書評 林英一著『残留兵士の群像』@下野新聞 23年3月4日付 (共同通信配信)

『残留兵士の群像』の書評が「下野新聞」2023年3月4日付に掲載されました(共同通信配信)。評者は野上 元先生。
ご書評くださいました先生、掲載紙ご担当者さまにこころよりお礼申し上げます。




戦後社会の価値観相対化

・・・・・・

1972年の横井庄一、74年の小野田寛郎の帰国が有名である。かれらは、戦後が達成したものを見せつける相手として、あるいは戦後が失ったものをよみがえらせてくる相手だったのである。

しかし本書は、この2人に限らず、そして実像と表象の両方にまたがる丹念な調査により、すでに50年代、あるいは遅くとも60年代には彼ら「残留兵士」の表象化・偶像化は始まっていたとする。
・・・・・・

本書が、戦後の支配的な価値観を相対化するアジア社会や家族からの視点を詳細に追おうとしているのも特徴的だ。

 帰国・一時帰国した彼らを追うドキュメンタリー映像に記録された、親類の対立など、なんとも気まずい瞬間も本書は見逃さない。「戦後」は、それら全てを貪欲にかき集めようとしてきたのだった。
 
 




9784788517936 林 英一 著
残留兵士の群像
彼らの生きた戦後と祖国のまなざし
残留兵士の群像
出版年月日 2023/01/05
ISBN 9784788517936
4-6判352頁・定価3740円


 

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2023年2月21日発行
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〇書評
ご書評くださいました先生、掲載紙ご担当者様に心よりお礼申し上げます。
ありがとうございました。

 

『残留兵士の群像』著者、林英一さんへのインタビューが「毎日新聞」2023年1月21日付に掲載されました。
文と写真は栗原俊雄氏。
https://shin-yo-sha.cocolog-nifty.com/blog/2023/01/post-92d92e.html

 

烏谷昌幸 著『シンボル化の政治学  政治コミュニケーション研究の構成主義的展開』の書評が、
毎日新聞 2023年2月18日付に掲載されました。評者は内田麻理香氏。
https://shin-yo-sha.cocolog-nifty.com/blog/2023/02/post-8645ac.html

 

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◇近刊情報
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2月下旬発売予定
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異文化間能力研究
―異なる文化システムとの事例分析
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中尾 元 編著
渡辺文夫 監修
A5判並製262頁・本体3300円+税
ISBN 978-4-7885-1802-5 C1037
分野=異文化間心理学、教育学

世界が混迷を深めるなかで、人々が互いを否定することなく関係を築き、共に生きるために重要な態度・能力とは何か。
異文化間研究の様々な理論と多様な背景・分野で生きる12人が直面した事例とを有機的に結び、異文化間能力の諸テーマについて学ぶ。


*様々な分野の異文化で働く人々の多様で深い考察を結集した類書のない本。


編著者・監修
中尾 元(追手門学院大学経営学部講師)
渡辺文夫(上智大学名誉教授)

 

3月上旬発売予定
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「英語脳」 vs.「日本語脳」
―違いを知って違いを超える
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熊谷高幸 著
A5判並製176頁・本体2300円+税
ISBN 978-4-7885-1801-8  C1082
分野=英語学習法、英文法、言語学

日本人の英語学習には発達心理学的な発想が必要だ。
「一・二人称的な視点」と「三人称的な視点」という、日英の基本的な違いはなぜ生まれたのか? 
真逆の部分を攻略するには何をどう切り替えていけばよいのか? 違いを知って英語の壁を乗り越える!


*なぜ、長年英語を学習しているのに英語能力が向上しないのか?
*「英語脳」と「日本語脳」のしくみを見える化する


著者
熊谷高幸(福井大学名誉教授)


著者関連書
熊谷高幸 著
『「自分カメラ」の日本語 「観客カメラ」の英語』
https://www.shin-yo-sha.co.jp/book/b498574.html

 

3月上旬発売予定
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6歳と3歳のおまけシール騒動
―贈与と交換の子ども経済学
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麻生 武 著
四六判並製304頁・本体3600円+税
ISBN 978-4-7885-1800-1  C1011
分野=発達心理学、文化人類学

昭和の末期、大流行したビックリマンチョコのおまけシール。
その渦中にあった6歳と3歳の息子とその仲間たちの克明な日誌的観察記録をもとに、子ども文化、子ども経済、仲間関係の発達を社会歴史的な文脈の中で丁寧に描き出した稀有なフィールド研究。


*子どもたちはシール交換やシール収集を通じてなにを学んでいたのか?
*日々の何気ない些細な出来事を、子どもたちの生きる時代や社会状況を踏まえて丁寧に分析する。


著者
麻生 武(奈良女子大学名誉教授)

 

3月下旬発売予定
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離婚を経験する親子を支える心理教育プログラムFAIT
―ファイト―
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福丸由佳 編
四六判並製240頁・本体2600円+税
ISBN 978-4-7885-1804-9  C1011
分野=心理・家族臨床

離婚にまつわる法制度の見直しが進むなか、渦中にいる親子への支援ニーズが高まっている。
離婚を経験する親子に向けた参加型心理教育FAITの概要と参加者の声を紹介し、離婚という移行期の家族支援の実際と課題を、親子双方の視点から考える。


*推薦 東京大学名誉教授・白梅学園大学名誉学長 汐見稔幸氏


著者
福丸由佳(白梅学園大学子ども学部教授)


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編集後記

先日、「新書大賞2023」が発表された。

売れ筋が名を連ねる中、この編集後記で取り上げた『映画を早送りで観る人たち』(稲田豊史著、光文社新書)も2位にランクイン。
過去編集後記↓
https://shin-yo-sha.cocolog-nifty.com/blog/2022/08/post-01f9e8.html

最近倍速で映画やドラマを視聴するという若者の行動をとりあげている本だった。

 

『月刊 降りない駅TM』

通勤通学で通り過ぎる。観光地でもない。どこの駅かもわからない。そんな「降りない駅」。

そこにはどんな風景が広がっているのか。イラストレーターと小説家が、降りない駅の魅力を紹介するフリーペーパー「月刊降りない駅」(A5判・10ページ)。

ルールは「下調べをしない」「撮れ高を意識しない」(何もないこともそれでよし)など「タイムパフォーマンス」とは対極的なこころみである。

10号目となる今回は西武国分寺線 鷹の台駅。
千葉住みの私は西武国分寺線すら知らなかった。ごめんなさい。

国分寺駅で乗り換える際に西武線が2つあって戸惑ったり、ここは東京か?と言いたくなる農作物の販売所に出会うなど、「降りない駅」に興味が湧く内容となっている。

情報が簡単に手に入る世の中で、何も調べずにふらっと街歩きをすることも楽しい。そう思わせてくれるフリーペーパーである。

『月刊降りない駅』の配布場所などの情報は、公式ツイッター@orinaiekiで発信されている。設置店の最寄駅があなたにとっての「降りない駅」なら、ぜひ街歩きをしてみてはどうでしょうか。(H)

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◇奥付
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次回発行は2023年3月下旬を予定しております。

