性を強く孕む心理学がソーシャル・コンストラクショニズムと組み合うには、一定の時間を要したのかもしれないと思う。
 機が熟すのを待った甲斐があり、理論・研究・実践のレベルにおいて、本書は読者の関心に応える内容となっている・・・・・・





978788517509 ソーシャル・コンストラクショニズムと対人支援の心理学
理論・研究・実践のために

能智正博・大橋靖史 編
2021/12/31
ISBN 9784788517509
A5判328頁・3960円









書評 清水 亮 著『「予科練」戦友会の社会学』 2022年6月4日付、朝日新聞

清水 亮 著『「予科練」戦友会の社会学』 の書評が2022年6月4日付、朝日新聞書評欄に掲載されました。評者は保阪正康氏。ご書評くださいました先生、また掲載紙ご担当者さまに、心よりお礼申し上げます。ありがとうございました。

本書は、二つの特徴を持つ。一つは予科練という組織の特質や位置付けを、資料と先行書を用いて整理したこと。二つに「予科練之碑」の人物の銅像を論じつつ、「鬼気せまる集団的想像力」という語を用いて戦友会の心理的研究の一端を提示していることだ。

>>>>>> 書評全文を読む 朝日新聞社「好書好日」サイトへ



97847885176151 97847885176152 清水 亮 著
『「予科練」戦友会の社会学  戦争の記憶のかたち』
2022/03/31
ISBN 9784788517615
A5判256頁・3520円

◎新曜社<新刊の御案内>■メール版 第221号■

2022年5月23日発行
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〇書評
ご書評くださいました先生、掲載紙ご担当者様に心よりお礼申し上げます。
ありがとうございました。

佐藤典司・八重樫文 監修・著 後藤 智・安藤拓生 著
『デザインマネジメント論のビジョン』 が、
讀賣新聞5月1日付書評欄にてご紹介いただきました。評者は西成活裕氏。
https://shin-yo-sha.cocolog-nifty.com/blog/2022/05/post-afa053.html


栗原 彬 著『〈やさしさ〉の闘い』が、
朝日新聞 折々のことば (鷲田清一氏)にとりあげられました。

その「余計な」行為は、何と人間の密度に充ちていることでしょう。
(栗原彬『〈やさしさ〉の闘い』から)2022/05/07 

間違っても、仲よしグループとか、ふれあい仲間とか、
あるいは情報網などということばは入れてほしくない。
(栗原彬『〈やさしさ〉の闘い』から)2022/05/08


西 成彦著『声の文学』の書評が「図書新聞」2022年5月28日付に掲載されました。

評者は内藤千珠子氏。
https://shin-yo-sha.cocolog-nifty.com/blog/2022/05/post-9f3b00.html



○新曜社ウェブマガジン「クラルス」
https://clarus.shin-yo-sha.co.jp/


赤地葉子さんの連載『赤地葉子のつれづれロック』最終回です。
ぜひお読みください。

第15回 鉄球と鎖(最終回)
https://clarus.shin-yo-sha.co.jp/posts/5711



◇近刊情報
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5月下旬発売予定
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アニメ的人間 叢書セミオトポス16
――インデックスからアニメーションへ
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日本記号学会 編
A5判並製164頁・本体2500円+税
ISBN 978-4-7885-1774-5 C1010
分野=現代思想・文化・風俗

アニメとは何か。人はなぜ動いているものに感動するのか。映画とどう違うのか。

イメージの運動に感動するのは近代以降の時間意識の変化によるというが、
その謎をめぐって、ジブリアニメなどを題材に、アニメ、アニマ、アニミズムなど縦横に論じる。

*最前線で活躍するアニメーターへのインタビューも収録。


編著
日本記号学会


「叢書セミオトポス」シリーズ
https://www.shin-yo-sha.co.jp/search/s13276.html



6月下旬発売予定
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森鴎外 「翻訳」という生き方
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長島要一 著
四六判上製290頁・本体2800円+税
ISBN 978-4-7885-1776-9  C1090
分野=文学批評・翻訳論

日本文学の近代化に奮闘した鴎外。『舞姫』などの創作、晩年の史伝で知られるが、翻訳をやめることはなかった。

彼にとって翻訳とは文化の翻訳であり、生きることそのものだった。

鴎外文学において「翻訳」の果たした役割を具体的・多面的にさぐる。

*鴎外没後百年に、単行本に未収録で入手困難なものを中心にまとめる。

*なかでも鴎外訳『即興詩人』の分析は、学会の権威をものともしない大迫力。


著者
長島要一(コペンハーゲン大学DNP特任名誉教授)




6月下旬発売予定
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保育実践へのナラティヴ・アプローチ
――保育者の専門性を見いだす4つの方法
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二宮祐子 著
A5判並製148頁予定・本体2300円+税
ISBN 978-4-7885-1775-2 C1011
分野=質的研究、保育、心理学

連絡帳、クラスだより、生活画、創作劇を対象に、それぞれのナラティヴ特性をいかした方法で分析し、

相互作用に埋め込まれた保育者の専門性の内実に迫る。

ナラティヴ・アプローチの基礎から実践的意義までを保育の実践からわかりやすく論じた一冊。


編者
二宮祐子(和洋女子大学家政学部准教授。教育学博士、保育士、社会福祉士。)






6月下旬発売予定
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越境と連帯
――社会運動史研究4
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大野光明・小杉亮子・松井隆志 著
A5判並製200頁・予価2000円+税
ISBN 978-4-7885-1777-6 C1036
分野=社会運動・戦後史

苛烈な戦争や弾圧に抗議の声をあげ、国家・民族・人種の壁を越えて支援に奔走した人びとがいた。

既成の組織によらない個人がつないだベトナム反戦・南ア反アパルトヘイト運動、

日韓アジアの人権・フェミニズム運動など、越境と連帯の系譜を描く特集。

*1970~80年代の脱植民地・反グローバリズム、抵抗と反戦に飛び込み、
力を尽くした人たちの軌跡を追う。


著者
大野光明(滋賀県立大学准教授)
小杉亮子(埼玉大学准教授)
松井隆志(武蔵大学准教授)




