◎新曜社<新刊の御案内>■メール版 第256号■

2025年7月3日発行
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◎新曜社<新刊の御案内>■メール版 第256号■

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◇トピックス
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●お知らせ
弊社ではこのメールマガジン「新曜社<新刊の御案内>」を
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弊社からのメーリングリスト配信も行っております。

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〇書評
ご書評くださいました先生、掲載紙ご担当者様に心よりお礼申し上げます。
ありがとうございました。

巽孝之・宇沢美子 編『〈21世紀版〉身体批評大全』の書評が、「週刊読書人」2025年6月6日付に掲載されました。評者は鈴木晶先生。
https://shin-yo-sha.cocolog-nifty.com/blog/2025/06/post-b1501a.html


『戦艦大和の歴史社会学』の著者・塚原真梨佳氏へのインタビューが、中国新聞「歩く・聞く・考える」2025年6月25日付に掲載されました。インタビュアーは特別論説委員・岩崎誠氏。
https://shin-yo-sha.cocolog-nifty.com/blog/2025/06/post-c64934.html


2025年6月29日付朝日新聞「俳句時評」にて、秋尾敏著『子規に至る』が紹介されました。評者は岸本尚毅氏。
https://shin-yo-sha.cocolog-nifty.com/blog/2025/07/post-4d6c39.html


「俳壇」2025年7月号にて、秋尾敏著『子規に至る』の書評が掲載されました。評者は堀切実氏。
https://shin-yo-sha.cocolog-nifty.com/blog/2025/07/post-947ebb.html

 

〇フェア
丸善丸の内本店3F 心理学書棚にて心理学書ブックフェア「非認知能力を育む」を展開しております。ノーベル経済学賞を受賞したへックマンが言及して以来、近年また注目されるこの能力に注目したフェアです。是非お立ち寄りください。
https://shinpanken.blogspot.com/2025/06/f.html

 

○新曜社ウェブマガジン「クラルス」

『ロボットの悲しみ』から10年後の再検討──「のようなもの」をめぐって(松本光太郎)
https://clarus.shin-yo-sha.co.jp/posts/8717

※『ロボットの悲しみ』は品切れ・重版未定です。

 

◇近刊情報
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2025年8月上旬発売
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テーマ分析
─実践ガイド
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バージニア・ブラウン/ビクトリア・クラーク 著
溝呂木佐季 訳
B5判並製368頁・予価6400円+税
ISBN 978-4-7885-1895-7  C1011
分野=心理学・社会学・コミュニケーション学・医療看護

引用が23万を超えるテーマ分析の論文で広く知られる著者たちによるガイド本。心理学やコミュニケーション学、社会学など幅広い社会科学で活用されるテーマ分析を背景の理論まで踏み込んで理解し、実践できるよう導いてくれる、突出して優れた教科書。

*卒論から博士論文、査読論文まで、自らの研究に使える実用的な内容

著者、訳者
バージニア・ブラウン:オークランド大学心理学部教授。
ビクトリア・クラーク:西イングランド大学准教授
溝呂木佐季:東京大学大学院学際情報学府博士課程

 

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2025年8月中旬発売
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知能とは何だろうか
─5つの視点から考える
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繁桝算男 編
四六判並製224頁・予価2600円+税
ISBN 978-4-7885-1888-9  C1011
分野=心理学・認知科学・AI

知能は人間だけが持つ能力と考えられていたが、生成AIの出現によって専売特許ともいえなくなった、知能とは何かが改めて問われている。AIを比較する対象として、心理学、人類学、動物学、認知科学の視点から、多角的に人間の知能について問い直す。

*AI時代の知能論

編者
繁桝算男:東京大学名誉教授/慶應義塾大学訪問教授


弊社関連書
繁桝算男 編
『心理学理論バトル 心の疑問に挑戦する理論の楽しみ』
https://www.shin-yo-sha.co.jp/book/b589801.html

 

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2025年8月上旬発売
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学問は信頼されていないのか
─統計でみる日本における科学の政治化
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太郎丸博 編
A5判並製176頁・本体2500円+税
ISBN 978-4-7885-1890-2  C1036
分野=社会学

日本学術会議任命拒否問題をはじめ、自公連立政権と学問=科学との対立が意識されるようになって久しい。では、一般市民は科学に対してどのような視線を向けているのか。果たして、学問への信頼は凋落しているのか。計量的データをもとに分析する。

*特定の政治的党派と科学との対立の激化は、科学の政治化と呼ばれている。
*米国では共和党(支持者)と科学との対立が顕著であるが、日本でも同様の事態が生じていると言えるのだろうか。統計的なデータをもとに、日本における科学の政治化を独自に研究する。

編者
太郎丸博:京都大学文学研究科教授

 

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2025年8月中旬発売
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〈男らしさ〉のゆくえ 増補版
─男性性の文化社会学
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伊藤公雄 著
四六判並製288頁・本体2800円+税
ISBN 978-4-7885-1889-6  C1036
分野=社会学・ジェンダー

現代社会の変容とともに、男性性にも揺らぎが生じている。本書では、男性たちを呪縛してきた〈男らしさ〉の問題を、近代社会の構造と重ね合わせて分析する。固定的な男性性にとらわれてきた男性たちを、ひとつではない〈男らしさ〉へと解放する。

*日本における男性学・男性性研究の草創期の成果。あらたに二つの章を追加し、30年ぶりに増補版として刊行。
*男性学・男性性研究や男性運動の近年の潮流についても紹介する。

編者
伊藤公雄:京都大学・大阪大学名誉教授


弊社関連書
レイウィン・コンネル 著
伊藤公雄 訳
『マスキュリニティーズ 男性性の社会科学』
https://www.shin-yo-sha.co.jp/book/b605480.html


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2025年8月下旬発売
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ワードマップ オートエスノグラフィー・マッピング
─「私」からはじめる研究手法を知るための地図
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土元哲平・桂悠介・サトウタツヤ 編
四六判並製220頁・本体2800円+税
ISBN 978-4-7885-1892-6  C1011
分野=心理学・社会学

「私」の経験を主題とした研究手法=オートエスノグラフィー。芸術/科学を架橋するこの多様なアプローチを、八つに整理して紹介するマッピング(地図)が誕生。初学者へのガイドから、学問と人生にかかわる根本的な論点まで網羅した、待望の入門書。

*関連する重要キーワードの解説や「よくある質問と答え」(Q&A)も付録として掲載。
*既刊『質的研究法マッピング』をはじめ、好評なマッピングシリーズの最新刊。

著者
土元哲平:立命館大学OIC総合研究機構特別招聘研究教員・准教授
桂悠介:独立行政法人日本学術振興会特別研究員PD
サトウタツヤ:立命館大学総合心理学部教授


弊社関連書
トニー・E・アダムスほか 著
松澤和正・佐藤美保 訳
『オートエスノグラフィー 質的研究を再考し、表現するための実践ガイド』
https://www.shin-yo-sha.co.jp/book/b614738.html

サトウタツヤ・春日秀朗・神崎真実 編
『ワードマップ 質的研究法マッピング 特徴をつかみ、活用するために』
https://www.shin-yo-sha.co.jp/book/b472449.html

鈴木朋子・サトウタツヤ 編
『ワードマップ 心理検査マッピング 全体像をつかみ、臨床に活かす』
https://www.shin-yo-sha.co.jp/book/b611567.html

青山征彦・古野公紀・サトウタツヤ 編
『ワードマップ 学習マッピング 動物の行動から人間の社会文化まで』
https://www.shin-yo-sha.co.jp/book/b652470.html

「ワードマップ」シリーズ
https://www.shin-yo-sha.co.jp/search/?search_series=13241

 