書評 烏谷昌幸 著『シンボル化の政治学』@毎日新聞 2023年2月18日付

烏谷昌幸 著『シンボル化の政治学  政治コミュニケーション研究の構成主義的展開』
の書評が、毎日新聞 2023年2月18日付に掲載されました。評者は内田麻理香氏。ご書評くださいました先生、掲載紙ご担当者様、ありがとうございました。こころよりお礼申し上げます。

 

・・・・・・私たちはシンボルを活用し、ときに振り回されながら生きているのだが、このシンボル概念を政治学に用い、新たな理論的枠組みを提示するのが本書となる。

 著者がこの理論を探究するきっかけは、2011年の福島第一原子力発電所事故だったという。広島、長崎の原子爆弾の被害を経験したはずの日本が、第二次世界大戦の敗戦から10年程度という短い時を経て、原子力政策に熱心な国となった。著者は、敗戦後の日本人にとって、原子力が広島、長崎の「恐怖のシンボル」から、豊かな未来をもたらす「希望のシンボル」へと転換したからではないかと指摘する。このようなシンボル化のプロセスを明らかにするのが「シンボル化の政治学」である。

・・・・・・政治という営みはシンボルを必要とする。小さな組織の内部では、特権を餌に忠誠心を植え付けることもできるが、集団を方向付ける場合は、集団の中に共通の認識や感情を生み出す必要が生じるため、シンボルが不可欠となるのだ。統治のためのシンボルとしては、記念日、音楽、旗、彫像、物語、儀式などがある。しかし、政治のシンボルは、決して政治権力者が一歩的に大衆を操作する道具ではなく、人々がメディア空間で可視化される表象や言説を利用しながら構築されたものなのだ。・・・・・・

>>>>>>毎日新聞 今週の本棚

 

 

9784788517844 烏谷昌幸 著『シンボル化の政治学』

出版年月日 2022/10/04

ISBN 9784788517844
A5判・336頁
定価 3,520円(税込)

 

著者インタビュー『残留兵士の群像』著者、林英一さん@毎日新聞 2023年1月21日付

『残留兵士の群像』著者、林英一さんへのインタビューが「毎日新聞」2023年1月21日付に掲載されました。文と写真は栗原俊雄氏。ありがとうございます。

「表象と実像」浮き彫りに

副題は「彼らの生きた戦後と祖国のまなざし」。敗戦後、アジアの各地に残った元日本軍兵士たちがいた。なぜ残留し、戦後をどう生きたのか。これまでの著作で明らかにしてきた史実に加え、今回は膨大な映像資料を吟味し、「残留兵士たちの戦後史」を多角的に分析した。

・・・・・・38歳。追随ができない聞き取りと、文献史学の成果が一人の中で交差するまれな研究者だ。書き手としても、新しい領域を開拓し、成果を読者に届けてくれるはずだ」
(文と写真 栗原俊雄氏)


9784788517936 林 英一 著
残留兵士の群像
彼らの生きた戦後と祖国のまなざし
残留兵士の群像
出版年月日 2023/01/05
ISBN 9784788517936
4-6判352頁・定価3740円


 

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2023年1月13日発行
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◇トピックス
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〇フェア
「心理学書、この一冊 2022年@紀伊國屋書店新宿本店」
毎年恒例の紀伊國屋書店新宿本店さまでの催しですが、昨年、そして今年とコロナ禍にあっても堅実に売れていった各社の新刊・話題書をあつめてのフェアです。

好評開催中です。どうぞよろしくお願い申し上げます。
■紀伊國屋書店新宿本店様3階心理学書エンド棚

■2022年12月23日(金)~2023年1月31日(火)

ぜひ、足をお運びくださいますようお願いいたします。

 

〇書評
ご書評くださいました先生、掲載紙ご担当者様に心よりお礼申し上げます。
ありがとうございました。

井上雅雄 著『戦後日本映画史』の書評が、
読売新聞 2023年1月8日付に掲載されました。評者は金子拓氏。
書評全文:本よみうり堂
https://www.yomiuri.co.jp/culture/book/review/20230110-OYT8T50031/


井上雅雄 著『戦後日本映画史』の書評が、
図書新聞 2023年1月14日付に掲載されました。評者は北浦寛之氏。
https://shin-yo-sha.cocolog-nifty.com/blog/2023/01/post-98c224.html


山下 晋司・狩野 朋子 編『文化遺産と防災のレッスン』の書評が、
図書新聞 2023年1月14日付に掲載されました。評者は佐々木淑美氏。
https://shin-yo-sha.cocolog-nifty.com/blog/2023/01/post-6efe22.html


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◇近刊情報
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2月中旬発売予定
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カタログTEA(複線径路等至性アプローチ)
ー図で響きあう
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サトウタツヤ・安田裕子 監修
上川多恵子・伊東美智子・小澤伊久美・宮下太陽 編
B5判並製112頁・本体2800円+税
ISBN 978-4-7885-1797-4 C3011
分野=質的研究、心理学研究法

人びとのライフ(生命・人生・生活)のありようを図を用いて分析するTEA。
研究領域が広がり、理論的にも進展するなかで、創意工夫が積み重ねられてきた。本書は魅力的な図の研究例を満載した見本帳で、TEAの歴史や基礎知識も学べる初学者必携の書。

*TEAの理論と実践を一冊に凝縮!


監修・編著者
サトウタツヤ(立命館大学総合心理学部教授・学部長)
安田裕子(立命館大学総合心理学部教授)
上川多恵子(立命館大学大学院人間科学研究科博士課程後期課程)
伊東美智子(神戸常盤大学保健科学部看護学科講師/助産師)
小澤伊久美(国際基督教大学教養学部課程上級准教授)
宮下太陽(株式会社日本総合研究所未来社会価値研究所兼リサーチ・コンサルティング部門シニア・マネジャー)


弊社関連書
安田裕子・滑田明暢・福田茉莉・サトウタツヤ 編
『ワードマップ TEA 理論編 複線径路等至性アプローチの基礎を学ぶ』
https://www.shin-yo-sha.co.jp/book/b455580.html

『ワードマップ TEA 実践編 複線径路等至性アプローチを活用する』
https://www.shin-yo-sha.co.jp/book/b455579.html

 


2月中旬発売予定
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2ちゃん化する世界
―匿名掲示板文化と社会運動
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石井大智 編著
清義明・安田峰俊・藤倉善郎 著
四六判並製250頁・本体2200円+税
ISBN 978-4-7885-1798-1  C0036
分野=社会、ルポ・ノンフィクション

日本発の匿名掲示板文化は世界をどう変えたのか? 2ちゃんねると社会運動の歴史的経緯、匿名掲示板のグローバル化と陰謀論の隆盛から、日本のみならずアメリカや香港の政治・社会問題やデモへのつながりまで。気鋭の論者らがその功罪を問う。

*Qアノン、陰謀論、ネット右翼、レイシズム、日本の宗教団体、デモ活動など、いまこそ考えるべきトピックを網羅。


著者
石井大智(フリーライター、香港中文大学大学院中退)
清義明(ルポライター)
安田峰俊(ルポライター)
藤倉善郎(ジャーナリスト、「やや日刊カルト新聞」代表)

