◎新曜社<新刊の御案内>■メール版 第217号■

2022年1月24日発行
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◎新曜社<新刊の御案内>■メール版 第217号■

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◇トピックス
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〇書評
ご書評くださいました先生、掲載紙ご担当者様に心よりお礼申し上げます。
ありがとうございました。

 

 

毎日新聞連載「あした元気になあれ:コロナとユーチューバー=小国綾子」に
て、重野純著『本心は顔より声に出る』をお取りあげいただきました。

 

心理学者の重野純さんは著書「本心は顔より声に出る」でこんな実験を紹介し
ている。顔は笑っているが声では嫌がっているような場合、米国人は相手の顔
を見て「喜んでいる」と認知するが、日本人は声を聞いて「嫌がっている」と
認知する割合が米国人よりも高かった」
https://mainichi.jp/articles/20211228/dde/012/070/012000c

 

 

○新曜社ウェブマガジン「クラルス」
https://clarus.shin-yo-sha.co.jp/

 

赤地葉子さんの連載『赤地葉子のつれづれロック』更新です。
ぜひお読みください。

 

第5回 自分を守るために逃げる
https://clarus.shin-yo-sha.co.jp/posts/5471

 

第6回 受けた傷を完全に変形させる
https://clarus.shin-yo-sha.co.jp/posts/5472

 

 

◇近刊情報
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2月上旬発売予定
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独身者の思想史 増補版
──ロック・ヒューム・ベンサム
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土屋恵一郎 著
四六判上製264頁・本体3000円+税
ISBN 978-4-7885-1753-0 C1010
分野=思想史・現代思想
ロック、ヒューム、ベンサムは「近代」を準備したが、彼らの社会契約論、功
利主義などの社会理論の背後にはホモ・ソーシャルの感情がうごめいていた。
これら独身者の系譜のなかでベンサムの同性愛擁護論などを掘り起こし、思想
史に新しい風景を拓く。

 

*西欧近代の偉大な社会思想家たちを「独身者」という文脈で捉えなおし、思想
史という学問の面白さを知らしめた「問題作」の大幅増補版
──「おひとりさま」の思想史。

 

著者
土屋恵一郎(明治大学名誉教授)

 

 

 

2月下旬発売予定
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思考力を育む「知識操作」の心理学 ──活用力・問題解決力を高める「知識変形」の方法
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工藤与志文・進藤聡彦・麻柄啓一 著
四六判並製224頁・本体2100円+税
ISBN 978-4-7885-1754-7 C1011
分野=教育心理学・認知心理学

 

チューリップには種ができるか──理科の授業で習ったはずなのに正答できる子
は5割に満たない。なぜ学んだ知識が使えないのか? 教育心理学の視点からそ
の原因を探り、知識を活用するための「知識操作=知識の変形」の方法を具体例
に即して提案する。
*エピソードや授業記録、教材例など豊富な事例          
*心理学の専門家から学生、現職の教師、教育に関心をもつ一般読者まで

 

 

著者
工藤与志文(東北大学大学院教育学研究科教授)
進藤聡彦(放送大学教養学部教授)
麻柄啓一(前早稲田大学教育学部教授)

 

 

 

 

2月下旬発売予定
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ポストコロナの社会学へ ──コロナ危機・地球環境・グローバル化・新生活様式
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庄司興吉 編著
A5判並製216頁・予価2500円+税
ISBN 978-4-7885-1755-4 C3036
分野=社会学
コロナ禍が引き起こした危機は、私たちが強く身体に拘束されており、地球[環境]
の影響を受けていることを改めて如実に示した。地球環境問題を生産パラダイム
から総体的にとらえ直し、身体、地球、歴史、社会を接続して考える今日の社会
学のための挑戦。

 

*人類が生き残る展望とそれに見合った生き方のための、手がかり

 

編著
庄司興吉(東京大学名誉教授)

 

 

弊社関連書
庄司 興吉 編著

『主権者と歴史認識の社会学へ 21世紀社会学の視野を深める』
https://www.shin-yo-sha.co.jp/book/b505616.html

 

『21世紀社会変動の社会学へ 主権者が社会をとらえるために』
https://www.shin-yo-sha.co.jp/book/b505618.html

 

 

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編集後記
2022年最初の新刊案内です。本年もどうぞよろしくお願いいたします。
J・ソール著『帳簿の世界史』(文春文庫)
M.ウェーバー『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』を再読したく本
箱を探すが見つからない。買えばいいのだが引っ越しのたびに買ってる気がする
のでまた買うのもなー、と思いつつ探す。

なぜ『プロ倫』が読みたくなったかと言うと、サンデルの『実力も運のうち』に
現代のエリートとその倫理の話のなかでふれられていたからだ。ノブレスオブリ
ージュなきエリートの「傲慢さ」については、C.ラッシュの『エリートの反逆』
という名著があるのでなにを今更という感じがするのだが、品切にしている発行
元の人間が大きい口をたたくのはよしておきます。
『プロ倫』のなかでウェーバーはベンジャミン・フランクリンをプロテスタント
的資本主義の体現者として評価しているのですが、『帳簿の世界史』に、このフ
ランクリンがアメリカの駐仏大使としてパリにいたときの「豪勢な」生活にふれ
られておりじつに興味深かった。

独立記念日には盛大なパーティーを開き旬の食材を気前よく使い、ワインを100
本以上開けるという生活。「帳簿を見る限り、フランクリンがプロテスタント的
道徳観念を発揮しているとは思えない」。フランクリンが慎み深く楽しみを先延
ばしする気がなかったことはあきらかである、という著者のことばがふるってい
る。ウェーバーの慎みとゾンバルトの奢侈。そんなフランクリン像をみるとます
ます彼が資本主義の精神を体現した人物に思えてならなくなり、その生涯を知り
たくなった。自伝ではなく。
帳簿、会計と世界史の有名人物と事件との「意外な」かかわりを描いた本書、ぜ
ひご一読ください。(中山)
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◎新曜社<新刊の御案内>■メール版 第216号■

2021年12月27日発行
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◎新曜社<新刊の御案内>■メール版 第216号■

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◇トピックス
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〇フェア

「心理学書、2021年 この1冊」
毎年恒例の紀伊國屋書店新宿本店さまでの催し、
心理学書販売研究会各社の新刊、ロングセラー書、話題書をあつめてのフェアを開催中です。ぜひ、足をお運びください。


■紀伊國屋書店新宿本店様3階心理学書エンド棚
■2022年1月31日(月)まで
http://shinpanken.blogspot.com/2021/12/2021.html



〇書評
ご書評くださいました先生、掲載紙ご担当者様に心よりお礼申し上げます。
ありがとうございました。


渡辺恒夫著『明日からネットで始める現象学』の書評が、
「こころと文化」2021年9月に掲載されました。評者は大塚公一郎氏。
https://shin-yo-sha.cocolog-nifty.com/blog/2021/11/post-bab6c5.html




森正人著『文化地理学講義』の書評が、
朝日新聞11月27日付の書評欄に掲載されました。評者は生井英考氏。
https://shin-yo-sha.cocolog-nifty.com/blog/2021/12/post-caa640.html




図書新聞 2021年12月8日付「21年下半期 アンケート」、
奥ゆたか先生に、内藤千珠子著『「アイドルの国」の性暴力』をお取りあげい
ただきました。
「アイドルと慰安婦。とてもセンシティブな話題に思えて身構えたが、
 提起するのは女性たちの分断だ・・・・・・ 」

また野上暁先生に、北本正章著『子ども観と教育の歴史図像学』お取りあげいただきました。
「......多くのカラー図像を口絵に配し、本文でも欧米の子ども絵画を多数解読しながら、子ども観の変遷や新しい子ども学の展望を説く、アリエスの『〈子供〉の誕生』に比肩すべき画期的な大著である」
https://shin-yo-sha.cocolog-nifty.com/blog/2021/12/post-03fb5e.html



ジョルダン・サンド著『東京ヴァナキュラー』(池田真歩訳)の書評が、
長崎新聞、熊本日日新聞、静岡新聞ほか共同通信配信にて 2021年12月12日付に掲載されました。評者は安藤礼二氏。
https://shin-yo-sha.cocolog-nifty.com/blog/2021/12/post-58cfbc.html




○新曜社ウェブマガジン「クラルス」
https://clarus.shin-yo-sha.co.jp/


末田清子著『コミュニケーション・スタディーズ――アイデンティティとフェイスから見た景色』(ワードマップシリーズ)の書評
を頂きました。
評者は新崎隆子氏(会議通訳者・NHK放送通訳者)です。
https://clarus.shin-yo-sha.co.jp/posts/5447





◇近刊情報
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1月上旬発売予定
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ソーシャル・コンストラクショニズムと対人支援の心理学
――理論・研究・実践のために
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能智正博・大橋靖史 編
A5判並製328頁・本体3600円+税
ISBN 978-4-7885-1750-9 C1011
分野=心理学

〈現実〉は人びとのあいだで構築される――
ソーシャル・コンストラクショニズムの考え方は、
対人支援の理論と研究、実践を問い直し、それらを結ぶツールとなりうる。
その有効性を読み解き、対人支援の新たな可能性をひらく試み。

*人が主体的に生きるための支援へ。


編者
能智正博(東京大学大学院教育学研究科教授)
大橋靖史(淑徳大学総合福祉学部教授)




