2024年上半期 読書アンケート@図書新聞 2024年7月27日号

「2024年上半期 読書アンケート」@図書新聞 2024年7月27日号にて

角田 燎 著
『陸軍将校たちの戦後史「陸軍の反省」から「歴史修正主義」への変容』がとりあげられました

「社会的影響力が強いエリート戦争体験者の言説を、世代論を軸に読み解く仕事は重要」

選者は石原 俊 先生。ご書評くださいました先生、書評紙ご担当者さまにこころよりお礼申し上げます。

石原 俊 先生の選書はほか
廣本由香 著 『パインと移民』(新泉社)
大木 毅 著『戦史の余白』(作品社)
です。

9784788518391 『陸軍将校たちの戦後史』
「陸軍の反省」から「歴史修正主義」への変容
角田 燎 著
2024/03/19
9784788518391
4-6判・264頁 定価 3190円

書評 関 礼子 編『語り継ぐ経験の居場所』@図書新聞 2024年7月20日付

 

関 礼子 編 『語り継ぐ経験の居場所』 の書評が、「図書新聞」2024年7月20日付に掲載されました。
評者は平井勇介氏。ご書評くださいました先生、掲載紙ご担当者さまにこころよりお礼申し上げます。ありがとうございました。

 

……人はさまざまな経験をする。その経験には、否応なく加害/被害の側面もある。自分(たち)のために直接的/間接的に他者に理不尽な経験を強いたこと、他者や社会から理不尽な経験を強いられたこと、誰もが身に覚えがあるものだろう。そうした数々の経験を自分なりに生かして、人とのかかわり方や失敗を回避する方法、理不尽な状況への対処の仕方などを生み出し、よりよい生き方を目指そうとする。このような人びとの創意工夫の根底にある「経験」を人類が共有できれば、社会はきっと良い方向に進んでいくのかもしれない。しかし、さまざまな理由で「経験」は語られない/伝わらないことが多い。とくに本書がとりあげているような凄惨な「経験」や理不尽な「経験」を語ることは、それだけで辛いことであろうし、語ったとしてちゃんと理解されることなどないし、異なった解釈(ときに暴力的な解釈)をされることも往々にしてある。聞く側の態勢が整っていないようにみえることがほとんどであろうし、聞く側にとって凄惨な「経験」を聞くことはしばしば「生理的な嫌悪」(7章)を抱くことでもあろう。語る側/聞く側のさまざまな思いが交錯するなかで、「経験」を語る/聴くということは想像以上に難しい。

 それでも本書は、そうした「経験」が語り継がれることの可能性を模索する。……

 

 

9784788518308 語り継ぐ経験の居場所
排除と構築のオラリティ

関 礼子 編
松村 正治・青木 聡子・高﨑 優子・
丹野 清人・廣本 由香・飯嶋 秀治 著

2023/11/05
ISBN 9784788518308
四六判280頁・定価 3190円(本体2,900円+税)
在庫 在庫あり

書評 金菱 清 著『生ける死者の震災霊性論』@「図書新聞」2024年7月20日号

「図書新聞」2024年7月20日号に、金菱清著『生ける死者の震災霊性論』の書評が掲載されました。評者は麦倉 哲氏。ご書評くださいました先生、掲載誌ご担当者さま、ありがとうございました。こころよりお礼申し上げます。


著者は、震災で大切な人を亡くした人との交流を続けている。アライ(Ally、支援者)でもなく、寄り添うでもなく、対象となる人びと(遺族ら)とやり取りを重ね、遺族らが向き合ってきた精神世界を知ろうとし、加えて遺族らと故人の対話に臨場しようとしている。また、そうした日常世界を世に知らしめようとしている。宗教学的、哲学的、民俗学的にも考察しようとしている。調査方法としては、社会学・社会調査の方法を駆使し、新境地を切り拓こうとしている。

……

著者はこの13年間、学生たちとともに、被災地での数々のフィールドワークを積み重ねて、おそらく死者からのエールも受けて、多くの著書・報告書を刊行してきた。本書は、その積年の軌跡を知る体系的な書である。著者が、生者と死者との関係を観るまなざしや、生者の精神世界を理解するためのアプローチの巧みさと、たぐいまれなこだわりは、著者の丹精込めた取り組みから伝わってくる。それが遂行できたのも一様ではなかっただろう。そのことは、著者を鼓舞した「ピンと張りつめた想い」と、著者が「あとがき」でもらした「たたかってきた」という本音からうかがえる。主題は死者との対話か、それらを日常とみる社会文化環境の実相を描くことか。

 

 

9784788518421  生ける死者の震災霊性論

 災害の不条理のただなかで

 出版年月日 2024/03/11
 ISBN 9784788518421
 4-6判208頁・定価2530円(本体2,300円+税)

書評 角田 燎著『陸軍将校たちの戦後史』@「世界」 2024年8月号



角田 燎著『陸軍将校たちの戦後史』が「世界」 2024年8月号 p248-253にて書評されました。評者は内田雅敏氏。内田先生、ご書評いただきましたことこころよりお礼申し上げます。


……

(自衛隊幹部が)東京裁判否定を堂々と述べ、靖国神社と一体化したその歴史観に言葉を失う。同時に、靖国神社の聖戦史観=大東亜戦争史観・アジア解放史観と、この国の戦後の通奏低音となっている対米従属性とを見事なまでに両立させている「柔軟性」に驚く。
 戦争を放棄し、戦力の不保持、交戦権の否認をうたった日本国憲法下に置かれた自衛隊の幹部らが、なぜいま、靖国神社とこのように近しい関係にあるのか。

 この疑問を氷解させてくれたのが、立命館大学立命館アジア・日本研究所専門研究員の角田燎氏による『陸軍将校たちの戦後史』である。

・・・・・・・

 

9784788518391 『陸軍将校たちの戦後史』
「陸軍の反省」から「歴史修正主義」への変容
角田 燎 著
2024/03/19
9784788518391
4-6判・264頁 定価 3190円

 

論考 金菱清「震災霊性論」@「世界」2024年8月号



「世界」2024年8月号に、金菱清先生による「震災霊性論」の論考が掲載されました。

 この十数年続けてきた東日本大震災の調査研究の成果を『生ける死者の震災霊性論――災害の不条理のただなかで』(新曜社)として刊行しました。そこで提案した「震災霊性論」という概念は、私が震災における死者の問題に取り組む中で見出したものです。以前、お墓研究会に入っていたことなどもありましたが、死や死者について、愛する家族を亡くして懊悩する人々から考えなければいけない切実な問いがでてきたのは、東日本大震災の発生を受けてのことでした。私の身近な人が亡くなったというわけでもありません。それまで関心の薄かった私が目を向けなければならなくなった、生者と死者との深い関係性について本稿では考えてみたいと思います。