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2025年8月下旬発売
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こころの専門家、保育園に入る
─「まなざし」と「ゆとり」によるクラスの変化
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西野将史 著
A5判並製188頁・本体2400円+税
ISBN 978-4-7885-1893-3  C1011
分野=臨床心理学・保育

心理士が「子どもの内的世界に興味・関心を示す存在」としてその場に居続ける精神分析的観察法。この方法が、なぜ子どもと保育者を支え、こころにゆとりをもたらすのか。週1回の観察と保育士との「対話」が崩壊しかけたクラスを変えた2年間の物語。

*「一緒に遊ばず、見ているだけ」の心理士が子どものこころをつかむのはなぜか?
*「大人の都合」を「子どもの視点」へと転換するために

編者
西野将史:早稲田大学総合研究機構社会的養育研究所 招聘研究員


弊社関連書
西野将史・前川あさ美 著
『子どもに寄り添う「観察マインド」 思いやりのある支援に生かす』
https://www.shin-yo-sha.co.jp/book/b659168.html


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2025年8月下旬発売
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貨幣の記号論 叢書セミオトポス19
─混淆する価値と意味ともの
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日本記号学会 編
A5判並製200頁・予価3200円+税
ISBN 978-4-7885-1894-0  C1010
分野=現代思想・経済史・文化人類学

「貨幣とは何か」は多くの分野で問われてきた難問である。単なる記号という考えから金銀など物質的価値を持つものという考え、最近のSNS上の再生数、暗号資産などまで多様化している。貨幣史、メディア論、文化人類学などの論者が多面的に考察する。

*話題のデヴィッド・グレーバー『負債論』などによりつつ、刑務所内でのラーメン貨幣、援助物質サバ缶が貨幣?などを取り上げ、具体的に貨幣を論じる。

弊社関連書

「叢書セミオトポス」シリーズ
https://www.shin-yo-sha.co.jp/search/s13276.html


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2025年8月下旬発売
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高齢化と介護・日独の経験とアプローチ
─地域コミュニティの現状と課題
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フランツ・ヴァルデンベルガーほか 編
A5判並製352頁+口絵4頁・本体5800円+税
ISBN 978-4-7885-1896-4  C3036
分野=高齢化・福祉・介護保険

日本とドイツは世界有数の超高齢社会。ドイツをモデルにしてきた日本の介護保険制度は危機の渦中にある。日独両国はどのように課題に対処してきたのか?豊富な経験や解決策を共有して、持続的な介護保険制度と高齢者ケアシステムを展望する。

*日独の高齢化・老年学の第一線の専門家が、統計データと先進事例の両面から検証、比較分析
*ドイツ日本研究所による日独共同研究の出版。5つのテーマを設定して、山積する課題を掘り下げる。
(1)地方自治体の役割
(2)地域コミュニティと高齢者の社会参加
(3)介護人材不足への対処
(4)介護ロボットなど先端 技術の活用
(5)新型コロナウイルス感染症の影響とその対処


編者、訳者
フランツ・ヴァルデンベルガー:ドイツ日本研究所所長
ゲルト・ネーゲレ:ドルトムント工科大学教授
工藤裕子:中央大学教授
松田智生:三菱総合研究所主席研究員

 


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編集後記


わが町神保町には「CHEKCCORI(チェッコリ)」というハングル語の専門書店があるのだが、まあ表紙をみただけではまだまだチンプンカンプンで、なかを見てもさっぱりなのだが、キレイな、ステキなカバーデザインを見ているだけで楽しい。装丁に凝るところなどは日本の出版文化に近いのかなどと愚考する。そして価格。洋書であるからしてけっこうなお値段なため、装丁だけで買うにはまだまだ勇気がいる。教保文庫に行ったときにでも買おうと我慢している。


このお店で買うのは、おもに日本語で書かれた韓国についての冊子。おっさんが自費出版ものと形容してきた、いまだとZINEというのだろう世界がじつに新鮮で、わくわくさせてくれる。『冷麺の麺は黄色か? 灰色か? 第2集』と『シムルッケ、ケンチャナ』(原著はハングル文字表記)というeereeさんのzine、韓国語と英語、日本語が併記された、可愛らしい絵本を購入。


『冷麺の麺は黄色か? 灰色か? 第2集』


BTSファンと思われる著者が、韓国ドラマに出てくる冷麺の色の違いに興味をもち、冷麺探究調査にむかったじつに読みがいのあるものだ。この冊子を紹介しようと表紙をみているのだが、まず著者名がない。奥付はなく謝辞があるのみ。下記のようなサイトを主催しているようですが。

冷麺.jp https://naengmyeonjp.booth.pm/


第2集は京都、仙台、ソウル、平昌、釜山とオタ活込みの潤沢な取材費をかけたリサーチ。著者の並々ならぬ情熱は、文化人類学会でなされた冷麺に関する研究発表があったと聞けば、見ず知らずの研究者に直接コンタクトをとるというエピソードからも分かる。多くの参考文献のなかに、弊社『引揚者の戦後』(島村恭則編)をみつけたときには驚いた。朝鮮半島と日本の、人の往来を調べるためだろうか、これは日本-韓国文化研究の一級の資料と思った次第。この夏、黄色い麺の冷麺を見つけて、ぜひ食べてみよう。(N


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◇奥付
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次回発行は2025年8月上旬頃を予定しております。

書評 秋尾敏著『子規に至る』 「俳壇」2025年7月号

「俳壇」2025年7月号にて、秋尾敏著『子規に至る』の書評が掲載されました。評者は堀切実氏。ご書評いただきありがとうございました。こころよりお礼申し上げます。

近代俳句史の再構築へ向けて

二十七年前に『子規の近代』という好著を出した著者が、今度『子規に至る』 という近代俳句史の黎明期の真実を探り出す快著を刊行した。「俳壇」連載の稿が基になっている。

私がこの本に共感できる三点を述べたい、第一は、従来の常識とは違い、俳句史を近世から近代への一つの流れとしてとらえている点である。……

第二に、幕末期から明治期にかけての国家意識の高揚に国学的な世界観の反映があり、俳人たちも同様で、先の鳳朗などはその典型であったという論調である。……

第三に、近年、一茶の近代性が説かれるなかで指摘される俳人の「自我」の確立を、国学的な「自我」として捉えている点である。近代的な「自我」の確立は自由民権運動以後であったとしても、そこに近世的「自我」の発露をみているのである。……

総じてこの本は明治俳句史の再構築をめざしたものと言える。子規一派の活躍と同時に、江戸期以来の旧派作品にも結構佳句があることは、近年の研究で証明されている。……


 

9784788518759 『子規に至る 十九世紀俳句史再考』 

 秋尾 敏 著
 ジャンル 文学・エッセイ
 出版年月日 2025/03/15
 ISBN 9784788518759
 46判282頁・定価2,970円



書評 秋尾敏著『子規に至る』@朝日新聞「俳句時評」 2025年6月29日付 

2025年6月29日付朝日新聞「俳句時評」にて、秋尾敏著『子規に至る』が紹介されました。評者は岸本尚毅氏。ご紹介いただきありがとうございました。こころよりお礼申し上げます。

俳句時評 「旧派」の実態とは 岸本尚毅


明治以降の俳句史の出発点は、正岡子規による俳句の近代化だといわれる。旧弊な「月並俳句」を刷新したのが、「新派」たる子規の改革だという説明は単純明快で便利である。

ところが、いわゆる「旧派」の実態は案外知られていない。それを調べあげたのが秋尾敏の近刊『子規に至る 十九世紀俳句史再考』(新曜社)である。

本書によると、幕末から明治にかけては俳人たちも国学の影響を受けた。彼らは新政府の下で「教林盟社」や「明倫講社」という団体を作り、神職や僧侶と並んで「教導職」という官職を得た。この時代の俳人の社会的な活発さとしたたかさは、風流韻事のイメージとはほど遠い。以下、彼らの句を引く。……
……
……