1月中旬発売予定
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廃墟からの歌声
――原爆投下後の傷害調査にたずさわった遺伝学者の回想
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ウィリアム・J・シャル 著/利島保 訳
四六判上製416頁+写真16頁・本体4300円+税
ISBN 978-4-7885-1751-6 C1030
分野=社会科学

アメリカ原爆傷害調査委員会(ABCC)遺伝学部長として戦後来日し、
被曝児童の研究に携わった著者がみた戦後初期の日本と庶民生活。
日本の変貌と時代を超越した特性を鋭い観察眼で捉えた回想録。

著者
ウィリアム・J・シャル(元アメリカ人類遺伝学会会長)

訳者
利島保(広島大学名誉教授)

*関連記事 「中国新聞」記事
原爆調査 シャル氏の回想録 広島大名誉教授 利島さん翻訳

「米研究者の葛藤 伝わる」
「米国が原爆投下後に設立した原爆傷害調査委員会(ABCC、
現放射線影響研究所)の遺伝学者として1949年に広島へ赴任した
ウィリアム・シャル氏(2017年に95歳で死去)の回想録を、
広島大名誉教授(発達神経心理学)の利島保さん(76)=東広島市=が
翻訳した。7月に出版する。調査の様子や、米占領期の広島の姿を克明に
記している・・・・・・」(桑島美帆)

中國新聞広島メディアセンター
https://www.hiroshimapeacemedia.jp/?p=95670




1月下旬発売予定
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逢える日まで
――3.11遺族・行方不明者家族 10年の思い
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河北新報社編集局・金菱清 著
四六判並製224頁予定・予価1800円+税
ISBN 978-4-7885-1752-3 C1036
分野=震災・災害・ノンフィクション

東日本大震災から10年、地元紙・河北新報報道部が総力を挙げて取り組んだ渾身の連載を書籍化。大切な人はどこに?あの日の行動を知りたい。復興の陰に隠された悲しみと悔恨、あふれ出る追慕と感謝…。遺族、行方不明者家族の思いと10年の歩みとは。

*2021年度新聞協会賞を受賞した河北新報「東日本大震災10年」報道の出版。

*同社編集局と金菱教授(小社「東北学院大学 震災の記録プロジェクト」編者)が実施したアンケートと聞き取りの記録。
遺族・不明者家族158人に対面で聞き取った回答と121人の語りを収録。


*大切な人を失った一人一人の心情を地元記者が受け止め、ひそかな心の声を
伝える。同紙で連載中のシリーズ「あなたに伝えたい」記事から20数編も再録。


著者
河北新報社編集局(宮城を中心に東北6県を発行区域とする新聞)

金菱清(関西学院大学社会学部教授・災害社会学)



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編集後記

岡村昭彦の会「シャッター以前 vol.7」特集 岡村昭彦と自主ゼミの時代
川島書店発売
 
 2021年、この一冊。岡村昭彦といえばベトナム戦争の報道写真家として有名
だが、公害問題や看護、ホスピス、そして患者主体の医療をめざしてバイオエ
シックスの問題に取り組んでいったことはあまり知られていない。本書は岡村
が熱心に取り組んでいた「自主ゼミ」に焦点をあてて、実際の参加者の声をま
じえて岡村昭彦という人間に迫っている。

 自主ゼミに集うのは地域の母親たち、そして看護学校の学生、看護師や鍼灸
師たちであった。ホスピスや終末期医療において自分らしい死を迎えることは
患者自身の権利である、そういう患者に向き合う看護師は一般教養を身につけ
た豊かな人間性を備えた人物であるべきと岡村は考えて、それは21世紀を生
きる子どもたちを育てる母親にとっても必要な資質であると考えていたという
(「母親と看護師の「一般教養」とは」戸田昌子)

 「ゼミは月一回日曜九時から一七時までの八時間、前日には予備ゼミを一八
時から二一時まで行った。テキスト参考書は毎回一〇冊ほど、一年間に一三〇
~一五〇冊を各人購入した」。これは諏訪赤十字病院の岡村ゼミの例である。
私たちは現在どういう場所にいるのか?  世界史レベルで知っておかなければ
ならない「一般教養」を、ゼミの学生たちに手加減なく叩き込み、知るように要求するのだ。

 では豊かな人間性とはどういったものだろうか。「世界どこへ行っても、相手が拒否できない笑顔を自分が持っているかどうかで、生き伸びるかどうか決まるんだよ」。このあと土門拳の笑顔に触れる素敵なエピソードなのだが、私はこの笑顔こそが「豊かな人間性」だと思う。

一般教養と豊かな人間性という、論語と算盤からは見えないものの重要性を教
えてくれた本書。しかし読みながら終始、岡村に怒られている気がしてならなかった。敬して遠ざけ、また手にとる一冊。 (中山)

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書評 ジョルダン・サンド著『東京ヴァナキュラー』(池田真歩訳) 長崎新聞、熊本日日新聞他 2021年12月12日付

ジョルダン・サンド著『東京ヴァナキュラー』(池田真歩訳)の書評が、長﨑新聞、熊本日日新聞、静岡新聞ほか共同通信配信にて 2021年12月12日付に掲載されました。

評者は安藤礼二氏。ご書評くださいました先生、掲載紙ご担当者さまにこころよりお礼申し上げます。ありがとうございました。


 

......「路地」に残された日常の生活として、またそこに残された無用の「もの」(建造物)として、東京の「ヴァナキュラー」をあらためて見出してきたのは、実はすべて外部の眼差しをもった生活者たちであり、観察者たちであった。有用性や功利性にもとづいた都市の再開発に対して、「日常性の政治」を実践することで抗い、都市の「無意識」が生み落とした生活や「もの」を守ろうとしてきた者たちであった。......

「ヴァナキュラー」を生みだすのは、固定された国家の文法ではなく、つねに変化しながら生成を続ける市民たちの文法だったのである。刺激的な都市論であると同時に優れた運動論であり芸術論でもある。

 

 

9784788517387
著者 J.サンド
池田 真歩
ジャンル 社会学
出版年月日 2021/09/24
ISBN 9784788517387
判型・ページ数 4-6・304ページ
定価 3,960円(本体3,600円+税)
在庫 在庫あり

紹介 『子ども観と教育の歴史図像学』『「アイドルの国」の性暴力 』@図書新聞 2021年12月8日付

図書新聞 2021年12月8日付「21年下半期 アンケート」、
奥 ゆたか先生に、内藤千珠子著『「アイドルの国」の性暴力』をお取りあげいただきました。
「アイドルと慰安婦。とてもセンシティブな話題に思えて身構えたが、提起するのは女性たちの分断だ・・・・・・ 」

また野上暁先生に、北本正章著『子ども観と教育の歴史図像学』をお取りあげいただきました。
「......多くのカラー図像を口絵に配し、本文でも欧米の子ども絵画を多数解読しながら、子ども観の変遷や新しい子ども学の展望を説く、アリエスの『〈子供〉の誕生』に比肩すべき画期的な大著である」

ご紹介くださいました先生方、書評紙ご担当者様に心よりお礼申し上げます。ありがとうございました。



9784788517349_20211215165801  「アイドルの国」の性暴力
著者 内藤 千珠子 著
ジャンル 文学・エッセイ
出版年月日 2021/08/05
ISBN 9784788517349
判型・ページ数 4-6・288ページ
定価 3,190円(本体2,900円+税)
在庫 在庫あり



 

 

9784788515000 子ども観と教育の歴史図像学
新しい子ども学の基礎理論のために

著者 北本 正章 著
ジャンル 歴史・伝記
子ども・家庭・教育・学校
出版年月日 2021/12/01
ISBN 9784788515000
判型・ページ数 A5・560ページ
定価 7,920円(本体7,200円+税)
在庫 在庫あり




 

書評 森 正人 著『文化地理学講義』@朝日新聞11月27日付

森 正人 著『文化地理学講義』の書評が、朝日新聞11月27日付の書評欄に掲載されました。
評者は生井英考氏。書評くださいました先生、掲載誌ご担当者様に心よりお礼申し上げます。ありがとうございました。




・・・・・・本書はこうして生まれた「人間主義地理学」の系譜が地理学内外と折衝し、特に90年前後からの文化論的転回とグローバル資本主義の拡大の中でいかに理論的に展開してきたかを総覧する。理論に意欲的な著者の志向を反映して繰り広げられる文化地理学の学説史は、さながら現代思想のパノラマのように壮観だ。
・・・・・・
 志賀重昂(しげたか)『日本風景論』から現代の新海誠アニメまで、本書が想起させる「日本的風景」は枚挙にいとまがないだろう。
 かつて教科書はその道の大家が描く学知の結晶のごとく見なされたものだが、変化の大きな近年ではむしろ若手が任をになうにふさわしいように思う。同様に本書のような教科書も、高度成長とバブル期以来の景観の激変を目撃し、責めを負う中高年世代にこそ読まれてしかるべきだろう。

書評全文を読む>>>>>好書好日ページへ

 

 

9784788517394 『文化地理学講義』
〈地理〉の誕生からポスト人間中心主義へ
著者 森 正人 著
出版年月日 2021/09/24
ISBN 9784788517394
判型・ページ数 4-6・296ページ
定価 2,970円(本体2,700円+税)

◎新曜社<新刊の御案内>■メール版 第215号■

2021年11月19日発行
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◎新曜社<新刊の御案内>■メール版 第215号■