…………
…………

 震災霊性論は、私たちの死生観や近代社会のあり方を捉えなおすことにも通じます。コロナ禍においては、感染拡大対策のもとに、死者との対面がかなわず、火葬にも立ち会えない場面がありました。そのため、死者との結びつきが絶たれ、死者数という単なる数字に換算され忘却されてきたのは記憶に新しいことです。こうしたコロナ禍における死者の扱いは、死者が生者のなかに生きている、「生ける死者」という死生観からかけ離れたものであり、近代社会のあり方を極限までむき出しに示したといえます。

 

 

9784788518421  生ける死者の震災霊性論

 災害の不条理のただなかで

 出版年月日 2024/03/11
 ISBN 9784788518421
 4-6判208頁・定価2530円(本体2,300円+税)

申 惠媛著『エスニック空間の社会学』 2024年6月29日付「図書新聞」

申 惠媛著
『エスニック空間の社会学 新大久保の成立・展開に見る地域社会の再編

の書評が2024年6月29日付「図書新聞」にて掲載されました。評者は三浦綾希子先生。ご書評くださいました先生、書評紙ご担当者様、ありがとうございます。こころよりお礼申し上げます。  

……

本書で検討されるのは、エスニックな観光地「新大久保」の出現によって「地域社会」が変容・再編される過程である。この分析をつうじて、移動性や開放性を前提とする「地域社会」の捉え方を模索することが本書の目的である。本書の特徴は、これまで「地域社会」の構成員とみなされてこなかった人々、例えば複数の国を行き来しながら観光資源を提供するビジネス経営者や観光客のような一時滞在者をも対象者に含め、かれらを特定の空間的範域に「共在」する者として捉えている点である。……
……

本書はこれまでの移民・エスニシティ研究と都市社会学の知見を丁寧に整理し、精緻でオリジナルな分析枠組みを構築した上で、インタビュー、メディア分析、参与観察など複数の手法を組み合わせながら、多様なアクターが織りなす社会関係のダイナミクスを描いた良著である。本書の最も大きな功績は、「社会関係レイヤー」という視点を導入することによって、これまで統一的に捉えられてきた地域社会を重層的なものとして描き、そこに「共在」する人々が織り込まれている超越的な文脈を組み込んだ上で、レイヤー間の相互作用の在り方を示した点である。……


 

9784788518322 『エスニック空間の社会学』
新大久保の成立・展開に見る地域社会の再編

 

申 惠媛 著
出版年月日 2024/01/31
ISBN 9784788518322
判型・ページ数 A5・352ページ
定価 4,840円(本体4,400円+税)

◎新曜社<新刊の御案内>■メール版 第245号■

2024年6月24日発行
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◎新曜社<新刊の御案内>■メール版 第245号■

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◇トピックス
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●お知らせ

「新曜社総合図書目録2024 ver.2」ができました。
冊子版をご希望の方は、弊社問い合わせフォームよりご連絡ください。
PDF版は下記弊社サイトよりダウンロードしていただけます。
https://www.shin-yo-sha.co.jp/news/n57271.html


弊社ではこのメールマガジン「新曜社<新刊の御案内>」を
メールマガジン配信会社から配信しておりますが、
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弊社からのメーリングリスト配信も行っております。

ご希望の方は下記フォームよりメールアドレスをご記入ください。
(ご登録いただきましたアドレスは配信以外には使用いたしません)
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〇書評
ご書評くださいました先生、掲載紙ご担当者様に心よりお礼申し上げます。
ありがとうございました。

楊 駿驍・トウ 剣(トウはのぼりへんにおおざと)・松本健太郎 編『日中韓のゲーム文化論 なぜ、いま〈東アジア・ゲーム批評〉なのか』の書評が2024年5月17日付「週刊読書人」にて掲載されました。評者は渡辺範明氏。
https://shin-yo-sha.cocolog-nifty.com/blog/2024/06/post-4131e7.html


『日中韓のゲーム文化論 なぜ、いま〈東アジア・ゲーム批評〉なのか』の書評が、2024年6月12日「電ファミニコゲーマー」に掲載されました。評者は伊藤誠之介氏。
https://news.denfaminicogamer.jp/kikakuthetower/240612b


2024年6月16日付 読売新聞書評欄「始まりの1冊」にて、古田徹也先生の『それは私がしたことなのか』を、おとりあげいただきました。
https://shin-yo-sha.cocolog-nifty.com/blog/2024/06/post-a26b1a.html


『日中韓のゲーム文化論 なぜ、いま〈東アジア・ゲーム批評〉なのか』の書評が2024年6月29日付「図書新聞」にて掲載されました。評者は川﨑寧生先生。
https://shin-yo-sha.cocolog-nifty.com/blog/2024/06/post-cc5cc9.html


申 惠媛著『エスニック空間の社会学 新大久保の成立・展開に見る地域社会の再編』の書評が2024年6月29日付「図書新聞」にて掲載されました。評者は三浦綾希子先生。
https://shin-yo-sha.cocolog-nifty.com/blog/2024/06/post-fbd9b9.html

 

○新曜社ウェブマガジン「クラルス」

連載 『自己の科学は可能か』出版記念シンポジウムの現場から
https://clarus.shin-yo-sha.co.jp/categories/1074

 

◇近刊情報
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2024年7月下旬発売
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原爆映画の社会学
──被爆表象の批判的エスノメソドロジー
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好井裕明 著
四六判並製416頁・本体3600円+税
ISBN 978-4-7885-1851-3  C1036
分野=社会学

反戦反核という定番の語りに、新たな意味を創造するには――。これまで製作されてきた原爆映画やドキュメンタリーを解読し、私たちの形骸化したヒロシマ・ナガサキ理解を打ち破る契機を見出す。被爆者の声に応答せんとする、映画を読み解く社会学。

*敗戦直後から近年までの数多の原爆映画を渉猟してきた著者による、ライフワークの集大成。

著者
好井裕明:摂南大学現代社会学部特任教授

 


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編集後記


『町内会』(玉野和志/著、ちくま新書)


書店で新書の新刊棚を見ていた際に、この本が目に入った。
というのも、田舎に住む親が町内会の地区会長を担当したからだ。


孫と一緒に会いに行くから予定を確認して、と話した際に、「その日は町内会議が入るかもしれないから難しい」と言われた時は驚いた。
いや、関東から関西へはるばる孫を連れて会いに行くのに、なぜ町内会を優先するのか?そんなの休めばいいじゃないかと思ったが、どうもそう簡単に休めるものではないらしい。

その他にも驚いたこととして、
・365日、いつでも電話がかかってくる。電話の内容は「近所のゴミ捨て場が荒れている」といったものから、次回の会議のことなど様々。

・ゴミ捨て場が荒れていることを厳しく見ている人がおり、連絡が入ると掃除に行かなければならない。

・大雨の日などに、土砂が道路に流れていた際、通る車の安全のため、転がっている石を拾わなければならない(大雨警報が出ている中)

こんなことを昨年から多く耳にしたものだから気になって購入した。

 

既に述べた「ゴミ捨て場の整理」などは、本来行政がやるべき仕事だが、町内会が担当していることが多い。なぜこんなに行政に都合の良い仕組みが出来上がったのか、それを解明していくのが本書のねらいだと著者は述べる。