明治期を通じて勢力を持っていた「旧派」だが、その後はどうなったのだろうか。今後の俳句史研究の課題として、興味深い論点である。


9784788518759 『子規に至る 十九世紀俳句史再考』 

 秋尾 敏 著
 ジャンル 文学・エッセイ
 出版年月日 2025/03/15
 ISBN 9784788518759
 46判282頁・定価2,970円



『戦艦大和の歴史社会学』著者・塚原真梨佳氏 インタビュー@中国新聞「歩く・聞く・考える」



『戦艦大和の歴史社会学』の著者・塚原真梨佳氏へのインタビューが、中国新聞「歩く・聞く・考える」2025年6月25日付に掲載されました。インタビュアーは特別論説委員・岩崎誠氏。

戦後80年と戦艦大和 生々しい死を抜きにできない


――なぜ戦艦大和に関する研究を始めたのですか。

美大出身でドキュメンタリー映像に携わり、母に聞いた大伯父の戦死をテーマにしたのがきっかけです。沈没した佐世保所属の戦艦金剛に乗っていました。戦艦という軍事技術の所産の名前は残るが一人一人の戦死という異常な死が漂白され、語られない状況に興味を持ったのです。立命館の大学院に入って歴史社会学を専攻し、戦艦という技術の歴史がどう継承されたかを考えるメルクマール(指標)として大和に注目しました。


――研究の手法は。

雑誌や書籍などメディア空間の言説を軸にしました。特に軍事誌「丸」は元技術将校らの寄稿など大和の「語り」をリードし、そこで示された見方が定説化していきます。1950年代は大和が海の藻くずと消えた無用の長物だったとしても技術だけ見れば世界一のメカニズムがあったと論じられました。世界最大排水量、最大主砲の戦艦を開発した技術力が日本民族にあったという語られ方は、造船大国として復活する中で受け入れられやすい物語でした。

――乗員約3千人の戦死は語られなかったのですか。

悲劇的な死を遂げた将兵の戦記も出ていましたが、戦場体験とメカニズムの語りは切り離されたと思います。平和的な価値観が社会にあって旧軍賛美が反動と見なされる中でも、大和に関しては目立った戦績がなかったために技術力のみ強調することが可能だったと考察しています。
……
……
……......《続きは中國新聞「歩く・聞く・考える」サイトへ》


9784788518704
 塚原真梨佳 著
 『戦艦大和の歴史社会学』
 軍事技術と日本の自画像
 出版年月日 2025/02/28
 ISBN 9784788518704
 4-6判304ページ・定価3,520円
 在庫 在庫あり

書評 巽 孝之・宇沢 美子 編『〈21世紀版〉身体批評大全 』@「週刊読書人」2025年6月6日付 

巽 孝之・宇沢 美子 編〈21世紀版〉身体批評大全 の書評が、「週刊読書人」2025年6月6日付に掲載されました。評者は鈴木 晶先生。ご書評くださいました先生、書評紙ご担当者様にこころよりお礼申し上げます。


身体論は永遠である

……身体論のテーマは尽きることがないが、同時に、「言語」とともに「身体」が二〇世紀哲学における最大のテーマとなったことは周知の通りである。最初それは、エリアスやフーコーのような、われわれが今まで自然だと思い込んできた身体がじつは作られたものだという発見から始まった。その点、タイトルに〈21世紀版〉と銘打った本書からは、二〇世紀にさまざまに論じられた身体論の「次」を提示しなければならないという気概が感じ取れる……



9784788518667 〈21世紀版〉身体批評大全
 

 巽 孝之・宇沢 美子 編
 発行年月日 2025/03/03
 ISBN 9784788518667
 四六判616頁・定価3960円


 

◎新曜社<新刊の御案内>■メール版 第255号■

2025年5月28日発行
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◎新曜社<新刊の御案内>■メール版 第255号■

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◇トピックス
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〇新刊情報

4月刊行の新刊2点について、HPにてためし読みを公開中です。
下記よりぜひご覧ください。

『天変地異のオープンサイエンス』
目次、ためし読み
https://www.shin-yo-sha.co.jp/book/b660258.html


『パフォーマンス・アクティヴィズム』
目次、ためし読み
https://www.shin-yo-sha.co.jp/book/b660476.html



〇書評
ご書評くださいました先生、掲載紙ご担当者様に心よりお礼申し上げます。
ありがとうございました。

塚原真梨佳 著『戦艦大和の歴史社会学』の書評が「千葉日報」2025年4月22日ほか、「中國新聞」(4/20)、「北日本新聞」(4/19)に掲載されました。評者は一ノ瀬俊也先生。
https://shin-yo-sha.cocolog-nifty.com/blog/2025/04/post-c0f13b.html


塚原真梨佳 著『戦艦大和の歴史社会学』の書評が「週刊読書人」2025年5月2日付に掲載されました。評者は好井裕明先生。
https://shin-yo-sha.cocolog-nifty.com/blog/2025/04/post-d3c759.html


秋尾敏 著『子規に至る 十九世紀俳句史再考』の紹介が、「信濃毎日新聞」2025年4月26日付に掲載されました。
https://shin-yo-sha.cocolog-nifty.com/blog/2025/05/post-f4469e.html


下村晃平著『ネオリベラリズム概念の系譜 1834-2022』短評が『日本経済新聞』(2025年5月10日付)に掲載されました。
https://www.shin-yo-sha.co.jp/news/n61020.html


『戦艦大和の歴史社会学』の著者、塚原真梨佳先生が朝日新聞夕刊2025年5月14日付「にじいろの議」にご寄稿されました。
https://shin-yo-sha.cocolog-nifty.com/blog/2025/05/post-4a0847.html


岡田 航 著『里山と地域社会の環境史』の書評が「週刊読書人」2025年5月16日付に掲載されました。評者は松村正治先生。
https://shin-yo-sha.cocolog-nifty.com/blog/2025/05/post-a8026f.html


塚原真梨佳 著『戦艦大和の歴史社会学』の書評が「産経新聞」2025年5月25日付に掲載されました。評者は戸高一成 先生(呉市大和ミュージアム館長)。
https://www.shin-yo-sha.co.jp/news/n61151.html



〇フェア
2025年6月中旬頃より 丸善丸の内本店さま3階、心理学書棚にてブックフェア「非認知能力を育む」を開催予定です。



○新曜社ウェブマガジン「クラルス」

『ロボットの悲しみ』から10年後の再検討──「のようなもの」をめぐって(松本光太郎)
https://clarus.shin-yo-sha.co.jp/posts/8717

※『ロボットの悲しみ』は品切れ・重版未定です。



◇近刊情報
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2025年6月下旬発売
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身体の意味
─人間的理解力の美学
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マーク・ジョンソン 著
小熊正久 訳
A5判並製416頁・予価5900円+税
ISBN 978-4-7885-1885-8  C1011
分野=哲学・心理学

心理学、言語学、認知神経科学の最新知見から、イメージ、感情、隠喩など意味形成は世界との身体的なつながりに根ざしており、芸術は意味を見つける人間の根源的な営みであって、最も根源的な哲学の基盤でもあることを検証、大胆で新しい心の概念を提示。

*ジョージ・レイコフとの共著『レトリックと人生』で著名なマーク・ジョンソンの最新作。

著者、訳者
マーク・ジョンソン:オレゴン大学哲学科教授
小熊正久:山形大学名誉教授



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2025年6月下旬発売
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ワードマップ クラシック・グラウンデッド・セオリー(仮題)
─アクションのための研究方法
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志村健一 著
四六判並製208頁・予価2400円+税
ISBN 978-4-7885-1886-5  C1011
分野=看護・社会福祉・質的研究法

