書評 ダーク・フォン・レーン 著『ハロルド・ガーフィンケル』 @図書新聞 2024年12月14日付

ダーク・フォン・レーン 著
荒野侑甫・秋谷直矩・河村裕樹・松永伸太朗 訳
『ハロルド・ガーフィンケル エスノメソドロジーの誕生と社会学のあゆみ

の書評が「図書新聞」2024年12月14日付に掲載されました。評者は上谷香陽先生。ご書評くださいました先生、掲載紙ご担当者様にこころよりお礼申し上げます。

1967年に『エスノメソドロジー研究』が出版された際、ガーフィンケルのエスノメソドロジー(以下EM)は、当時の社会学に当惑をもって受け止められた。それから半世紀余り、今日EMは、アメリカ社会学会に独自の部会を持ち、社会学の教科書にも取り上げられ、社会学としての地位をすっかり確立したかに見える。しかしそれでも著者フォン・レーンは、今日に至るまでEMは、社会学理論を無視しているとみなされ、社会学において周辺的なものとして扱われてきたと主張する。この「不適切な」扱いに異を唱えるため、著者が本書で改めて強調するのは、ガーフィンケルのEMが、社会学の根本問題「社会秩序はいかにして可能か」を基盤としており、社会的事実に関するデュルケームの「格言」をある意味、忠実に受け継いでいるという側面である。

 本書でとりわけ丁寧に論じられているのは、いかにして社会秩序を記述するのかという社会学的問題をめぐって、ガーフィンケルが、パーソンズやシュッツの議論に深く依拠しながら、かれらの着想をどのように転換していったのかということである。日常生活の社会秩序は、研究者の視点からは偶発的で、乱雑で、絶えず変化し、客観的に記述することが困難だとみなされてきた。それゆえ従来の社会学は、人々が日常生活で生み出す社会秩序の記述を、科学的な記述に置き換えようと模索してきた。これに対して彼は、従来の社会学のやり方では、生活世界における人々の経験とは異なる理論や概念を代わりに作り出しているに過ぎないと異を唱え、オルタナティブを模索し始めるのである……。
……
本書は、難解な文体で書かれたガーフィンケルの原著を理解する助けとなる。日本語訳も読みやすく、丁寧な訳注によって、読者は論の筋道を迷わず追うことができる。EMと会話分析の関係など、本書の議論であまりふれられていない論点を解説した「訳者あとがき」も読み応えがある。ガーフィンケルの社会学の理解を深めてくれる良書である。

9784788518445  ダーク・フォン・レーン 著
 荒野侑甫・秋谷直矩・河村裕樹・松永伸太朗 訳
 『ハロルド・ガーフィンケル』
 
出版年月日 2024/05/10
 ISBN 9784788518445
 4-6判292頁・定価4290円
 在庫 在庫あり

 

書評 内藤千珠子『「アイドルの国」の性暴力 増補版』@図書新聞 2024年11月23日号

図書新聞2024年11月23日号、岡和田晃氏連載「〈世界内戦〉下の文芸時評」 第117回にて

内藤千珠子著『「アイドルの国」の性暴力 増補版』をお取りあげいただきました。岡和田先生、書評紙ご担当者様、ありがとうございました。

……ジェンダーやエスニシティをめぐる多様性を「額面化」した価値観として掲げながら、他方で歴史認識に関する議論に関心を示さない「企業文化」が浸透しているのならば、極右による歪曲を跳ね返せるよう、歴史認識をも我がこととして掘り下げてゆく必要があるのではないか。この点で重要なのは、表象分析と実証史学の交点を掘り下げる、内藤千珠子『「アイドルの国」の性暴力 増補版』(新曜社)だろう。本連載の第79回で取り上げた親本を再刊するにあたり、補章「ジャニーズ文化と見えない性暴力――帝国のファンタジーを読み解く」が加筆された。ジャニーズのファンである「少女たち」は、「ジェンダーやセクシュアリティの規範を越境する、クィアな少年たちの身体を性的に消費する」とき、「差別的な社会の息苦しい秩序を踏み破る開放感を得ることができ」た。そこから内藤は、こうした開放感を可能にするファンタジーが、比喩の域を超えた「帝国的性暴力」の構造を有していたからこそ、ジャニー喜多川による性暴力が見て見ぬふりをされてきたと述べるのである。論述の過程で目を惹かれるのは、ジャニーズ事務所の性暴力を告発してきた鹿砦社刊行本等のスキャンダラス・ジャーナリズムが、不正を糺すという建前を取りながらも、「ホモフォビアとミソジニーの結託した情動的な傾き」を隠そうともせずに「性暴力を告発するという姿勢を取りながら、言説上には被害者に対するセカンドレイプの暴力」と化していることを、的確に指摘している点だ。......

 

9784788518551

『「アイドルの国」の性暴力 増補版』

 内藤 千珠子 著
 2024/08/28
 ISBN 9784788518551
 4-6判・320ページ
 定価 3,410円(本体3,100円+税)
 在庫 在庫あり

 

 

 

 

書評 ジョルジュ・ディディ=ユベルマン 著『「それ」のあったところ』@毎日新聞 2024年11月9日付

ジョルジュ・ディディ=ユベルマン 著
西野 路代 訳
『「それ」のあったところ』

の書評が毎日新聞 2024年11月9日付にて掲載されました。評者は渡邊十絲子先生。ご書評くださいました先生、掲載紙ご担当者様にこころよりお礼申しあげます。

…………副題は「《ビルケナウ》をめぐるゲルハルト・リヒターへの4通の手紙」。著者である哲学者が画家のアトリエで、のちにこの大作となる空白のカンヴァスを見たところから書簡は始まる。強制収容所での恥ずべき行為を、人類は語りつくしてはいない。それどころか、問題の核心に迫るための言葉もまだ発見できていないのかもしれない。「いまだ語りえぬもの」を現前させるために、画家は空白のカンヴァスを前に考え始める。哲学者の注意深い目が制作過程に併走してそれを追いながら、画家に新たな問いを投げかける。……

毎日新聞 今週の本棚


……

 

Photo_20241105104401  「それ」のあったところ
 《ビルケナウ》をめぐるリヒターへの4通の手紙

 著者 ジョルジュ・ディディ=ユベルマン 著
 西野 路代 訳

 出版年月日 2024/09/05
 ISBN 9784788518568
 4-6判・定価 5,390円(本体4,900円+税)
 在庫あり

書評 ジョルジュ・ディディ=ユベルマン 著『「それ」のあったところ』@朝日新聞 2024年11月2日付

ジョルジュ・ディディ=ユベルマン 著
西野 路代 訳
『「それ」のあったところ』

の書評が朝日新聞 2024年11月2日付にて掲載されました。評者は椹木野衣先生。ご書評くださいました先生、掲載紙ご担当者様にこころよりお礼申しあげます。

「書くことは野蛮」を越えた4枚

……事実、世界最高峰と称されるドイツの画家、ゲルハルト・リヒターでさえ、アウシュヴィッツを「描く」のに、題材となる写真と出会ってから60年もの時を要した。リヒターが重い腰をあげるきっかけとなったのは、本書の著者であるフランスの哲学者ディディ=ユベルマンによるアウシュヴィッツ論だった。……


朝日新聞「好書好日」ページへ

 

 