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編集後記


『シネシネナンデダ日記』高島利行著、第三書館

著者がこのコロナ禍にあって家族の統合失調症に向き合い、noteに書きはじめた記録を書籍化したのが本書である。

統合失調症は「ごくありふれた」病気です。
https://note.com/takashimt/n/n401993ad5943

なかなか紹介しにくい書名だが、ご家族の病気との格闘が「赤裸々に」書きとめられており、読んでいてじつにしんどい。

しかし読者のしんどさは読み終えれば終わるが、著者の闘いの生活はいまもずっと続いており、noteもずっと書き続けられている。

著者のすごいところは娘さんを病者と認めながらも、娘さんの理不尽さに真剣に腹をたてて反論し、愚痴をいったりするところ。

そこに闘いのすさまじさを読むキツさを和らげるユーモラスなものを感じさせるのだ。

実際はかなり神経を使うやりとりなのだろうけども。


本書途中、著者と奥さんとは離婚し、娘さんの介護は著者がひとりでやっていくことになる。

奥さんから渡された離婚に思いいたった手紙の内容はさすがに読者には明かされない。

ここまですべてをさらして書く著者が表にしない内容、読みたいような、読みたくないような。(N

書評 西 成彦著『声の文学』、「図書新聞」2022年5月28日付

西 成彦著『声の文学』の書評が「図書新聞」2022年5月28日付に掲載されました。評者は内藤千珠子氏。ご書評くださいました先生、書評紙ご担当者様に心よりお礼申し上げます。ありがとうございました。

 





文学の言葉が思い描く夢を、実現しようとする一冊だ。冒頭部には、目次の代わりに、さまざまな書物から引用された言葉がインデックスとして並べられている。引用した言葉に寄り添い、限りなく近づき、接触する。その言葉とともに思考し、批評する文学の言葉が、暴力に横領された世界のなかに、それとは異なりうる可能性を帯びた、別の世界の姿を膨らませていく。考察の対象として取り上げられるテクストは、小説を中心としながらも、ルポルタージュや学術的言語、映像テクストにまで広がっているので、本書を読む過程で、読者は自分が今存在している場所から離れたさまざまな場所に連れていかれ、過去や未来に関心を開きながら、複数の声が響く多彩なテクストを読むことの愉楽を経験することになるだろう

 

 

 

 

 

9784788517493声の文学
出来事から人間の言葉へ

西 成彦 著
2021/12/25
ISBN 9784788517493
4-6判272頁
定価2640円

書評 佐藤典司・八重樫文 監修・著 後藤 智・安藤拓生 著『デザインマネジメント論のビジョン』 、讀賣新聞5月1日付掲載


佐藤典司・八重樫文 監修・著
後藤 智・安藤拓生 著
デザインマネジメント論のビジョン』 が、
讀賣新聞5月1日付書評欄にてご紹介いただきました。評者は西成活裕氏。評者の先生、掲載紙ご担当者さまにこころよりお礼申し上げます。ありがとうございました。



著者らは誰でもデザイナーになれると説き、本書の実践を強く勧めている。読後は自分でも何か動いて見たくなる一冊である

全文を読む>>>>>>讀賣新聞サイト
9784788517660『デザインマネジメント論のビジョン』
佐藤典司、八重樫 文 監修・著
後藤 智、安藤拓生 著
2022/03/30
ISBN 9784788517660
4-6判・264ページ
定価 2,640円(本体2,400円+税)

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2022年4月20日発行
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〇フェアのお知らせ
「心理学書販売研究会 おすすめの心理学書フェア」
丸善丸の内本店3階心理学コーナーにて開催中です。
会員社12社の売行き良好書を展示中です。
2022年4月13日-
http://shinpanken.blogspot.com/


〇書評
ご書評くださいました先生、掲載紙ご担当者様に心よりお礼申し上げます。
ありがとうございました。


ウィリアム・J・シャル 著 利島 保 訳『廃墟からの歌声』
中国新聞 2022年2月21日付にて紹介されました。評者は桑島美帆氏。
https://shin-yo-sha.cocolog-nifty.com/blog/2022/03/post-ca8066.html


BOOK交差点 山梨日日新聞 2022年3月6日付(共同通信配信)にて
『JJとその時代』鈴木涼美著(光文社新書・1232円)の紹介記事中、
『暴走族のエスノグラフィー』佐藤郁哉著が言及されていました。
評者は川村敦記者。
https://shin-yo-sha.cocolog-nifty.com/blog/2022/03/post-3d68f2.html


元村有希子氏「窓をあけて」2022年3月13日付にて新刊『逢える日まで』
著者・金菱清先生のこれまでの仕事(金菱清ゼミ・東北学院大学震災の記録プロジェクト)について紹介されています。
https://shin-yo-sha.cocolog-nifty.com/blog/2022/03/post-8d5a65.html


ウィリアム・J・シャル 著 利島 保 訳『廃墟からの歌声』
朝日新聞 2022年3月19日付にて紹介されました。評者は保阪正康氏。
https://shin-yo-sha.cocolog-nifty.com/blog/2022/03/post-daa212.html


山 愛美著『村上春樹、方法としての小説』の書評が
「臨床心理身体運動学研究」vol24 no.1 2022に掲載されました。
評者は廣瀬幸市氏(鹿児島大学大学院)。
https://shin-yo-sha.cocolog-nifty.com/blog/2022/04/post-8669f2.html


山口誠・須永和博・鈴木涼太郎著『観光のレッスン ツーリズム・リテラシー入門』書評が

『観光ホスピタリティ教育』第15号(日本観光ホスピタリティ教育学会、2022年1月発行)に掲載されました。
評者は鮫島卓氏(駒沢女子大学准教授)です。
https://shin-yo-sha.cocolog-nifty.com/blog/2022/04/post-930f9d.html

 

○新曜社ウェブマガジン「クラルス」
https://clarus.shin-yo-sha.co.jp/

 

 

◇近刊情報
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5月上旬発売予定
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価値を生む心理学
──人と製品・サービスを結ぶ科学
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小俣貴宣 編著/原田悦子 編集協力
四六判並製240頁・本体2400円+税
ISBN 978-4-7885-1772-1 C1011
分野=心理学/キャリア形成

グローバル化、多様化する時代、モノづくりとサービスに心理学は欠かせない方法論とスキルを提供する。

しかしそのことは、企業・大学・学生に十分認識されていない。                                             

心理学を活用した実践事例を紹介しつつ、心理学人材を活かすための具体的方策を提言。

*心理学は役に立たない? いや、役に立てられていないのだ!