グレーザーが提唱したクラシック・グラウンデッド・セオリーは、データ収集と分析、コーディング、コードを用いた概念化など、質的データを扱う基盤となっている。その歴史、哲学、方法を解説し、応用としてのグラウンデッド・アクションについても概説。

*対象領域の人たちと一緒に説明理論を作り上げる、ダイナミックなクラシック・グラウンデッド・セオリーの再発見

著者
志村健一:東洋大学福祉社会デザイン学部社会福祉学科教授


弊社関連書
ワードマップ グラウンデッド・セオリー・アプローチ 改訂版
https://www.shin-yo-sha.co.jp/book/b455518.html

「ワードマップ」シリーズ
https://www.shin-yo-sha.co.jp/search/?search_series=13241



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2025年6月下旬発売
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組織心理学・再入門
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N・K・ステフェンズ、F・リンク、M・K・ライアン 編
池田浩・林洋一郎 監訳
A5判並製344頁・予価3900円+税
ISBN 978-4-7885-1887-2  C1011
分野=心理学・リーダーシップ

リーダーシップ、組織風土、ウェルビーイング、ワークライフ・バランスなど、組織の行動・認知・感情にとって重要なトピックを研究する組織心理学を発展させてきた重要な14の研究を取り上げ、その背景、概要、発展、批判、応用まで、体系的に解説。

*学生、研究者に必読と好評の「再入門」シリーズ最新刊。

編者、監訳者
N・K・ステフェンズ:クイーンズランド大学准教授
F・リンク:オーストラリア国立大学教授
M・K・ライアン:オランダ、フローニンゲン大学教授
池田浩:九州大学准教授
林洋一郎 :慶應義塾大学教授


弊社関連書
パーソナリティと個人差の心理学・再入門
https://www.shin-yo-sha.co.jp/book/b570779.html

社会心理学・再入門
https://www.shin-yo-sha.co.jp/book/b455466.html

発達心理学・再入門
https://www.shin-yo-sha.co.jp/book/b455490.html



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編集後記


『町の本屋はいかにしてつぶれてきたか』(飯田一史/著、平凡社新書)


発売前から著者のnoteで「まえがき」が公開されていて、気になっていた1冊。
https://note.com/ichiiida/n/n7dd7ed834dd1


本書は出版社・取次・書店をめぐる取引関係、定価販売といった出版流通の基本構造を整理した上で、戦後の書店が歩んだ闘争の歴史をテーマごとにたどる。


8年前に出版社に入社した私にとって、本書は知らなかったことが多く、唸りながらページをめくっている。昔は本がよく売れたと思っていたが、出版市場が最盛期に向かおうとしていた1980年代後半からすでに町の本屋は年間1000店単位でつぶれはじめているというから驚きだ。

また、1985年までは日本で一番本を売るのは紀伊國屋書店でなくキヨスク(駅の売店)であり、当時のキヨスクは1810余りの国鉄の駅で営業し、雑誌・書籍の売り上げは500億円以上だったという。そのほか、地方書店で70年代前半まで売上の3割を占めていた外商についてや、コンビニエンス・ストアの雑誌販売、大型書店の台頭、図書館流通センターの誕生からネット書店まで、本好き、本屋好き必見の内容となっている。


第6章「兼業書店」を特に興味深く読んだ。ここ最近、ブックカフェやシェア型書店による場所貸し等、別の業種との「掛け算」が話題だが、著者によると大正時代から町の本屋は兼業してきたという。利益率が低い書店は、時代に合わせてその兼業先を変えており、1960年代から文房具、その後郊外型書店の増加により、セルCDやレンタル事業との複合型書店が増える。


レンタルの増加と合わせて郊外型書店が増加し、本の品ぞろえも町の本屋より良かったため、1980年代後半から2000年代にかけて町の本屋は1000店規模で閉店する等、影響を受けている。もっとも、その郊外型書店もNetflix等の登場によりレンタル事業が厳しくなったこともあり、閉店が相次いでいる。


専業書店では成り立たない本体価格・マージン設定なのだから、本のついでに客単価が高く、粗利の良い商材を買ってもらう「兼業書店」こそがまっとうなありようだったとさえ言える、と著者は言う。


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あとがきには「書きながら、筆者が通っていた、今はなき書店のことを何度も思い出した。」とある。私も読みながら地元の閉店した書店「とこり書店」を思い出した。


もう20年以上前だが、当時からガチャガチャでトレーディングカードを販売していて、小学生の頃は本よりカード目的で行って、ついでにコロコロコミック等を買ってもらっていた。古本販売も行っており、様々な兼業先を模索しているようだった。

よく通った書店を思い出しながら、読み進めたい1冊だ。(H


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◇奥付
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書評 塚原真梨佳著『戦艦大和の歴史社会学』@産経新聞 2025年5月25日付


塚原真梨佳 著『戦艦大和の歴史社会学』の書評が@「産経新聞」2025年5月25日付に掲載されました。評者は戸高一成 先生(呉市大和ミュージアム館長)。ご書評くださいました先生、掲載紙ご担当者様にお礼申し上げます。

「戦争と技術」を検証

先の大戦が破滅的な敗戦で幕を閉じてから80年が経過しようとしている。

80年という年月は、先の大戦が文字通り歴史となったといえる時代に入ったことを意味している。

このような時間経過の中で、戦前と戦後では何がどのように変化したかを問うことによって、足元のありようを確認する作業の一つが、今回刊行された塚原真梨佳氏の『戦艦大和の歴史社会学』なのではないか。......《続きは産経新聞 書評サイトへ》

.....


9784788518704
 塚原真梨佳 著
 『戦艦大和の歴史社会学』
 軍事技術と日本の自画像
 出版年月日 2025/02/28
 ISBN 9784788518704
 4-6判304ページ・定価3,520円
 在庫 在庫あり

書評 岡田 航 著『里山と地域社会の環境史』@週刊読書人2025年5月16日付

岡田 航 著『里山と地域社会の環境史』の書評が「週刊読書人」2025年5月16日付に掲載されました。
評者は松村正治先生。ご書評くださいました先生と、掲載紙ご担当者様にこころよりお礼申し上げます。


……徳川幕府による新田開発、明治政府による入会林野の近代化、高度成長期の多摩ニュータウン開発など、強力な開発政策が地域社会に降りかかるなかで、人と自然の関わりにどのような変化が生じたのかが明らかにされている。

著者は、国レベルの政策に翻弄される地域住民の姿を描くだけではない。むしろ、従来の生き方や暮らし方が続けられなくなる大きな変動期であっても、地域社会にとって死守すべき「人-自然関係」と「人-人関係」を、ときには巨大な力に抗いながら維持してきた人びとの営みに注目する。……

堀之内における住民と里山の関係は、時代とともに変化し、再編され、新しいかたちで生活と結びつくという〈根ざしなおし〉が積み重ねられてきた。地域住民がそのようにして「人-自然関係」と「人-人関係」を自分たちが納得できるかたちで治め、それぞれの関係が「無事」であり続けるように願ってきた。このようにして住民が里山とともに生きてきた考え方やふるまいは、著者が主張するように、今後の里山保全に活かせるヒントになるだろう。……

 


9784788518728『里山と地域社会の環境史』  

多摩ニュータウンにおける社会変動と〈根ざしなおし〉

著者 岡田 航 著
ジャンル 社会学
出版年月日 2025/02/28
ISBN 9784788518728
判型・ページ数 A5・272ページ
定価 4,620円(本体4,200円+税)