Photo_20241105104401  「それ」のあったところ
 《ビルケナウ》をめぐるリヒターへの4通の手紙

 著者 ジョルジュ・ディディ=ユベルマン 著
 西野 路代 訳

 出版年月日 2024/09/05
 ISBN 9784788518568
 4-6判・定価 5,390円(本体4,900円+税)
 在庫あり

書評 三浦耕吉郎著『自然死(老衰)で逝くということ』@毎日新聞24年11月2日付

三浦耕吉郎著

『自然死(老衰)で逝くということ グループホーム「わたしの家」で父を看取る』

が毎日新聞2024年11月2日付、書評欄に掲載されました。

評者は星野智幸先生。ご書評くださいました先生、掲載紙ご担当者さまに、こころよりお礼申し上げます。

 

……著者が父の死に際して探ったのが、「みずからの死の時期を自己決定する必要のない<死に方>」だ。それは過剰な延命治療に任せてしまうのでもなく、といって死についての意思決定は本人にあるとする尊厳死の考え方に立つのでもない、死のあり方だ。

 冒頭に近いこのくだりを読んだだけで、私は衝撃を受けた。過剰な医療的管理に理不尽な気分を募らせた私は、尊厳死を認めるほうへ思いつめていたから。その根っこには、病院の求める治療の許可を、母本人ではなく私たち子どもが与えた結果、母が常々強く拒絶していた「寝たきり管だらけ」を強いているという自責の念がある。病院の求めるインフォームド・コンセントは、「生じた結果について医師を免責することこそが主目的とされてきた」。著者が目指すのは、誰が責任を負うわけでもない、生の終わりである。......


 毎日新聞「今週の本棚」へ

 

9784788518520  自然死(老衰)で逝くということ
 グループホーム「わたしの家」で父を看取る

 三浦 耕吉郎 著
 
2024/08/31
 ISBN 9784788518520 
 四六判232頁 定価 2420円
 在庫 在庫あり

 

書評 好井裕明著『原爆映画の社会学』の書評@図書新聞2024年11月2日付

好井裕明著『原爆映画の社会学』の書評が、図書新聞2024年11月2日付に掲載されました。評者は片岡佑介先生です。評者の先生、掲載紙ご担当者さま、ありがとうございました。こころよりお礼申し上げます。


……本書の関心は、映画や博物館の展示、または体験語りにおける「語り口」や「方法」の批判的読解にあり、とりわけその定型化・形骸化を問題視している。被爆者の語りが私たちの胸を打つのは、大文字の思想が伝わるからではなく、原爆投下の前後も続いてきた徹底的に個でしかあり得ない生そのものの重みに圧倒されるからだろう。だからこそ、毎年八月六日・九日を頂点に反復されるマスメディアによるマンネリ化した報道を、著者は批判する。なぜなら、そこでは時に矛盾やどす黒い情動をも孕んだ個々の被爆者の語りが、往々にして原爆被害の悲惨さや反戦平和などの分かりやすく啓蒙的なメッセージに昇華されてしまうからだ。本書が、読者に効率よくシーンを説明する記述を大きく逸脱し、口調や言い淀み、仕草や表情まで「書き起こし」ているのは、既存の分析枠組みからは零れ落ちる細部にこそ、被爆体験の固有性を聴き取る手がかりが隠されていると考えるからだろう。

この点で本書の白眉と言えるのは、TVドキュメンタリーを取り上げ、出演者の語りとそれを体良くまとめようとする番組の方向性を比較検討した本書の後半部である。DVDや配信で容易に視聴可能な商業映画に比べて、TVドキュメンタリーは論じられることが少ないことに加え、特に九・十章は、本書全体の骨子を理解する上でも重要であるため、場合によってはここから読み進めるのも良いかもしれない……

9784788518513_20241025115101
 原爆映画の社会学
 被爆表象の批判的エスノメソドロジー
 好井 裕明 著
 社会学
 2024/08/08
 ISBN 9784788518513
 4-6判・416ページ
 定価3,960円
 在庫 在庫あり

◎新曜社<新刊の御案内>■メール版 第249号■

2024年10月23日発行
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◎新曜社<新刊の御案内>■メール版 第249号■

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◇トピックス
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●お知らせ

「新曜社総合図書目録2024 ver.2」ができました。
冊子版をご希望の方は、弊社問い合わせフォームよりご連絡ください。
PDF版は下記弊社サイトよりダウンロードしていただけます。
https://www.shin-yo-sha.co.jp/news/n57271.html


弊社ではこのメールマガジン「新曜社<新刊の御案内>」を
メールマガジン配信会社から配信しておりますが、
配信会社のメール・広告が煩わしいという声を受けまして、
弊社からのメーリングリスト配信も行っております。

ご希望の方は下記フォームよりメールアドレスをご記入ください。
(ご登録いただきましたアドレスは配信以外には使用いたしません)
https://forms.gle/NC7HB16L25rCfuxm8



〇書評
ご書評くださいました先生、掲載紙ご担当者様に心よりお礼申し上げます。
ありがとうございました。

『アンラーニング質的研究』(楠見友輔 著)書評が『英語教育』(2024年11月号)に掲載されました。評者は守屋 亮先生。
https://www.shin-yo-sha.co.jp/news/n58949.html


〇フェア
フェア開催中の店舗さまでは、心理学書販売研究会で作成した『心理学を学ぼう!3』を無料配布しております。

ジュンク堂書店大阪本店さまにて、「心理学を学ぼう!ー心の謎を解く本たちー」フェアを9月1日よりスタートしました。10月末までの展開です。
心理学を学ぶ方、心理学に興味ある方にお勧めの本を揃えました。
https://honto.jp/store/news/detail_041000102994.html


2024年9月4日より、丸善丸の内本店さま3階、心理学書棚にてブックフェア「心理臨床の<現在>」を開催しております。
8月末に日本心理臨床学会にて展示した新刊・ロングセラー書を中心に展開しております。お近くにお立ち寄りの際はぜひお越しください。
https://shinpanken.blogspot.com/2024/09/blog-post_11.html



○新曜社ウェブマガジン「クラルス」

横山草介先生より楠見友輔 著『アンラーニング質的研究──表象の危機と生成変化』の書評をいただきました。ぜひご一読ください。
https://clarus.shin-yo-sha.co.jp/posts/8151



◇近刊情報
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2024年11月中旬発売
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新社会学研究 2024年 第9号
─特集 社会学の過去と現在と未来
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樫田美雄・栗田宣義・好井裕明・三浦耕吉郎・関礼子・小川博司 著
A5判並製200頁・本体2000円+税
ISBN 978-4-7885-1863-6  C3036
分野=社会学

『新社会学研究』という知的運動体は、社会学に何をもたらしたのか。専門領域の枠を突き破り、より良き未来を創造するための公共圏として社会学を再生しようとする創刊の狙いは、果たされたのであろうか。今号で休刊となる本誌の十年間を総括する。

*同人自身と外部寄稿者による本誌十年の総括のほか、「くまじろーのシネマ社会学」「音楽する映画」などをはじめとする人気連載も掲載。
*他、公募論文を三本掲載。


弊社関連書

新社会学研究 2023年 第8号
特集 飲食の社会学
https://www.shin-yo-sha.co.jp/book/b633655.html


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2024年12月上旬発売
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仮面の時代(仮題) 叢書セミオトポス18
─心のありかをさぐる(仮題)
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日本記号学会 編
A5判並製200頁・予価2900円+税
ISBN 978-4-7885-1864-3  C1010
分野=現代思想・科学・哲学