 

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編集後記

2023年最初の新刊案内となります。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。


昨年末、久しぶりに行った居酒屋。以前よりラビオリやもやしの盛りが半分に減っていて、このコロナ禍の3年間と昨年からの材料費高騰のせいかと勝手に想像した。そしてここにきてのインボイスである。

今年2023年10月よりはじまるインボイス制度。零細自営業者の息子であった自分としては、零細の視点でこのインボイスの問題をとらえてしまう。


日本商工会議所の発行する「中小企業・小規模事業者のためのインボイス制度対策【第2版】はこの制度をじつに分かりやすく説明している冊子で、サイトからも読むことができる。


https://www.jcci.or.jp/sme/invoice-system/2022/0930103508.html


「免税事業者が取り得る選択肢の利益比較」(冊子版16頁)の試算が面白い。
適格事業者になって、税金分値上げして納税するほうが売り上げが上がる事例とともに、インボイス発行事業者にならず得意先の事業者が利用しなくなり、売上が激減するという事例が書かれているのだ。

現在、課税売上高1000万円を超えなければ免税事業者としているのは国税庁なのだから、率直に「免税制度はやめます、消費税を納めてください」といっそ言えばいいのだ。言わずにこうした制度をすすめるところに欺瞞を感じるのは私の誤解だろうか。やらなくてもいい事務作業が増えることも経済活動の拡大という深謀遠慮かもしれないが。

私が実家にいた頃、30年前の消費税導入時は、課税売上高3000万円以下が免税事業者だったと記憶する。この30年は国税が免税事業者をいかに減らしていくかの歴史だ。

私たちの日々の生活に彩りを与えてくれる零細自営事業者の方々にはコロナ、物価高、インボイス制度を機にやーめたとならずに、なんとか続けていく道を探っていただきたい。たまにしか来ないくせに盛りが減ったとか割高とか文句がいう人間が言ってもじつに説得力がないのだが。   (中山

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書評 山下 晋司・狩野 朋子 編『文化遺産と防災のレッスン』@図書新聞 2023年1月14日付

山下 晋司・狩野 朋子 編『文化遺産と防災のレッスン』の書評が、図書新聞 2023年1月14日付に掲載されました。評者は佐々木淑美 氏。ご書評くださいました先生、掲載紙ご担当者様、ありがとうございました。こころよりお礼申し上げます。

 

・・・・・・本書では、フィールドワークを含む様々な事例を挙げ、文化遺産と防災、そしてレジリエントな観光とはどういったものかを提示しようと試みている。

無形文化遺産や文化的景観、被災地におけるダークツーリズム、防災・減災と「よりよい復興」など、どれも簡単に答えが見つかるものではなく、各章の執筆者による検討をベースにして、それぞれに課題が設定されており、それらに取り組む形で読者に考えるきっかけを与えている。

ニューノーマルな文化遺産の保存と防災、観光を創造するためには、「今・ここで」私たちが選択していかなくてはならない。本書を読むことは、そのためのきっかけの一つとなるだろう。・・・・・・


9784788517806 文化遺産と防災のレッスン レジリエントな観光のために
山下 晋司・狩野 朋子 編
2022/09/01
ISBN 9784788517806
A5判216ページ 定価 2,750円(本体2,500円+税)


 

 

 

書評 井上雅雄 著『戦後日本映画史』@図書新聞 2023年1月14日号 付

井上雅雄 著戦後日本映画史の書評が、図書新聞 2023年1月14日号 付に掲載されました。評者は北浦寛之氏。ご書評くださいました先生、掲載紙ご担当者様、ありがとうございました。こころよりお礼申し上げます。

 

・・・・・・本書でとりわけ興味深かったのが、第9章の「大映の製作効率」についての論究だ。1953年から56年までの平均の撮影時間の推移が、その内訳(事故・準備・実働)とともに紹介され、細かな分析がおこなわれている。この期間は、産業全体で映画の量産化が進み、大映としても不本意ながら、その潮流に合わせて、製作本数を増加させなければならなかった。著者は大映が製作効率を上げるために、どう対応したのかを、表を用いてわかりやすく解説している。

 さらに、より製作の内情に踏み込むべく、芸術的に評価されてきた溝口健二と成瀬巳喜男に注目し、彼らが大映で撮った1953年の映画、前者は『雨月物語』と『祇園囃子』、後者は『あにいもうと』を具体的事例として考察している。製作コストとその内訳、スケジュール、撮影の進行の様子など、製作の内情を記録した貴重な資料を読み解きながら、両者が意識的/無意識的に、いかに「撮影の効率化」に配慮した映画作りを実践していたのかが、伝えられる。

 こうして、本書は大映に注目して考察を進めながらも、同時に1950年代に東映や日活の急伸によって、企業間競争が激化していく仕儀、さらにテレビ産業の台頭で変化を強いられる映画産業の状況などを、章ごとに細かく時代を区切りながら、丁寧に分析している。
 
 ・・・・・・・

 最後に、本書は本文の精緻な記述もさることながら、驚かされるのが、各章の末尾に記された注の充実ぶりである。著者のこれまでの著作にも言えることだが、決して簡素な補足説明というものではなく、関連の情報が濃密に詰め込まれたものとなっている。注の部分をうまくまとめれば、新たな論稿ができそうな思いさえ抱かせる。著者が病と闘いながらとことん追究した戦後日本映画史の世界が本書の隅々まで広がっているのである。



9784788517813 戦後日本映画史 企業経営史からたどる
井上 雅雄 著
2022/09/30
ISBN 9784788517813
A5判512ページ 定価 5,720円(本体5,200円+税)
在庫 在庫あり

書評 井上雅雄 著『戦後日本映画史』@読売新聞 2023年1月8日

井上雅雄 著戦後日本映画史の書評が、読売新聞 2023年1月8日付に掲載されました。評者は金子拓氏。ご書評くださいました先生、掲載紙ご担当者様、ありがとうございました。こころよりお礼申し上げます。

 

・・・・・・本書の論点は大きく二つある。ひとつめは、国家(政府)との関わり。・・・・・・いまひとつは、製作・配給・興行の三業態に分かれ、それぞれの思惑で利益を追求する映画産業の構造への注目である。売り手市場である映画産業で割を食うのは興行(映画館経営者)側であり、常に赤字経営の危機に瀕していた。

 安定した収益を望む興行側に対し、東映が二本立て製作・配給を開始し、直営館の確保に力を入れたことなどから映画館が急増する。東映は製作数の増加にともない業務の合理化を図って収益トップの座に躍り出、映画館の増加は映画人口の裾野拡張に大きく寄与して50年代後半の黄金期を現出した。しかし著者は、このことこそが逆に映画産業の危機を招いたと指摘する。粗製濫造による作品の消耗品化である。・・・・・・

書評全文はこちら >>>>>>よみうり堂



9784788517813 戦後日本映画史 企業経営史からたどる
井上 雅雄 著
2022/09/30
ISBN 9784788517813
A5判512ページ 定価 5,720円(本体5,200円+税)
在庫 在庫あり