 

『戦艦大和の歴史社会学』著者、塚原真梨佳先生 朝日新聞夕刊 2025年5月14日付にご寄稿


『戦艦大和の歴史社会学』の著者、塚原真梨佳先生が 朝日新聞夕刊 2025年5月14日付「にじいろの議」にご寄稿されました。掲載紙ご担当者様にお礼申し上げます

……
……
……さらに、そもそも大和のような世界一の戦艦をかつての日本が造り得たという歴史的事実そのものが、科学技術による復興・立国を目指した戦後の日本国民を大いに鼓舞した。つまり、大和は戦艦からタンカーやカメラに姿を変え、技術的遺産を戦後社会にもたらすことで、科学技術立国日本の礎となったばかりでなく、科学技術立国の国民としての日本人のアイデンティティーの礎ともなり得たのである。
 しかし、このような大和の物語において、大和が戦争に用いられた兵器であったという事実が忘却されることには留意が必要だ。……
……今年は戦後80年。大和が戦後社会の礎でもあるならば、科学技術立国を追求してきた我々の戦後80年の歩みを振り返る意味でも、日本人にとって戦艦大和とは何であったかを検証する作業は重要だ。......


9784788518704
 塚原真梨佳 著
 『戦艦大和の歴史社会学』
 軍事技術と日本の自画像
 出版年月日 2025/02/28
 ISBN 9784788518704
 4-6判304ページ・定価3,520円
 在庫 在庫あり

書評  秋尾 敏 著『子規に至る 十九世紀俳句史再考』@信濃毎日新聞 2025年4月26日付

秋尾 敏 著『子規に至る 十九世紀俳句史再考』 の紹介が、「信濃毎日新聞」2025年4月26日付に掲載されました。ご担当者さまありがとうございました。

……著者が注目するのは、日本古来の思想を明らかにしようとした「国学」だ。幕府を批判し、明治維新の原動力の一つになった。一茶にも国学を背景にした句が見られるほか、明治前期までの俳人の多くは、国学を学んでいたという。古典文法で習う「係り結び」の法則が発見されたのも国学の成果。こうした文法の観点から俳句を分析する人もいた。また子規は誰よりも江戸時代の俳句を熱心に研究し、後世に残すべきものを選んだ。

 19世紀を通して一茶の評価が高まっていく過程も丹念に追う。信州人の努力と功績は大きかった。その理由として著者は「一茶の生き方が、信州人の象徴として機能し始めたのではなかろうか」と指摘。やがて国民像の象徴となっていく。

9784788518759 『子規に至る 十九世紀俳句史再考』 

 秋尾 敏 著
 ジャンル 文学・エッセイ
 出版年月日 2025/03/15
 ISBN 9784788518759
 46判282頁・定価2,970円

 

◎新曜社<新刊の御案内>■メール版 第254号■

2025年4月28日発行
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◇トピックス
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●お知らせ
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〇新刊情報

4月刊行の新刊2点について、HPにてためし読みを公開中です。
下記よりぜひご覧ください。

『天変地異のオープンサイエンス』
目次、ためし読み
https://www.shin-yo-sha.co.jp/book/b660258.html


『パフォーマンス・アクティヴィズム』
目次、ためし読み
https://www.shin-yo-sha.co.jp/book/b660476.html



〇書評
ご書評くださいました先生、掲載紙ご担当者様に心よりお礼申し上げます。
ありがとうございました。

キリン・ナラヤン著 『文章に生きる』の書評が2025年3月29日付「毎日新聞」に掲載されました。評者は(悠)さまです。
https://shin-yo-sha.cocolog-nifty.com/blog/2025/03/post-e9c866.html


日本発達心理学会 編
佐藤眞一・藺牟田洋美・田島信元 責任編集『高齢期の発達科学』が「老年社会科学」第46号第4号202501に掲載されました。評者は権藤恭之先生。
https://shin-yo-sha.cocolog-nifty.com/blog/2025/04/post-a79ed5.html


「高齢者住宅新聞」2025年3月16日オンライン 配信にて 三浦耕吉郎 著『自然死(老衰)で逝くということ:グループホーム「わたしの家」で父を看取る』の書評が掲載されました。評者は浅川澄一氏。
https://shin-yo-sha.cocolog-nifty.com/blog/2025/04/post-2caac5.html


下村晃平著『ネオリベラリズム概念の系譜1834-2022』の書評が「中央公論」2025年5月号に掲載されました。評者は稲葉振一郎先生。
https://shin-yo-sha.cocolog-nifty.com/blog/2025/04/post-9717dc.html

下村晃平著『ネオリベラリズム概念の系譜1834-2022』の書評が「クライテリオン」2025年5月号に掲載されました。評者は粕谷文昭先生。
https://shin-yo-sha.cocolog-nifty.com/blog/2025/04/post-b0f1eb.html



〇フェア
2025年3月6日より 丸善丸の内本店さま3階、心理学書棚にてブックフェア「認知のしくみを考える 認知科学のススメ」を開催しております。
認知発達、身体、脳科学、ことば、AIなどさまざま角度から選書いたしました。
「心理学を学ぼう!3」頒布中です。
https://shinpanken.blogspot.com/2025/03/blog-post.html



○新曜社ウェブマガジン「クラルス」

『ロボットの悲しみ』から10年後の再検討──「のようなもの」をめぐって(松本光太郎)
https://clarus.shin-yo-sha.co.jp/posts/8717

※『ロボットの悲しみ』は品切れ・重版未定です。



◇近刊情報
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2025年5月上旬発売
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現代「語り部」の継承
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今津孝次郎・神山直子 著
四六判並製216頁・本体2700円+税
ISBN 978-4-7885-1882-7  C1036
分野=社会

語り部が高齢化する中、その継承が喫緊の課題となっている。語り部はいかにして語り部となったのか。非体験者は継承者になりうるのか。ハンセン病回復者と被爆者の語り部に焦点を当て、語りの影響力と教育力を検討、継承のための具体的道筋を示す。

*体験者の記憶を越えて継承される、語り部の教育力

著者
今津孝次郎:星槎大学大学院特任教授、名古屋大学名誉教授
神山 直子:社会福祉法人土の根会(花さき保育園)理事長、国立音楽大学音楽学部非常勤講師



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2025年5月下旬発売
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はじめてのコラージュ療法
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杉浦京子・金丸隆太 著
四六判並製312頁・本体3500円+税
ISBN 978-4-7885-1883-4  C1011
分野=心理学・臨床心理学

パンフレットや雑誌、ハサミと糊、台紙があれば、子どもから高齢者、病気や障がいをもつ方も、思いのまま作品制作ができるコラージュ。導入しやすく安全性も高い心理療法として、長年実践と研究を重ねてきた著者らによる懇切な解説書。カラー口絵8頁。

*一対一のセラピーのみならず、グループや教育現場での活用など具体例が随所に。
*作品解釈のためのアプローチや基礎理論など、心理臨床の専門家にも多くの示唆をあたえる。

著者
杉浦京子:アーツセラピー研究所 所長
金丸隆太:茨城大学人文社会科学野 准教授



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2025年6月上旬発売
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闘う1980年代
─社会運動史研究6
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大野光明・小杉亮子・松井隆志 編
A5判並製200頁・予価2600円+税
ISBN 978-4-7885-1884-1  C1036
分野=社会・戦後史

虚構と沈滞の1980年代というイメージは本当か。1968年を頂点とする政治の季節と対比される時代論や運動論の俗見を排し、反天皇制、指紋押捺拒否、レズビアン解放、コミュニティユニオン、消費者運動など現場で活発に展開された運動史を示す。