なぜ全戸加入を求めるのか、どうして行政の下請け仕事のようなことをするのか、本当にやらなければならないことは何なのか、町内会にしかできないことは何か。

町内会はいざというときに、住民どうしが助け合うことや、行政や政治に要求することが円滑にできるよう、日頃からゆるやかなつながりを維持することに、その存在意義があるという。

活動はなによりその担い手自身が楽しめることを優先し、地域の人たちがそれとなく知り合える親睦を旨とすべき、と書いていた。全国の町内会に届いてほしい1冊だ。

 

私自身の現在住んでいる地域では、町内会は存在するものの、年に一度会費を支払うことと、月に一度の回覧板くらいで、ほとんど活動には参加しなくてよい。
そんなだから冒頭の「町内会議だから休めない」への理解が難しかったわけだが、本書を読んでその歴史を知った今、親も色々と頑張っているんだなと考えを改めた。

担い手が少なくなる今後どうなっていくのか。父親の町内会活動には耳を傾けていきたい。
自分が老後、地元に帰りたいと思うようなことがあったとき、どうなっているだろうか。(H


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◇奥付
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次回発行は2024年7月下旬を予定しております。

書評 楊 駿驍・鄧 剣・松本健太郎 編『日中韓のゲーム文化論』 2024年6月29日付「図書新聞」

楊 駿驍・鄧 剣・松本健太郎 編
『日中韓のゲーム文化論  なぜ、いま〈東アジア・ゲーム批評〉なのか』

の書評が2024年6月29日付「図書新聞」にて掲載されました。評者は川﨑寧生先生。ご書評くださいました先生、書評紙ご担当者様、ありがとうございます。こころよりお礼申し上げます。  

 

日中韓三国のゲーム文化の社会文化的差異の共同理解を進める

……三国のゲーム文化は、各々の国の社会文化に影響を受ける形で、受容に大きく差異が現われている。その結果、研究においても独自のアプローチがなされてきた。しかし、前書きによると、特に人文学の分野では、各国の研究が繋がらないまま進み、研究の独自性についても顧みられてこなかった。今後、「東アジア」地域全体を考え、共同して研究を進めるためには、ゲーム研究においても、様々な社会・文化的差異が生まれる要因について、考え理解する必要がある。

 本書は、上記のような研究史上の課題を解決することに挑戦するため、刊行された。本書では各国の第一人者による、ゲーム作品と周辺の社会文化を対象とした論考が18本収録されている。各国の割合は日本が10本、中国が5本、韓国が3本とばらつきがある。あとがきによると元々中国向けに刊行された日本ゲーム研究アンソロジーを、本書の目的に合わせる形で直近の中韓の代表的な論考を翻訳、追加し、編集したためであろう。いずれにせよ、普段我々が手に取れない中韓の研究を日本語で読むことが可能なのはありがたいことであり、収録された論考も重要なものばかりである。


……本書を契機として、今後は中韓との共同のゲーム研究が様々な形で進むとともに、東アジア各国のゲーム文化と社会との関わりについての研究も進み、東アジア全体の研究を共同して進められる環境が更に整っていくことを期待したい。

 

 

9784788518360   日中韓のゲーム文化論

  なぜ、いま〈東アジア・ゲーム批評〉なのか
  楊 駿驍・鄧 剣・松本健太郎 編
  出版年月日 2024/03/05
  ISBN 9784788518360
  A5判・400頁
  定価4,950円(本体4,500円+税)

記事 古田徹也著『それは私がしたことなのか』2024年6月16日読売新聞「始まりの1冊」

2024年6月16日付 読売新聞書評欄「始まりの1冊」にて、
古田徹也先生の『それは私がしたことなのか』を、おとりあげいただきました。


……自分がすでに書いたものから引っ張ってくるのではなく、全体としてひとつの流れのある思考を一から紡ぎたいと思った。しかも、一般書なのだから、研究書や論文よりも幅広い層の人が興味をもって読んでくれるような本をつくりたかった。自分なりにベストを尽くして、髙橋さんから最初のメールが届いてからちょうど2年後の2013年8月に、私の始まりの1冊、『それは私がしたことなのか』が刊行された。

……最初の2か月間はろくに反応がなかったが、そこから大きな変化があった。英米哲学とは異なる領域の哲学者や、社会学者、言語学者、さらに、看護師や作業療法士といった多様な職業の方からも、本を読んだ感想が届くようになった。特に、ある医師の方からいただいた手紙には、刊行当初に英米哲学の専門家から向けられた批判よりも、遥かに鋭く重要な批判が書かれていて、目を開かされた。
 本を世に出し、書店に置かれるとはこういうことなのだと知った。思いもかけない人々に届き、思いもかけない角度から、自分に見えている物事の意味や可能性や限界を教えてくれる。自分はいまも、このときの感動と、2011年夏に神田神保町の喫茶店で自分の論文の束を見たときの感動のなかにいる。だから、本と論文を書く意欲はまったく落ちていない。......





9784788513440古田徹也 著
それは私がしたことなのか

四六判280頁・定価2640円
発売日 13.8.2
ISBN 978-4-7885-1344-0




 

書評 楊 駿驍・鄧 剣・松本健太郎 編『日中韓のゲーム文化論』@2024年5月17日付「週刊読書人」

楊 駿驍・鄧 剣・松本健太郎 編
『日中韓のゲーム文化論  なぜ、いま〈東アジア・ゲーム批評〉なのか』

の書評が2024年5月17日付「週刊読書人」にて掲載されました。評者は渡辺範明氏。ご書評くださいました先生、書評紙ご担当者様、ありがとうございます。こころよりお礼申し上げます。  

 

かつて、日本のゲームファンもゲーム業界人も、日本国内の動向だけを見ていれば、それがほぼイコール世界の最先端であった幸運な時代があった。1970年代末~90年代、『スペースインベーダー』から初代プレイステーションぐらいまでの時代である。ところが2000年代、ハードスペックの向上とともに欧米型の大規模スタジオワーク有利の時代が訪れ、良くも悪くも職人気質な日本のゲーム業界は大作ゲームの開発に後塵を拝しはじめた。......2024年現在、「日本はもはやゲーム先進国ではない」という事実が、業界の共通認識になって久しい。つまり「日本のことだけ知っていればいい」という時代は、とうの昔に過ぎ去っているのである。それにも関わらず、私たちは自国以外のゲーム文化について、驚くほど無知である。......

......

本書を手に取る方に、最初に一読をお勧めしたいのは第一章「日本ゲームはいかに語られてきたか」である。評論家 中川大地へのインタビューを通し、日本におけるゲーム評論史の概略がわかる。「ゲーム史」でなく「ゲーム評論史」であるところが重要で、本書自体の立ち位置をメタな視点から確認する意味も持つ章といえる。

そして次にお勧めなのが第二章「ゲームフリークはバグと戯れる」である。人類学者・中沢新一によるこの「日本一有名なゲーム評論」のテキストは、1984年初出の「日本初のゲーム評論」でもある。テキスト自体の歴史的価値もさることながら、今あらためて読んでも電子ゲームの誕生からゲーム産業の黎明期にかけての空気が克明に記述されており、日本におけるゲーム受容史の序章としても興味深い。......