編著
小俣貴宣(ソニーグループ株式会社シニアコグニティブサイエンティスト)

編集協力
原田悦子(筑波大学教授)

 

5月上旬発売予定
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集団浅慮
──政策決定と大失敗の心理学的研究
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アーヴィング・L・ジャニス 著/細江達郎 訳
四六判上製600頁・本体4300円+税
ISBN 978-4-7885-1770-7  C1011
分野=社会心理学

なぜ、聡明な人々が議論を重ねたのに重大な失敗となってしまったのか。

歴史的に重要なアメリカの政策決定の事例を取り上げて、集団にはたらく心理学的過程を明らかにし、

どうしたら避けることができるかに答えた、社会心理学の重要文献の待望の完訳。

*組織のリーダーが学ぶべき、大失敗を避けるための条件とは


著者
アーヴィング・L・ジャニス(カリフォルニア大学名誉教授、1990年没)

訳者
細江達郎(岩手大学名誉教授)

 

5月上旬発売予定
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ジェンダーの発達科学
──発達科学ハンドブック11巻
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日本発達心理学会 編/高橋惠子・大野祥子・渡邊寛 責任編集
A5判上製316頁・本体3700円+税
ISBN 978-4-7885-1773-8 C1011
分野=発達心理学・ジェンダー・フェミニズム

人は生物学的に男女に二分できないことが科学的に明らかになってきている。

性別とは何か。なぜ性別で差別や不利益が生じるのか。解決のための理論・方法とは。

生涯にわたる発達を解明する「発達科学」の視点からジェンダーをめぐる多様な課題に迫る。

 

*心理学から教育学、社会学、経済学、政治学まで、第一線の研究者が学際的・分野融合的にアプローチ。           
*ジェンダー研究、教育実践、心理的支援、社会政策に携わる人に。


編者
高橋惠子(聖心女子大学名誉教授) 
大野祥子(白百合女子大学等非常勤講師) 
渡邊寛(昭和女子大学助教)


「発達科学ハンドブック」シリーズ
https://www.shin-yo-sha.co.jp/search/s13264.html

 

5月下旬発売予定
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マスキュリニティーズ
──男性性の社会科学
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レイウィン・コンネル 著/伊藤公雄 訳
A5判上製460頁・本体7800円+税
ISBN 978-4-7885-1771-4 C3030
分野=社会学・ジェンダー

男性性は、時代や文化によって多様なだけでなく、ひとりの人間の内ですら矛盾した様相を見せる複雑な概念である。           

男らしさの複数性や相互の権力関係、男性性と社会構造との密接な関連性など、男性学の基本的視座を確立した古典的文献、待望の完訳。

*男性学の大家、レイウィン・コンネルの代表作。
*男性性を理論的・実証的に分析し、それが変容可能な概念であることを示す。
男性性とジェンダー関係、さらにはそれが埋め込まれている社会構造の変革可能性を、私たちに気づかせてくれる一冊。


著者
レイウィン・コンネル(オーストラリアの社会学者、シドニー大学名誉教授)

訳者
伊藤公雄(京都産業大学現代社会学研究科教授、ダイバーシティ推進室長)

 


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編集後記

近くの調布市立図書館には地元のスーパースター、水木しげる先生の著作を展示しているスペースがある。

ぬりかべが案内板になっているこの場所がけっこう好きなのだが、先日、設置されている展示ケースのなかに、              

つげ義春氏の雑誌記事と芸術院会員選出の新聞記事、そして有名なメメクラゲ(××クラゲ)の原稿コピーが置かれていた。

 

「つげは怠け者ですよ。いっこうに仕事をしない。それなのに、同じ作品が何度も何度も使われてお金が入ってくる。

自分は、あくせく新しい作品を描かなければやっていけないのに。けしからんですよ」(1)と言っていた水木さんが、

またけしからんと出てきそうな展示だ。

「望星」2022年3月号は旅特集だった。所収の川本三郎さんのエッセイ「つげ義春の秘湯、湯治場、隠里」は、

短いながらつげ義春にある「奥の思想」、放浪、世捨人願望を語るすぐれたつげ義春論だ。                       

温泉はひとときの世捨て人になるための儀式。現実には世を捨てたり、放浪の身になることは難しい。                  

そこで温泉であり、秘湯めぐりなのである。

 

つげ義春では「山井も井月を馬鹿者だ」とする『無能の人・日の戯れ』が好きで、水木さんのは『昭和史』がいちばん好きな作品だ。    

つげ義春はどこまでも現実のなかにユートピアをもとめて、水木先生は妖怪を描きながらどこまでも現実を描いた。

つげ作品の展示場所が図書館にできる日が来て、いつでも二人の作品が手にとれる場所となるのを心待ちにしている。            

さすがにつげさんは「名誉市民」は断ると思うけれど。  (N)

書評 山口誠・須永和博・鈴木涼太郎著『観光のレッスン——ツーリズム・リテラシー入門』@『観光ホスピタリティ教育』第15号

山口誠・須永和博・鈴木涼太郎著『観光のレッスン——ツーリズム・リテラシー入門』書評が『観光ホスピタリティ教育』第15号(日本観光ホスピタリティ教育学会、2022年1月発行)に掲載されました。
評者は鮫島卓氏(駒沢女子大学准教授)です。 ご書評くださいました先生に、心よりお礼申し上げます。ありがとうございました。



なぜ観光を学ぶのか、観光教育は誰のためにあるのか。コロナ禍でこの問いを自問する学会会員も多いのではないだろうか。コロナで不要不急の対象となった観光は、産業界のみならず観光学部・学科を擁する大学にも打撃を与えた。観光産業の業績不振は採用活動にも影響し、観光産業の人材育成機関として大学の観光教育は、出口を塞がれ、一時的にせよ機能不全に陥ったと言えるだろう。

コロナ前に観光を流行のひとつとして利用した人は一目散に観光の痕跡を消したかもしれないが、長年、実務経験や研究を続けて、観光の世界に身を置いてきた評者はそんなことはできない。コロナ禍で多くの観光産業従事者が自社の存在意義を問うたように、観光教育の現場でもその目的や意義を再考した人は少なくないだろう。そうした暗中模索の中で、本書は一筋の光を見出すものである......

 本書の特徴は、ツーリズム・リテラシーという概念を用いてリベラル・アーツとしての観光学を提起し、職業教育に偏る観光教育に一石を投じたことである。ツーリズム・リテラシーとは、多くの人びとが当たり前に経験し、透明化した観光の技能を体系化する方法のひとつとして本書では示されている。

・・・・・・
・・・・・・
最後に、実務家向けの観光教育を語る上でも本書は原石であることを指摘しておきたい。著者はよりよいオーディエンスの育成が結果として観光文化の醸成と観光産業にとっても恩恵をもたらすと述べているが、その逆もある。つまり観光を提供する人がツーリスト・リテラシーの技能を高めることは、よりよいメディエーター(観光業)のリテラシーを高めることにもなるということである。それはコミュニティ(観光地)のリテラシーとの関係においても同様であろう。・・・・・・

ツーリズム・リテラシーを実践知として体系化することは、実学を伴う観光学にとって大きな一歩である。一方で、観光産業従事者で観光学を学んだという人は極めて少ないのが実情である。その意味で、本書は観光を提供する人のための「観光学的ガイドブック」としても良書ともいえるかもしれない。

 