◎新曜社<新刊の御案内>■メール版 第228号■

2022年12月13日発行
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「新曜社ブックフェア」
東京大学生協本郷店さまにて、11月9日より開催中です。
15年前に開催して以来のフェアとなります。年末12月26日まで。


「心理学書、この一冊 2022年@紀伊國屋書店新宿本店」
毎年恒例の紀伊國屋書店新宿本店さまでの催しですが、昨年、そして今年とコロナ禍にあっても堅実に売れていった各社の新刊・話題書をあつめてのフェアです。

下記日程での開催です。どうぞよろしくお願い申し上げます。
■紀伊國屋書店新宿本店様3階心理学書エンド棚

■2022年12月16日(金)~2023年1月31日(火)

ぜひ、足をお運びくださいますようお願いいたします。



〇書評
ご書評くださいました先生、掲載紙ご担当者様に心よりお礼申し上げます。
ありがとうございました。


私市保彦著『賢治童話の魔術的地図』の書評が、
週刊読書人 2022年11月18日付に掲載されました。評者は千葉一幹氏。
https://shin-yo-sha.cocolog-nifty.com/blog/2022/11/post-9837a9.html


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書評
二宮祐子 著『保育実践へのナラティヴ・アプローチ』(評:無藤隆)
https://clarus.shin-yo-sha.co.jp/posts/5992



◇近刊情報
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1月中旬発売予定
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エスノメソドロジー・会話分析ハンドブック
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山崎敬一 編集代表
山崎敬一・浜日出夫・小宮友根・田中博子・
川島理恵・池田佳子・山崎晶子・池谷のぞみ 編著
A5判並製500頁・予価4200円+税
ISBN 978-4-7885-1794-3 C1036
分野=社会学・言語学・心理学

社会学、言語学、人類学、心理学、経営学、政治学、メディア研究、医療・看護研究など、幅広い学問分野で多彩に発展したエスノメソドロジー・会話分析の起源をたどり、その現在を一線の研究者たちが解説。全体を包括的に理解するための待望のガイド。

*ガーフィンケルやサックスら最重要理論家の翻訳・解題と各領域の解説のセットで、初期の構想から具体的な実践研究までを網羅

*医療・教育・メディア・法・ビジネス・科学・レジャーなど意外な領域にも広がる研究を多数紹介

編著者
山崎敬一(埼玉大学人文社会科学研究科名誉教授)



1月中旬発売予定
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同性パートナーシップ制度とSNS(仮題)
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横尾俊成 著
四六判上製256頁・本体2300円+税
ISBN 978-4-7885-1796-7  C1036
分野=社会学

当事者たちによるSNSでの意見表明がどのようにして、行政、一般の人々等を巻き込み、全国へと伝播し、同性パートナーシップ政策を成立させたのか。
詳細な経緯記録とその分析をもとに、多数決により常に敗北するマイノリティの展望と希望に繋ぐ。

著者
横尾俊成:慶應義塾大学SFC研究所上席所員。港区議会議員。


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編集後記

毎年末恒例の紀伊國屋書店さん主催の「じんぶん大賞2023」。今年読んでお勧めしたい本を3冊挙げるという企画なのだが、あっという間に締切当日が来たため、今年ここで取り上げた本をあげてお茶を濁してしまった。『人新世の科学』(オズワルド・シュミッツ著、日浦勉訳、岩波新書)などをじつはとりあげたかったが、ずーっと読めずにいて時間切れ。なぜ読めないのか。環境問題、基本的に関心がないのかもと思っている矢先に、衝撃的な新聞記事に出会った。

「SDGs、本気さ見抜く就活生」(朝日新聞)
https://www.asahi.com/articles/DA3S15482147.html

1990年代半ば以降に生まれたZ世代は、マジだった。彼らはSDGsへの関心を急速に高めていて、就職活動においても、企業の社会課題への取り組みを重視する傾向にあるらしい。こうしたSDGsへの強い関心は、いったいどこで培われたのだろうか。ともかく自分が恥ずかしくなる。

最近「Doomer」なる語を知った。人口過剰、ピークオイル、気候変動、汚染などの地球規模の問題について、非常に悲観的または宿命論的である人々を示す言葉とのこと。ドゥーマー、ドゥーマー主義と呼ばれており、アメリカの4ch発の語とのことだ。こうした態度、主義を、1970年後半にはじまる五島勉の「ノストラダムスの大予言」から1995年の一つの結末を知るオッサンはけっして肯定してはいけないものなのだ。

2022年末、ロシアによるウクライナへの侵略が与える被害と世界的な影響がじつに破壊的・破滅的なものであることを世界中が目の当たりにし、体験している。そんななかSDGsの17ある目標をはじめてしっかり読んでみた。16項「平和と公正をすべての人に」がとくに素晴らしい。暴力・武力の行使を否定したこの項、子どもへの虐待・搾取をともに否定している。この項から一緒に考えないか。Doomerのみなさんにもぜひお声がけしたい。 (N


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◇奥付
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FAX 03(3239)2958
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◎新曜社<新刊の御案内>■メール版 第227号■

2022年11月18日発行
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◇トピックス
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「新曜社ブックフェア」
東京大学生協本郷店さまにて、11月9日より開催中です。
15年前に開催して以来のフェアとなります。年末12月26日まで。

 

〇書評
ご書評くださいました先生、掲載紙ご担当者様に心よりお礼申し上げます。
ありがとうございました。


ジョルダン・サンド(著), 池田 真歩(訳)『東京ヴァナキュラー』の書評が「歴史学研究」2022年11月号に掲載されました。

評者は五十嵐太郎氏。
https://shin-yo-sha.cocolog-nifty.com/blog/2022/11/post-efbfff.html


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◇近刊情報
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12月上旬発売予定
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家族変動と子どもの社会学
―子どものリアリティ/子どもをめぐるポリティクス
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野辺陽子 編著
元森絵里子・野田潤・日比野由利・三品拓人・根岸弓 著
四六判並製248頁・本体2300円+税
ISBN 978-4-7885-1795-0 C3036
分野=社会学

子どもは、家族の個人化や自身の準主体化、「子どものため」の制度、実践、価値観をいかに経験しているか。

そのリアリティとポリティクスを、離婚、生殖技術、児童養護施設、児童虐待の事例から明らかにし、

親子関係・ケアの理論に新たな論点を示す。


*編著者は『養子縁組の社会学ー<日本人>にとって<血縁とはなにか>』(小社刊)で第5回福祉社会学会賞、第2回家族社会学会奨励著書賞を受賞。


編著者
野辺陽子(日本女子大学人間社会学部現代社会学科准教授)

 


12月下旬発売予定
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残留兵士の群像
―彼らの生きた戦後と祖国のまなざし
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林 英一 著
四六判上製352頁・本体3400円+税
ISBN 978-4-7885-1793-6  C1020
分野=歴史

敗戦後、帰国せずにアジアの各戦地で生きることを選択した残留兵士たち。彼らはなぜ残留を決意し、どのような戦後を歩んだのか。

そして、祖国の人々は、彼らをどう眼差してきたのか。聞き取りや文献、映像資料を駆使し、残留兵士の実像と表象に迫る。

 