......
......

しかし、ここまで読むと、この二国のゲーム史に共通した、ある大きな要素にも気づかされる。それは、中韓の歴史の通奏低音となっている日本文化への警戒心である。日本は1970年代末~90年代、多数の先進的なハード/ソフトを生み出したが、それら日本製のゲームが自国に普及することが「文化的侵略」にあたるという意識は、中韓に共通していた。日本製ゲームの普及を許せば自国民の「日本化」を招くという両政府の思惑だけでなく、大衆の視点でも反日的感情と先進的ゲームへの渇望がアンビバレントに絡み合っていたようだ。初期の中韓ゲーム史は、このようなジレンマと戦いながらの「日本文化受容史」でもあったと言えるだろう。......

......
......



9784788518360   日中韓のゲーム文化論

  なぜ、いま〈東アジア・ゲーム批評〉なのか
  楊 駿驍・鄧 剣・松本健太郎 編
  出版年月日 2024/03/05
  ISBN 9784788518360
  A5判・400頁
  定価4,950円(本体4,500円+税)

◎新曜社<新刊の御案内>■メール版 第244号■

 

2024年5月20日発行
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◎新曜社<新刊の御案内>■メール版 第244号■

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◇トピックス
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●お知らせ

「新曜社総合図書目録2024 ver.2」ができました。
冊子版をご希望の方は、弊社問い合わせフォームよりご連絡ください。
PDF版は下記弊社サイトよりダウンロードしていただけます。
https://www.shin-yo-sha.co.jp/news/n57271.html


下記ネット書店様にて、販売中の書籍が数点「販売休止中」となっておりましたが、修正いたしました。

タワーレコードオンライン
https://tower.jp

ヨドバシ.com
https://www.yodobashi.com/

楽天ブックス
https://books.rakuten.co.jp/book/?l-id=header-navi-book


弊社ではこのメールマガジン「新曜社<新刊の御案内>」を
メールマガジン配信会社から配信しておりますが、
配信会社のメール・広告が煩わしいという声を受けまして、
弊社からのメーリングリスト配信も行っております。

ご希望の方は下記フォームよりメールアドレスをご記入ください。
(ご登録いただきましたアドレスは配信以外には使用いたしません)
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〇書評
ご書評くださいました先生、掲載紙ご担当者様に心よりお礼申し上げます。
ありがとうございました。

角田 燎 著『陸軍将校たちの戦後史』の紹介が、日本経済新聞 2024年4月20日付に掲載されました。
https://shin-yo-sha.cocolog-nifty.com/blog/2024/04/post-4eb450.html


角田 燎 著『陸軍将校たちの戦後史』の紹介が、週刊読書人 2024年5月3日付に掲載されました。評者は好井裕明先生。
https://shin-yo-sha.cocolog-nifty.com/blog/2024/05/post-b15f35.html

 

○新曜社ウェブマガジン「クラルス」

『社会学者のための 論文投稿と査読のアクションリサーチ』刊行記念イベントを開催します。詳細は下記リンク先より。ぜひお申し込みください。
https://clarus.shin-yo-sha.co.jp/posts/8041


連載 『自己の科学は可能か』出版記念シンポジウムの現場から
https://clarus.shin-yo-sha.co.jp/categories/1074

 

◇近刊情報
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2024年6月上旬発売
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わたしたちは見ている
──原発事故の落とし前のつけ方を
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市民が育てる「チェルノブイリ法日本版」の会 著
柳原敏夫・小川晃弘 編
A5判並製88頁・本体636円+税
ISBN 978-4-7885-1850-6  C0036
分野=市民運動・原発事故

原発推進・反対に関係なく、国家として原発を維持する以上、事故被災者の人権を守る法律が欠かせない。それはどのような法律か。制定によって何がもたらされるか。どう実現させるか。「市民が育てる『チェルノブイリ法日本版』の会」の提言と条例案。

*緊急出版
 「チェルノブイリ法日本版」を制定し、原発事故被災者に人権を!

 

著者
市民が育てる「チェルノブイリ法日本版」の会
https://chernobyl-law-injapan.blogspot.com/


編集
柳原敏夫:法律家
小川晃弘:メルボルン大学アジアインスティチュート教授


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2024年6月上旬発売
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誰が場所をつくるのか
─ポストヒューマニズム的試論
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森 正人 著
四六判並製352頁・本体3400円+税
ISBN 978-4-7885-1848-3  C1025
分野=哲学・思想・地理学

場所を問うことは、社会を、世界を、人間を問うことである。人や人あらざるものが出会い、いかなる相生と相克の末に場所は生成するのか。人文地理学の最新の議論も踏まえ、身体から国際社会まで様々なスケールの場所を題材に我々という地層を剥ぐ。

*人文地理学において注目されてきた「場所」について、ポストヒューマニズム的な見地から論じる初の試み。


著者
森 正人:三重大学人文学部教授


森 正人先生 既刊
『文化地理学講義』好評3刷
https://www.shin-yo-sha.co.jp/book/b591006.html

『展示される大和魂』
https://www.shin-yo-sha.co.jp/book/b455488.html

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2024年6月中旬発売
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アンラーニング質的研究
─表象の危機と生成変化
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楠見友輔 著
四六判並製312頁・本体3600円+税
ISBN 978-4-7885-1847-6  C1011
分野=質的心理学・質的研究法

質的研究は幅広い分野に拡大し、豊かな実践を生み出している。その一方で、方法は知らず知らずのうちに形骸化し、必要とされる変化を閉ざしてしまう可能性がある。質的研究を「アンラーニング(学びほぐし)」し、問いを創出しつづけるための本。


著者
楠見友輔:信州大学教育学部講師

 

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編集後記

 

ゴールデンウィーク明けのある日、Twitterで「保育園の洗礼」がトレンド入りしていた。

「保育園の洗礼」とは、新たに保育園に通い始めた子どもが風邪などの感染症に頻繁にかかることをさす言葉だ。

昨年の編集後記でふれたが、8月に誕生したわが子も4月から保育園に入園した。
今のところわが家は保育園の洗礼を受けていないね…と話していたのも束の間、ある週は5日間のうち4日も早退と休みを繰り返すことになってしまい、妻と交互に会社を休んだ。
洗礼からは逃げきれなかった。

できれば会社を休みたくないのだが、共働きなことをふまえると、夫婦で相談し休める方が休んで世話をすることになる。

 

『学校と日本社会と「休むこと」 「不登校問題」から「働き方改革」まで』(保坂享/著、東京大学出版会)

 

ながらく教育現場で勤務していた著者が、学校や会社、またスポーツの現場など様々な方面から「休むこと」を考える本。

第5章 高校野球と「休み」では、史上初の「延長18回引き分け再試合」の例の紹介や、「球数制限の導入」など野球ファンも楽しめる内容となっていた。

高校野球好きとしてはここの章をもっと取り上げたいのだが、グッとこらえて他の気になった章を紹介する。

第2章 日本社会の働き方 より。
まず「半ドン」という言葉。みなさんはご存知だろうか。かつて日本の学校や企業の多くは土曜日も半日働く形だった。
半分が休日(オランダ語でゾ[ド]ンタク)なので、半ドン。
上司に聞いて言葉だけは知っていたが、本書によると1988年ごろから「1日8時間、週48時間」から、「週40時間、1日8時間」への移行がはじまり、1997年に全面移行となったそうだ。