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◇トピックス
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〇書評
ご書評くださいました先生、掲載紙ご担当者様に心よりお礼申し上げます。
ありがとうございました。


大野 光明・小杉 亮子・松井 隆志 編
『メディアがひらく運動史』の書評が図書新聞 2021年10月23日付に
掲載されました。評者は久保田隆氏。

https://shin-yo-sha.cocolog-nifty.com/blog/2021/10/post-34bda7.html


J.サンド著 『東京ヴァナキュラー』(池田真歩訳)の書評が
日本経済新聞 2021年10月23日付に掲載されました。
評者は五十嵐太郎氏。

https://shin-yo-sha.cocolog-nifty.com/blog/2021/10/post-453658.html


内藤千珠子著『「アイドルの国の性暴力』の書評が、
島根日日新聞9月28日付、十勝毎日新聞9月24日付に掲載されました。
評者は永江朗氏。

https://shin-yo-sha.cocolog-nifty.com/blog/2021/10/post-b438f4.html


猿谷弘江著『六〇年安保闘争と知識人・学生・労働者』の書評が、
図書新聞 2021年11月6日付に掲載されました。評者は小杉亮子氏。

https://shin-yo-sha.cocolog-nifty.com/blog/2021/10/post-3ea2a3.html


J.サンド著『東京ヴァナキュラー』(池田真歩訳)の書評が、
朝日新聞 2021年11月6日付に掲載されました。評者は戸邉秀明氏。

https://shin-yo-sha.cocolog-nifty.com/blog/2021/11/post-07da20.html


中山元 著『わたしたちはなぜ笑うのか』の書評が、
北國新聞 2021年10月30日付 に掲載されました。
同記事は琉球新報、沖縄タイムズ紙、下野新聞ほかに掲載されました。評者は清水義範氏。

https://shin-yo-sha.cocolog-nifty.com/blog/2021/11/post-b50aa4.html


対談 小平麻衣子 内藤千珠子 「文学的想像力の可能性」が、
「図書新聞」2021年11月13日付に掲載されました。内藤千珠子著『「アイドルの国」の性暴力』をめぐっての対談です。

https://shin-yo-sha.cocolog-nifty.com/blog/2021/11/post-864aa1.html

 

○新曜社ウェブマガジン「クラルス」
https://clarus.shin-yo-sha.co.jp/


齋藤直子先生の連載『ツバメのかえるところ----はじめて出会う「部落問題」』更新です。
第5回は、「私と部落問題・その1 〈家制度・家柄・結婚のこと〉です。ぜひお読みください。

第5回・私と部落問題・その1<家制度・家柄・結婚のこと>
https://clarus.shin-yo-sha.co.jp/posts/5344


【新連載】
国際開発、パブリックヘルス専門家の赤地葉子さんによるエッセイの連載がはじまりました。
初回はThe Clash「Stay Free」と筆者の女子高時代の教育の話です。
ぜひご覧ください。

第1回 あの頃女子高で読みたかった古典
https://clarus.shin-yo-sha.co.jp/posts/5354


第2回 冷笑主義と教育の目的
https://clarus.shin-yo-sha.co.jp/posts/5355


第3回 妊娠中絶のタブーと偽善、それを打ち破ったパンクの歌
https://clarus.shin-yo-sha.co.jp/posts/5356


第4回 福祉事務所の列から始まる革命
https://clarus.shin-yo-sha.co.jp/posts/5357

 

 


◇近刊情報
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12月中旬発売予定
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協働するカウンセリングと心理療法
――文化とナラティヴをめぐる臨床実践テキスト
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デヴィッド・パレ 著 能智正博・綾城初穂 監訳
A5判上製640頁・本体6200円+税
ISBN 978-4-7885-1744-8 C1011
分野=心理学

機能不全を矯正する営みからクライエントがもつ知識と能力を最大限活用する異文化間の協働作業へ。変化を生み出せるよう、積極的にクライエントにかかわっていくカウンセリングや心理療法に必要な態度と技法を、援助過程に即して懇切に述べた入門書。

*従来のカウンセリング/心理療法のとらえ方を一新する書


著者

デヴィッド・パレ(オタワ大学教授)

訳者

能智正博(東京大学教授)
綾城初穂(駒沢女子大学准教授)

 


12月中旬発売予定
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キーワード心理学11 パーソナリティ・知能
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重野純・高橋晃・安藤清志 監修/杉山憲司・小塩真司 著
A5判並製230頁・本体2700円+税
ISBN 978-4-7885-1745-5 C1011
分野=心理学


私たちの多様な人間性の基礎としてのパーソナリティ(性格)と行動にむけて情報処理を行う知能(知性)。最新の理論から測定方法、社会とのかかわり、生きることへのヒントまで、いま知っておくべき基本知識を30のキーワードでわかりやすく解説。

*パーソナリティは一貫しているのか、知能はIQで測ることができるのか、
どんなパーソナリティだと病気を発症しやすいのかなど、身近な題材を扱います。


著者

杉山憲司(東洋大学名誉教授)
小塩真司(早稲田大学文学学術院教授)

キーワード心理学 シリーズ

 


12月中旬発売予定
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新社会学研究 2021年 第6号

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好井裕明・三浦耕吉郎・小川博司・樫田美雄・栗田宣義 編
A5判並製270頁・本体2100円+税
ISBN 978-4-7885-1746-2 C3036
分野=社会学・社会問題


特集「旅する人生の社会学」にはじまり、「流行と集合行動の社会学」では、SNSで繋がる女性たちの集団トレーニングやテレビまんが、
性的マイノリティのパレード、社会運動を題材に、流行と集合行動という社会学誕生以来の課題に向き合う。

*新連載「エピジェネティクス社会学」が今号より開始。遺伝子・個人・社会、この三者の相互作用を射程に収め、社会学のあらたなモデルを開拓する。

 


12月中旬発売予定
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アフターコロナの観光学

――COVID-19以後の「新しい観光様式」
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遠藤英樹 編著
四六判並製240頁・本体2600円+税
ISBN 978-4-7885-1747-9 C1026
分野=観光学・社会問題


観光はモビリティの現代を象徴する産業であるが、コロナ禍で世界的に移動を禁じられてしまった。しかしそのなかで観光とは何かが露わになる。バーチャル観光、オンラインツアー、地域密着型の持続可能な旅など、コロナ後の観光の新しい可能性を展望。

*デジタルテクノロジーの進展にともなう〈社会の変容〉により、観光そのものが見たことのないものに変容しようとしていることを明らかする。

*執筆者は、須藤廣、神田孝治、橋本和也、松本健太郎、高岡文章など13氏。


著者 

遠藤英樹(立命館大学文学部教授)

 


12月中旬発売予定
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孤独と出会いの映画論
――スクリーンに映る都市の日常
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木本 伸 著
四六判並製228頁・本体2600円+税
ISBN 978-4-7885-1748-6 C1074
分野=映画・現代文化


本書は「映画に問い直された著者の日常の素描集であり、映画との対話の記録」と著者が言うように、監督、役者、原作などにはほとんど言及せず、映画が問いかけてくるものだけを見つめ、映画そのもの(核心)に迫ろうとする全く新しいタイプの映画論。

著者

木本 伸(立命館大学経営学部教授)

 


12月下旬発売予定
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声の文学

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西 成彦 著
四六判並製264頁・本体2400円+税
ISBN 978-4-7885-1749-3 C1090
分野=文学・歴史・哲学

小説の中で囁かれる声、あるいは「研究」のために収集されなくてはならなかった声。それらの多くは「非主流者」達の「個」としての複数の抵抗の声であり、歴史のうねりの大きさを象徴する。「声」が力強い言葉へと文脈化される道程を追う画期的な書。


*戦時性暴力、ジェノサイド、ミソジニー。あらゆる暴力下に生きた人々の「声」を我々の現在の「生」へと結びつける。


著者

西 成彦(立命館大学先端総合学術研究科名誉教授)

 

 

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編集後記

この2年間におよぶコロナ禍のもと、学術系学会の大会もウェブでの開催に完全に移行した。それにともない学会での展示販売がなくなったことは、出版社としてたいへん困っている。学会での展示は書籍を売るのも重要なのだが、こんな新刊がでましたと知ってもらう宣伝の機会としてじつに大きかった。現状バナー広告などでページへの誘導するぐらいのことしかできず、学会販売が再開される日は来ないという予想のもと、なにかいいアイデアはないかと模索している。

そんななか日本質的心理学会では、「出版社コーナー」というコマを設けていただき、新刊を紹介するたいへん貴重な機会をいただいた。
参加社は弊社のみで、他社の方も参加すればいいと思うと同時に、その場合は時間も足りず、話もあまりできないだろうと想像する。弊社にとってはとてもぜいたくな時間であった。

日本社会学会では「SpatialChat」(スペチャ)を利用して、販売展示を模した空間を再現する試みが企画されていた。今回参加することができなかったので、実際どんなものだったかわからないけれど、ウェブ上にブースを設置し、書籍を陳列したり、また来場した方とお話しできたりと実際に近いことができそうな面白そうなサービスだった。売れない店舗の来訪者もなく、ぼーっと所在なくイスに座ってる感じも再現できそうだ。