仮面を考えることは顔(表情)を考えることであり、人間とは何かを考えることである。コロナ禍のなかで溢れ返ったマスク体験、日本の伝統芸能における能面の意味論、マンガにおける覆面の表現などから多角的に、マスクを通して今という時代を考える。

*[特集] ChatGPTと相まって今話題の「記号創発システム論」を推進する谷口忠大氏に、その研究の全貌を語っていただく。


弊社関連書

「叢書セミオトポス」シリーズ
https://www.shin-yo-sha.co.jp/search/s13276.html



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編集後記



書店に行った際に、雑誌を立ち読みすることが多い。
一方で、よっぽど読みたい特集などがない限り「購入」することは少なくなった。
気になる記事だけを読んで満足したり、家のスペース、予算などをふまえてのことだ。


『望星』(2024年10月号)


毎度立ち読みしていた(ゴメンナサイ)こちらの雑誌が、このたび紙媒体での刊行をとりやめ、ウェブマガジンへ移行することになった。


表紙などでウェブマガジンに移行するといったことには触れておらず、ウェブに移行するだけでありこれからも刊行を継続していくという強い意志を感じるとともに、「紙媒体最後です!」と大きく宣伝すればもう少し売れるんじゃないかと愚考してしまう。


そんな10月号の特集は「聴けば命の泉湧く」
鈴木創氏の「赤ちゃんが泣き止むCMソング」は興味深く、タケモトピアノのCMでなぜ赤ちゃんが泣き止むのかの説明が面白い。夜泣きに困る子持ちの親御さんに教えたくなる内容だ。
また、タケモトピアノのCM等で泣き止まない場合の原因なども詳細に書かれていて、目から鱗だった。


11月号からは『web望星』としてリニューアルされる。
さっそく暫定版がプレ公開されていた。特集は「誤字と脱字と私たち」
https://web-bosei.jp/


ジュンク堂書店池袋本店さんでは「『望星』GREATEST HITS 2014-2024」と題し、紙媒体《最後のフェア》を開催中だそうだ。
1F壁面Cにて11/15(金)まで展開されているようなので、お近くにお越しの際はぜひフェアをご覧になってはいかがでしょうか。
https://x.com/junkuike_zassi/status/1847188355974680988



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◇奥付
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次回発行は2024年11月下旬を予定しております。

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2024年9月26日発行
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◇トピックス
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〇受賞
申 惠媛 著『エスニック空間の社会学:新大久保の成立・展開に見る地域社会の再編 - 新曜社』が、第50回藤田賞(著書の部・公益財団法人後藤・安田記念東京都市研究所)を受賞いたしました。
申 惠媛先生、おめでとうございます。
https://www.shin-yo-sha.co.jp/news/n58425.html

 

〇書評
ご書評くださいました先生、掲載紙ご担当者様に心よりお礼申し上げます。
ありがとうございました。

好井裕明著『原爆映画の社会学』 の書評が「週刊読書人」2024年9月13日付に掲載されました。評者は福間良明先生。
https://shin-yo-sha.cocolog-nifty.com/blog/2024/09/post-7f2ffc.html

 

〇フェア
フェア開催中の店舗さまでは、心理学書販売研究会で作成した『心理学を学ぼう!3』を無料配布しております。

ジュンク堂書店大阪本店さまにて、「心理学を学ぼう!ー心の謎を解く本たちー」フェアを9月1日よりスタートしました。10月末までの展開です。心理学を学ぶ方、心理学に興味ある方にお勧めの本を揃えました。
https://honto.jp/store/news/detail_041000102994.html


2024年9月4日より、丸善丸の内本店さま3階、心理学書棚にてブックフェア「心理臨床の<現在>」を開催しております。
8月末に日本心理臨床学会にて展示した新刊・ロングセラー書を中心に展開しております。お近くにお立ち寄りの際はぜひお越しください。
https://shinpanken.blogspot.com/2024/09/blog-post_11.html


2024年9月25日より紀伊國屋書店梅田本店3番カウンターレジ前のイベント棚にて「普段から身に付けたい心理スキル」フェアを開催しております。期間は10/15(火)まで。
心理学に興味のある方から専門家の方まで、ぜひお立ち寄りください。
https://shinpanken.blogspot.com/2024/09/blog-post_26.html

 

○新曜社ウェブマガジン「クラルス」

横山草介先生より
楠見友輔 著『アンラーニング質的研究──表象の危機と生成変化』の書評をいただきました。ぜひご一読ください。
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◇近刊情報
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2024年10月上旬発売
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リスク社会の科学教育
─専門家とともに考え、意思決定できる市民を育てる
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荻原 彰 著
四六判並製360頁・本体2900円+税
ISBN 978-4-7885-1861-2  C1037
分野=科学論・科学教育

「専門家にしかわからない」と決定権を丸投げしてしまってよいのか。原発の是非、コロナへの対応など科学が正解を出せない問題に必要なのは、知識ではなく知恵である。科学と社会の関係、専門家と市民の関係を問い直し、新たな科学教育の形を提言する。

*科学者が「統一した見解」を出せない理由               
*なぜ官僚は一度決めた政策の誤りを想定せず、議論もしないのか

著者
荻原 彰:京都橘大学発達教育学部教授


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2024年10月中旬発売
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やまだようこ著作集第9巻 ビジュアル・ナラティヴ
─人生のイメージ地図
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やまだようこ 著
A5判上製432頁・本体5500円+税
ISBN 978-4-7885-1862-9  C1011
分野=質的心理学・ナラティヴ研究

絵は、身体で感じる感覚を伝える広義のことばの一種である。多様な文化の人々が描いた人生のイメージ画を体系的に収載。それらをことばにする作業との往還を通して、人生を生きる多様で複雑なプロセスを深く味わうビジュアル・ナラティヴの醍醐味。

*『私をつつむ母なるもの』 『この世とあの世のイメージ』に次ぐ、ビジュアル・ナラティヴ多文化研究の三部作、完成。


著者
やまだようこ:京都大学名誉教授、立命館大学 OIC 総合研究機構上席研究員


弊社関連書
やまだようこ著作集
https://www.shin-yo-sha.co.jp/search/s13260.html


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2024年10月下旬発売
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ワードマップ 学習マッピング
─動物の行動から人間の社会文化まで
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青山征彦・古野公紀・サトウタツヤ 編
四六判並製248頁・本体2900円+税
ISBN 978-4-7885-1860-5  C1011
分野=心理学・教育

学習は心理学を中心に膨大な研究があり、内容も多岐にわたる。本書は、動物の行動から人間の社会文化におよぶ学習研究をマッピングという手法で整理し、第一線の研究者が解説。学習の魅力と本質に迫る、これまでにない刺激的な知の見取り図。

*『質的研究法マッピング』『心理検査マッピング』につづくマッピングシリーズ第3弾。
*古典的条件づけ、人工知能研究の流れ、アンラーニング、ダブルループ学習、学習性無力感、組織における学習など34項目を31名の専門家が解説。


編者
青山征彦:成城大学社会イノベーション学部教授
古野公紀:立命館大学総合心理学部特任助教
サトウタツヤ:立命館大学総合心理学部教授・学部長


弊社関連書
サトウタツヤ・春日秀朗・神崎真実 編
『ワードマップ 質的研究法マッピング 特徴をつかみ、活用するために』
https://www.shin-yo-sha.co.jp/book/b472449.html