ところが皮肉なことに、週休2日に移行したにもかかわらず、時間外労働や休日出勤が増え、結果として労働時間は増えてしまったという。
「24時間戦えますか?」をキャッチフレーズとする栄養ドリンクのCMもこの頃だ。
ここから「過労死」の話題へと本書は続いていく。

 

学校を休むこと、仕事を休むことについて改めて考えるきっかけになれば、というのが執筆動機だと著者はあとがきで語る。
冒頭の「保育園の洗礼」の対処も、夫婦お互いの職場の理解があって休めているが、実際には休めなかったり片方が定職を諦めたり、といったことも起こっているのだろう。

誰もが生活と労働を無理なく両立させていくために、「休むこと」に対する意識改革は不可欠と思われるので、広く読まれてほしい1冊だ。(H

 

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◇奥付
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書評 角田 燎 著『陸軍将校たちの戦後史』 週刊読書人 2024年5月3日付

角田 燎 著『陸軍将校たちの戦後史』
の紹介が、週刊読書人 2024年5月3日付に掲載されました。評者は好井裕明先生。ご書評くださいました先生、掲載紙ご担当者さま、ありがとうございます。

 

アジア・太平洋戦争をめぐり多くの戦争社会学研究成果がある。それらは戦争観・戦争の記憶研究であり軍隊体験者の戦後史研究であり戦友会の研究群だ。本書は元陸軍将校たちという軍人エリートをめぐるものであり、先行研究の欠落を埋める貴重な成果だ。

……『偕行』の言説をただ印象的に読み解くのではなく「会の中心世代/世代間相違」「会の資産/社会関係資本」「政治との関わり」「戦後社会から陸軍、陸軍将校へ向けられた視線」という四つの分析軸を設定し、そこから時代状況や文脈に感応した著者独自の論述は説得的であり思わず読みこんでしまう。本書を読んで最も印象に残ったのは「陸軍の反省」の内実であり、元陸軍将校たちのどうしようもない「エリート」性だ。……

 

9784788518391 『陸軍将校たちの戦後史』
「陸軍の反省」から「歴史修正主義」への変容
角田 燎 著
2024/03/19
9784788518391
4-6判・264頁 定価 3190円

紹介 角田 燎 著『陸軍将校たちの戦後史』日本経済新聞 2024年4月20日付

角田 燎 著『陸軍将校たちの戦後史』
の紹介が、日本経済新聞 2024年4月20日付に掲載されました。掲載紙ご担当者さま、ありがとうございます。

旧陸軍を率いたエリートである将校らは、戦後どのような戦争観を持ったのか。軍でのキャリアや世代で異なるが、時代によって社会の風当たりは変わり、戦争観も変容していく。陸軍士官学校の同期生会をもとにした親睦団体としてスタートした「偕行社」の会報に注目し、つぶさに分析した。......戦争体験者が減り、社会が移り変わるなか、戦争を語り継ぐ難しさを浮き彫りにする。



9784788518391 『陸軍将校たちの戦後史』
「陸軍の反省」から「歴史修正主義」への変容
角田 燎 著
2024/03/19
9784788518391
4-6判・264頁 定価 3190円

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〇書評
ご書評くださいました先生、掲載紙ご担当者様に心よりお礼申し上げます。
ありがとうございました。


金菱清著『生ける死者の震災霊性論 災害の不条理のただなかで』の寸評が東京新聞2024年3月31日付に掲載されました。
https://shin-yo-sha.cocolog-nifty.com/blog/2024/03/post-bfb31d.html


楊駿驍・トウ 剣(トウはのぼりへんにおおざと)・松本健太郎 編『日中韓のゲーム文化論 なぜ、いま〈東アジア・ゲーム批評〉なのか』の紹介が2024年3月30日付「日本経済新聞」にて掲載されました。
https://shin-yo-sha.cocolog-nifty.com/blog/2024/04/post-a3c4ea.html


五十嵐 素子・平本 毅・森 一平・團 康晃・齊藤 和貴 編『学びをみとる』の書評が、「教育展望」2024年4月に掲載されました。
評者は寺崎千秋氏。
https://shin-yo-sha.cocolog-nifty.com/blog/2024/04/post-05b3f6.html


角田 燎 著『陸軍将校たちの戦後史』の紹介が、毎日新聞 2024年4月6日付にて掲載されました。
https://shin-yo-sha.cocolog-nifty.com/blog/2024/04/post-712bb5.html

 

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◇近刊情報
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2024年5月上旬発売
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社会学者のための
論文投稿と査読のアクションリサーチ
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樫田美雄・栗田宣義 編著
A5判並製192頁・本体2200円+税
ISBN 978-4-7885-1846-9  C3036
分野=社会学

(表向きには)ブラックボックスとされてきた論文投稿と査読の舞台裏で、実際には何が行われているのだろうか。現場で起きていることに分け入り、「論文投稿と査読の様々な局面」に応用可能な知見を、社会学者たちへ還元する。


*社会学誌の編集委員を渡り歩いた編著者による、実地的な裏付けのなされた〈講義編〉全6章。

*関係者以外は閲覧できない、投稿者と査読者による改稿プロセスと査読コメントのやり取りも〈実践編〉として特別に公開。

*学術誌の編集委員を経験してきた5名の社会学者と、査読誌へ論文を掲載した3名の研究者によるホンネトークを収録した〈座談会編〉。


編著者
樫田美雄:摂南大学現代社会学部教授
栗田宣義:甲南大学文学部教授


弊社関連書
『新社会学研究 2023年 第8号』
https://www.shin-yo-sha.co.jp/book/b633655.html


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2024年5月中旬発売
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質的研究のためのフォーカスグループ
─SAGE 質的研究キット 4
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ロザリン・バーバー著
大橋靖史 監訳
A5判並製240頁・本体2800円+税
ISBN 978-4-7885-1847-6  C1011
分野=質的心理学・質的研究法

マーケティングにおける手法として紹介されることが多かったフォーカスグループを、質的研究におけるデータ収集方法の柱の一つとして位置づけ、他の質的手法といかに組み合わせるか、フォーカスグループの強みをどう活用するかを理論と実践から解説。


*SAGE 質的研究キット全巻完結!