*これまでの研究は特定の地域や人物に焦点を当てていたが、本書はすべての地域を網羅し、多種多様な残留兵士を取り扱う。

また、従来は等閑視されてきた映像資料を分析している点も、本書の特徴の一つである。


著者
林 英一(二松学舎大学文学部歴史文化学科准教授)

 

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編集後記


7月に法事のため奈良へ行った。ちょうど京都では3年ぶりに祇園祭が催されていてたくさんの人が満ちあふれていたが、奈良はじつに静かだった。

奈良での法事のよいところは、仏さんのいるお寺さんやすぐそこにおかれている仏像がふつうに国宝だったりすること。

国宝と大事にするのではなく、生活のなかの身近なものとしてたいせつにしてきた寺や仏像というたたずまいがよい。

 

この法事の数日前、安倍首相が凶弾に倒れた。現場となった大和西大寺駅が近いと知り、早朝に訪れてみた。

駅前のロータリー近くに据えられた献花台には花とメッセージがたくさん供され、花束をもった老若男女がぽつぽつと現われては、手を合わせていた。

 

ぶらぶらあたりを歩くと、かつてここには西隆寺という尼寺があったことを、ショッピングビルの発掘調査の看板などで知ることができた。

この寺をつくったとされる称徳天皇(孝謙天皇)の諱は阿倍であることなどに因縁を感じながら、鈴木博之氏の地霊=ゲニウス・ロキについての本などをなつかしく思い出した。

氏の著書で有名なものは『東京の〈地霊〉』だが、私は講談社現代新書で刊された『日本の〈地霊〉』が好きだ。国会議事堂の屋根と神戸・大倉山にあった伊藤博文の銅像台座の話がある。銅像は第二次世界大戦時の鉄不足のために供出され、現在は銅像の台座のみが残っている。大倉山公園の野球場には阪神大震災の仮設住宅が立ち並ぶのをみつつ、モニュメントとは何かに思いをはせる名エッセイだ。

ゲニウス・ロキとは土地の単なる因縁話や因果律ではなく、土地へのまなざしであり、都市や建築とわれわれとを橋わたしするものと、鈴木氏はいう。かつてあった平城京という都市に思いを馳せる上寧となった。(N


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書評『東京ヴァナキュラー』@歴史学研究2022年11月号

ジョルダン・サンド(著), 池田 真歩(訳)

『東京ヴァナキュラー』 の書評が「歴史学研究」2022年11月号に掲載されました。評者は五十嵐太郎氏。ご書評くださいました先生、掲載ご担当者様に心よりお礼申し上げます。ありがとうございました。

 


・・・・・・なるほど、日本は、こうした記憶を残すことが苦手なのかもしれない。さらに言うと、西洋の都市空間と違い、特にモニュメントをうまく使いこなせないようだ。本書のサブタイトルは、「モニュメントなき都市の歴史と記憶」である。それゆえ、戦後の東京における「ありふれた物」や日常の生活に対するまなざしの系譜を掘り起こす。著者のジョルダン・サンドは、東京大学に留学した建築史の研究者であり、『帝国日本の生活空間』(岩波書店、2015年)でも、大きな歴史としての政治ではなく、椅子、衣服、草履、味の素など、日常のささやかなモノに注目しながら、近代日本において複雑に展開された国際的な文化の伝搬、すなわち海外のネットワークを描いている。本書も、モニュメントではなく、日常に密着したモノから東京の文化遺産や地域性の発見を考察したものだ。そうした意味において切り口は似ていよう。ただし、本書は20世紀後半の東京を対象としていることから、アヴァンギャルドなデザインが次々に登場した輝かしい日本の現代建築史に対し、別の視点を与えるものとして読むこともできる。・・・・・・

 

9784788517387
東京ヴァナキュラー
モニュメントなき都市の歴史と記憶
J.サンド 著 池田 真歩 訳
2021/09/24
ISBN 9784788517387
四六判304頁・定価3,960円
在庫あり

書評 私市保彦著『賢治童話の魔術的地図』@週刊読書人 2022年11月18日付

 

私市保彦著『賢治童話の魔術的地図』の書評が、週刊読書人 2022年11月18日付に掲載されました。評者は千葉一幹氏。ご書評くださいました先生、ご掲載紙ご担当者さまに深くお礼申し上げます。ありがとうございました。


優れた研究書は、推理小説に似ている。名探偵が迂闊な刑事が見落とす些細な異常に目をつけそこから事件の真相に迫り真犯人を導出するように、研究者は、通常なら読み飛ばされてしまうような、テキストにある微細な特徴に気づき、作品に秘められた特質を剔抉し、ついにはその作品の新たな姿を提示するに至る。賢治作品に関する九つの研究を集めた『賢治童話の魔術的地図』において、私市保彦は、名探偵さながらに、賢治作品の新たな相貌を読者に開示している。


・・・・・・かつて菅谷規矩男は、社会思想的にも文学的にも「孤立」した存在であった宮沢賢治を論じるにあたり、その総体を視野に入れる必要性を説き、そうした視点を欠いた研究は、「雑多なディレタンティズムの集積にとどまる」と指摘した(『宮沢賢治序説』)。この言明は四〇年以上前に出されたものであるが、賢治が生きた時代の出版物や歴史的事実を渉猟し、それらと賢治作品との関連性を指摘するのみの研究が溢れる昨今の状況下において、菅谷の指摘の重要性は失われていない。こうした賢治研究の状況を考慮すると、賢治文学を普遍的視点から論じようとする私市の試みの意味は、とりわえ大きいと言えよう。

 

9784788517622 賢治童話の魔術的地図
土俗と想像力

私市 保彦 著
2022/07/15
ISBN 9784788517622
4-6判256頁・定価3190円

在庫 在庫あり

◎新曜社<新刊の御案内>■メール版 第226号■

2022年10月20日発行
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2022年11月12日(土)・11月13日(日)に、第95回 日本社会学会大会が追手門学院大学にて開催されます。

弊社書籍販売のブースを出展いたします。3年ぶりの対面販売となります。

ご参加の先生方とお会いできるのを楽しみにしております。

 


〇書評
ご書評くださいました先生、掲載紙ご担当者様に心よりお礼申し上げます。
ありがとうございました。


デヴィッド・パレ 著『協働するカウンセリングと心理療法』の書評が「心と社会」 No.189 2022に掲載されました。

評者は関 百合先生。
https://shin-yo-sha.cocolog-nifty.com/blog/2022/09/post-6c0a6e.html

 


I.ジャニス 著 細江達郎 訳『集団浅慮』の書評が、「公明新聞」2022年10月10日付に掲載されました。

評者は池田謙一先生。
https://shin-yo-sha.cocolog-nifty.com/blog/2022/10/post-350761.html

 


書評 山本めゆ著『「名誉白人」の百年』の書評が、「図書新聞」2022年10月22日付に掲載されました。

評者は佐藤千鶴子氏。
https://shin-yo-sha.cocolog-nifty.com/blog/2022/10/post-33b1ae.html

 