鈴木朋子・サトウタツヤ 編
『ワードマップ 心理検査マッピング 全体像をつかみ、臨床に活かす』
https://www.shin-yo-sha.co.jp/book/b611567.html

 

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編集後記


『エスノグラフィ入門』(石岡丈昇/著、ちくま新書)


著者は社会学者で、フィリピンのボクシングジムやスラムをめぐるエスノグラフィなどを書いている。著書の『タイミングの社会学』(青土社)は紀伊國屋じんぶん大賞2024の第2位となった。


「はじめに」に「予備知識なしで読める」とあるとおり、すぐれたエスノグラフィの内容を引用しながら、重要な箇所を例示するスタイルを採用しており、エスノグラフィとは「いかなるものか」を具体例で示してくれる。


フィールドでの驚きから出発し、それを糸口にして、文化や社会をめぐるさまざまな主題を考察していく。現場から問いを立ち上げることがエスノグラフィのおもしろさだ、と著者は語る。第一章にあるマニラのスラムの賭けトランプと通夜の事例、第二章に出てくる宮城県七ヶ宿町での雪かきボランティアの例など、一見にはわからない「現場の論理」があることを教えてくれる。


この本をきっかけに、実際にフィールド調査をして、エスノグラフィを書きたくなる、やってみたくなる入門として書いたと著者がいうとおり、自分もやってみたくなった。手はじめに1才になった我が子とその家族でも記述してみようか。(H)

 

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◇奥付
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次回発行は2024年10月下旬を予定しております。

書評 好井裕明著『原爆映画の社会学』  「週刊読書人」2024年9月13日付に掲載

好井裕明著『原爆映画の社会学』 の書評が「週刊読書人」2024年9月13日付に掲載されました。評者は福間良明先生。ご書評いただきましたこと、こころよりお礼申し上げます。

……それにしても、なぜ映画なのか。映画は本質的に「娯楽」である。「原爆」を扱った映画に限っても、『二十四時間の情事』のような恋愛映画、『はだしのゲン』のような少年もの、『ゴジラ』シリーズをはじめとする特撮怪獣映画など、「愉しめる」作品はじつに多い。『ひろしま』『黒い雨』といった当事者の苦悶に焦点を当てた作品もあるが、それらとて、ある種の「感動」と無縁ではない。愉しみのある日常に、「反戦」「反核」「継承」をめぐる思考をいかに織り込み、深めていくのか。言い換えれば、「啓発の回路」をそれのみで閉ざすのではなく、日常の世界にいかに接続するのか。こうした問題意識から、「原爆映画」を読み解いたのが、本書である。……



9784788518513
 原爆映画の社会学

 被爆表象の批判的エスノメソドロジー

 著者 好井 裕明 著
 ジャンル 社会学
 出版年月日 2024/08/08
 ISBN 9784788518513
 4-6判・416ページ
 定価 3,960円(本体3,600円+税)
 在庫 在庫あり

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2024年8月22日発行
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◎新曜社<新刊の御案内>■メール版 第247号■

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◇トピックス
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●お知らせ

「新曜社総合図書目録2024 ver.2」ができました。
冊子版をご希望の方は、弊社問い合わせフォームよりご連絡ください。
PDF版は下記弊社サイトよりダウンロードしていただけます。
https://www.shin-yo-sha.co.jp/news/n57271.html


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〇書評
ご書評くださいました先生、掲載紙ご担当者様に心よりお礼申し上げます。
ありがとうございました。


東京新聞2024年7月27日付、書評欄「特選」にて、市民が育てる「チェルノブイリ法日本版」の会
柳原敏夫・小川晃弘 編『わたしたちは見ている 原発事故の落とし前のつけ方を』をご紹介いただきました。
https://shin-yo-sha.cocolog-nifty.com/blog/2024/07/post-cc0a76.html


「2024年上半期 読書アンケート」@図書新聞 2024年7月27日号にて角田 燎 著『陸軍将校たちの戦後史「陸軍の反省」から「歴史修正主義」への変容』がとりあげられました。選者は石原俊先生。
石原 俊 先生の選書はほか 廣本由香 著 『パインと移民』(新泉社)大木 毅 著『戦史の余白』(作品社)です。
https://shin-yo-sha.cocolog-nifty.com/blog/2024/07/post-624319.html


『神戸新聞』オピニオン「針路21」(2024年7月27日)にて、金菱清編/東北学院大学震災の記録プロジェクト『永訣――あの日のわたしへ手紙をつづる』を編者の金菱氏寄稿により紹介頂きました。
https://www.shin-yo-sha.co.jp/news/n58116.html

 

○新曜社ウェブマガジン「クラルス」

書評 
楠見友輔 著『アンラーニング質的研究――表象の危機と生成変化』
(評:横山草介)
https://clarus.shin-yo-sha.co.jp/posts/8151

 

◇近刊情報
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2024年9月下旬発売
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啓発された眼
─教育的鑑識眼と教育批評
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エリオット・W・アイスナー 著
池田吏志・小松佳代子 訳
四六判並製502頁(仮)・予価5200円+税
ISBN 978-4-7885-1859-9  C1037
分野=教育・質的研究

教える、学ぶという行為や経験を捉えるためには、複雑で微妙な質をきめ細かく識別する「啓発された眼」をもたなければならない。アートに基づく研究を展開し、教育の営みの複雑さを捉えるための多元的な知の生成を提唱したアイスナーの神髄を知る本。

*美術教育、アートに基づく質的研究で知られるアイスナーの未邦訳だった待望の書

著者、訳者
アイスナー(故人):スタンフォード大学教育学教授を務めた米国を代表する学者の一人。
池田吏志:広島大学准教授
小松佳代子:長岡造形大学教授

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2024年10月上旬発売
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新装版 津軽三味線の誕生
─民俗芸能の生成と隆盛
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大條和雄 著
四六判並製232頁・本体2600円+税
ISBN 978-4-7885-1857-5  C0073
分野=近代史・文化史・芸能

北国の地吹雪の中で生まれ、荒々しく哀しい音色で、激しく魂を揺さぶる津軽三味線。始祖仁太坊と〈叩き〉奏法による津軽三味線の成立をつきとめ、ヴェールにつつまれていた全貌を明かす。維新、諸文化が習合する北国で力強く花開いた民俗芸能の姿。

*津軽三味線を理解する上では、類書が少ないため貴重な本を新装復刊。


著者
大條和雄(故人):小説家、津軽三味線研究家


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2024年10月上旬発売
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新装版 感性のことば(オノマトペ)を研究する
─擬音語・擬態語に読む心のありか
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苧阪直行 編著
四六判並製234頁・本体3000円+税
ISBN 978-4-7885-1858-2  C1011
分野=心理学・認知科学・言語学

私たちのことばにはオノマトペが多く使われ、彩り豊かな表現になっています。本書はこのような感性のことばの微妙かつダイナミックな働きと、それをとおして見えてくるユニークな心の世界を、認知心理学の立場から丁寧に解きほぐします。

*オノマトペを科学的に解説し好評を博した本を新装して復刊する。


編著者
苧阪直行:京都大学名誉教授

 

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編集後記


夏、高校野球。


私の地元、和歌山代表の智辯和歌山高校は初戦で茨城代表の霞ヶ浦高校に4-5で敗れた。
和歌山県勢は夏の甲子園で茨城県に勝ったことがなく(0勝5敗)、組み合わせを見た時点で嫌な予感がしていたのだが、的中してしまった。


この時期になるとたくさんの野球本が書店さんに並ぶが、唯一購入した1冊を紹介する。


『甲子園ヒストリー』(朝日新聞出版)


副題「完全保存版 阪神甲子園球場 100周年特別企画」が示すとおり、甲子園の100年の歴史をギュッと凝縮した1冊となっている。

高校野球はもちろん、阪神タイガースについての情報も多く、虎ファンにはうれしいはず。
年度ごとに、以下のような情報が記載されているのも楽しめるポイントだ。


●見出し
●同年生まれの野球人、著名人
●高校野球の春夏の成績
●阪神 甲子園開幕オーダー
●どんな年代?
●物価は?