著者、監訳者
ロザリン・バーバー:イギリス・オープンユニバーシティ名誉教授。
大橋靖史:淑徳大学総合福祉学部教授


SAGE質的研究キット シリーズ 全8巻
https://www.shin-yo-sha.co.jp/search/s13272.html

 

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編集後記

 

以前の編集後記で触れた、京成八幡駅前の山本書店さんが4月5日で閉店した。

「1000円以上購入で20%引き」でたくさん購入していたら、最終週は「1000円以上購入で半額」になり、またさらに購入。
最終週は5回も訪問してしまった。

いつ行ってもお客様で混雑しており、地元に愛されている古本屋さんだったとあらためて感じた。閉店が惜しい。


最後ということで大量に購入してしまったのだが、その中から数冊紹介したい。

『紀州路の歴史ロマンを歩く』(寒川萬七/著、創樹社美術出版)
値段なんと10,000円。
半額で買えるこの機会を逃したくないと、なんとか妻を説得。
いままで購入した古本の中でもっとも高い買い物となったが、帰省の際に祖父母と読むのが楽しみだ。


『岩波文庫解説総目録 1927~1996』全3冊(岩波文庫編集部/編)
どこを探しても値段の書いてある場所がわからず、緊張しながらレジに持っていったらセットで500円だった。安い。


『認知心理学事典』(新曜社)
自社本を購入。
半年前に初めて足を運んだときからずっと棚にあった。
閉店後の4/6(土)、なんと店内を整理しながらお店を開けているという情報がSNSから入ってきた。
慌ててお店に行ったら、この本が棚にポツンと残っていたので思わず買ってしまった。1998年発行、在庫僅少本です。


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閉店つながり?ではないが、弊社も神保町の倉庫の契約終了に伴って出庫が基本的に埼玉の倉庫からとなった。

現在、神保町の倉庫にある10,000冊の本をひたすら箱詰めし、埼玉の倉庫に送る作業に追われている。
棚卸しを兼ねて1点1点数えながらの箱詰め。
書店勤務の頃の返品作業を思い出した。

入社して少しの期間だったが、自らで出荷を行う経験は
自社商品に触れる機会が多くあり、貴重な体験だった。
実際に出庫することで売れていることを肌で感じることができた。
書評が載ったときや、賞を受賞した際などわかりやすく注文が増える時がうれしかった。

いただいた注文を、間違わずに出荷すること。簡単に思えるがこれを毎日継続することが非常に難しいことがよくわかった。
倉庫の出荷担当の方々、いつもありがとうございます。


次回はNさんに「山本ビルの思い出」を書いてもらおう(H


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紹介 角田 燎 著『陸軍将校たちの戦後史』毎日新聞 2024年4月6日付け

 

角田 燎 著『陸軍将校たちの戦後史』
の紹介が、毎日新聞 2024年4月6日付けに掲載されました。掲載紙ご担当者さま、ありがとうございます。

元陸軍将校たちが戦後に作った親睦団体「偕行社(かいこうしゃ)」の会誌を分析し、彼らの戦後史を浮き彫りにした。
この偕行社は、1952年、元軍上層部から敗戦時の陸軍士官学校生徒まで、親子以上の年齢差がある集団として始まる。……
 
 同じ元将校で、世代やキャリアの差、時々の風潮との関係で、何をどう考え、発言してきたかは大きく違う。その変遷は、戦後という時代を映し出す鏡だったとわかる。(生)

9784788518391 『陸軍将校たちの戦後史』
「陸軍の反省」から「歴史修正主義」への変容
角田 燎 著
2024/03/19
9784788518391
4-6判・264頁 定価 3190円

書評 五十嵐 素子・平本 毅・森 一平・團 康晃・齊藤 和貴 編『学びをみとる』@「教育展望」2024年4月

五十嵐 素子・平本 毅・森 一平・團 康晃・齊藤 和貴 編
『学びをみとる』の書評が、「教育展望」2024年4月に掲載されました。評者は寺崎千秋氏。ご書評くださいました先生、掲載誌ご担当者さま、ありがとうございました。こころよりお礼申し上げます。

 

「資質・能力の三つの柱」等の資質・能力を身につけるための「主体的・対話的で深い学び」が実現されているだろうか。この主体的に学ぶ子どもの学びを教師はどう見とればよいかが大きな課題となっている。「学びをみとる」と題した本書は、「教師の手だてをみとる」「生徒の授業経験をみとる」ことを目指し、この課題について正面から具体的に取り組んだ方法や成果を紹介しており、読者に光明を与えるものとなるだろう。……

 読み終えて、教師の手だての見方・考え方、子どもの学びの見取り方が一皮むけたように感じた。著者の研究・実践に感謝したい
 

9784788518230 五十嵐 素子・平本 毅・森 一平・團 康晃・齊藤 和貴 編
学びをみとる
エスノメソドロジー・会話分析による授業の分析
出版年月日 2023/11/07
ISBN 9784788518230
A5判・308ページ 定価 3,410円

楊 駿驍・鄧 剣・松本健太郎 編『日中韓のゲーム文化論』@2024年3月30日付「日本経済新聞」

楊 駿驍・鄧 剣・松本健太郎 編
『日中韓のゲーム文化論  なぜ、いま〈東アジア・ゲーム批評〉なのか』

の紹介が2024年3月30日付「日本経済新聞」にて掲載されました。ご担当者様、ありがとうございます。  

「……人類学者・中沢新一が1984年に書いたエッセーは、「ゼビウス」を例に予期せぬバグを楽しむプレーヤーを紹介。その後ゲームが物語性を帯びていく中、批評家・東浩紀が2004年に著した文章は美少女ゲームに着目する。また東がプレーヤーにとっての現実を「ゲーム的リアリズム」と概念化し、国内外の研究者に影響を与えたこともほかの論文から分かる。

 韓国や中国のゲーム社会史を振り返る論考では、勃興期、流入する日本製ゲームに対して侵略の歴史を背景にした不安感があったことも記されている。メディア論や記号論のほか、哲学や社会学からの考察が行われており、ゲーム批評の論点を網羅できる……」


9784788518360   日中韓のゲーム文化論

  なぜ、いま〈東アジア・ゲーム批評〉なのか
  楊 駿驍・鄧 剣・松本健太郎 編
  出版年月日 2024/03/05
  ISBN 9784788518360
  A5判・400頁
  定価4,950円(本体4,500円+税)

寸評 金菱清著『生ける死者の震災霊性論 災害の不条理のただなかで』@東京新聞 2024年3月31日付掲載

金菱清著『生ける死者の震災霊性論 災害の不条理のただなかで』の寸評が 東京新聞2024年3月31日付に掲載されました。ご担当者様、ありがとうございました。こころよりお礼申し上げます。

「東日本大震災に仙台市で遭遇した社会学者が、被災者の立場に深く共感して聞き取り調査した報告書。「死者」と向き合った状況を「呼び覚まされる霊性」と名づけ、亡くなった近親者が出てくる夢もタブー視せずに集めた。「幽霊」に仮託された死者との関係に思いを馳せることで、残酷な現実に封じ込められた心の奥底を見つめる」

9784788518421  生ける死者の震災霊性論

 災害の不条理のただなかで

 出版年月日 2024/03/11
 ISBN 9784788518421
 4-6判208頁・定価2530円(本体2,300円+税)

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〇書評
ご書評くださいました先生、掲載紙ご担当者様に心よりお礼申し上げます。
ありがとうございました。