『送別の餃子』井口淳子著 灯光社
著者は民族音楽学の研究者。三〇年以上におよぶ中国農村や都市のフィールドワークのなかで、忘れがたい人々との記憶を一コマ一コマを文章でよみがえらせるように本書を書いたと著者はいう。論文や研究書は多く書いてきたが、そこではけっして書かれることのない人々が本書の主人公だ。各章に登場する人びとのなんと魅力的なことだろうか。とくに印象的な人物を二人あげたい。第一章の高老子と、第一二章の台湾人音楽学者の丁氏である。高老子は県の下級役人でありかつ作家、丁氏はパリ在住のさえないファッションのおじさん。市井のふつうの人間がじつは傑物であるというこの変身譚は、私にとって人間の計り知れなさを知る、人に畏怖することを覚えるお話であった。書名は「送行餃子、迎客麺」ということばからきている。麺ははじめて出会ったときに、餃子は送別のときにつくるという意味だ。読み終わってからもじつに味わい深い書名だ。 (中山)
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書評 渡辺恒夫著『明日からネットで始める現象学』@「こころと文化」2021年9月

渡辺恒夫著『明日からネットで始める現象学』の書評が、「こころと文化」2021年9月に掲載されました。評者は大塚公一郎氏。ご書評くださいました先生、掲載誌ご担当者様に心よりお礼申し上げます。

 

・・・・・・本書の意義のひとつは、現象学、とくに、フッサールの現象学が、いまなお、いや、いまだからこそ、現代のわれわれが直面するこころの病いを含む諸問題、たとえば、心理学、精神医学、医療福祉領域、人文科学、社会科学領域における諸問題に取り組む際にどれだけ貴重で有用な手がかりを提供するかを、「高校生でもわかるどころか、高校生でも研究できるやりかた」で鮮やかに示したところにある。


本書では、現象学超入門とされた二つの章があり、ほとんど予備知識を持たない読者も現象学のエッセンスを理解できるよう配慮されている。そもそもフッサールの現象学は、心理学として出発しながら、その後の彼の学説の展開のなかで、超越論的現象学と心理学的現象学というべき、区別されるべき二本柱に分岐したことが強調される。本書でいう現象学とはもっぱら現象学的心理学とされ、現象学的精神医学の難解さとその普及の限界は、主に、哲学としての超越論的現象学の重視と、心理学としての現象学の軽視にあったのではないか著者は指摘する。とはいえ、フッサールが超越論的現象学の二つの重要な方法とした、現象学的還元(著者によって、反省によって、「思い込み」を「現象」という確実な知識へと還元することときわめて明快に定義される)と本質観取(前者によって得られた認識が、いつどこでも通用するという意味で普通妥当性があるか否かの確認とされる)は、現象学的心理学にとっても主要な方法となる。
 本書に限らず、氏の著作の説得力と魅力は、自身が創案した現象学的心理学の方法を、実際のデータに適用してみて、その結果から妥当性の検証をしてみせることにある。上記の二つの方法は、著者自身が夢日記をつけることによって得た一連の夢記録に適用される。詳細は本書で確認してもらいたいが、その成果は「夢は現象学への王道である」という氏のかねてからの主張を裏づける見事なもので、もって、氏を斯界の第一人者とするゆえんである。

 本奮の21世紀に生きる私たちのこころの問題に関連したアクチュアリティをさらに高めているのは、第Ⅱ部応用編の第5章現代へ向かう現象学の展開(一)哲学篇のハイデガーからリクールまでの5-3解釈学的転回の時代(1960年~2006年)のあたりから、第6挙「コミュ障」の当事者研究―インターネット相談事例をもとに―かけての展開である、「解釈学的循環」、「地平融合」といった概念で名高いドイツの哲学者であるガダマーの解釈学的現象学やフランス現象学の最後の巨匠といわれたリクールのナラティブ現象学のエッセンスが、著者独自の翻案によって、インターネット上に流布している「コミュ障」の当事者の相談のトピックスとそれに対するレスのテクスト分析のための方法へと応用される。・・・・・・

本誌の読者は、本書の問題意識と主張が、こころの問題とその対処(治療、癒し)をめぐって、近年、注目されるようになった、そして、現在もますます活発な議論がなされている主要ないくつかのトピックスに触れていることに気づかれるだろう。たとえば、一連の当事者研究の成果を取り入れたかたちでの精神医療や心理療法に生じつつある変化(たとえば、オープンダイアローグもそれに含まれる)。「こころの病い」の医療化、医学化、福祉化に対する批判などがあげられる。また、COVID-19のパンデミック下で、急速に需要と関心が高まった遠隔心理療法の望ましいあり方についても、本書は示唆を与えてくれるものである。幅広い読者にお薦めしたい好著である

 

9784788517295 明日からネットで始める現象学
夢分析からコミュ障当事者研究まで
渡辺恒夫著
出版年月日 2021/06/20
ISBN 9784788517295
四六判224頁
定価 2,310円
在庫 在庫あり

 

 

 

対談 小平麻衣子 内藤千珠子 「文学的想像力の可能性」@図書新聞 2021年11月13日付

対談 小平麻衣子 内藤千珠子 「文学的想像力の可能性」が、「図書新聞」2021年11月13日付に掲載されました。内藤千珠子著『「アイドルの国」の性暴力』をめぐっての対談です。小平先生、内藤先生、「図書新聞」ご担当者様、ありがとうございました。こころからお礼申し上げます。

・・・・・・

小平 たとえば、女性として承認される規範的なあり方を演じていくのがいいか、それともそれを拒否するのがいいかというのは、一つの主張として述べることはできません。何がいいか悪いかと言うことも、個別の現実と離れた二元的な抽象思考に与してしまうことになるわけで、それを突破する前向きな力はある瞬間の、突発的なものとしてしか現れません。しかし、それが一つの大きな塊になったときには、ある制度として他のものに抑圧的に働くこともありますので、そうした事情を的確に汲み取るために、曖昧にも見えるけれど繊細な語りを提示してくれるのが小説の力だと思います。本書で特に面白いのは、やはり小説の読み込み箇所であって、桐野夏生や松田青子をはじめとする現代作家の小説から、戦時中に移動し続けた作家林芙美子や、女性革命家の金子文子まで、具体的なテクストに深く入り込みながら意味を解きほぐしています。いろいろ考えさせられ、読むのに時間がかかった一冊でしたね。

内藤 曖昧なものを小説の言葉を通して、文学研究でなければできないという説得力を持って実践できるように努力を重ねたいです。「アイドル」という記号も、「慰安婦」という記号も、曖昧な部分を考えることで開かれる地平があるように感じてきました。明快な立場をもたないとなかなか語りにくい主題ですが、いずれも、文学的想像力のなかで考えたかった。最初は、「慰安婦」という記号を自分自身の日常につなげて考えたいという主題がありましたが、その過程で現代のアイドルが地下アイドルを経由して転換し、若い女性たちにとって、日常のなかに現われる物語の次元が更新されていることに気づきました。問題を回避せず、自分にとっての日常の現場のレベルで考察することを可能にするフレームをつくるためにおどうすればいいか、自分なりに覚悟を持って思考を積み重ねてきたように思います。

 人が一生懸命に生きようとしたときに、今あるシステムは自分の目の前にある物語に反映されて、どう生きるのか、あるいは生きさせられるのかを左右しますよね。女性の場合は自発性も含めて、娼婦的なイメージを分有させられ、性暴力を内包した物語が自分を取り巻いている。社会にも暗黙の前提として共有され、さまざまな属性や立場を持った人たちが、互いに目を逸らしあっている。それをいかに挑発的なかたちで問題化するか考え、「アイドル」と「慰安婦」という記号をつなぐことで可視化し、共有していく地点をつくりだしたいという思いがありました。今回、フェミニズムと文学が交差する地点でお仕事を重ねてこられた小平さんと一緒に語り合えたことで、視界が開け、さらに考えたいことが広がりました。

・・・・・・

 

9784788517349_20211110161701

著者 内藤 千珠子
ジャンル 文学・エッセイ
出版年月日 2021/08/05
ISBN 9784788517349
判型・ページ数 4-6・288ページ
定価 3,190円(本体2,900円+税)
在庫 在庫あり

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書評 中山 元 著『わたしたちはなぜ笑うのか』@北國新聞 2021年10月30日付 ほか

中山 元 著『わたしたちはなぜ笑うのか』の書評が、北國新聞 2021年10月30日付 に掲載されました。同記事は琉球新報、沖縄タイムズ紙 下野新聞ほかに掲載されました。評者は清水義範氏。ご書評くださいました先生、掲載紙ご担当者さま、ありがとうございます。こころよりお礼申し上げます。

 

生の本質につながる原理

・・・・・・

(しかしながら)本書を読んで笑いが完全に解明されることはない。これは非常にまじめな書物であり、安易な結論にはとびつかないのだ。笑うことの原理は広くて深くて生きることの本質につながっている。だから笑いへの思索が結論にたどり着くことはないのだ。

 本書のなかでは近代の笑いについて六つの理論が考察されているが、よくわかるひとつの理論に到達することはない。真面目な考察とはそういうものだ。
 
 本書の最終章は「自由と治療の手段としての笑い」である。著者が、笑いには力がある、と考えていることがここでもわかる。そして、マスクで笑いを隠さなければならない今だからこそ、笑いの力を信じてほほ笑みを忘れないようにしようという著者の主張は、何より力強く我々の心に訴えかけてくるのである。笑いは力だったのだ。