9784788517066 観光のレッスン
ツーリズム・リテラシー入門

著者 山口 誠 著
須永 和博 著
鈴木 涼太郎 著

出版年月日 2021/02/18
ISBN 9784788517066
4-6判・194ページ
定価 1,540円






書評 山 愛美著『村上春樹、方法としての小説――記憶の古層へ』@「臨床心理身体運動学研究」vol24 no.1 2022

書評 山 愛美著村上春樹、方法としての小説 の書評が「臨床心理身体運動学研究」vol24 no.1 2022に掲載されました。評者は廣瀬幸市氏(鹿児島大学大学院)。ご書評くださいました先生、掲載雑誌ご担当者様に心よりお礼申し上げます。ありがとうございました。

 

・・・・・・
評者からみた本書は、「村上春樹の小説の創作過程を共に体験するような読み方を提示しながら、心理療法家が“深い井戸”の中でクライエントと出会う心理療法を進んで行く心構えを指南したものである」ということになる。勿論、心理療法家であっても村上春樹ファンならば、純粋に「なぜ村上の作品が多くの人を力づけ、惹きつけ続けているのか」の謎解きを楽しんでもらって構わないと思う。しかしながら、本稿に目を通す読者は必ずしも村上春樹ファンばかりではないと思われ、仮にそうであっても、ただ今セラピストを目指している方は言うに及ばず、既に目指して精進している方にも、心理療法家になっていくプロセスで身につけていかねばならない態度あるいは在り様を、我が学会員でもあるベテラン先輩が伝えてくれているのだということを、出だし早々にも紹介しておきたいのである。
・・・・・・
 読者を頂上の方へご案内すべく、本書を紹介する話題の切り口は幾つもあるが、本稿では「身体性」「異界」「日本/西洋」から照射を当てていく。

・・・・・・

 記憶、イメージ、在/不在、開け、触れる、表現、言葉など、評者が設定した三点測量(トライアンギュレーション)では上手く“頂上”を浮かび上がらせ切れなかったテーマがまだまだある。たとえ村上春樹ファンでなくとも、これらのテーマが琴線に触れるようなら、是非ともご自身の読みでご自分の体験と照らし合わせながら本書を読み通して欲しい、と思う。ノウハウばかりを売りにしている昨今の臨床心理学専門書とは一味も二味も違う、きっと得難い時間体験を与えてくれるだろう、と請け合える。

・・・・・・
評者は幸運にも、本書にまとめ上げられる以前のレクチャーやワークショップを山先生から直接対面で受ける機会に恵まれ、個人的な会話を通しても心理療法に止まらず多くのことを学ばせていただいた。学会大会ですら対面する機会が得難い現状にあっては、本誌掲載の『君の名は。』を巡る考察〔山、2021〕に魅了された読者は言うに及ばず、村上春樹作品をあまり知らない読者の方であっても、本書を通して気後れせず直に著者に“対面して”いただくことをお勧めして、本書の書評に代えたい。

 

 

9784788516571  村上春樹、方法としての小説
 記憶の古層へ
 山 愛美 著
 2019/12/24
 ISBN 9784788516571
 4-6判・244ページ
 定価 本体2,600円+税

 

 

ウィリアム・J・シャル 著 利島 保 訳『廃墟からの歌声』@朝日新聞 2022年3月19日付

 




ウィリアム・J・シャル 著 利島 保 訳

『廃墟からの歌声』
  が朝日新聞 2022年3月19日付にて紹介されました。評者は保阪正康氏。ご書評くださいました先生、掲載紙ご担当者様、ありがとうございます。こころよりお礼申し上げます。


残酷さから人情まで日本を理解

著者は広島、長崎の被爆者の健康調査、遺伝調査に尽力した研究者。その回想録だが、研究成果のみにふれた書ではない。日本を理解する「心理的移行過程」を克明に著しており、稀有な日本人論でもある。

・・・・・・日本人の文化、伝統への理解を深めたとき、著者は、あの戦争の内実にますます不思議な感がしたであろう。そのような呟きが行間から聞こえてくる。


>>>>>全文 @朝日新聞「好書好日」サイトへ

 

 

9784788517516 廃墟からの歌声
 原爆投下後の傷害調査にたずさわった遺伝学者の回想


 ウィリアム・J・シャル 著 利島 保 訳
 2022/01/15
 ISBN 9784788517516
 4-6判・432ページ
 定価 4,730円(本体4,300円+税)

紹介 『廃墟からの歌声』@中国新聞 2022年2月21日付

ウィリアム・J・シャル 著 利島 保 訳
『廃墟からの歌声』  が中国新聞 2022年2月21日付にて紹介されました。評者は桑島美帆氏。ご掲載、ありがとうございました。

 

原爆調査の回想録 翻訳出版

・・・・・・特に、7万人以上を対象にした新生児調査の描写は生々しい。自治体から出生情報を漏れなく入手し、生後6,7日までに地元採用の医師や保健師を伴って各家庭で検診した様子や、帰り際にせっけんを贈ると喜ばれたことなどを記述。原爆投下国による被害調査の徹底ぶりが伝わってくる。

一方、日本側の行政担当者との会議の「しきたり」や、沿道で無邪気に泥水で遊ぶ子どもたちの姿など、異国で見聞きした驚きをユーモアを交えて描写する。原爆被害の調査機関に勤務する日本人職員の複雑な心情も推し量る。利島さんは「遺伝学者としての任務とは別に、文化人類学的な鋭い視点で広島を観察していた」とみる。・・・・・・

 

 

9784788517516 廃墟からの歌声
 原爆投下後の傷害調査にたずさわった遺伝学者の回想


 ウィリアム・J・シャル 著 利島 保 訳
 2022/01/15
 ISBN 9784788517516
 4-6判・432ページ
 定価 4,730円(本体4,300円+税)

◎新曜社<新刊の御案内>■メール版 第219号■

2022年3月14日発行
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◎新曜社<新刊の御案内>■メール版 第219号■

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◇トピックス
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〇フェア

「心理学書販売研究会フェア」
有隣堂書店横浜西口店さま(エキニア地下一階)、文庫・新書棚近くのフェア棚にて開催中です。
同フェア棚では専門書を多くの方々に紹介するフェアを展開中です。
心販研フェアは3月末まで。この機会にどうぞお立ち寄りください。

 

〇書評
ご書評くださいました先生、掲載紙ご担当者様に心よりお礼申し上げます。
ありがとうございました。


河北新報社編集局・金菱 清 著『逢える日まで』の書評が、河北新報2022年
02月27日付に掲載されました。評者は土方正志氏。
https://shin-yo-sha.cocolog-nifty.com/blog/2022/02/post-3f8f23.html