*書下し論考(杉浦郁子、和田悠、兵頭淳史、原山浩介)とインタビュー(天野恵一、朴容福・金由地、新倉裕史、中島雅一)を収録。

*新たに「シリーズ方法の探求」インタビューを開始(ハンセン病当事者聞き取り・黒坂愛衣)。編者の巻頭文と編集後記もリニューアル。

編者
大野光明:滋賀県立大学人間文化学部教員
小杉亮子:埼玉大学教養学部教員
松井隆志:武蔵大学社会学部教員


弊社関連書

直接行動の想像力(社会運動史研究5)
https://www.shin-yo-sha.co.jp/book/b634599.html

越境と連帯(社会運動史研究 4)
https://www.shin-yo-sha.co.jp/book/b608077.html

メディアがひらく運動史(社会運動史研究3)
https://www.shin-yo-sha.co.jp/book/b586837.html

「1968」を編みなおす(社会運動史研究2)
https://www.shin-yo-sha.co.jp/book/b508457.html

運動史とは何か(社会運動史研究 1)※品切れ・重版未定
https://www.shin-yo-sha.co.jp/book/b455401.html



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編集後記


NHKラジオの「まいにちハングル講座」を買うために、わが町調布のくまざわ書店へと出かける。4月からの新講座の講師は辻野裕紀氏。シンプルなあいさつことばから音素、文法への学説的な考察もありの構成は、半年間楽しく続けられるのではと思わせてくれる。学生をいかに飽きさせないようにと培われた経験が生きているのかもしれない。こうしたテクストをあらためて見てみると本当によくつくりこまれているとじつに感心する。ほか「BRUTUS」が韓国特集をくんでいて、コーヒーとかお酒の記事が面白そう! そちらも購入。

「まいにちハングル講座」では2023年の4月から、斎藤真理子さんが「私の好きな韓国文学」というエッセイを寄せていて、私のよき読書案内となっている。キムスヨンの二日酔いの詩がひかれた本として、クォン・ヨソンの『春の宵』( 書肆侃侃房 )がとりあげられていたので、図書館で借りて読みだしたところ、あまりに面白くて読むのが惜しくなり返却。ちゃんと手元において読みたくなった。ただ酔うためだけに酒を飲むどうしようもない酔っ払いどもがじつにいい味を出している。じっくり味わう酒のように読もう。

詩というものがどれだけ韓国の人びとの生や生活に根ざしているのだろうか。
韓国のテレビドラマ「ウ・ヨンウ弁護士は天才肌」の第12話に、人権派のリュ弁護士(イ・ボンリョン)と友人が事務所ビルの屋上で憩い、詩を読み合うシーンがある。そこでリュ弁護士が読み上げたのが詩が心に響き、調べるとアン・ドヒョンの「練炭一枚」の一節だった。
………
自分のすべきことがわかっているかのごとく
練炭は一度自分の体にひがつくと
延々と燃え続ける
毎日温かいご飯と汁物をたべていても気づかなかった
全身全霊で人を愛すること
孤独な灰の塊になることを恐れてしまう
だから私は今まで誰かの練炭一枚になれなかった
…….
自分はこれまで本を語り合うこと、ましてや詩を読みあうことなどなかったけれど、じつにいいなと思わせる。本ドラマ最高にカッコいいシーンだ。こちらの詩は昨年秋に刊行された、『独り 気高く 寂しく』(オークラ出版)にも収録されているので、手にとってみたい。これまでの人生で、詩なんてまったく興味がなかったのに、じつに面白いものだ。(中山



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書評 塚原真梨佳 著『戦艦大和の歴史社会学』@「週刊読書人」2025年5月2日付

塚原真梨佳 著『戦艦大和の歴史社会学』の書評が@「週刊読書人」2025年5月2日付に掲載されました。評者は好井裕明先生。ご書評くださいました先生、掲載紙ご担当者様にお礼申し上げます。

これまで言語や文化などに依拠しつつナショナリズムとは何かが多様に論じられてきているが、本書は軍事技術に焦点をあてた独創的な研究だ。著者は「自国の科学技術開発やその所産を拠り所としてナショナルな共同体のアイデンティティを構築していくような活動」を「テクノ・ナショナリズム」と定義し、旧日本軍の軍事技術特に戦艦を建造する技術に焦点をあて、明治期から現在にいたるまでの日本の「テクノ・ナショナリズム」の変遷を明らかにしている。そして拠り所の象徴がまさに戦艦大和なのだ。

日本海軍が刊行していた軍事雑誌を渉猟し、そこに書かれている技術言説、観艦式や国防博覧会など軍事技術が展覧される場についての語り、戦時体制における科学技術振興をめぐる語りが読み解かれていく。明治期以降、日本海軍が実際に戦艦を建造していた時期、いかにして「自国の軍事技術や技術的所産としての戦艦」がナショナル・アイデンティティの拠り所となるような価値観が生成されていったのか。……等々が丁寧な言説分析から明らかになっていく。......
......
.....


9784788518704
 塚原真梨佳 著
 『戦艦大和の歴史社会学』
 軍事技術と日本の自画像
 出版年月日 2025/02/28
 ISBN 9784788518704
 4-6判304ページ・定価3,520円
 在庫 在庫あり

書評 塚原真梨佳 著『戦艦大和の歴史社会学』@千葉日報 2025年4月22日ほか

塚原真梨佳 著『戦艦大和の歴史社会学』の書評が「千葉日報」2025年4月22日ほか、「中國新聞」(4/20)、「北日本新聞」(4/19)に掲載されました。(4月26日付長崎新聞、山梨日々新聞、南日本新聞。4月27日付神奈川新聞、岩手日報、京都新聞、新潟日報、佐賀新聞、山形新聞、徳島新聞、山陽新聞、上毛新聞)
評者は一ノ瀬俊也先生。ご書評くださいました先生、掲載紙ご担当者様にお礼申し上げます。

……なぜ過去の遺物であるはずの戦艦が今でも日本人の間で人気があり、中でも大和は極めて高い知名度を誇っているのだろうか。この問いに取り組んだのが本書である。
 内容を評者なりに要約しよう。戦艦は日露戦争後の国産化の成功によって国民の愛国心のよりどころとなり、主砲の口径と排水量で当時世界一となった大和を建造するまでに至った。大和は米軍に撃沈されたが、敗戦後の関係者の回想などによって再発見され、日本人の「ナショナル・アイデンティティ」のよりどころの一つとなった。
 戦後の日本社会で大和とその建造プロジェクトの〝成功〟物語が高く評価、時に消費されたのは、「大和=科学技術立国の礎」論として、あるいはビジネス論や経営論の文脈であった。
 その際、悲惨な戦争の記憶は脱色され、軍事抜きの技術的側面のみがクローズアップされた。大和を通じて浮かび上がるこのような愛国心を、本書は「テクノ・ナショナリズム」と呼ぶ。......

 

 


9784788518704
 塚原真梨佳 著
 『戦艦大和の歴史社会学』
 軍事技術と日本の自画像
 出版年月日 2025/02/28
 ISBN 9784788518704
 4-6判304ページ・定価3,520円
 在庫 在庫あり

書評 下村晃平著『ネオリベラリズム概念の系譜1834-2022』@「クライテリオン」2025年5月号

下村晃平著『ネオリベラリズム概念の系譜1834-2022』

の書評が「クライテリオン」2025年5月号に掲載されました。評者は粕谷文昭先生。ご書評くださいました先生、掲載誌ご担当者様にこころよりお礼申し上げます。ありがとうございました。
.....