9784788517356

著者 中山 元
ジャンル 哲学・思想
出版年月日 2021/08/05
ISBN 9784788517356
判型・ページ数 4-6・226ページ
定価 2,530円(本体2,300円+税)
在庫 在庫あり

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書評 ジョルダン・サンド著『東京ヴァナキュラー』@朝日新聞 2021年11月6日付

ジョルダン・サンド著『東京ヴァナキュラー』(池田真歩訳)の書評が、朝日新聞 2021年11月6日付に掲載されました。
評者は戸邉秀明氏。ご書評くださいました先生、掲載紙ご担当者さまにこころよりお礼申し上げます。ありがとうございました。

 

・・・・・・1980年代、東京では歴史を再発見するいくつかの試みが、ほぼ同時に始まる。下町の「暮らしぶり」を聞き取り、「まちづくり」に活かした「地域雑誌 谷中・根津・千駄木」。街路の隅に佇む過去の痕跡が、「無用の長物」ゆえに宿す面白さを捉えた赤瀬川原平たちの路上観察学。庶民の生活史を中心に据えた江戸東京博物館の展示構想。

 本書はこれらを、人々が都市の日常に改めて価値を見いだし、抵抗の糧とする技法として読み解く。議論の起点を、反戦運動が占拠した69年の新宿西口地下広場に置くのは、そのためだ。この時、市民を排除すべく、「広場」は「通路」へ改称された。儀礼や記念碑で公衆の一体化を促す広場を奪い合う闘争の仕方は、ひとたび挫折する。・・・・・・
日常や周縁も、脚光を浴びればすぐに高値がつき、出版や観光で消費された。だが当事者たちはジレンマを承知でメディアを利用し、「おどけつつ」「生真面目に」訴えて、「成功を見た叛乱」となった。著者の80年代評価は、消費文化論とは一線を画す。・・・・・・

>>>>>朝日新聞 好書好日ページへ(全文を読む)

 

 

 

9784788517387

  

著者 J.サンド
池田 真歩
ジャンル 社会学
出版年月日 2021/09/24
ISBN 9784788517387
判型・ページ数 4-6・304ページ
定価 3,960円(本体3,600円+税)
在庫 在庫あり

書評 猿谷弘江著『六〇年安保闘争と知識人・学生・労働者』@2021年11月6日付

の書評が、「図書新聞」2021年11月6日号に掲載されました。評者は小杉亮子氏。ご書評くださいました先生、掲載紙ご担当者様に心よりお礼申し上げます。ありがとうございました。

・・・・・・著者は、六〇年安保闘争に参加した人びとのなかでも、知識人、学生、労働者に着目する。知識人は、清水幾太郎や久野収をはじめ、さまざまな運動組織や団体をつくり、声明を出し、抗議行動の現場に駆けつけた。学生運動では、ブントが主導する全学連主流派の国会突入は、多くの人びとの耳目を安保改定へと引きつけたし、全学連反主流派も多くの学生をデモ等に動員した。労働運動では、先ほど触れたとおり、大規模なストライキが敢行された。

 本書が論じるのは、六〇年安保闘争で、この三者がひとつの大規模な社会運動をどのようにつくりあげたか、ということではない。そうではなく、六〇年安保闘争において、これらの異質でまじわりがたい社会運動が、いかにそれぞれ固有の行動をとっていたか、というところにこそ関心が向けられている。これが本書の最大の特徴である。六〇年安保闘争はひとつの大規模な運動ではなく、「複数の運動が「たまたま」といえるタイミングで「接合」(conjuncture)した」(本書二六七頁)結果として生じた運動だったという。六〇年安保闘争の「脱神話化」を試みていると表現したのは、この点である。

・・・・・・ただ、本書を読み通したあとも、六〇年安保闘争を、知識人、学生、労働者という、複数の異なる社会運動がたまたまといえるタイミングで接合して生じた現象だったと言い切っていいものだろうか、という疑問は残った。・・・・・・安保条約改定阻止国民会議という、六〇年安保闘争をコーディネートする立場のネットワークがあったことは著者も指摘しており、異質な運動のあいだにも接触点はあったといえる。・・・・・・異質な運動が闘争のなかで接触することによってなにが起きていたのかまで明らかにされてこそ、わたしたちは六〇年安保闘争をよりよく知ることができるのではないだろうか。



9784788517172  『六〇年安保闘争と知識人・学生・労働者』
  社会運動の歴史社会学

 著者 猿谷 弘江 著
 ジャンル 社会学 > 歴史社会学
 出版年月日 2021/03/31
 ISBN 9784788517172
判型・ページ数 A5・392ページ
 定価 5,500円(本体5,000円+税)
 在庫 在庫あり

書評 ジョルダン・サンド著『東京ヴァナキュラー』@日本経済新聞 2021年10月23日付

ジョルダン・サンド著『東京ヴァナキュラー』の書評が、日本経済新聞 2021年10月23日付に掲載されました。
評者は五十嵐太郎氏。ご書評くださいました先生、掲載紙ご担当者さまにこころよりお礼申し上げます。ありがとうございました。

 

日常生活に見る都市の記憶

・・・・・・著者は『帝国日本の生活空間』(2015年)でささやかなモノに注目しながら、近代日本の海外ネットワークを描いたが、本書でもモニュメントではなく、日常に密着したモノから東京の文化遺産や地域性の発見を考察している。
 その際、各章の題材もユニークだ。第一章は、1969年の新宿西口広場をめぐる闘争、第二章は下町の生活史を取材しつつ、コミュニティを可視化させたタウン誌「谷根千」の活動、第三章は都市において逸脱した「物件」を探索した路上観察学、そして第四章は復元された街並みや建築模型を大胆に導入した江戸東京博物館などの展示施設である。・・・・・・

著者がとりあげる「土着の」を意味するヴァナキュラーな経験主義は、都市の経験が抽象化されることへの抵抗である。これにシンパシーを寄せつつも、ただ賛美するわけでもない。下町が商品化されて、消費の対象にすり替わったように、ジレンマを抱えている。理論化も足りない。またノスタルジーとなった都合のよい過去としての生活展示は、政治の存在をぼかしてしまう。こうした難しい課題を抱えてはいるが、都市の「モニュメントなき遺産」の可能性を問うのが本書である。

書評 内藤千珠子著『「アイドルの国の性暴力』@島根日日新聞 9月28日付

内藤千珠子著『「アイドルの国の性暴力』

の書評が、「島根日日新聞」9月28日付、「十勝毎日新聞」9月24日付に掲載されました。評者は永江朗氏。書評くださいました先生、掲載紙ご担当者さまにこころよりお礼申し上げます。ありがとうございました。

 

なんて刺激的な評論だろう。アイドルと慰安婦。イメージの異なる二つのものを同時に考えることで、隠されているものが見えてくる。題材は徳田秋聲の「縮図」や林芙美子の「浮雲」など戦中、戦後の小説から、桐野夏生の「路上のX」や松田青子「持続可能な魂の利用」など現代の小説まで。アイドルについて考えるとき慰安婦が補助線になり、慰安婦について考えるときアイドルが補助線になる。キーワードは「帝国的性暴力」である・・・・・・アイドルと慰安婦を考えるとき、戦時下の性暴力は平和時にも継続されていることに気付く。最初から最後まで居心地の悪さを抱えながら読んだ。すべての男は当事者である。


9784788517349_20211018151001 「アイドルの国」の性暴力
著者 内藤 千珠子 著
ジャンル 文学・エッセイ
出版年月日 2021/08/05
ISBN 9784788517349
判型・ページ数 4-6・288ページ
定価 3,190円(本体2,900円+税)
在庫 在庫あり

書評 メディアがひらく運動史@図書新聞 2021年10月23日付

大野 光明・小杉 亮子・松井 隆志 編『メディアがひらく運動史

の書評が、「図書新聞」2021年10月23日付に掲載されました。評者は久保田隆氏。評者の先生、掲載紙ご担当者のかたにこころよりお礼申し上げます。ありがとうございました。


・・・・・・編者たちは特集の意図を示しながら、「運動の中で生み出されたメディアの集積は、それ自体が別の運動的な営みにつながっていく」と記している。確かに、それが例えビラや機関誌紙であったとしても、内包されている言語の集積は、思念の有り様を潜在させているといっていい。・・・・・・


三橋敏明「日大闘争は、何を「経験/記録」したのか」では、日大全共闘書記長の田村正敏と七三年に、「無尽出版会」を設立して『無尽』に自らの経験を執筆し、日大闘争の「記録」づくりに取り組み」、四号まで刊行し、以後の「記録」づくりをめぐって述べていく。わたしが、当時、『無尽』創刊号に関心が向いたのはいうまでもない。

 「創刊号jは巻頭に私の拙文が置かれ、秋田明大とアナキスト詩人秋山清の対談「何が続くか」をトップに、田村正敏の「出発することの意味(1)、山本義隆の「加藤一郎公判調書」などを掲載して刊行された。」

 秋山は、日大予科入学という経歴はあるが、なによりも田村の熱心な誘いが大きかったと思われる。
 わたしは、日大闘争、東大闘争等を、全共闘運動といった総称で語られることに、幾らか逡巡する思いを抱き続けてきた。三橋の論稿のなかに、次のような箇所がある。

「日大闘争の行方は不透明になったが、バリケード生活に定着していた「愉快な時間」は維持されかわっていかなかった。日大闘争の方針や展望は重要だったが、私には自らの意思と力で手に入れた「愉快な時間」を、いつまでもいつまでも持続させたかった。」