→同記事が神戸新聞2022年03月05日付に掲載されました。


ジョルダン・サンド著『東京ヴァナキュラー』(池田真歩訳)の書評が、
「図書新聞」2022年2月19日号に掲載されました。
評者は鈴木智之氏。
https://shin-yo-sha.cocolog-nifty.com/blog/2022/02/post-81a6cb.html


○新曜社ウェブマガジン「クラルス」
https://clarus.shin-yo-sha.co.jp/


赤地葉子さんの連載『赤地葉子のつれづれロック』更新です。
ぜひお読みください。


第10回 流れ星と人工衛星
https://clarus.shin-yo-sha.co.jp/posts/5495


第11回 性暴力被害に声を上げる女性たち
https://clarus.shin-yo-sha.co.jp/posts/5496


第12回 今夜を救え 夜明けに抗え
https://clarus.shin-yo-sha.co.jp/posts/5497


◇近刊情報
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3月下旬発売予定
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質的心理学研究 第21号 2022/No.21
――特集 質的研究法の拡張――機械,AI,インターネット
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日本質的心理学会『質的心理学研究』編集委員会 編
B5判並製192頁・本体2600円+税
ISBN 978-4-7885-1768-4 C1011
分野=質的研究・心理学

技術の進展は人びとの生活やリアリティを変え,研究においても新たな問いや
アプローチを生むことにつながる。特集では機械,AI(ロボット),インター
ネットなどをツールとした4本の論考により,拡張する質的研究法を提示する。
一般論文は5本掲載。

「質的心理学研究」シリーズ
https://www.shin-yo-sha.co.jp/search/s13251.html

 

4月下旬発売予定
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質的研究をはじめるための30の基礎スキル
――おさえておきたい実践の手引き
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ジョン・W・クレスウェル・ジョアンナ・クレスウェル・バイアス 著
廣瀬眞理子 訳
A5判並製430頁・本体4600円+税
ISBN 978-4-7885-1769-1 C1030
分野=心理学・研究法

質的研究者のように考えることから、研究に際しての感情的側面、リサーチク
エスチョンの設定、インタビューやデータ分析のノウハウ、論文を書くプロセ
スまで、実践に役立つ30の基礎スキルを豊富な具体例とともに学ぶハンドブッ
ク。

*混合研究法の第一人者である著者が実践し、教え、執筆してきたなかで得た
ノウハウを惜しみなく伝授。


著者
ジョン・W・クレスウェル(ミシガン大学教授)
ジョアンナ・クレスウェル・バイアス
(コロラド大学コロラドスプリング校助教)

訳者
廣瀬眞理子(関西学院大学非常勤講師)

 

 

 

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編集後記

スマホのアプリでマンガをよく読むようになった。

おすすめのアプリは「マンガBANG!」で一話タダで読めるコインを1日2回4つずつもらえる。

また広告を一回見るとコインを一枚もらえる仕組みになっており、この広告も一日最大5回利用できる。

最近読んだもののおすすめは「新宿スワン」という歌舞伎町のスカウトが主役のアウトローを描いたマンガ。

紙のマンガではまず出会わないと思うし、長編で続きを読みたくなるようなアイテムが選書されているのだろう。

アプリ内広告については、おそらく私の属性に応じてターゲッティングされているのだろうが、

電子タバコ、ゲームや借金減額アプリの紹介などが多い。

次から次へと読んでいくマンガと、常習性のあるタバコ、ゲームなどは親和性が高いのかもしれない。

続きが読みたくなるとコインを購入=課金してでも読みたくなるマンガ、「借金」までは地続きのようにみえる。

 

小島庸平著『サラ金の歴史』(中公新書)

昨年の新書大賞1位、そしてサントリー学芸賞社会風俗部門を受賞した話題書。評判通りの面白い書籍だ。

戦前からの高度成長期のサラ金史、そしてサラ金の与信と回収ノウハウを大銀行・大企業が吸収していく上質の研究は極上の物語だ。

家計の内部における夫と妻のせめぎ合いと消費者金融(の盛衰)との関係をみるという

「家計・ジェンダーアプローチ」という視点はじつに実際的だ。

サラ金問題研究会の弁護士たちが被害者の会結成にむけて協力者を探すが、当の被害者本人たちに「被害者」の意識がほとんどない。

そこで弁護士が厳しい取り立ての現状を自己紹介をかねて一人ひとり話してもらうように促したところ、

警戒心が一気に薄れ、仲間意識が芽生えはじめたという。

そこから誰にも相談できず、一人で孤独と不安のなか耐えていた被害者が仲間としてひとつに結束していく。

のちの貸金業規制法の制定につながっていく、「サラ金被害者の会」結成のさいのこのエピソードは印象的だ。

まず自分の窮状の理解と相談が重要。身内に相談できない借金はさらに状況を悪化させていく。

私は本書を片手に、借金の前にまずはこづかいの値上げ交渉からはじめよう。

これこそ本書のアプローチを実際的と評した理由なのだ。(N

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『暴走族のエスノグラフィー』佐藤郁哉著 @山梨日日新聞 BOOK交差点 2022年3月6日付(共同通信配信)

BOOK交差点 山梨日日新聞 2022年3月6日付(共同通信配信)にて
『JJとその時代』鈴木涼美著(光文社新書・1232円)の紹介記事中、『暴走族のエスノグラフィー』佐藤郁哉著が言及されていました。
評者は川村敦記者。

 

「......鈴木は2000年前後の、極端に日焼けした「ガングロ・ゴングロギャル」にも言及した。個性的であろうとすればするほど、その集団内では没個性的になっていくさまは、佐藤郁哉の名著『暴走族のエスノグラフィー』(新曜社・2640円)の暴走族のメンバーを想起させる。暴走族が青少年の一時的な「仮面」にすぎず、あっさり脱ぎ去られるさまも、ガングロギャル同様であった。

 

 

478850197x 暴走族のエスノグラフィー

モードの叛乱と文化の呪縛

著者 佐藤 郁哉 著
出版年月日 1984/10/15
ISBN 9784788501973
4-6判330頁
2,640円(本体2,400円+税)
在庫あり

 

語り継ぐべきこと @毎日新聞「窓をあけて」 2022年3月12日付

語り継ぐべきこと

元村有希子氏「窓をあけて」2022年3月13日付にて新刊『逢える日まで』の著者・金菱清先生のこれまでの仕事(金菱清ゼミ・東北学院大学震災の記録プロジェクト)について紹介されています。



「東日本大震災の発生から11年がたった。「復興」がここまで進んだという報道の一方、記憶を継承する難しさも聞こえてくる。それだけの歳月が流れた。

けれど、前へ前へと急ぐ空気の中、大切な人を理不尽な形で奪われた人たちは、「あの日」に立ちすくんでいる。

遺族・行方不明者家族には「大震災から11年」という表現にも反発を感じる人が少なくない。災害社会学者の金菱清さんに教えられた。震災が「終わった出来事」として扱われているように聞こえるからだという。

金菱さんは2度の震災を経験している。1度目は大学受験を控えた1995年。大阪の実家で阪神・淡路大震災に遭った。地元の大学でも、社会心理学の講義では数十年前の地震が事例として教えられていた。「あの時のもどかしい思いが、今の仕事につながっている」と振り返る......