ためしに、私の地元・和歌山県有田市の箕島高校が春夏連覇を達成した1979年のページを開いてみる。


●見出し
1979年 江川事件、阪神・江川⇔巨人・小林繁のトレードで決着


●同年生まれの野球人、著名人
・井川慶(7月13日/NPB11年、MLB2年、計95勝。2003年に20勝を挙げ優勝に貢献するとともに沢村賞受賞)
・上地雄輔(4月18日/横浜高校野球部出身のタレント、歌手。99年デビュー。07年「おバカタレント」を演じブレーク)


●高校野球の春夏の成績
箕島が公立校唯一の春夏連覇。


●阪神 甲子園開幕オーダー
真弓、藤田、掛布、竹之内、ラインバック、中村勝、若菜、島野。先発投手は江本孟紀。監督はD・ブレイザー。


●どんな年代?
国公立大学受験で共通1次試験が導入。「ズームイン!!朝!」放送開始。イラン革命。インベーダーゲームが大流行。


●物価は?
豆腐(1丁)80円。


●物価は?のコーナーが特に興味深い。1979年は豆腐80円でいまひとつピンとこないが、さらに10年遡った1969年のコーナーで「山手線初乗り運賃30円」と書いていて驚いた。

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紹介したこの本の値段は本体3500円だが、9年前に刊行された同じくらいの判型・ページ数の『完全保存版 高校野球100年』(朝日新聞出版)はなんと本体1852円。安くて驚いた。

予約注文のみの『全国高校野球選手権大会100回史』(本体15000円)も買った身としては、これくらいの値上げはまったく問題ない。
いままでに購入したたくさんの高校野球本を読みながら、来年の和歌山県勢の活躍に期待するとしよう(H)

 

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◇奥付
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次回発行は2024年9月下旬を予定しております。

◎新曜社<新刊の御案内>■メール版 第246号■

2024年7月29日発行
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◎新曜社<新刊の御案内>■メール版 第246号■

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◇トピックス
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●お知らせ

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〇受賞
2023年3月に刊行いたしました 麻生武 著 『6歳と3歳のおまけシール騒動 贈与と交換の子ども経済学』が、第30回日本子ども社会学会の「学術特別研究賞」を受賞いたしました。
麻生先生、おめでとうございます。

『6歳と3歳のおまけシール騒動 贈与と交換の子ども経済学』
https://www.shin-yo-sha.co.jp/book/b621962.html

 

〇書評
ご書評くださいました先生、掲載紙ご担当者様に心よりお礼申し上げます。
ありがとうございました。


「世界」2024年8月号に、金菱清先生による「震災霊性論」の論考が掲載されました。
https://shin-yo-sha.cocolog-nifty.com/blog/2024/07/post-e18b34.html


角田 燎著『陸軍将校たちの戦後史』が「世界」2024年8月号p248-253にて書評されました。評者は内田雅敏氏。
https://shin-yo-sha.cocolog-nifty.com/blog/2024/07/post-450ab3.html


「図書新聞」2024年7月20日号に、金菱清著『生ける死者の震災霊性論』の書評が掲載されました。評者は麦倉 哲氏。
https://shin-yo-sha.cocolog-nifty.com/blog/2024/07/post-53f7b3.html


関 礼子 編『語り継ぐ経験の居場所』の書評が、「図書新聞」2024年7月20日付に掲載されました。評者は平井勇介氏。
https://shin-yo-sha.cocolog-nifty.com/blog/2024/07/post-433965.html

 

○新曜社ウェブマガジン「クラルス」

書評 
楠見友輔 著『アンラーニング質的研究――表象の危機と生成変化』(評:横山草介)
https://clarus.shin-yo-sha.co.jp/posts/8151

 

◇近刊情報
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2024年8月上旬発売
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ヘルスヒューマニティーズ
─相互回復の実践・教育・研究
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木下康仁・井上麻未・糟谷知香江 編著
A5判並製320頁・予価3500円+税
ISBN 978-4-7885-1853-7  C1047
分野=医学・看護・福祉・人文科学・アート

病いや障害をもつ人とケアする人双方のウェルビーイングの向上を目的として、医学・看護・介護・教育とアート・人文学を融合する新しい学際領域、ヘルスヒューマニティーズ。その考え方と教育プログラム、幅広い領域の実践を紹介するわが国初の本。

*ケアをする人受ける人、相互の回復のための新しい理論と実践への招待

編著者
木下康仁:聖路加国際大学教授(本年3月に急逝されました)
井上麻未:聖路加国際大学教授
糟谷知香江:聖路加国際大学教授

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2024年8月中旬発売
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<それ>のあったところ
─ゲルハルト・リヒターへの≪ビルケナウ≫をめぐる四通の手紙
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ジョルジュ・ディディ=ユベルマン 著
西野路代 訳
四六判並製304頁・予価4900円+税
ISBN 978-4-7885-1856-8  C0070
分野=哲学・美学・芸術・歴史

アウシュビッツで囚人によって撮影され、奇跡的に外部に届けられた4枚の写真をもとに描かれたリヒターの≪ビルケナウ≫。空白のキャンバスから完成までを伴走した著者が改めてその謎の意義を問うべく作家に宛てた四つの書簡。巻頭カラー8頁。

*リヒター・ラウム(軽井沢)にて関連作品の個展開催中。


著者、訳者
ジョルジュ・ディディ=ユベルマン:哲学者、美術史家
西野路代:東京都立大学人文科学研究科 客員研究員


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2024年8月中旬発売
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ワードマップ 記号創発システム論
─来るべきAI共生社会の「意味」理解にむけて
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谷口忠大 編著
四六判並製300頁・本体2800円+税
ISBN 978-4-7885-1854-4  C1010
分野=哲学・科学・科学論

記号(言語)の意味はどのように成立しているのか? この根本問題に最先端のAI・ロボティクス研究者と、第一線の人文社会系研究者らが集い探求する新学融領域、記号創発システム論。来るべき生成AIとの共生社会を見通すための、初のキーワード集。

*人工知能、ネオ・サイバネティクス、プラグマティズム、現象学、発達心理学、ロボティクス、自由エネルギー原理、エナクティヴィズム……等々、人文学から工学まで20名を超える各分野の第一人者が執筆。


編著者
谷口忠大:京都大学大学院情報学研究科教授


「ワードマップ」シリーズ
https://www.shin-yo-sha.co.jp/search/?search_series=13241


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2024年8月中旬発売
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「アイドルの国」の性暴力 増補版
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内藤千珠子 著
四六判並製320頁・本体3100円+税
ISBN 978-4-7885-1855-1  C1090
分野=ジェンダー論・文学評論

現代日本の性暴力は女性アイドルと「慰安婦」に象徴されるとして、「性の商品化」「身体の経済化」の構造を鮮やかに摘出して好評だった前著に、さらに「ジャニーズ」問題という男性アイドルをめぐるスキャンダルにも同じ構造があることを指摘する。