 わたしは、この文章に接して、いまだからいえる感慨がある。三橋が「時間」という認識なら、わたしは、「関係性」という感覚があったと思い返している。「愉快な関係性」と、いまだからいえるのかもしれないが、一人一人の考え方が違っていても、なにか分かり合える関係性というものが、生起していたことを思い出すのだ・・・・・・

 

 

9784788517332 社会運動史研究 3
メディアがひらく運動史

著者 大野 光明 編
小杉 亮子 編
松井 隆志 編
出版年月日 2021/07/15
ISBN 9784788517332
判型・ページ数 A5・240ページ
定価 2,640円(本体2,400円+税)
在庫 在庫あり

◎新曜社<新刊の御案内>■メール版 第214号■

2021年9月22日発行
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◎新曜社<新刊の御案内>■メール版 第214号■

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◇トピックス
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〇書評

6月に刊行いたしました
やぎ ひろみ 著・横山 ふさ子 絵
『いのちに寄り添う自宅介護マニュアル これから介護と向き合うあなたに』
を小黒 悠さんのブログにてご紹介いただきました。

弊社ではじめてとなる介護関連の書籍で、
どう広めていけばよいか試行錯誤していたなか、
たいへんうれしいご紹介でした。励みになります。

「読みたかった介護の本、やっと見つけました。」
小黒 悠 雨のちハレ 介護ダイアリー | mi-mollet(ミモレ)
https://mi-mollet.com/articles/-/30874




〇書評・紹介 内藤千珠子 著『「アイドルの国」の性暴力』

2021年9月18日号図書新聞「〈世界内戦〉下の文芸時評」にて、
内藤千珠子 著『「アイドルの国」の性暴力』(ISBN 9784788517349  定価 3,190円)をお取りあげいただきました。
評者は岡和田晃氏。ご書評くださいました岡和田先生、書評紙ご担当者さまに
こころよりお礼申し上げます。ありがとうございます。

https://shin-yo-sha.cocolog-nifty.com/blog/2021/09/post-f00080.html






猿谷弘江著『六〇年安保闘争と知識人・学生・労働者』の書評が、
「週刊読書人」2021年6月18日号に掲載されました。評者は古賀暹氏。
ご書評くださいました先生、掲載紙ご担当者様に心よりお礼申し上げます。
ありがとうございました。


https://shin-yo-sha.cocolog-nifty.com/blog/2021/08/post-9b9f66.html







○新曜社ウェブマガジン「クラルス」
https://clarus.shin-yo-sha.co.jp/

8月16日発売の『ワードマップ 科学技術社会学(STS)』
日比野愛子先生にいただきました関連エッセイをご紹介いたします。


第1回 感染症数理モデルのSTS研究
https://clarus.shin-yo-sha.co.jp/posts/3797


第2回 「生態学」として感染症モデルを眺める
https://clarus.shin-yo-sha.co.jp/posts/3816


第3回 世界の感染症STS(最終回)
https://clarus.shin-yo-sha.co.jp/posts/3837






〇書店フェアのお知らせ

【フェア情報】ジュンク堂書店池袋本店様4Fの大フェア棚では、
「心の仕組みを考えるー生活に生かす心理学」フェア
(ジュンク堂書店池袋本店:企画/心理学書販売研究会:協力)を開催中!
心理学関連の良書・好著が目白押しです。期間は10月24日まで。
お近くにお立ち寄りの際はぜひ足をお運び下さい。


https://twitter.com/junkuike_jinbun?ref_src=twsrc%5Egoogle%7Ctwcamp%5E
serp%7Ctwgr%5Eauthor









◇近刊情報
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10月上旬発売予定
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ワードマップコミュニケ─ション・スタディーズ
──アイデンティティとフェイスからみた景色
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末田清子 著
四六判並製214頁・本体2200円+税
ISBN 978-4-7885-1742-4 C1036
分野=社会学


仲間内で演じるキャラ。自分が思う自分と友人の目に映る自分。失敗したとき
保とうとするプライド。相手と気まずくなった時の葛藤の解決。日常のコミュ
ニケーションをフェイス(面子)やアイデンティティの視点から眺めると、多
彩な景色が見えてくる。



著者 青山学院大学国際政治経済学部教授




10月中旬発売予定
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やまだようこ著作集第7巻人生心理学
──生涯発達のモデル
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やまだようこ著
A5判上製480頁・本体4800円+税
ISBN 978-4-7885-1737-0 C1011
分野=心理学


発達の概念はこれまで、進歩・向上という近代的な見方と結びついていた。生
涯発達心理学を専門にしてきた著者による、人間を多様で変化可能性に満ちた
存在、いくつもの異なるもの語りと意味を紡ぎだす存在としてとらえる新しい
「人生心理学」の提案。



著者 京都大学名誉教授






10月中旬発売予定
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知識は身体からできている
──身体化された認知の心理学
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レベッカ・フィンチャー-キーファー 著 望月正哉・井関龍太・川崎惠里子 訳
A5判並製256頁・本体2700円+税
ISBN 978-4-7885-1736-3 C3011
分野=認知心理学


世界を理解し、概念知識を構築するうえで身体的経験が必須だという見方は、
哲学者、認知科学者、ロボット工学者たちに広く共有されてきている。心理学
的研究と身体化された認知という考え方における位置づけを体系的に、初学者
にもわかりやすく解説。



著者 

レベッカ・フィンチャー-キーファー(ゲティスバーグ大学心理学教授)
望月正哉(日本大学文理学部准教授)
井関龍太(大正大学心理社会学部准教授)
川崎惠里子(川村学園女子大学名誉教授)





10月下旬発売予定
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文化資源学
──文化の見つけかたと育てかた
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東京大学文科資源学研究室 編
A5判並製248頁・予価2600円+税
ISBN 978-4-7885-1743-1 C1036
分野=社会学


精緻化し複雑化した文系の諸学問を「かたち・ことば・おと」という原初の地
点から見直し、近代社会が守ってきた多様な文化を「文化資源」という視点か
ら見直し育てようとする「文化資源学」。数少ない日本発の研究の成果と魅力
を存分に紹介する。



* 渡辺裕「発車メロディ」論、木下直之「猥褻論」、佐藤健二「個室の成
立」論などがこの学の魅力を伝える

* 文化遺産の保存問題、博物館や美術館のあり方などにも多くの示唆をあた
える




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編集後記

 よく読む雑誌に東海教育研究所発行の「望星」がある。8月号の特集は「民
度・イン・ジャパン その2」、9月号の特集は「プラットフォームに立つ人
は」、10月号「命短し返せよ酒場」。ここ数カ月の特集をあげるだけで、他の
追随を許さない独自の企画にくらくらする。9月号の鉄道ファンに向けた企画
では、映画のなかの駅を次々に想起していく河本三郎氏のエッセイ、廃線めぐ
りが趣味という梯久美子氏の、サハリンの廃線をたどるエッセイには、「鉄道
ファン」への畏敬の念をおぼえさせる迫力があった。
10月号の酒特集は新型コロナ禍にある「酒場」応援特集。佐藤康智氏の「緊急
事態宣言中酒中日記」は面白く、マイク・モラスキーと吉田類は酒屋で出会っ
ていたかを本から探る試みが面白く、この間まったく酒を飲まなくなった自分
も「また行きたい」と思わせる内容だった。酒や酒場が可能にする「関係性」
というのはたしかにあるのだ。

ブレイディみかこ著『ワイルドサイドをほっつき歩け』(筑摩書房 2020年6
月)は著者のあとがきをみると2020年1月末に脱稿、新型コロナの脅威にさらさ
れる前のロンドン、パブで気勢をあげるおっさんたちが魅力的に描かれている。
この労働者階級のおっさんたちがとにかく魅力的で、家族のこと、仲間のこと、
移民が多く住まうことになった自分たちのコミュニティのこと、そして離脱
派・残留派と将来にわたって亀裂を生んだブレグジットのことなどを全力で考
え、行動していくのは感動的だ。労働者階級とひとことでいうがそこには多様
性があり、それを認め合って生きていく。知性とはこういうことをいうのでは
なかろうか、そしてイギリスのいちばんいい時とたいへんな時を知っている、
最良の人びとなのではと思わされる。

イギリスのカフェから公共圏が生まれたのと同じように、パブもまた労働者の
公共圏を生み、育てたのだろう。そしていまやお酒を飲まない世代が増え、パ
ブもどんどん消滅していくロンドン。「まあなー。でも死ぬこたあねえだろ。
俺ら、サッチャーの時代も生きてたし」。著者の連れ合いのことばだ。この新
型コロナ禍のあと、イギリスは、ロンドンは、そして彼らはどう変わっていく
のだろうか。どう変わっていっても、生きるだけ。そんなタフなオッサンに私
は憧れる。    (中山

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◇奥付
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書評・紹介 内藤千珠子 著『「アイドルの国」の性暴力』@2021年9月18日号図書新聞

2021年9月18日号図書新聞「〈世界内戦〉下の文芸時評」にて、
内藤千珠子 著『「アイドルの国」の性暴力』(ISBN 9784788517349  定価 3,190円)をお取りあげいただきました。
評者は岡和田晃氏。ご書評くださいました岡和田先生、書評紙ご担当者さまにこころよりお礼申し上げます。ありがとうございます。