>>>>>>毎日新聞有料記事へ

 

 

 

 

9784788517523_20220314102201逢える日まで

3. 11遺族・行方不明者家族 10年の思い
著者
河北新報社編集局 著
金菱 清 著
出版年月日 2022/02/05
ISBN 9784788517523
4-6判200ページ
定価 1980円
在庫 在庫あり

◎新曜社<新刊の御案内>■メール版 第218号■

2022年2月14日発行
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◎新曜社<新刊の御案内>■メール版 第218号■

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◇トピックス
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〇書評
ご書評くださいました先生、掲載紙ご担当者様に心よりお礼申し上げます。
ありがとうございました。

東京大学文化資源学研究室編『文化資源学』の書評が2022年1月28日付
「週刊読書人」に掲載されました。評者は宮崎刀史紀氏。
https://shin-yo-sha.cocolog-nifty.com/blog/2022/01/post-2ce786.html


中山 元 著『わたしたちはなぜ笑うのか』の書評が2022年2月5日付
「図書新聞」に掲載されました。評者は木村覚氏。
https://shin-yo-sha.cocolog-nifty.com/blog/2022/01/post-df96a7.html



○新曜社ウェブマガジン「クラルス」
https://clarus.shin-yo-sha.co.jp/


赤地葉子さんの連載『赤地葉子のつれづれロック』更新です。
ぜひお読みください。

第7回 弾圧に刃向かう
https://clarus.shin-yo-sha.co.jp/posts/5492

第8回 アンチ・フェミニストとその他一般人
https://clarus.shin-yo-sha.co.jp/posts/5493

第9回 男子の涙とホットピンク
https://clarus.shin-yo-sha.co.jp/posts/5494



◇近刊情報
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3月上旬発売予定
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社会の解読力〈歴史編〉(仮)
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赤川学・祐成保志 編
A5判並製248頁・本体3200円+税
ISBN 978-4-7885-1757-8 C3036
分野=社会学

今ここに存在しない「歴史」を現前にたぐり寄せ、その多面性を描き出す想像力こそが、実証と向かいあう歴史社会学を前にすすめる動力である──この方法論を共有する著者たちが多様な歴史テーマに挑んだ、オリジナルな研究のフォーラム。

*過去の史資料を集めるだけでは、歴史の社会学として許されない。それらをもとに、「歴史」をひとつの物語として立ち上がらせることが、社会学として意識されねばならない。


編者
赤川学(東京大学大学院人文社会系研究科教授)
祐成保志(東京大学大学院人文社会系研究科准教授)



3月上旬発売予定
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社会の解読力〈文化編〉(仮)
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出口剛司・武田俊輔 編
A5判並製256頁・本体3200円+税
ISBN 978-4-7885-1758-5 C3036
分野=社会学

文化的事象を細部にわたり分析しながら、それがいかなる社会的背景・文脈のもとにどのような実践として生成しているのかを

描き出す文化社会学。そのコンセプトのもと、多様なテーマに取り組んだ著者たちの成果を一冊に凝縮。

*狭義の文化に限らず、身体技法や学問分野にいたるまで、広義の「文化」を通して、その当時の社会的文脈を逆照射する。


編者
出口剛司(東京大学大学院人文社会系研究科教授)
武田俊輔(法政大学社会学部教授)




3月下旬発売予定
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「予科練」戦友会の社会学
──戦争の記憶のかたち
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清水亮 著
A5判上製256頁・本体3200円+税
ISBN 978-4-7885-1761-5 C1030
分野=社会学

特攻など悲壮なイメージただよう少年航空兵「予科練」。戦後、学歴やレッテルに悩みつつ中年となった彼らは、ユニークな慰霊碑・記念館をつくりだす。その陰には、孤立していたはずの戦友会をとりまく婦人会・政財界・自衛隊のネットワークがあった。

*戦争体験者集団を、エリート、メディア、地域、集合的記憶、アソシエーションの切り口から捉え直す戦争社会学のチャレンジ。



著者
清水亮(日本学術振興会特別研究員)



3月下旬発売予定
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「名誉白人」の百年
──
南アフリカのアジア系住民をめぐるエスノ-人種ポリティクス

人種概念としての「名誉白人」(仮題として紹介)

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山本めゆ 著
四六判並製240頁・本体2700円+税
ISBN 978-4-7885-1765-3 C3036
分野=社会学・エスニシティ

アパルトヘイト期の南アフリカで、企業駐在員を中心とする日本人は通称「名誉白人」と呼ばれていた。

彼らはいかに人種隔離を経験し、対処したのか。

人種的カテゴリーが生成される言説的実践と社会関係の配置を、インタビューと文献調査から捉える。

*「名誉白人」の創出とアフリカ人との「出会いそこね」


著者
山本めゆ(日本大学文理学部助手)



3月下旬発売予定
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デザインマネジメント論のビジョン
──デザインマネジメント論をより深く学びたい人のために
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佐藤典司・八重樫文 監修・著
四六判並製264頁・本体2400円+税
ISBN 978-4-7885-1766-0 C1034
分野=デザイン・経営

ものごとに新たな意味を与え、組織や社会を新たな方向に導くためのプロセスとして、

新入社員から経営者まで必須の知識となったデザインマネジメント。その多様な考え方と手法、

最新理論を簡明に説明し、今後の新たな方向を示した活用のための必携書。


*デザイナーもデザインの門外漢も知っておくべき基本


監修・著者
佐藤典司(立命館大学教授)
八重樫文(立命館大学教授)

著者
後藤 智(立命館大学准教授)
安藤 拓生(立命館大学経営学部専任講師)




弊社関連書
八重樫文・安藤拓生 著
『デザインマネジメント論 ビジネスにおけるデザインの意義と役割』
https://www.shin-yo-sha.co.jp/book/b481435.html

 




3月下旬発売予定
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物語生成のポストナラトロジー
──人工知能の時代のナラトロジーに向けて 2
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小方孝 編
A5判並製336頁・予価3800円+税
ISBN 978-4-7885-1767-7 C1030
分野=認知科学・情報科学

大きな物語生成が欠落した時代、それでも意志的な物語の生成が行われなければならない。

認知科学と人工知能による文学と物語への構成的方法を示し、

ナラトロジー自体を次の段階に移行させる新しいナラトロジーの生成をめざす反/非・研究的な言説の集成。

*『ポストナラトロジーの諸相』続編


著者
小方孝(岩手県立大学ソフトウェア情報学部 教授)


弊社関連書
小方孝 編
『ポストナラトロジーの諸相 人工知能の時代のナラトロジーに向けて 1』
https://www.shin-yo-sha.co.jp/book/b561391.html





3月下旬発売予定
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論証の教室(入門編)
──インフォーマル・ロジックへの誘い
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倉田剛 著
A5判並製330頁・本体2700円+税
ISBN 978-4-7885-1759-2 C3010
分野=論理学・哲学

論理学は見慣れない記号や式だらけで難しそう、というイメージを一新。いざというときに論理的になることができる能力を、

インフォーマル・ロジック(非形式論理学)を通して身につける、新しい教科書が誕生! 