大野光明・小杉亮子・松井隆志 編『越境と連帯』(社会運動史研究 4)の書評が、「図書新聞」2022年10月22日付に掲載されました。
評者は久保 隆氏。
https://shin-yo-sha.cocolog-nifty.com/blog/2022/10/post-0c0730.html

 


ロイック・ヴァカン 著 田中研之輔・倉島哲・石岡丈昇 訳『ボディ&ソウル』の書評が2022年10月16日付日本経済新聞「半歩遅れの読書術」にて掲載されました。
評者は小熊英二氏。本書品切れ・絶版です。申し訳ございません。
https://shin-yo-sha.cocolog-nifty.com/blog/

 

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◇近刊情報
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10月下旬発売予定
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オートエスノグラフィー
―質的研究を再考し、表現するための実践ガイド
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T・E・アダムス、S・H・ジョーンズ、C・エリス 著
松澤和正、佐藤美保 訳
A5判並製228頁・本体2600円+税
ISBN 978-4-7885-1792-9 C1011
分野=心理学・質的研究

オートエスノグラフィーは、自分自身を対象として、生活や経験の要素である他者との関連性、混乱、感情も含めて批判的に再考する質的研究の方法で、注目を集めている。

研究をデザインし表現するまでの勘所を簡潔にまとめた、定評あるテクストの完訳。

*初めての体系的で実践的な入門テキスト


著者
松澤和正(帝京大学医療技術学部看護学科教授)
佐藤美保(杏林大学保健学部看護学科看護学専攻准教授)

 


11月上旬発売予定
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新社会学研究 2022年 第7号
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三浦耕吉郎・小川博司・樫田美雄・栗田宣義・好井裕明 編集同人
A5判並製228頁・本体1900円+税
ISBN 978-4-7885-1791-2  C3036
分野=社会学

特集では、社会の激変により従来の連字符社会学がその有効性を減ずるなか、新たな社会学を志向する6論文を掲載。

公募特集の3論考は、新型コロナが文化的存在としての我々を脅かすいま、文化社会学にどのような視座の転換が求められるかを提起する。


*研究者必見の新連載「研究費申請と審査のホントのところ」と「大学教員ポストをめぐるホントのところ」2本が今号よりスタート。

 

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編集後記


今シーズンのプロ野球も残すは日本シリーズの結果を待つのみ。
わが千葉ロッテマリーンズはすでにポストシーズン。監督の人事も発表され、なんと吉井理人(よしい まさと)氏が就任することとなった。

吉井氏といえば和歌山県有田郡吉備町(現:有田川町)出身。有田に生まれ育ち、現在千葉在住の私にとっては、じつに喜ばしいニュースだ。

 

プロ野球以上に高校野球を愛する身としては、吉井氏といえば箕島高校をすぐに想起する。

いまや古豪と称されるのみの箕島高校の全盛期を観たものは、50代以上の方たちだろう。

 

箕島高校といえば星稜高校との「延長18回」の激闘・死闘だ。この試合をこえるものはいまだないという高校野球ファンは多い。

当時を知る人、この試合の面白さをもっと知りたい人にすすめたいのがこちらの2冊。

松下茂典著『神様が創った試合』(ベースボール・マガジン社)
石堂秀夫著『最高試合』(ひまわり出版)

残念ながら、どちらも絶版です。

ガッカリした方には、つい最近、この箕島高校対星稜高校の激闘にまつわる書籍が「タイムリーに」発売されたので紹介したい。

馬場遼著『1979年 箕島高校と星稜高校 カクテル光線に照らされた「史上最高の試合」』(ベースボールマガジン社)

箕島、星稜の歴史を振り返りつつ、「史上最高の試合」を3章に分けて書く。
関係者の証言も含む。この試合を見て吉井氏は箕島高校への進学を決意したという、まさに「名勝負」にスポットを当てた一冊だ。

 

来年2023年、有田、箕島、千葉、ロッテの時代が来ることは確実。

そして名将のもとで佐々木朗希くんは最多勝利投手、沢村賞獲得。

そしてヤクルトと日本シリーズを戦う......と、想像は広がる。いや、妄想ともいうのかな。(H)

 

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書評 ロイック・ヴァカン 著 田中研之輔・倉島哲・石岡丈昇 訳『ボディ&ソウル』日本経済新聞・2022年10月15日付

ロイック・ヴァカン 著 田中研之輔・倉島哲・石岡丈昇 訳『ボディ&ソウル』(品切れ・絶版)の書評が2022年10月15日付日本経済新聞「半歩遅れの読書術」にて掲載されました。評者は小熊英二氏。

ご書評くださいました先生、掲載紙ご担当者さまに深くお礼申し上げます。ありがとうございました。

 

社会学者は「社会」を研究する。そして最小の社会は、個人の身体である。

個人とは、実は社会関係の総体である。例えば鉛筆や箸の持ち方には「育ち」、つまり幼少時からの社会関係の総体が現れる。「プロは話し方が違う」という形容が示すのは、個人の身体は長い訓練と社会関係が「身体化」した結果だということだ。

こういう「身体化」はどうしたら研究できるか。プロに「どんな修行をしましたか」と聞いても、あまり精緻な回答は得られないことが多い。それなら学者が自分で修行を経験し、分析した方がよい研究ができるかもしれない。ロイック・ヴァカン『ボディ&ソウル』(田中研之輔ほか訳、新曜社)は、そうした試みの一つだ。・・・・・・

>>>>>>日本経済新聞サイト 全文を読む(会員のみ)

 

 

9784788513198 ボディ&ソウル

四六判上製416頁・定価4730円
発売日 13.2.1
ISBN 978-4-7885-1319-8

品切・重版予定なし

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

書評 大野光明・小杉亮子・松井隆志 編『越境と連帯』@「図書新聞」2022年10月22日付

大野光明・小杉亮子・松井隆志 編『越境と連帯』(社会運動史研究 4)の書評が、「図書新聞」2022年10月22日付に掲載されました。評者は久保 隆氏。ご書評くださいました先生、書評紙ご担当者様に心よりお礼申し上げます。ありがとうございました。



三年前の一九年二月に創刊以来、毎年刊行され、四号に達した。社会運動を研究対象として継続していくことは、現在の様々な様態を考えてみれば、順調に進行していくことは至難なことだといっていい。だが、編者三人は、変わらず、意識的な考究の持続を示している。
・・・・・・
「支配のシステムは境界線をつくり出しながら、暴力と抑圧を維持している。これらと闘い、システム自体を変えていくために、人びとは境界線を揺さぶり、越えていくことが必要になる」として「境界と連帯」に込めた強い思いを伝えていく。・・・・・・


9784788517776 大野光明・小杉亮子・松井隆志 編
『越境と連帯』(社会運動史研究 4)

出版年月日 2022/07/10
ISBN 9784788517776
A5判・200頁 
定価 2,530円(本体2,300円+税)








 