*ジャニーズをめぐる性加害は以前から噂にはなっていたが、「見て見ぬふり」されてきた。この日本らしい習性を「伏字的死角」の働きとして読み解き、真の問題点を指摘。


著者
内藤千珠子:大妻女子大学文学部教授


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2024年8月下旬発売
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自然死(老衰)で逝くということ
─グループホーム「わたしの家」で父を看取る
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三浦耕吉郎 著
四六判並製232頁・本体2200円+税
ISBN 978-4-7885-1852-0  C1036
分野=社会学・福祉・看護

超高齢者の終末期に過剰な医療的措置を施されたり、尊厳死という死の自己決定を強いられたりすることなく、いかにして自然死(老衰死)を迎えることができるか。実父の最期の6日間の介護記録から、日常的なケア以外は何もせずに看取る作法を考える。

*「老衰」が日本における死因の第3位を占める今日において、人の終末期のあり方を問う。
*介護記録と当時の経験や参与観察、およびその後のグループホームでのインタビューをもとに綴られた社会学的エッセイの集大成。

著者
三浦耕吉郎:関西学院大学教授


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編集後記


先日訪れた書店で、「書物復権」フェアをやっていた。人文書版元有志で、品切れしているが特に要望の強い書籍を復刊して、店頭でお披露目する企画だ。展開期間は書店によって異なるが、約200の店舗で開催されているという。今年は10社で38点39冊の書籍を復刊したそうなので、店頭でフェアを見かけたら、ぜひどんなラインナップかご覧いただきたい。
https://store.kinokuniya.co.jp/event/fukken2024/


私はフェア銘柄の中から、
『パスポートの発明』(法政大学出版局)
を購入した。
オビ文「いかに個人を掌握し、移動を管理したか?」
これはおもしろそうだと思い、今月はこの本で編集後記を書きたかったのだが、なかなか読みきることが出来ず断念。

体調を崩しがちで、まともに本が読めない1ヶ月だった。
今月は出勤日の3分の1くらい半休やお休みをいただくことになってしまった。
子が園で風邪をもらい、子から親が風邪をもらう。その風邪で弱っているところに胃腸炎を併発してしまったりで散々だった。

なぜこんなに体調を崩すのか?体力がないからか?ということで、以前知り合いの書店員の方におすすめされた、コミックエッセイを紹介する。

『体力アップ1年生』(たかぎなおこ/著、KADOKAWA)

まず、コミックエッセイなので読みやすい。
47歳の著者が疲れやすい身体を変えるため、少しの運動から食生活の改善など、様々なことを実践していく。

やはり日々の生活の習慣に運動を組み込むことが大事で、ランニングほか買い物の際にも早歩きをするなど、出来ることから始めるのがよいようだ。

気になったのが「フォトロゲイニング」という大会。
チーム別で、制限時間内に街のあちこちに点在しているチェックポイントを効率よく巡って得点をたくさん集めたチームが勝ちとなる。
こういったイベントに組み込めば強制的に運動できるので参考になった。

弊社の上司も日々の歩き方を改善したところ、体重が減ったらしい。
まずは毎日エスカレーターに乗っている地下鉄の階段を歩くことからはじめたい。(H)

 

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◇奥付
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紹介 柳原敏夫・小川晃弘 編『わたしたちは見ている』@東京新聞2024年7月27日付

東京新聞2024年7月27日付、書評欄「特選」にて、

 

市民が育てる「チェルノブイリ法日本版」の会
柳原敏夫・小川晃弘 編
『わたしたちは見ている 原発事故の落とし前のつけ方を』
をご紹介いただきました。


原発の推進・反対にかかわらず、日本が原発を続けるなら現実的な救済法が必要だ―として2018年に結成された市民団体がまとめたブックレット。

団体名にあるチェルノブイリ法は旧ソ連で1986年に起きた原発事故後に成立。国際人権法の観点で、放射能災害から命や健康を守ろうと「避難の権利」「移住の権利」を保証しており、今も関係国が受け継ぐ。

日本の被害者救済に人権の視点が欠けているとしてチェルノブイリ法の日本版が必要だと訴える。表紙は趣旨に賛同する漫画家ちばてつや。小出裕章も寄稿。



9784788518506

 『わたしたちは見ている 原発事故の落とし前のつけ方を』

 市民が育てる「チェルノブイリ法日本版」の会 .
 柳原敏夫・小川晃弘 編
 環境・震災・都市・地域社会
 出版年月日 2024/05/25
 ISBN 9784788518506
 A5判88頁・定価 700円(本体636円+税)
  在庫あり

2024年上半期 読書アンケート@図書新聞 2024年7月27日号

「2024年上半期 読書アンケート」@図書新聞 2024年7月27日号にて

角田 燎 著
『陸軍将校たちの戦後史「陸軍の反省」から「歴史修正主義」への変容』がとりあげられました

「社会的影響力が強いエリート戦争体験者の言説を、世代論を軸に読み解く仕事は重要」

選者は石原 俊 先生。ご書評くださいました先生、書評紙ご担当者さまにこころよりお礼申し上げます。

石原 俊 先生の選書はほか
廣本由香 著 『パインと移民』(新泉社)
大木 毅 著『戦史の余白』(作品社)
です。

9784788518391 『陸軍将校たちの戦後史』
「陸軍の反省」から「歴史修正主義」への変容
角田 燎 著
2024/03/19
9784788518391
4-6判・264頁 定価 3190円

書評 関 礼子 編『語り継ぐ経験の居場所』@図書新聞 2024年7月20日付

 

関 礼子 編 『語り継ぐ経験の居場所』 の書評が、「図書新聞」2024年7月20日付に掲載されました。
評者は平井勇介氏。ご書評くださいました先生、掲載紙ご担当者さまにこころよりお礼申し上げます。ありがとうございました。

 

……人はさまざまな経験をする。その経験には、否応なく加害/被害の側面もある。自分(たち)のために直接的/間接的に他者に理不尽な経験を強いたこと、他者や社会から理不尽な経験を強いられたこと、誰もが身に覚えがあるものだろう。そうした数々の経験を自分なりに生かして、人とのかかわり方や失敗を回避する方法、理不尽な状況への対処の仕方などを生み出し、よりよい生き方を目指そうとする。このような人びとの創意工夫の根底にある「経験」を人類が共有できれば、社会はきっと良い方向に進んでいくのかもしれない。しかし、さまざまな理由で「経験」は語られない/伝わらないことが多い。とくに本書がとりあげているような凄惨な「経験」や理不尽な「経験」を語ることは、それだけで辛いことであろうし、語ったとしてちゃんと理解されることなどないし、異なった解釈(ときに暴力的な解釈)をされることも往々にしてある。聞く側の態勢が整っていないようにみえることがほとんどであろうし、聞く側にとって凄惨な「経験」を聞くことはしばしば「生理的な嫌悪」(7章)を抱くことでもあろう。語る側/聞く側のさまざまな思いが交錯するなかで、「経験」を語る/聴くということは想像以上に難しい。

 それでも本書は、そうした「経験」が語り継がれることの可能性を模索する。……

 

 