金菱清著『生ける死者の震災霊性論』が2024年3月7日付の読売新聞で紹介されました。記事執筆は小杉千尋氏です。
https://www.shin-yo-sha.co.jp/news/n56465.html



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連載 『自己の科学は可能か』出版記念シンポジウムの現場から
第5回 僕らの主客間戦争(浅井智久)
https://clarus.shin-yo-sha.co.jp/posts/7906



◇近刊情報
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2024年4月上旬発売
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教師に正しい評価を
─有効性と改善のためにほんとうに必要なこと
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リンダ・ダーリング‐ハモンド 著
無藤隆 監訳/松井愛奈・野澤祥子 訳
四六判並製288頁・本体3200円+税
ISBN 978-4-7885-1843-8  C1037
分野=教育

エビデンスを重視する風潮の中、教師のパフォーマンスを数値化して評価する提案がなされている。しかしそれは有効ではない。調査の証拠と実例に基づいて、首尾一貫した効果的な教師評価のモデルを提示し、そこに含まれるべき要素と基準を具体的に示す。


*教育改革に関与するすべての政策立案者、管理者、教師のための、具体的な提言


著者、訳者
リンダ・ダーリング‐ハモンド:スタンフォード大学教育学部教授
無藤隆:白梅学園大学名誉教授
松井愛奈:甲南女子大学人間科学部教授
野澤祥子:東京大学大学院教育学研究科准教授


リンダ・ダーリング‐ハモンド先生 既刊
『よい教師をすべての教室へ』
https://www.shin-yo-sha.co.jp/book/b455824.html



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2024年4月下旬発売
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ハロルド・ガーフィンケル
─エスノメソドロジーの誕生と社会学のあゆみ
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ダーク・フォン・レーン 著
荒野侑甫・秋谷直矩 ・河村裕樹・松永伸太朗 訳
四六判並製300頁・本体3900円+税
ISBN 978-4-7885-1844-5  C1036
分野=社会学

いかにしてガーフィンケルはエスノメソドロジーを創造したのか。伝統的社会学との差異、周辺の質的研究や理論との関係、近年の応用的研究までをクリアにガイド。エスノメソドロジーから社会学を、社会学からエスノメソドロジーを理解するための超入門。


*最初期から晩期までのガーフィンケルの思想が通時的に理解できる、初の入門書


著者、訳者
ダーク・フォン・レーン:キングス・カレッジ・ロンドン教授
秋谷直矩:山口大学国際総合科学部准教授
荒野侑甫:埼玉大学教養学部学術研究員
河村裕樹:一橋大学大学院社会学研究科科研費フェロー
松永伸太朗:長野大学企業情報学部准教授



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編集後記


『読書アンケート 2023 識者が選んだ、この一年の本』(みすず書房 編)


雑誌『みすず』の休刊にともない、新年号恒例の特集として掲載されていた読者アンケートを書籍として刊行した一冊。
新刊・既刊を問わず、2023年に読んだ本のなかから、印象深かったものを識者の方々に挙げてもらう人気企画だ。

発売後すぐに東大生協駒場店に営業に行く機会があったので、予約して購入した。
まず仕事として、自社の本が掲載されているかを探すのだが、今年はなかった。

索引などがあればすぐに見つけることが出来るのに、と思うこともあるが、載っているかどうかわからない状態で本を楽しめるのは貴重な時間だなと思う。
探すためにすべての書名に目を通すので、気になる本が増えてしまうのが悩みだ。

水島治郎先生が取り上げていた本が気になった。


『歴史のダイヤグラム〈2号車〉 鉄路に刻まれた、この国のドラマ』(原武史/著、朝日新書)


読書アンケートで千葉県民の私としては~と紹介されており、同じ千葉県民としてこれは気になると思い購入。
朝日新聞の人気連載「be」をまとめたもので、本書は二作目だ。

章ごとにテーマがある。
「天皇の祈りの旅」「都会を離れて」「文豪の夜行列車」「事件は鉄路で」「夢の駅弁」

どの章のどの話も興味深くおもしろいのだが、第二章「都会を離れて」の「半島としての千葉県」が特によかった。先生が読書アンケートでふれていた章だ。

大正末期まで荒川の本流に相当した隅田川は、東京東部の鉄道にとっての障壁となっていた。
東武鉄道も京成電鉄も長らく隅田川を越えられなかったという。

現在、東京から千葉方面に行くとなると総武快速線が思い浮かぶが、この線路である錦糸町ー東京間が地下でつながったのが1972年というから驚いた。

いまでも東京駅から千葉方面に向かうには、地下5階まで降りたり地上ホームから500メートル以上も歩いたりしないといけない、と書かれていて思わず笑ってしまった。日常的に使っているもののいざ文字で読むと大変だなと改めて痛感した。
この「半島」状態が改善するといいのだが。

ちなみに、弊社の最寄駅 神保町からだと都営新宿線で馬喰横山まで出て、馬喰町から総武線快速に乗れる。いちばん後ろの車両に乗れば歩く距離も短くて済むのでおすすめしたい。

神奈川住みの某編集者によると、神保町ー大手町ー東京 よりも、神保町ー馬喰横山(馬喰町)のほうが東京駅で人が降りるから座って帰れる、と言っていた。
神奈川方面の方、ご検討ください。(H


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〇書評
ご書評くださいました先生、掲載紙ご担当者様に心よりお礼申し上げます。
ありがとうございました。

粟谷佳司著『表現の文化研究』の書評が「図書新聞」2024年2月24日付にて掲載されました。評者は長崎励朗先生。(崎は立つ崎)
https://shin-yo-sha.cocolog-nifty.com/blog/2024/02/post-cacdca.html

 

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連載 『自己の科学は可能か』出版記念シンポジウムの現場から
第2回 自己という檻の中(弘光健太郎)
https://clarus.shin-yo-sha.co.jp/posts/7818

第3回 自己であることと科学すること(田中彰吾)
https://clarus.shin-yo-sha.co.jp/posts/7828

第4回 実感としての自己感の科学へ向けて(金山範明)
https://clarus.shin-yo-sha.co.jp/posts/7873

 

◇近刊情報
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2024年3月上旬発売
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生ける死者の震災霊性論
─災害の不条理のただなかで
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金菱清 著
四六判並製216頁・本体2300円+税
ISBN 978-4-7885-1842-1  C1036
分野=東日本大震災・災害

なぜ震災の被災者が自らを罪深いと思うのか、亡き人を思い、なぜ深い後悔に涙するのか。言葉にできない沈黙の中で、幽霊や夢に仮託しているのは何か。
人知れず孤立し、苦しみ続ける被災者への綿密なフィールドワークを通じ、実存から立ち上げる霊性論。


*聞き取り調査を究めた著者が明かす「インタビューの敗北宣言」。

*「語り」から「書く」へ。質的調査法の転換をフィールドワークの現場から明らかにする。

*大切な人をある日突然奪われる災害。誰もが直面しうる残酷な現実と、そこから立ち上る霊性とは何か、鋭く映し出す。

著者
金菱清:関西学院大学社会学部教授・放送大学客員教授

金菱清先生 既刊
『災害の記憶を解きほぐす』
https://www.shin-yo-sha.co.jp/book/b624308.html

『逢える日まで』
https://www.shin-yo-sha.co.jp/book/b598885.html

『呼び覚まされる 霊性の震災学』
https://www.shin-yo-sha.co.jp/book/b455547.html

 