学生からビジネスマンまで必携の書。

*ありそうでなかったインフォーマル・ロジック(非形式論理学)の教科書
*好評『現代存在論講義』の著者による論理学入門書
*続刊『論証の教室(基礎編)』も予定。


著者
倉田剛(九州大学人文科学研究院教授)

弊社関連書
倉田剛 著
『現代存在論講義 I ファンダメンタルズ』
https://www.shin-yo-sha.co.jp/book/b455486.html

『現代存在論講義 II 物質的対象・種・虚構』
https://www.shin-yo-sha.co.jp/book/b455462.html



3月下旬発売予定
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ワードマップ アイデンティティ
──時間と関係を生きる
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白井利明・杉村和美 著
四六判並製310頁・本体2800円+税
ISBN 978-4-7885-1764-6 C1011
分野=心理学

私は何者なのか? 生涯この問いに挑んだエリクソンの理論からその後の実証的な研究、

アイデンティティ発達のメカニズムに切り込んだダイナミックシステム・アプローチ、自己連続性の問題まで、

アイデンティティ研究の新展開を一望する見取り図。

*アイデンティティ研究の最前線への誘い!
*古くて新しい「アイデンティティ」概念への手引き

著者
白井利明(大阪教育大学教育学部 教授) 杉村和美(広島大学大学院人間社会科学研究科教授)

ワードマップシリーズ
https://www.shin-yo-sha.co.jp/search/?search_series=13241



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編集後記

この欄、本の紹介をすることが多くなったのだが昨年末、自分の心胆寒からしめる事件が起きた。

「書評家が本紹介TikTokerけんごをくさし、けんごが活動休止を決めた件は出版業界にとって大損害」
https://news.yahoo.co.jp/byline/iidaichishi/20211211-00272115


 この件、ほかのジャンルで考えてみましょう。例えば映画。
「映画「エール!」、アマプラで観ました。すごいよかったです。」
「お前に批評書けるのか!」
「......」

コワいですねー、おそろしいですね(1)。自分の好きなものを伝えて怖い思いをするなんてイヤになります。

SNSの無茶苦茶な一面です。さいわいけんごさんは本を紹介し続けているようです。すばらしいです。

批評とはそんなに特別なものなのだろうか。ただ耳にすること、目にすること、
手にすること。そして伝えること、伝わること。そこにも批評はあるのではないだろうか。


小松原織香著『当事者は嘘をつく』(筑摩書房)

 出版前から気になっていた一冊、とにかくスゴイ書名だ。

本書は著者が性被害の当事者として修復的司法を専門にするにいたった話から、水俣のはなしへと続く。

当事者が研究するときに直面する「私は嘘をついているのではないか」という迷い、疑念。

しかしこの疑念に研究倫理があるのかもしれない。
「信じてほしい、聞いてほしい」という当事者としての声と研究者の疑念それはまたとても厳しい、苦しい往還の道だ。

 
 当事者学、当事者問題は非当事者を沈黙させる。この沈黙とはなんなのか。
ここであえて「非当事者」としたが、「非当事者」などありうるのか。読み進めるうちにそんな考えが浮かぶ。

著者が「非当事者」として水俣の地を踏む第七章「私は当事者ではない」、

第八章「再び研究者と当事者の間で」と続く章の構成がじつに絶妙である。

「当事者の傲慢さ」にふれる部分など、ヒ─っとなる。なかなか書かれないし、読めないところだ。

 著者はじめてのエッセイ、研究倫理の活きたテキストとしておすすめしたい一冊だ。(中山)

註(1) かつて日曜映画劇場ではどんな映画でもいいところ、見どころを伝え、

お茶の間映画ファンをとにかく広げた偉人、淀川長治さん風に再現してください。

_________________________

書評 河北新報社編集局・金菱 清 著『逢える日まで』@河北新報、2022年02月27日付

河北新報社編集局・金菱 清 著『逢える日まで』の書評が、河北新報2022年02月27日付に掲載されました。評者は土方正志氏。評者の先生、掲載紙御担当者さまにこころよりお礼申し上げます。ありがとうございました。

 

交響する「声」に圧倒される。読む者の魂を揺さぶる。そんな本だ。東日本大震災の遺族・行方不明者家族への河北新報社編集局によるアンケートと121人への聞き取り、金菱清関西学院大学教授の分析からなる。ソフトカバーでそれほどのページもない。なのに、その紙の束に「死」の記録と「生」の記憶がずっしり積もって胸を突く。・・・・・・

あたかも時限爆弾のように自然災害が日常の陰に姿を潜めるこの列島である。ここに刻まれた「声」は、逃れがたい明日の「あなた」の声であると、そう思って読んでいただければ、証言者の苦悩は報われる。だけでなく「声」は悲劇の連鎖を止める「伝承」となる。それを祈って、被災地の私たちは語ることをやめない。このコトバよ届け、と。・・・・・・

ページの向こうに証言を聞き取って記録した記者たちの慟哭もまた透けるが、なにより語り手の皆さんに、語ってくれてありがとうと、最後にただそれだけを。

 

9784788517523  逢える日まで
 3. 11遺族・行方不明者家族 10年の思い
 著者 河北新報社編集局 著
 金菱 清 著
 出版年月日 2022/02/05
 ISBN 9784788517523
 4-6判200頁・1,980円(本体1,800円+税)
 在庫 在庫あり


書評 ジョルダン・サンド著『東京ヴァナキュラー』(池田真歩訳) 図書新聞 2022年2月19日付

ジョルダン・サンド著『東京ヴァナキュラー』(池田真歩訳)の書評が、「図書新聞」2022年2月19日号に掲載されました。

評者は鈴木智之氏。ご書評くださいました先生、掲載紙ご担当者さまにこころよりお礼申し上げます。ありがとうございました。


 