9784788518308 語り継ぐ経験の居場所
排除と構築のオラリティ

関 礼子 編
松村 正治・青木 聡子・高﨑 優子・
丹野 清人・廣本 由香・飯嶋 秀治 著

2023/11/05
ISBN 9784788518308
四六判280頁・定価 3190円(本体2,900円+税)
在庫 在庫あり

書評 金菱 清 著『生ける死者の震災霊性論』@「図書新聞」2024年7月20日号

「図書新聞」2024年7月20日号に、金菱清著『生ける死者の震災霊性論』の書評が掲載されました。評者は麦倉 哲氏。ご書評くださいました先生、掲載誌ご担当者さま、ありがとうございました。こころよりお礼申し上げます。


著者は、震災で大切な人を亡くした人との交流を続けている。アライ(Ally、支援者)でもなく、寄り添うでもなく、対象となる人びと(遺族ら)とやり取りを重ね、遺族らが向き合ってきた精神世界を知ろうとし、加えて遺族らと故人の対話に臨場しようとしている。また、そうした日常世界を世に知らしめようとしている。宗教学的、哲学的、民俗学的にも考察しようとしている。調査方法としては、社会学・社会調査の方法を駆使し、新境地を切り拓こうとしている。

……

著者はこの13年間、学生たちとともに、被災地での数々のフィールドワークを積み重ねて、おそらく死者からのエールも受けて、多くの著書・報告書を刊行してきた。本書は、その積年の軌跡を知る体系的な書である。著者が、生者と死者との関係を観るまなざしや、生者の精神世界を理解するためのアプローチの巧みさと、たぐいまれなこだわりは、著者の丹精込めた取り組みから伝わってくる。それが遂行できたのも一様ではなかっただろう。そのことは、著者を鼓舞した「ピンと張りつめた想い」と、著者が「あとがき」でもらした「たたかってきた」という本音からうかがえる。主題は死者との対話か、それらを日常とみる社会文化環境の実相を描くことか。

 

 

9784788518421  生ける死者の震災霊性論

 災害の不条理のただなかで

 出版年月日 2024/03/11
 ISBN 9784788518421
 4-6判208頁・定価2530円(本体2,300円+税)

書評 角田 燎著『陸軍将校たちの戦後史』@「世界」 2024年8月号



角田 燎著『陸軍将校たちの戦後史』が「世界」 2024年8月号 p248-253にて書評されました。評者は内田雅敏氏。内田先生、ご書評いただきましたことこころよりお礼申し上げます。


……

(自衛隊幹部が)東京裁判否定を堂々と述べ、靖国神社と一体化したその歴史観に言葉を失う。同時に、靖国神社の聖戦史観=大東亜戦争史観・アジア解放史観と、この国の戦後の通奏低音となっている対米従属性とを見事なまでに両立させている「柔軟性」に驚く。
 戦争を放棄し、戦力の不保持、交戦権の否認をうたった日本国憲法下に置かれた自衛隊の幹部らが、なぜいま、靖国神社とこのように近しい関係にあるのか。

 この疑問を氷解させてくれたのが、立命館大学立命館アジア・日本研究所専門研究員の角田燎氏による『陸軍将校たちの戦後史』である。

・・・・・・・

 

9784788518391 『陸軍将校たちの戦後史』
「陸軍の反省」から「歴史修正主義」への変容
角田 燎 著
2024/03/19
9784788518391
4-6判・264頁 定価 3190円

 

論考 金菱清「震災霊性論」@「世界」2024年8月号



「世界」2024年8月号に、金菱清先生による「震災霊性論」の論考が掲載されました。

 この十数年続けてきた東日本大震災の調査研究の成果を『生ける死者の震災霊性論――災害の不条理のただなかで』(新曜社)として刊行しました。そこで提案した「震災霊性論」という概念は、私が震災における死者の問題に取り組む中で見出したものです。以前、お墓研究会に入っていたことなどもありましたが、死や死者について、愛する家族を亡くして懊悩する人々から考えなければいけない切実な問いがでてきたのは、東日本大震災の発生を受けてのことでした。私の身近な人が亡くなったというわけでもありません。それまで関心の薄かった私が目を向けなければならなくなった、生者と死者との深い関係性について本稿では考えてみたいと思います。

…………
…………

 震災霊性論は、私たちの死生観や近代社会のあり方を捉えなおすことにも通じます。コロナ禍においては、感染拡大対策のもとに、死者との対面がかなわず、火葬にも立ち会えない場面がありました。そのため、死者との結びつきが絶たれ、死者数という単なる数字に換算され忘却されてきたのは記憶に新しいことです。こうしたコロナ禍における死者の扱いは、死者が生者のなかに生きている、「生ける死者」という死生観からかけ離れたものであり、近代社会のあり方を極限までむき出しに示したといえます。

 

 

9784788518421  生ける死者の震災霊性論

 災害の不条理のただなかで

 出版年月日 2024/03/11
 ISBN 9784788518421
 4-6判208頁・定価2530円(本体2,300円+税)

申 惠媛著『エスニック空間の社会学』 2024年6月29日付「図書新聞」

申 惠媛著
『エスニック空間の社会学 新大久保の成立・展開に見る地域社会の再編

の書評が2024年6月29日付「図書新聞」にて掲載されました。評者は三浦綾希子先生。ご書評くださいました先生、書評紙ご担当者様、ありがとうございます。こころよりお礼申し上げます。  

……

本書で検討されるのは、エスニックな観光地「新大久保」の出現によって「地域社会」が変容・再編される過程である。この分析をつうじて、移動性や開放性を前提とする「地域社会」の捉え方を模索することが本書の目的である。本書の特徴は、これまで「地域社会」の構成員とみなされてこなかった人々、例えば複数の国を行き来しながら観光資源を提供するビジネス経営者や観光客のような一時滞在者をも対象者に含め、かれらを特定の空間的範域に「共在」する者として捉えている点である。……
……

本書はこれまでの移民・エスニシティ研究と都市社会学の知見を丁寧に整理し、精緻でオリジナルな分析枠組みを構築した上で、インタビュー、メディア分析、参与観察など複数の手法を組み合わせながら、多様なアクターが織りなす社会関係のダイナミクスを描いた良著である。本書の最も大きな功績は、「社会関係レイヤー」という視点を導入することによって、これまで統一的に捉えられてきた地域社会を重層的なものとして描き、そこに「共在」する人々が織り込まれている超越的な文脈を組み込んだ上で、レイヤー間の相互作用の在り方を示した点である。……


 

9784788518322 『エスニック空間の社会学』
新大久保の成立・展開に見る地域社会の再編

 

申 惠媛 著
出版年月日 2024/01/31
ISBN 9784788518322
判型・ページ数 A5・352ページ
定価 4,840円(本体4,400円+税)

◎新曜社<新刊の御案内>■メール版 第245号■

2024年6月24日発行
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◎新曜社<新刊の御案内>■メール版 第245号■

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◇トピックス
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●お知らせ

「新曜社総合図書目録2024 ver.2」ができました。
冊子版をご希望の方は、弊社問い合わせフォームよりご連絡ください。
PDF版は下記弊社サイトよりダウンロードしていただけます。
https://www.shin-yo-sha.co.jp/news/n57271.html


弊社ではこのメールマガジン「新曜社<新刊の御案内>」を
メールマガジン配信会社から配信しておりますが、
配信会社のメール・広告が煩わしいという声を受けまして、
弊社からのメーリングリスト配信も行っております。

ご希望の方は下記フォームよりメールアドレスをご記入ください。
(ご登録いただきましたアドレスは配信以外には使用いたしません)
https://forms.gle/NC7HB16L25rCfuxm8

 