このように、ネオリベラリズムという概念は著者がいうように自称、他称の問題系が複雑に絡み合い、さらに年代を経るごとに使用される文脈が変遷するため、単純に定義することが困難なのだ。近年では、ハイエクやモンペルラン協会などを過度に悪魔化して批判する粗雑な議論も見受けられるが、その前に是非とも本著を手に取り、一読して欲しいと切に願う。今後、ネオリベラリズムという概念を研究する際に重要な文献となり得る労作である

 

9784788518711 『ネオリベラリズム概念の系譜1834-2022』

 下村晃平 著
 出版年月日 2025/02/28
 ISBN 9784788518711
 4-6判320頁・4,620円(本体4,200円+税)

書評 下村晃平著『ネオリベラリズム概念の系譜1834-2022』@中央公論2025年5月号

下村晃平著『ネオリベラリズム概念の系譜1834-2022』

の書評が「中央公論」2025年5月号に掲載されました。評者は稲葉振一郎先生。ご書評くださいました先生、掲載誌ご担当者様にこころよりお礼申し上げます。ありがとうございました。

……
本書の前半は、20世紀半ばに特定の学者・思想家集団によって作られ、それなりにまとまりのある思想体系(とはいえそこには国ごとの多様性があり、後世に強い影響を与えた英米系以外の潮流は中途で衰弱し忘れられたのだが)に与えられた「ネオリベラリズム」という名前が、当事者たちによる自称としては捨てられた経緯を描く。続く後半では、20世紀末に彼らの思想が脚光を浴び、現実の政策に大きく影響するようになってから、主としてその批判者による他称として用いられるようになった経緯も描き出していて興味深い…

 

9784788518711 『ネオリベラリズム概念の系譜1834-2022』

 下村晃平 著
 出版年月日 2025/02/28
 ISBN 9784788518711
 4-6判320頁・4,620円(本体4,200円+税)


書評  三浦耕吉郎 著『自然死(老衰)で逝くということ』@高齢者住宅新聞オンライン

「高齢者住宅新聞」2025年3月16日オンライン 配信にて 三浦耕吉郎 著『自然死(老衰)で逝くということ:グループホーム「わたしの家」で父を看取る』の書評が掲載されました。評者は浅川澄一氏。ご書評くださいました先生、掲載誌ご担当者様にこころよりお礼申し上げます。ありがとうございました。

 

......

開設以来14年経つグループホームだが、看取りは初めて。それもあり家族の思いが全面に出てくる。最期を迎える症状を目の前にして、家族は「入院という選択肢を遠ざけようとした」。この強い意志が、自然死に向かって大きく作用する。著者は「医療との距離化」という用語を再三使う。

家族の意志に加えて、グループホームのスタッフの「思い」を著者は強調する。「人の気配や台所の音や料理の匂いといった生活感があふれる雰囲気のニギヤカさ」を著者は讃える。医療より暮らしぶりを優先させ、何よりも利用者の気持ちを見極めようというケアの方針だ。最期の時を迎えて、いつもの入浴を提案する。徘徊と呼ばれる利用者の自由な外出に、後ろから付いて見守る姿勢もその表れだ。

暮らしに伴奏する介護である。このグループホームは、千葉県流山市のNPO法人、「流山ユー・アイネット」が運営する「わたしの家」。同法人は車公害反対の市民運動を契機に結成された地域ボランティアである。住民、利用者に寄り添う気持ちが強く、介護保険サービスを手掛けても、その心意気が見事に実践されているようだ。

高齢者住宅新聞サイトへ

......

9784788518520  自然死(老衰)で逝くということ
 グループホーム「わたしの家」で父を看取る

 三浦 耕吉郎 著
 
2024/08/31
 ISBN 9784788518520 
 四六判232頁 定価 2420円

書評 佐藤眞一・藺牟田洋美・田島信元 責任編集『高齢期の発達科学』@「老年社会科学」第46号第4号 202501

日本発達心理学会 編
佐藤眞一・藺牟田洋美・田島信元 責任編集
『高齢期の発達科学』が「老年社会科学」第46号第4号 202501に掲載されました。
評者は権藤恭之先生。ご書評くださいました先生にはこころよりお礼申し上げます。


……本書の優れた点は、発達科学の基礎理論から応用研究を幅広く紹介するだけでなく、読者にさまざまなメタ理論を提供している点である。本書で紹介される発達科学という視点をもつことで、自らの研究の位置づけを再認識するとともに、未来に向けてより高次な課題を設定することが可能になるであろう。
 
 まとめると、本書は発達という個が経験する時間経過を、誕生から死後に至る時間の広がり、多様性やコミュニティーという横の広がり、多世代という縦の広がりという観点から俯瞰する。この視座がヒトの発達のダイナミクスを理解するための基盤となることを認識させてくれる良書だといえる。

 

9784788518377  日本発達心理学会 編
 佐藤眞一 責任編集
 藺牟田洋美 責任編集
 田島信元 責任編集
 出版年月日 2024/03/15
 ISBN 9784788518377
 A5判336頁・定価4,840円

 

書評 キリン・ナラヤン著『文章に生きる』 2025年3月29日付「毎日新聞」掲載

キリン・ナラヤン著 『文章に生きる』の書評が2025年3月29日付「毎日新聞」に掲載されました。評者の(悠)さまありがとうございました。

……本書のスタイルは「ハウツー(どうすべきか)」ではなく「ハウアバウト(やってみようよ)」。場所、人、声、自分……。民族誌を成すさまざまな要素を描く力を、著者が提示する課題をこなしながら養う。それぞれの課題はシンプルで、さほど時間もかからない。だが、こなすうちに少しずつ自信が深まっていく。……

 小説やエッセーからも名文が引用され、物事を生き生きと正確に描写する総合的な力を学べる。ブログや論文など分野を問わず「文章」を書く全ての人に薦めたい一冊だ。

9784788518650_20250331172101 『文章に生きる』
チェーホフと、エスノグラフィーを書く

キリン・ナラヤン 著
波佐間逸博 訳・梅屋 潔 解説
2025/01/10
ISBN 9784788518650
4-6判・288頁  定価3,740円
在庫 在庫あり

◎新曜社<新刊の御案内>■メール版 第253号■

2025年3月26日発行
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◇トピックス
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●お知らせ
弊社ではこのメールマガジン「新曜社<新刊の御案内>」を
メールマガジン配信会社から配信しておりますが、
配信会社のメール・広告が煩わしいという声を受けまして、
弊社からのメーリングリスト配信も行っております。

ご希望の方は下記フォームよりメールアドレスをご記入ください。
(ご登録いただきましたアドレスは配信以外には使用いたしません)
https://forms.gle/NC7HB16L25rCfuxm8

 

〇新刊情報

2月刊行の新刊4点について、HPにてためし読みを公開中です。
下記よりぜひご覧ください。

『ネオリベラリズム概念の系譜 1834-2022』
目次、ためし読み
https://www.shin-yo-sha.co.jp/book/b657848.html


『戦艦大和の歴史社会学』
目次、ためし読み
https://www.shin-yo-sha.co.jp/book/b657847.html


『現代南インドの女性たち』
目次、ためし読み
https://www.shin-yo-sha.co.jp/book/b658755.html


『里山と地域社会の環境史』
目次、ためし読み
https://www.shin-yo-sha.co.jp/book/b657845.html

 

〇書評
ご書評くださいました先生、掲載紙ご担当者様に心よりお礼申し上げます。
ありがとうございました。

E.アイスナー著、池田吏志・小松佳代子 訳『啓発された眼』の書評が、「図書新聞」2025年3月8日付に掲載されました。評者は荒川歩氏。
https://shin-yo-sha.cocolog-nifty.com/blog/2025/03/post-6b00da.html

 