「女性的身体を性的に消費しつつ収奪の責任を不可視化させ、「娼婦」のような恥辱の責任をも背負わせるという意味で、新自由主義的な主体の「アイドル」と戦時下の「慰安婦」には、隠れた共通性がある。誰もが直感的に看取していながら、論証が難しいその軸を――『帝国と暗殺』、『愛国的無関心』といった過去の批評との連続性のもと――力業で 掘り当てているのがこの批評の特徴だ。濱野智史や大森望らによる、アイドルを聖化する論が何を隠蔽しているのか、その位置を剥抉させるところから始まるが、とはいえ論証スタイルは緻密であって煽りのようなものは一切ない」

9784788517349


『「アイドルの国」の性暴力』

 著者 内藤 千珠子 著
ジャンル 文学・エッセイ
出版年月日  2021/08/05
ISBN 9784788517349
判型・ページ数 4-6・288ページ
定価 3,190円(本体2,900円+税

書評 猿谷弘江著『六〇年安保闘争と知識人・学生・労働者』@週刊読書人 2021年6月18日号

の書評が、「週刊読書人」2021年6月18日号に掲載されました。評者は古賀暹氏。ご書評くださいました先生、掲載紙ご担当者様に心よりお礼申し上げます。ありがとうございました。

「まず巻末にある参考文献の一覧を見て驚かされた。日本の六〇年安保闘争を論じているはずの文献の半分が横文字に占められているからだ。こんなに欧米人の日本研究が盛んなのか、日本学の専門家でもない私には書評は書く資格がないと恐れをいだいた。しかし、その恐れは、序章の末尾までほんの三〇頁までしか続かなかった。それまでの難しい社会学の歴史についての話は、ブルデューの方法論を用いて安保闘争に立ち向かうよという方法論の説明だったからだ。
 いやその短い序章を、わからないなりに苦労して読んだ甲斐があった。逆に、アメリカに留学していた著者、猿谷弘江さんの、若々しい苦闘ぶりが、際立って感じられた。猿谷さんはブルデューの方法論を片手に、六〇年安保と第一次ブントに立ち向かっている。その姿は、第一次ブントが分裂-崩壊したのち、何の予備知識ももたないままブントの再建を目指して、学生運動に突入した頃の私と似ていると感じた。違いは、猿谷さんには、方法論があったが、私には先輩たち「学生革命家」たちの意志の継承という情熱があったというだけに過ぎない。それだけで、ブントとは何だったのか、なぜ、ブントは崩壊したのかということを、戦線に生き残っていた先輩たちから聞き出していったのだった。

 猿谷さんに戻ろう。ブントと安保闘争という森林をかき分けて行く猿谷さんの分析はみごとだ。まず初めに登場するのは、丸山眞男、久野収、清水幾太郎などで形成された知識人のフィールドだ・・・・・・」

9784788517172  『六〇年安保闘争と知識人・学生・労働者』
  社会運動の歴史社会学

 著者 猿谷 弘江 著
 ジャンル 社会学 > 歴史社会学
 出版年月日 2021/03/31
 ISBN 9784788517172
判型・ページ数 A5・392ページ
 定価 5,500円(本体5,000円+税)
 在庫 在庫あり

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2021年8月11日発行
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◇トピックス
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〇書評

6月に刊行いたしました
やぎ ひろみ 著・横山 ふさ子 絵
『いのちに寄り添う自宅介護マニュアル これから介護と向き合うあなたに』を小黒 悠さんのブログにてご紹介いただきました。

弊社ではじめてとなる介護関連の書籍で、どう広めていけばよいか試行錯誤していたなか、たいへんうれしいご紹介でした。励みになります。

「読みたかった介護の本、やっと見つけました。」
小黒 悠 雨のちハレ 介護ダイアリー | mi-mollet(ミモレ)

https://mi-mollet.com/articles/-/30874

 

 

○新曜社ウェブマガジン「クラルス」
https://clarus.shin-yo-sha.co.jp/

8月16日発売の『ワードマップ 科学技術社会学(STS)』
日比野愛子先生にいただきました関連エッセイをご紹介いたします。


第1回 感染症数理モデルのSTS研究
https://clarus.shin-yo-sha.co.jp/posts/3797


第2回 「生態学」として感染症モデルを眺める
https://clarus.shin-yo-sha.co.jp/posts/3816


第3回 世界の感染症STS(最終回)
https://clarus.shin-yo-sha.co.jp/posts/3837

 

 


〇書店フェアのお知らせ

<フェアのご案内!> 「ここにあります!売れている心理学書2021」好評開催中!心理学書販売研究会12社のおすすめ書籍600点以上が並ぶ圧巻のフェアです!注目の新刊もどんどん並んでおります!

■三省堂書店神保町本店様5階フェア企画コーナー
■2021年8/31(火)まで開催!
皆様のご来店お待ちしております

https://mobile.twitter.com/seishinshobo/status/1420548788045840393

 

 

 

◇近刊情報
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8月16日発売予定
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ワードマップ科学技術社会学(STS)
――テクノサイエンス時代を航行するために
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日比野愛子・鈴木舞・福島真人 編
四六判並製200頁・本体2300円+税
ISBN 978-4-7885-1732-5 C3030
分野=社会学・科学一般


現代社会はテクノサイエンスからできている。その迷路に切り込むための最先端の手法、科学技術社会学(STS)のエッセンスを自然、境界、過程、場所、秩序、未来、参加という7つのキーコンセプトで、理論と実践の両面からひも解く画期的な入門書。


* STS:Social Studies of ScienceあるいはScience and Technology Studiesの略称


* 国際的にも重要な議論を組織的にカバー。STSの現状を伝えるコラムも充実。


著者
日比野愛子(弘前大学人文社会科学部准教授)
鈴木舞(慶應義塾大学グローバルリサーチインスティテュート所員)
福島真人(東京大学大学院情報学環教授)

 


8月下旬発売予定
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資本主義から価値主義へ
――情報化の進展による新しいイズムの誕生
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佐藤典司著
四六判上製304頁・本体2800円+税
ISBN 978-4-7885-1740-0 C1030
分野=哲学・経済学


すでに多くの人たちが資本主義に別れを告げ、「価値主義」時代の人生を送っている。情報化はモノから情報へと猛スピードで価値の中心を変化させた。資本主義はいまや危機的状況を深めつつ終焉を迎え、新しい「価値主義」の時代が始まっている。GDPで計られる価値から、市場を通さずに享受される多様な価値への、大転換時代の指南書。

 

著者 立命館大学経営学部教授

 

 

9月中旬発売予定
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東京ヴァナキュラー
――モニュメントなき都市の歴史と記憶
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ジョルダン・サンド 著 池田真歩 訳
四六判上製300頁・予価4000円+税
ISBN 978-4-7885-1738-7 C3036
分野=社会学・都市社会学


日常にありふれたモノや生活空間――ヴァナキュラーなもの――が、その都市の歴史を語り出す。国家的な記念物や専門知に頼ることなく、その土地に刻まれた〈日常〉から読み解く新たな都市論、反モニュメンタリズム実践の記録集。

 

* 谷根千地域、路上観察、博物館展示を実例に、〈日常〉から都市を読み解くとはどういうことかを詳説。

 

* 単なる東京論には収まらない、新たな都市論を打ち出した書。

 

著者 

ジョルダン・サンド(ジョージタウン大学歴史学部教授)
池田真歩(北海学園大学法学部政治学科講師)

 

 


9月中旬発売予定
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文化地理学講義(仮)
――
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森 正人 著
四六判並製284頁・予価2800円+税
ISBN 978-4-7885-1739-4 C1025
分野=社会学・地理学・政治


世界がコロナの大過に見舞われ、人と物の移動や国境が厳しく問い直される今。既存の政治や文化に囚われず大地と人の関係を問う方法はあるのか。空間・風景・場所・自然から地理を捉える文化地理学の歴史を跡付け、その新展開を見通す待望の入門書。

 


* 地理学の始まりからポスト人間中心主義を経た最新の思想状況まで初学者を導く丁寧なガイド


* 旧来の地理学にない移動性・物質性・身体等の最新の概念まで詳説する迫力の12章

 


著者 三重大学人文学部准教授


著者関連書籍 

『展示される大和魂 〈国民精神〉の系譜』
https://www.shin-yo-sha.co.jp/book/b455488.html


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編集後記

以前弊社のあった神保町二丁目周辺、教育出版さんのビルがあったあたりになるのだが、新しいビルやマンションに建て替えるとかで、工事ラッシュである。それは、私が神保町に通いはじめた30年前のバブル時代の地上げとその後の開発の風景を思い出させる。いま新型コロナ禍にあって神保町の昼間の労働人口もかなり減り、個人経営の飲食店だけでなくチェーン店も休業、閉店、廃業が相次ぐなかで、借り手のないテナントだけが増えていくのはもはや喜劇だ。

『絶滅危惧個人商店』(井上理津子著、筑摩書房)。佃煮屋、肉屋、魚屋、自転車屋、花屋など、もはやこの先、生業としては消滅していくような個人のお店に取材した本だ。50年、60年以上長く続けてきたお店、どの店主も口々にバブル時代の華やかさと商いが大きかった話が出てくるが、それはそれ。。いまも仕事が大好きで大切にしているその語り口にはとても元気づけられる。長い歴史を一人で切り盛りしてきたオーナーの話は、とにかくウンチクにみちていて面白い。