〇書評
ご書評くださいました先生、掲載紙ご担当者様に心よりお礼申し上げます。
ありがとうございました。

楊 駿驍・トウ 剣(トウはのぼりへんにおおざと)・松本健太郎 編『日中韓のゲーム文化論 なぜ、いま〈東アジア・ゲーム批評〉なのか』の書評が2024年5月17日付「週刊読書人」にて掲載されました。評者は渡辺範明氏。
https://shin-yo-sha.cocolog-nifty.com/blog/2024/06/post-4131e7.html


『日中韓のゲーム文化論 なぜ、いま〈東アジア・ゲーム批評〉なのか』の書評が、2024年6月12日「電ファミニコゲーマー」に掲載されました。評者は伊藤誠之介氏。
https://news.denfaminicogamer.jp/kikakuthetower/240612b


2024年6月16日付 読売新聞書評欄「始まりの1冊」にて、古田徹也先生の『それは私がしたことなのか』を、おとりあげいただきました。
https://shin-yo-sha.cocolog-nifty.com/blog/2024/06/post-a26b1a.html


『日中韓のゲーム文化論 なぜ、いま〈東アジア・ゲーム批評〉なのか』の書評が2024年6月29日付「図書新聞」にて掲載されました。評者は川﨑寧生先生。
https://shin-yo-sha.cocolog-nifty.com/blog/2024/06/post-cc5cc9.html


申 惠媛著『エスニック空間の社会学 新大久保の成立・展開に見る地域社会の再編』の書評が2024年6月29日付「図書新聞」にて掲載されました。評者は三浦綾希子先生。
https://shin-yo-sha.cocolog-nifty.com/blog/2024/06/post-fbd9b9.html

 

○新曜社ウェブマガジン「クラルス」

連載 『自己の科学は可能か』出版記念シンポジウムの現場から
https://clarus.shin-yo-sha.co.jp/categories/1074

 

◇近刊情報
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2024年7月下旬発売
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原爆映画の社会学
──被爆表象の批判的エスノメソドロジー
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好井裕明 著
四六判並製416頁・本体3600円+税
ISBN 978-4-7885-1851-3  C1036
分野=社会学

反戦反核という定番の語りに、新たな意味を創造するには――。これまで製作されてきた原爆映画やドキュメンタリーを解読し、私たちの形骸化したヒロシマ・ナガサキ理解を打ち破る契機を見出す。被爆者の声に応答せんとする、映画を読み解く社会学。

*敗戦直後から近年までの数多の原爆映画を渉猟してきた著者による、ライフワークの集大成。

著者
好井裕明:摂南大学現代社会学部特任教授

 


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編集後記


『町内会』(玉野和志/著、ちくま新書)


書店で新書の新刊棚を見ていた際に、この本が目に入った。
というのも、田舎に住む親が町内会の地区会長を担当したからだ。


孫と一緒に会いに行くから予定を確認して、と話した際に、「その日は町内会議が入るかもしれないから難しい」と言われた時は驚いた。
いや、関東から関西へはるばる孫を連れて会いに行くのに、なぜ町内会を優先するのか?そんなの休めばいいじゃないかと思ったが、どうもそう簡単に休めるものではないらしい。

その他にも驚いたこととして、
・365日、いつでも電話がかかってくる。電話の内容は「近所のゴミ捨て場が荒れている」といったものから、次回の会議のことなど様々。

・ゴミ捨て場が荒れていることを厳しく見ている人がおり、連絡が入ると掃除に行かなければならない。

・大雨の日などに、土砂が道路に流れていた際、通る車の安全のため、転がっている石を拾わなければならない(大雨警報が出ている中)

こんなことを昨年から多く耳にしたものだから気になって購入した。

 

既に述べた「ゴミ捨て場の整理」などは、本来行政がやるべき仕事だが、町内会が担当していることが多い。なぜこんなに行政に都合の良い仕組みが出来上がったのか、それを解明していくのが本書のねらいだと著者は述べる。

なぜ全戸加入を求めるのか、どうして行政の下請け仕事のようなことをするのか、本当にやらなければならないことは何なのか、町内会にしかできないことは何か。

町内会はいざというときに、住民どうしが助け合うことや、行政や政治に要求することが円滑にできるよう、日頃からゆるやかなつながりを維持することに、その存在意義があるという。

活動はなによりその担い手自身が楽しめることを優先し、地域の人たちがそれとなく知り合える親睦を旨とすべき、と書いていた。全国の町内会に届いてほしい1冊だ。

 

私自身の現在住んでいる地域では、町内会は存在するものの、年に一度会費を支払うことと、月に一度の回覧板くらいで、ほとんど活動には参加しなくてよい。
そんなだから冒頭の「町内会議だから休めない」への理解が難しかったわけだが、本書を読んでその歴史を知った今、親も色々と頑張っているんだなと考えを改めた。

担い手が少なくなる今後どうなっていくのか。父親の町内会活動には耳を傾けていきたい。
自分が老後、地元に帰りたいと思うようなことがあったとき、どうなっているだろうか。(H


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◇奥付
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次回発行は2024年7月下旬を予定しております。

書評 楊 駿驍・鄧 剣・松本健太郎 編『日中韓のゲーム文化論』 2024年6月29日付「図書新聞」

楊 駿驍・鄧 剣・松本健太郎 編
『日中韓のゲーム文化論  なぜ、いま〈東アジア・ゲーム批評〉なのか』

の書評が2024年6月29日付「図書新聞」にて掲載されました。評者は川﨑寧生先生。ご書評くださいました先生、書評紙ご担当者様、ありがとうございます。こころよりお礼申し上げます。  

 

日中韓三国のゲーム文化の社会文化的差異の共同理解を進める

……三国のゲーム文化は、各々の国の社会文化に影響を受ける形で、受容に大きく差異が現われている。その結果、研究においても独自のアプローチがなされてきた。しかし、前書きによると、特に人文学の分野では、各国の研究が繋がらないまま進み、研究の独自性についても顧みられてこなかった。今後、「東アジア」地域全体を考え、共同して研究を進めるためには、ゲーム研究においても、様々な社会・文化的差異が生まれる要因について、考え理解する必要がある。

 本書は、上記のような研究史上の課題を解決することに挑戦するため、刊行された。本書では各国の第一人者による、ゲーム作品と周辺の社会文化を対象とした論考が18本収録されている。各国の割合は日本が10本、中国が5本、韓国が3本とばらつきがある。あとがきによると元々中国向けに刊行された日本ゲーム研究アンソロジーを、本書の目的に合わせる形で直近の中韓の代表的な論考を翻訳、追加し、編集したためであろう。いずれにせよ、普段我々が手に取れない中韓の研究を日本語で読むことが可能なのはありがたいことであり、収録された論考も重要なものばかりである。


……本書を契機として、今後は中韓との共同のゲーム研究が様々な形で進むとともに、東アジア各国のゲーム文化と社会との関わりについての研究も進み、東アジア全体の研究を共同して進められる環境が更に整っていくことを期待したい。

 

 

9784788518360   日中韓のゲーム文化論

  なぜ、いま〈東アジア・ゲーム批評〉なのか
  楊 駿驍・鄧 剣・松本健太郎 編
  出版年月日 2024/03/05
  ISBN 9784788518360
  A5判・400頁
  定価4,950円(本体4,500円+税)

«記事 古田徹也著『それは私がしたことなのか』2024年6月16日読売新聞「始まりの1冊」

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