〇フェア
2025年3月6日より 丸善丸の内本店さま3階、心理学書棚にてブックフェア「認知のしくみを考える 認知科学のススメ」を開催しております。
認知発達、身体、脳科学、ことば、AIなどさまざま角度から選書いたしました。
「心理学を学ぼう!3」頒布中です。
https://shinpanken.blogspot.com/2025/03/blog-post.html

 

○新曜社ウェブマガジン「クラルス」

横山草介先生より
楠見友輔 著『アンラーニング質的研究──表象の危機と生成変化』の書評をいただきました。ぜひご一読ください。
https://clarus.shin-yo-sha.co.jp/posts/8151

 

◇近刊情報
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2025年4月下旬発売
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エピソードで学ぶ子どもの発達心理学
─乳幼児から児童期まで
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岡本依子・菅野幸恵・塚田みちる 著
A5判並製240頁・予価2400円+税
ISBN 978-4-7885-1881-0  C1011
分野=発達心理学・保育・児童心理学

子どものエピソードと発達心理学の解説を交互に配置し、分かりやすく教えやすいと好評の『エピソードで学ぶ乳幼児の発達心理学』を増補改訂。授業動向に合わせ、乳幼児から児童期までの発達のみちすじを一貫して理解できるようにした。

*二十年にわたるロングセラー『エピソードで学ぶ乳幼児の発達心理学』をリニューアルしてアップグレード!

著者
岡本依子:立正大学社会福祉学部教授
菅野幸恵:青山学院大学 コミュニティ人間科学部教授
塚田みちる:武庫川女子大学短期大学部幼児教育学科教授


弊社関連書
岡本依子・菅野幸恵・塚田みちる 著
『エピソードで学ぶ 保育のための心理学』
https://www.shin-yo-sha.co.jp/book/b486848.html

『エピソードで学ぶ 赤ちゃんの発達と子育て』
https://www.shin-yo-sha.co.jp/book/b455788.html

 

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2025年4月下旬発売
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法のエスノメソドロジー
─「生ける秩序」の法社会学
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マックス・トラヴァース、ジョン・F・マンゾウ 編
北村隆憲 監訳
岡田光弘・小宮友根・池谷のぞみ 訳
A5判並製420頁・本体5000円+税
ISBN 978-4-7885-1880-3  C1036
分野=社会学・法律

人々は「法」の多様な場面で、いかに「生きた秩序」を生みだしているのか。法廷での裁判官のワーク、弁護士の尋問、警察の捜査、陪審評議などを社会学的に考察。法社会学の新たな地平をひらくエスノメソドロジー研究の重要古典論文集、待望の完訳。

*未邦訳であったガーフィンケルやサックスらの古典的論文を多数収録
*各章ごとに訳者による丁寧な解題も掲載

編者
マックス・トラヴァース:タスマニア大学社会学部准教授
ジョン・F・マンゾウ:カルガリー大学社会学部名誉教授

監訳者
北村隆憲:東海大学法学部客員教授

 

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編集後記

 

 「新曜社」の文字を、目を皿のようにして探す季節がやってきた。

 

 『読書アンケート 2024』(みすず書房)

 

 本書は雑誌『みすず』の休刊にともない、新年号恒例の特集として掲載されていた読者アンケートを書籍として刊行した1冊。書籍として刊行開始したのが昨年で、今年は2年目。新刊・既刊を問わず、2024年に読んだ本のなかから、印象深かったものを各分野の識者に挙げてもらう人気企画だ。

 書店に足を運んで本を探す楽しみとは別の、あの人がこの本を読んでいるのかという驚きや、こんな本が出ていたのかという発見もあり、読んでいて飽きない。文章量や書籍の紹介の仕方も書き手によってそれぞれで、統一されていない様もなんだかよい。

 まずは職業柄、新曜社の文字を探すのだが見当たらなかった。探すのをやめ、パラパラと読んでいたところ、弊社刊行『知識の社会史』を見つけた。『博学者 知の巨人たちの歴史』(ピーター・バーク/著、井山弘幸/訳、左右社)の紹介の際に姉妹篇として記載されていたのだ。
 かろうじて一点掲載、社名がなくてもよしとしよう。

 

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 『読書アンケート2024』を読んでいると、気になる本が増えるばかりで困ってしまう。気になって買ったはいいが、本棚に並べたまま時間が過ぎていく。先日、友人に勧めてもらった『呪われた部分』(ジョルジュ・バタイユ/著、酒井 健/訳、ちくま学芸文庫)すらもまだ読めていない。

 読書アンケート内にも、本が読めていないと仰る専門家の方々がいらっしゃった。「今年は仕事が忙しくて読めなかった」「年をとったせいか読書欲が落ちて、あまり本を買っていない」「老人介護施設のベッドで暮らしている身の上では、やはり文庫本が読みやすい」……みな、様々な事情をかかえながら本を読んでいるのだ。

 専門家の方々も本を読めていないのだから私も読めなくて当然か、と言いたいところだが、私の場合は日々の生活で工夫すれば読書量は増やせそうだ。通勤中は将棋アプリに、子の寝かしつけ後の貴重な一人時間は疲れて何も出来ないことが多い。
 やはり通勤時間の将棋の時間を削るか。それは悪手か。(H)


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◇奥付
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次回発行は2025年4月下旬を予定しております。

書評 E.アイスナー著、池田吏志・小松佳代子 訳『啓発された眼』、図書新聞 2025年3月8日付

書評 E.アイスナー著、池田吏志・小松佳代子 訳『啓発された眼』の書評が、「図書新聞」2025年3月8日付に掲載されました。
評者は荒川 歩氏。評者の先生、掲載誌ご担当者様に深くお礼を申し上げます。ありがとうございました。



 

質的研究の大事なことの再発見とアートベースドリサーチのために

今でもしばしば引用を目にするアイスナーの本の翻訳である。本書の内容は、質的研究の意味や、教育を質的に分析することの意味、そしてその実際の手続きや問題点の具体例まで、幅広い。原書の出版は1991年であるが、量的研究のトレーニングしか受けていない大学院生だった私が質的研究に初めて出会った時の新鮮な発見や思考の深まりを鮮明に再体験することができた。

……本書の出版によって利益を得るのは、質的研究の理論に関心を持つ初学者だけではない。教室内談話や教育実践の観察研究に関心のある人にとっては、本書の豊富な具体例と手続きの具体的な進め方や観察の勘所、そして、その理論的背景は、すぐにでも役立つものとなるだろう(私自身、質的研究法の授業の観察の回の授業で、お手本となる事例用として来年から使おうと、幾ページにも付箋を貼っている)。観察で何を見るのか(何が見えるのか)といった抽象的なところから、フィールドエントリーの仕方や、観察の記録の仕方、観察の期間など細かいところにまでアイスナーの考えが描かれている。第5章、第6章で語られる、描写・解釈・評価・主題生成という一連の流れとその宛名の問題は、示唆深い。……

 翻訳者の小松佳代子氏による、20ページを超える「解説にかえて」は非常に詳細であり、当時の教育研究の文脈における本書の位置づけを知るうえで、また、アイスナーの著作における本書の位置づけを知るうえで、1991年の出版と現在をつなぐ役割をはたしている。いずれにせよ、訳者の苦労と奮闘に敬意を表したい。

 

9784788518599 『啓発された眼』
教育的鑑識眼と教育批評

エリオット・W・アイスナー 著
池田 吏志 訳
小松 佳代子 訳
出版年月日 2024/10/10
ISBN 9784788518599
4-6判・512頁
定価 3,740円
在庫 在庫あり

 

9784788517226 はじめての造形心理学
心理学、アートを訪ねる
荒川 歩 編
出版年月日 2021/04/10
ISBN 9784788517226
A5判・208頁
定価 1,980円
在庫 在庫あり

 

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