......「・・・・・・こうした一連の動きを、サンドは一貫して運動論的な文脈のなかで論じている。第一章が「広場の政治」にあてられていることが、その基本的な視角のあり方を示している。かつて、集会やデモといった市民の集合的な意志表示が広場を舞台として展開された時代があった(大学のキャンパスも、この意味での広場のひとつであった)。

例えば、一九六九年、新宿西口地下広場で毎週土曜日の夜に行われた「フォーク・ゲリラ」。ギタリストや歌手とともに学生たちは歌い、「討論会」へと移行していく。「出会い」と「対話」の政治を体現していたこの活動は、警察権力によって排除され幕を下ろすことになる。

本書が語ろうとしているのは、「広場の政治」終焉以降の、都市をベースとした市民運動の可能性についてである。「新宿の出来事は、広場における直接民主主義に託された希望の終わりと、メディア・市民運動・都市の公共空間の三者関係が複雑さを増しゆく時代の始まりを、同時に告げるものであった」。

その時代にあって、土地に残された有形無形の痕跡を発見し、収集し、新たな意味を付与しようとしてきた市民たちの活動は、空間を自分たちのものとして取り戻し、日常性のなかに、今ある社会的・政治的な権力から離れた紐帯を生みだそうとしてきた。人々が抽象的な理念の下に結集して戦うことに徒労感を抱き始めた時代に、「空間と物の物質性こそは、より幅広い層の市民がそれらのもとに集うことを可能にした」とサンドは評価する。もちろん、その限界も指摘される。「日常的なもの」は、集合的アイデンティティの基礎として流用され、批評の根拠としての意味を失う危険性を伴っている。・・・・・・
 

 

 

9784788517387
著者 J.サンド
池田 真歩
ジャンル 社会学
出版年月日 2021/09/24
ISBN 9784788517387
判型・ページ数 4-6・304ページ
定価 3,960円(本体3,600円+税)
在庫 在庫あり

書評 中山 元 著『わたしたちはなぜ笑うのか』 2022年2月5日付「図書新聞」に掲載

中山 元 著『わたしたちはなぜ笑うのか』の書評が2022年2月5日付「図書新聞」に掲載されました。

評者は木村覚氏。ご書評くださいました先生、掲載紙ご担当者さまにこころよりお礼申し上げます。ありがとうございました。

 

 

人々の間に平等を回復させる笑いの力


・・・・・・中山によれば、中世までは自然な営みでしかなかった笑いが、近代になり人間の心身の関係を説く際の研究対象の一つに位置付けられる。そこで笑いは、身体の痙攣的な動作をうむがゆえに非理性的なものとみなされ、病的で、否定的に扱うべき対象とされてしまう。

 自分の弱さゆえ他人を冷笑するたぐいの笑いに着眼するホッブスの考察は、その典型であろう。ホッブスの優越の理論に言及した後、中山は「ルネサンスまでの社会的な笑いが、社会的な統合を強める側面に注目していたのにたいして、こうした優越感の理論は、社会の内部での対立する側面に注目するものだと言えるだろう」(143頁)と整理する。
 
 その後の中山の論調は、否定的な側面を強調する近代の笑い論から離れ、共同体を構想する笑いの積極的可能性へと活路を見出そうとする。眼差しは、スピノザ、カント、ニーチェ、バタイユなどへと向けられてゆく。そして最後に、フランクルのユーモア論が「治癒」の問題として取り上げられ、本書は終幕する。

 近代に陥った、笑いを否定的にうけとる立場から自由になって、むしろ共同体をうむ力としての笑いに可能性を求める中山の視点は、現代的な笑いの問題点を照らし出すことだろう。笑う=嗤う状況がSNSの発達によって可視化されると、笑い=差別を排除する勢力によって笑いは悪者にされてしまう。その結果、その潜在的な力を発揮できぬまま、笑いはダイナミズムを失いつつある。社会的な統合を強め、人間の間の平等を回復させる笑いの力の存在に、私たちは目を覚ますべきであろう。本書は、その気つけ薬となるのにふさわしい論稿である。


 

9784788517356

著者 中山 元
ジャンル 哲学・思想
出版年月日 2021/08/05
ISBN 9784788517356
判型・ページ数 4-6・226ページ
定価 2,530円(本体2,300円+税)
在庫 在庫あり

この本に関するお問い合わせ・感想



書評 東京大学文化資源学研究室編『文化資源学』@週刊読書人2022年1月28日付

東京大学文化資源学研究室編『文化資源学』の書評が2022年1月28日付「週刊読書人」に掲載されました。

評者は宮崎刀史紀氏。ご書評くださいました先生、掲載紙ご担当者さまにこころよりお礼申し上げます。ありがとうございました。


・・・・・・かつて「文化の時代」とはよく言われたが、今や「文化資源の時代」かと思われるほど、この言葉を頻繁に聞く。文化庁には文化資源活用課もあり、地域で「文化資源マップ」が作られたり、いくつかの大学には「文化資源学コース」のようなものもある。「文化」でなく、「文化財」でもなく、「美術」や「博物館」でもない。そうした言葉や関連諸学が抱える価値観、枠組みから改めて距離をおき、あるいは、まだ「文化」や「美術」といった世界に入る前のモノやコトをとりあげ、また「活用」したりする際の、いわば旗印として「文化資源」という言葉が重用されているようである。

本書の論考はそうした様々な境目を感じさせ、「文化」や「社会」のあり様をそんな視点から浮かび上がらせる行き来の数々であり、この二〇年の間の社会や技術の変化などが新たな研究手法や問題設定、様々なモノやコトの「資源化」につながっていることにも触れているが、そもそも「流行り」を気にするそぶりはあまり見せず、研究者それぞれの「資源」を探り当てる高度な能力と、それを支え根源へ迫る卓越した知見が「学」につながっていく基本だということをそっと強調しているようにも感じられた。既存の学問分野等でも研究対象や視点が広がってきている中で、「文化資源学!」と口にするときの戸惑いの背景はこうしたことでもあるのだろう。

あえていうなら、モノやコトの魅力をもとに、既存の学問にも精通しつつ、その境目近くを歩き、枠組みを揺さぶってみたいという人々が出入りする道場のような場がこの「文化資源学」であり、社会人学生の参画も相まって、そこに集う気概溢れた「文化資源学派」が生みだされていった二〇年間だったということではないか。・・・・・・

>>>>>>全文を読む 週刊読書人ページへ

 

 

 

9784788517431  東京大学文化資源学研究室 編

 文化資源学文化の見つけかたと育てかた

 

 出版年月日 2021/10/25
 ISBN 9784788517431
 A5判・250ページ
 定価 2,860円(本体2,600円+税)

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