とりわけ面白いのが木下自転車の78歳のオヤジさんの話だ。40年前に自分のお店で売った自転車はいまも無料で修理し、またタイヤの具合を見に来たお客さんには虫ゴムを100円で分ける。粗悪な部品で壊れた自転車をひきとり、自分でちゃんとして部品をとりかえて作り直す。中古車と新車が店内に混在しているのはそういう理由からで、しかもそんな中古車はあまり売りたくない、という。またかなり上等な新車もおそらくはちゃんとした人に買ってもらいたいから、5,6年店に置いてあったりで、これも売りたくなさそう。「店をやめたら博物館をつくりたい」それが木下さんの夢だ。

私の代で終わりという商店もあれば、後継者が順調に育っているお店もある。どの店も商店ながら「職人」の技術とこだわりをもってやられている。そうでなければ半世紀以上も続かないのだろう。本書の刊行は昨年11月。コロナ前に取材されたお店が多く、今どうしているだろうか、じつに心配だ。(中山
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◇奥付
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2021年6月29日発行
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◇トピックス
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○書評・紹介

●やぎひろみ著・横山ふさ子絵
『いのちに寄り添う自宅介護マニュアル』(A5並製・本体1800円)、高齢者の食、住、排泄、睡眠などを自然にサポートする工夫を、自宅で母親を10年間介護した著者が、身近なグッズやアイデアを交えて紹介した、新しい介護マニュアルです。

 


●ミサ、ヌーヴェル著/橋本一径訳『ドーピングの哲学』(四六上製・本体4300円・2017年刊行)という本があります。ドーピング撲滅運動の問題点を指摘し、「スポーツ=健康」は幻想という点を鋭く指摘した意欲作です。コロナ禍でスポーツのありようというものが問われるなか、ぜひ読んでいただきたい一冊です。

 

 


●松本光太郎著『老いと外出――移動をめぐる心理生態学』が2020年度人間・環境学会賞を受賞いたしました。

 

 


●才津祐美子著『世界遺産「白川郷」を生きる』(A5上製・本体2800円)が、第46回「今和次郎賞」(日本生活学会主催)を受賞しました。今和次郎賞は1975年に制定され、宮本常一や梅棹忠夫が受賞している歴史ある賞です。

 

 


○新曜社ウェブマガジン

更新しました
◎赤地葉子先生(『北欧から「生きやすい社会」を考える』著者)、寄稿
「生きる力を育む包括的性(セクシュアリティ)教育――「寝た子を起こすな」の過ち――」

 

 

◇近刊情報
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7月中旬発売予定
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感覚が生物を進化させた
――探索の階層進化でみる生物史
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実重重実 著
四六判並製272頁・本体2500円+税
ISBN 978-4-7885-1730-1 C1045
分野=生物学


ダーウィニズムの言うように、進化は遺伝子の突然変異に始まり、生物は受動的に環境から選別されるだけの存在なのだろうか。21世紀生物学の知見を踏まえ、生物の感覚や主体性も生命の階層進化に関わっていることを、様々な事例で生物の歴史からたどる。

 

*好評『生物に世界はどう見えるか』の著者、渾身の第2作!

著者 元・農林水産省農村振興局長、現全国山村振興連盟常務理事兼事務局長


著者著作(4刷)
好評 生物に世界はどう見えるか
https://www.shin-yo-sha.co.jp/book/b487828.html

 

 

7月下旬発売予定
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「アイドルの国」の性暴力
――
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内藤千珠子著
四六判上製288頁・本体2100円+税
ISBN 978-4-7885-1734-9 C1090
分野=文学評論・思想


現代日本の性暴力は、ナショナリズムとジェンダーの複合した形で現われている。具体的には、「アイドル」と「慰安婦」問題を中心に、戦時と現代に共通する「性の商品化」「身体の経済化」の問題として、文学作品や風俗のなかに鮮やかに浮き彫りにする。 117 "・現代の日本にはびこる「見えない暴力」のルーツを近代日本の歴史、文学のなかに暴く。


*現代の日本にはびこる「見えない暴力」のルーツを近代日本の歴史、文学のなかに暴く。

*「おやじ的権力」と「アイドル」「慰安婦」そして結婚制度内の女性の関係を「見える化」する。

 

著者 大妻女子大学准教授


著者著作


愛国的無関心 「見えない他者」と物語の暴力
https://www.shin-yo-sha.co.jp/book/b455553.html


帝国と暗殺 ジェンダーからみる近代日本のメディア編成
https://www.shin-yo-sha.co.jp/book/b456011.html

 

 

7月下旬発売予定
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わたしたちはなぜ笑うのか
――笑いの哲学史
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中山 元 著
四六判並製224頁・本体2300円+税
ISBN 978-4-7885-1735-6 C1010
分野=思想・哲学

人はなぜ笑うのか。赤子の無垢な笑いからも、人が社会的動物になるために笑いは必須であろう。ソクラテスからデカルト、スピノザ、ニーチェ、フロイトまで、ユーモア、アイロニー、ウィットなどの笑いから哲学史をたどり、笑いの多様性と意味をも探る。


*V・フランクルは、ユーモア(笑い)は強制収容所を生き延びるために不可欠であったという。

*コロナ禍というマスクで口を覆わざるをえない時期ですが、笑いを忘れないようにしましょう。


著者 哲学者・翻訳家

 


著作・訳書

思考のトポス 現代哲学のアポリアから
https://www.shin-yo-sha.co.jp/book/b455984.html

 

ドゥルーズ哲学のエッセンス 思考の逃走線を求めて
https://www.shin-yo-sha.co.jp/book/b455847.html

 

フーコー 思想の考古学
https://www.shin-yo-sha.co.jp/book/b455809.html

 

ハンナ・アレント〈世界への愛〉
https://www.shin-yo-sha.co.jp/book/b455645.html

 


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編集後記


先日訪れた書店さんで、「書物復権」というフェアをやっていた。人文書版元有志で品切れしているが特に要望の強い書籍を復刊して、店頭でお披露目するという企画だ。今年は11社で25点の書籍を復刊したようだ。

おー今年もこの季節になったのかと棚を見て、すぐ目に留まったのが『校正のこころ 積極的受け身のすすめ』(大西寿男著・創元社)である。本のカバー、本文の書体がいい。100年ぐらい前に出版されたような趣があるのだ。また副題の「積極的受け身」という言葉がジョン・キーツのネガティブケイパビリティを想起させ、その態度は私の知る校正人にじつにあてはまるというところも即買いの理由だ。創元社さんの知り合いに後日聞くと、すでに重版が決まったとのこと。じつによろこばしいことです。


さて校正について。私にいちばん欠けている技術である。このメールマガジンもずーっとつくってきたけれども、いつも送信し終えてから間違いが発覚する。メールマガジンだけでなく、サイト上の書籍の案内、書評の紹介、ツイッターでの案内、いつもなにか間違えている。ずっと申し訳ない、ごめんなさいと言い続けているのだ。

しかし校正のこころとはそんなまちがい探しとは別のとこをこえて、よりよくするために整えるという次元のことである。世の中にあふれる攻撃し、懲らしめようとすることばを前にどう向きあえばよいかこの本は教えてくれる。


「校正者が言葉に一つの自律した人格を見出すように、この世界の生きづらさにもいのちがあって、何かを叫びたがっていると考えるのはおかしなことでしょうか。あなたのところにやってきた生きづらさそのものを相手に、一対一の静かな対話を結ぶことができたなら、ほんとうはこういいたかったという、混乱のうちに世界が見失った言葉が真のあるべき姿を回復して、あなたの心の耳に聞こえてくるかもしれません。何かを能動的に「する」のは、そのときからでもでも遅くはないのではありませんか?」


誤字脱字をなくすと同時に、このSNSの時代につねに心にとめておきたい態度である。(中山)

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◇奥付
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牧野陽子著『ラフカディオ・ハーンと日本の近代』、『しんぶん赤旗』(2021年6月20日)で紹介

牧野陽子著
『ラフカディオ・ハーンと日本の近代』
が『しんぶん赤旗』(2021年6月20日)で紹介されました。評者は稲賀繁美氏。

ご書評くださいました先生、書評紙ご担当者さま、ありがとうございました。心よりお礼申し上げます。



『〈時〉をつなぐ言葉』角川源義賞ほかを受賞した第一人者による小泉八雲論の集成である。......100年以上前の日本の姿と人々の心を描いた英語圏作家を、今になってあらためて再訪する意義はどこにあるのか。


そうした疑問を抱く読者に、本書は思わぬ光景を展開してみせる。従来の文学研究の相場であった作家論・作品論を超え、同時代の幾多の著述家のなかにハーンを位置づけ、その発想の源泉にさかのぼる一方で、口碑・伝承ととハーンの創作との相互関係に分け入り、さらにはその著作の感化を受けた後世の作家たちとの共鳴に及ぶ。


・・・・・・幼少を海外で過ごした著者の日本発見が、伝承や民族の再話の杜のなかに隠されたなぞに感応する魂の響き合いを解き明かす。そのしなやかな筆遣いの裏には、著者の強靭な意思と博捜をいとわぬ探求が透視される。




9784788517004ラフカディオ・ハーンと日本の近代

牧野 陽子 著
出版年月日 2020/12/15
ISBN 9784788517004
判型・ページ数 4-6・392ページ
定価 本体3,600円+税

 

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