書評 山本めゆ著『「名誉白人」の百年』@図書新聞 2022年10月22日付

書評 山本めゆ著『「名誉白人」の百年』の書評が、「図書新聞」 2022年10月22日付に掲載されました。評者は佐藤千鶴子氏。ご書評くださいました先生、掲載誌ご担当者様に心よりお礼申し上げます。ありがとうございました。



・・・・・・日本人は、インド系や中華系のように労働者として導入されることはなく、南アフリカに定住者のコミュニティを形成することはなかった。一定規模の日本人コミュニティが南アフリカに出現するのは一九六〇年代に入ってからであり、その主たる構成員は日系企業の駐在員とその家族であった。しかも彼らは数年しか滞在しない一時滞在者であり、アジア系移民といっても、南アフリカ政府や社会との関わりにおいて、インド系や中華系とは異なる存在であった。

 そんな日本人の企業駐在員や帯同家族が、アパルトヘイト期の南アフリカでの生活をどのように感じていたのかについて、当事者へのインタビューや日本人会のニューズレターなどをもとに再構成した第四章は本書のなかでもっとも読み応えのある内容となっている。
 
  一九八〇年代に「名誉白人」の当事者として批判を受けた人びとへのインタビューには困難や制約が伴ったようであるが、著者はエクスパトリエイト・コミュニティ研究で使われる「泡(バブル)」の比喩を用いて、日本人コミュニティの現地社会との関わりの薄さや現地社会への関心のなさを冷静に分析している・・・・・・





9784788517653
「名誉白人」の百年
南アフリカのアジア系住民をめぐるエスノ-人種ポリティクス

山本 めゆ 著
2022/03/30
ISBN 9784788517653
4-6判・256頁
定価2,970円 在庫あり

書評 I.ジャニス 著 細江達郎 訳『集団浅慮』@公明新聞 2022年10月10日




I.ジャニス 著 細江達郎 訳『集団浅慮』の書評が、「公明新聞」2022年10月10日付に掲載されました。
評者は池田謙一先生。ご書評くださいました先生、掲載紙ご担当者さまにこころよりお礼申し上げます。ありがとうございました。

 

ロシアがウクライナに侵攻してから7カ月。わずか数日で目的を達する意図であったとされるが、それは幻に過ぎず、世界的に多大な負の衝撃は続いたままである。

こうしたプーチンの意思決定の「失敗」はしかし、強権国家ならではの特質ではない。民主国家でも重大な誤りは起こりうる。原著出版40年後の『集団浅慮』邦訳の意義の一つはここにある。

どんな「ベスト・エンド・ブライテスト」と呼ばれる知的で思慮に富んだエリート集団を擁した民主的政府でも、ときに決断の大失敗を免れないのはなぜか。集団の心理学の広範な知見を踏まえ、膨大な歴史資料を一次資料にまで遡って精査して解き明かしたのが本書である。

・・・・・・

著書のジャニスは危機下の意思決定を熟知した著作(邦訳『リーダーが決断する時』首藤信彦訳、日本実業出版社)でも知られており、本書も長きにわたって政治学、社会心理学、経営学、組織論などの研究分野で重く受け止められてきた。スペースシャトル・チャレンジャー号打ち上げ失敗やトヨタ車暴走のリコール問題の解明にまで応用され、今後も広い範囲で有益である。多大な歴史的事件を扱う翻訳の苦労はいかばかりかと想像されるが、この良訳を歓迎したい。・・・・・・



9784788517707 『集団浅慮』


アーヴィング・L・ジャニス 著
細江 達郎 訳
2022/05/20
ISBN 9784788517707
四六判600頁・定価 4,730円
在庫 在庫あり

 

 

 

 

 

書評 デヴィッド・パレ 著『協働するカウンセリングと心理療法』@心と社会 No.189 2022

デヴィッド・パレ 著『協働するカウンセリングと心理療法』の書評が「心と社会」 No.189 2022に掲載されました。評者は関 百合先生。ご書評くださいました先生、掲載誌ご担当者様に深くお礼申し上げます。ありがとうございました。

・・・・・・
デヴィッド・パレによるこの600頁にわたる大作は、カウンセラー/セラピストがいかにしてクライエントと協働関係を築くかという臨床の知にあふれたテキストである。そこに難しい理論も用語もなく、アインシュタインやギアツなど心理学以外にも幅広い引用を用いて解説し、実践例も豊富に挙げている。この著書は、特にカウンセリングを始めたばかりの初学者にとっては大きな助けになるだろう。初めてのカウンセリングで何をどう聞いたらよいかわけもわからない時、膠着状態に陥った時、クライエントをアセスメントしては見たが役立つようには思えない時、この本は初学者の立場に立って、そして多くの例を引きながら寄り添ってくれる。本来はトレーニング中の大学院生に向けて作成されたのであろう工夫が随所に見られるが、経験を積んだカウンセラー/セラピストも日頃の自らの臨床を顧みる機会として一読をお勧めする。

この著書が画期的であると感じるのは、カウンセリングが実は「文化間の交流」の場であることを明言し、人類学者のフィールドワークを思わせる細心さと共感に満ちた好奇心によってクライエントと協働関係を築くことが重要であることを強調する点である。・・・・・・

 


協働するカウンセリングと心理療法

文化とナラティヴをめぐる臨床実践テキスト

◎新曜社<新刊の御案内>■メール版 第225号■

2022年9月26日発行
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◎新曜社<新刊の御案内>■メール版 第225号■

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◇トピックス
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●お知らせ

弊社ではこのメールマガジン「新曜社<新刊の御案内>」を
メールマガジン配信会社から配信しておりますが、
配信会社のメール・広告が煩わしいという声を受けまして、
弊社からのメーリングリスト配信も行っております。

ご希望の方は下記フォームよりメールアドレスをご記入ください。
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〇書評
ご書評くださいました先生、掲載紙ご担当者様に心よりお礼申し上げます。
ありがとうございました。


佐藤典司、八重樫文 監修・著 後藤 智・安藤拓生 著
『デザインマネジメント論のビジョン』の書評が、図書新聞2022年9月17日付に掲載されました。評者は岩谷昌樹先生です。
https://shin-yo-sha.cocolog-nifty.com/blog/2022/09/post-40d049.html


I.ジャニス 著 細江達郎 訳『集団浅慮』の書評が、「読売新聞」2022年8月21日付に掲載されました。評者は牧野邦昭先生。
https://shin-yo-sha.cocolog-nifty.com/blog/2022/09/post-be84ba.html

 


○新曜社ウェブマガジン「クラルス」
https://clarus.shin-yo-sha.co.jp/

 

 

◇近刊情報
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10月上旬発売予定
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心理療法家がよみとく「君の名は。」
―目に見えないイメージの力
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山 愛美 著
四六判並製208頁・本体2400円+税
ISBN 978-4-7885-1789-9 C1011
分野=臨床心理学

新海誠監督のアニメ映画「君の名は。」の世界に魅せられた著者が、心理療法で夢を扱う手法によって物語の中に入り込み、縦横にイメージを深めていく。心と体、記憶、時間、無意識……深層心理学にまつわるテーマが埋め込まれた作品のあらたな読み方。

*作品のファンはもとより、「君の名は。」をまだ見ていない人にも。
*新海誠監督最新作「すずめの戸締まり」は11月公開!