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2024年3月中旬発売
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陸軍将校たちの戦後史
─「陸軍の反省」から「歴史修正主義」への変容
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角田 燎 著
四六判上製264頁・本体2900円+税
ISBN 978-4-7885-1839-1  C3036
分野=社会学・現代史

戦後、親睦互助を目的として戦友会を結成した旧陸軍のエリートたちは、戦争を指揮したことに自責の念を抱いていた。その彼らがなぜ「歴史修正主義」に接近し、政治団体として会を先鋭化させていったのか。陸軍将校たちの戦後史と戦争観の変容に迫る。


*これまでの軍隊経験者の戦後史研究はおもに、末端の兵士や下士官(準エ リート)を扱ってきた。本書は、旧陸軍の上級者であった者たちに焦点を絞り、彼らの戦後史と戦争認識を明らかにしている。

*戦友会を対象とした従来の研究群においても、戦友会の非政治性や、戦後世代へ会を継承することの困難さが指摘されてきた。一九九〇年代に会の政治化を遂げ、元自衛隊幹部へ門戸を開いた本書の事例は、戦友会研究の蓄積にも一石を投じるものである。


著者
角田 燎:立命館大学立命館アジア・日本研究所専門研究員

 

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2024年3月下旬発売
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インプロ教育の探究
─学校教育とインプロの二項対立を超えて
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高尾隆・園部友里恵 編著
四六判並製346頁・本体3200円+税
ISBN 978-4-7885-1841-4  C1037
分野=教育

インプロは、もともと学校教育と対立するかたちで生まれたが、「アクティブ・ラーニング」の重要性が言われるなか、学習方法の一つとして広まりつつある。インプロの研究者・実践者たちによる、今日のインプロ教育の多様な実践の報告と理論的な分析。


*インプロの考え方を教育現場で活かすための本


著者
高尾隆:東京工業大学リベラルアーツ研究教育院教授
園部友里恵:三重大学大学院教育学研究科准教授


園部友里恵先生 既刊
『インプロがひらく〈老い〉の創造性』
https://www.shin-yo-sha.co.jp/book/b559518.html


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2024年3月下旬発売
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質的心理学研究 第23号
─特集 産・学・官連携による/についての質的研究
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日本質的心理学会『質的心理学研究』編集委員会 編
B5判並製284頁・本体3200円+税
ISBN 978-4-7885-1838-4  C1011
分野=質的心理学

「知」の社会への還元、イノベーション創出を目的に推進されてきた産官学連携。異質な組織による協働、民間も含めた多様な人びとの参画はなにをもたらしたのか。特集ではこの営みを心理学的視点で分析した4本の論考でみていく。一般論文は11本収載。


質的心理学研究
https://www.shin-yo-sha.co.jp/search/s13251.html

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編集後記


京成八幡駅前に「山本書店」という古本屋さんがある。

店内は文庫新書から専門書までバランスのよい品揃えで、私のような古本屋さん初心者でも楽しめるつくりになっている。
将棋の本も充実していて、個人的にはうれしいポイントだ。


先日伺った際に購入した3冊。

『啓文社 七十年をふりかえって』
広島の書店、啓文社さんの歴史。いまや岡山本店やポートプラザ店など、岡山や福山といえば啓文社さんの名前があがるが、尾道で創業し福山に進出する際や倉敷店の岡山初出店の際の苦労が語られていて、あっという間に読んでしまった。

『出版大崩壊』(小林一博/著、イースト・プレス)
イースト・プレスといえば神保町の出版社だが、挟まれていた読者カードで2001年頃は西日暮里にあったことを知る。

『紀伊國屋文左衛門の生涯』(山木育/著、マネジメント社)
紀州(和歌山県)から出て,みかんを江戸に海上輸送して大きな利益を得たといわれる紀伊國屋文左衛門。
和歌山のみかん農家出身の私のために置いてあったのかというような本で、思わず購入。

どれも、古本屋さんならではの出会いだった。

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『絶滅危惧個人商店』(井上理津子/著、ちくま文庫)


駄菓子屋さん、魚屋さん、古本屋さんなど、素晴らしき個人商店の数々。
路地裏、駅前、商店街で見つけた魅力あふれる19軒を紹介する本。

本書の取材時期は2018年の秋から2020年の春まで。この本は単行本の文庫化だが、ちょうどコロナ禍の2020年12月に単行本が刊行されている。単行本のあとがきには「コロナ禍にもめげず、登場する全店が頑張っている」とある。名店揃いである。

登場するお店の中で、江東区南砂町の古本「たなべ書店」田辺さんがおもしろい。

用があるときは常連さんに店番を頼んで、三十三年間無休営業。
35坪の店内に少なく見積もっても10万冊の本。
著者の井上理津子さんは以前夕刊紙の連載で都内の古本屋さんを二百軒まわり、その中で印象が強かったお店というだけあって、店主も店内も強烈だ。

「映画のパンフレット、百円から二十五万円まで、ね」
「この仕事、毎日えんまさんになって、売れない本に引導を渡さなきゃならない」

涼しい顔をして言う店主の田辺さん。
たなべ書店は1986年に開業。元旺文社の営業マン。
開業のきっかけは岡山の古本屋さん「万歩書店」に足繁く通い、社長から「そんなに大量に買うなら、あなたも古本屋をやったら」と言われたのがきっかけ。

繁盛したきっかけとして「チリ交さん」(チリ紙交換業者)をあげる。
チリ紙交換のトラックを追いかけ、漫画や雑本を買い取る。そのうち「古紙再生業者よりも高く買ってくれる古本屋がいる」と業者から業者へと伝わり、取引業者が増える。

廃品回収に自治体が学校や町内会に報奨金を出すようになったなどの理由でチリ交さんが減ると、今度は「古本出張買取中。即、お宅までうかがいます」のチラシを近所に配りまくる。
こうした猪突猛進仕入れで在庫を増やし、90年代からの新古書店チェーンの台頭をものともせずに受け入れられていく。

昔に比べたらお客さんの数は「今じゃ静かなもんですよ」と店主はいうが、著者いわく都内の古本屋の中で客数は「トップ5」に入るというのだから恐れいる。

上京後はじめて住んだ街が江東区だったのに、まだ足を運べていない。
あと30年はお店を続けたいと言う田辺さん。近々行きたいと思う。

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はじめに紹介した山本書店さんも、40年以上続いてきたお店であるが、今年の3月頃に閉店となるようだ。
好きな店には行けるうちに行かねばならない。
我が子の散歩を口実に、妻に内緒で古本屋に向かうのであった。(H


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◇奥付
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次回発行は2024年3月下旬を予定しております。

«書評 粟谷佳司著『表現の文化研究』@「図書新聞」2024年2月24日付

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