著者
山 愛美(京都先端科学大学人文学部心理学科教授)

 


10月中旬発売予定
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心理学者の考え方
―心理学における批判的思考とは?
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ドナルド・H・マクバーニー 著
金坂弥起 監訳
A5判並製184頁・本体2100円+税
ISBN 978-4-7885-1787-5  C1011
分野=心理学

心理学を学ぶとは何を学ぶことだろうか。

心理学に対する学生たちの素朴だが鋭い疑問に丁寧に答えながら、一般の人びとが抱いている心理学への誤解を払拭し、科学的な心理学の原理原則を学ぶ49講。心理学に基づく批判的思考を身につけるための一冊。


著者
ドナルド・H・マクバーニー(ピッツバーグ大学名誉教授)
金坂弥起(安田女子大学心理学部現代心理学科教授)

 


10月中旬発売予定
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コンテンツのメディア論
―コンテンツの循環とそこから派生するコミュニケーション(仮題)
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松本健太郎・塙幸枝 著
A5判並製240頁・本体2500円+税
ISBN 978-4-7885-1783-7  C1036
分野=メディア論・現代思想

バルトは「作品からテクストへ」といったが、今や「テクストからコンテンツへ」といえよう。

コンテナ(容れ物)と対で考えられてきたコンテンツは、デジタル革命によりコンテナから離れて情報空間に浮遊する。

その実態をメディア論的に解明する。

 

*コンテンツと呼び変えることで何がどう変わるのかを、スマホ、SNS、ゲームなどとの関わりで具体的に説く。
*サブスクリプション・サービスにより、モノを持つという所有権でなく、データにアクセスする権利が重要になったことなどを取り上げる。


著者
松本健太郎(二松学舎大学文学部教授)
塙幸枝(成城大学文芸学部専任講師)

 


10月下旬発売予定
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文化横断調査
―ソーシャルワーク研究のためのポケットガイド
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ジョルジ・デルヴァ、ポーラ・アレン・ミアーズ、サンドラ・L. モンパー 著
森木美恵、米田亮太 訳
四六判並製216頁・本体2800円+税
ISBN 978-4-7885-1788-2  C3036
分野=ソーシャルワーク、社会福祉

異なる文化的背景をもつ集団が抱える問題や価値観を、安易にその文化の特徴としてしまうことなく、文化的要因と他のアイデンティティ要因との相互作用として多面的に理解するために有効な研究プロセスを、実際の調査研究に即して懇切に紹介。

*シリーズ前作『論文を書く・投稿する』も好評発売中


著者
ジョルジ・デルヴァ(ボストン大学ソーシャルワーク学部長)
ポーラ・アレン・ミアーズ(元イリノイ大学学長)
サンドラ・L. モンパー(ミシガン大学ソーシャルワーク学部准教授)
森木美恵(国際基督教大学上級准教授)
米田亮太(共同通信社編集局文化部記者)


「ソーシャルワーク研究のためのポケットガイド」シリーズ前作
『論文を書く・投稿する』
https://www.shin-yo-sha.co.jp/book/b575208.html

 


10月下旬発売予定
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人文・社会科学のためのヒューリスティクス入門
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アンドリュー・アボット 著
秋吉美都 訳
四六判並製272頁・予価2900円+税
ISBN 978-4-7885-1790-5  C1036
分野=社会学・心理学

ヒューリスティクスとは? 学問上の斬新な発見は、各種の調査法などの緻密な方法論よりも、チェスやパズルのように想像力を駆使した指し手、精神的な動きから生まれる!社会学、心理学をはじめ幅広く応用できる考え方を明快に説いた初の入門書。

*シカゴ大学の学部生むけの講義教科書を全訳。訳者は著者アボット教授の愛弟子。
*学生・初学者が抱く疑問やぶつかる悩みを想定した、懇切丁寧な解説と読みやすい訳文。専門研究者にも有益な示唆に富む読み物となっている。


著者
アンドリュー・アボット(シカゴ大学教授)
秋吉美都(専修大学人間科学部教授)

 

 


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編集後記


今年の3月に知人が亡くなった。海外で金融の仕事に就き、30代半ばで退職、その後資格をとってロンドンでカウンセリングの仕事をしていた。昨年末に日本に帰国するようチケットをとっていたのだけれど、体調をくずし、コロナ禍ということもあり、思うように治療も受けられない状況のなかで亡くなってしまった。

彼女とは仕事の話はまったくせず、なぜカウンセラーの仕事についたのか、その経験をゆっくり聞きたいと思っていたのだけど果たせなかったのが、とにかく心残りである。


スー・スチュアート・スミス著『庭仕事の神髄 老い・トラウマ・孤独を癒す庭』(和田佐紀子訳、築地書館)

著者専門の精神医学や心理療法の知見だけでなく、文学、歴史、科学―科学など広範囲におよぶ興味深いエピソードは読んでいてじつに楽しい。
本書の原著名はThe Well Gardened Mind:Rediscovering Nature in the Modern World。

この邦題はどうなんだろうと思ったけれど、キレイな花々や木をアレンジして美しい庭をつくることなのではなく、庭にいて草花や木の手入れを日々すること、ただ土を耕すことが重要だとしている点で、じつにいい書名だと思った。

亡くなったマリちゃんもガーデニングを楽しんでいたようだ。彼女の庭に、近所に住む友人たちが別れを惜しむサヨナラの看板を立てている写真が送られてきて、知った。あの黄色い花はなんという花だったか、今度調べてみようと思う。(N

 

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◇奥付
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次回発行は2022年10月下旬を予定しております。

書評 I.ジャニス 著 細江達郎 訳『集団浅慮』@読売新聞 2022年8月21日付

I.ジャニス 著 細江達郎 訳『集団浅慮』の書評が、「読売新聞」2022年8月21日付に掲載されました。
評者は牧野邦昭先生。ご書評くださいました先生、掲載紙ご担当者さまにこころよりお礼申し上げます。ありがとうございました。

 団結するほど反論困難に

・・・・・・
 本書では、政策を決定する集団のメンバー間で愛想のよさや団結心が増せば増すほど、独立した批判的思考は困難になり、非合理的な意思決定が行われるようになり集団浅慮が発生すると指摘する。それを防ぐため、集団では反論や疑問を述べることを奨励すること、リーダーは自分の好みや期待を述べることなく公平な立場に立ちオープンな雰囲気を作ること、そして一つの集団だけでなく他の集団も政策の立案と評価に関わることが対処法として示されているが、それを実践することの難しさも本書は指摘している。
・・・・・・

書評全文を読む>>>>>>読売新聞 本よみうり堂




9784788517707 『集団浅慮』


アーヴィング・L・ジャニス 著
細江 達郎 訳
2022/05/20
ISBN 9784788517707
四六判600頁・定価 4,730円
在庫 在庫あり

«佐藤典司、八重樫文 監修・著 後藤 智・安藤拓生 著『デザインマネジメント論のビジョン』@図書新聞2022年9月17日付

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