書評 I.ジャニス 著 細江達郎 訳『集団浅慮』@図書新聞2022年8月13日付

I.ジャニス 著 細江達郎 訳『集団浅慮』の書評が、「図書新聞」2022年8月13日付に掲載されました。
評者は三浦麻子先生。ご書評くださいました先生、掲載紙ご担当者さまにこころよりお礼申し上げます。ありがとうございました。

 例えば同調(圧力)といえばアッシュ、権威への服従といえばミルグラム、というのと同じく、原著者であるジャニスの名前もセットになって記憶されているから、「みんな知ってるジャニスの集団浅慮」なのだが、おそらく二つの理由で伝説と化していた。
 
 まず一つ目の理由は、ジャニスの研究成果はそのほとんどが書籍として刊行されていたことである。松井亮太氏による解説論文『集団思考(groupthink)とは何か』(日本原子力学会誌・2020)は、集団浅慮という概念は、ジャニスによって提案された1972年以降、それが関わっていそうな大事故・大事件が少なくなかったことも相俟って、世界(特に米国)的に見ればコンスタントに研究が行わている一方で、日本においては(大事故・大事件は少なくないのに)ほとんど研究がないことを、公刊論文数という明確な指標に基づいて指摘している。そして、その理由として「ジャニスの著書が翻訳されていない」ことを挙げている。
・・・・・・

 本書は詳細な脚注を含め500頁を超える大著であるが、前述のとおり具体的な歴史的出来事を引いた記述が多くを占めているし、それをふまえた理論の一般化、そして集団浅慮を阻止するための処方箋も明確に記述(そして翻訳)されている。何せ伝説の書籍である。研究者、実務家に限らず、広く一読を勧めたい。




9784788517707 『集団浅慮』


アーヴィング・L・ジャニス 著
細江 達郎 訳
2022/05/20
ISBN 9784788517707
四六判600頁・定価 4,730円
在庫 在庫あり


 

受賞 山口誠・須永和博・鈴木涼太郎著『観光のレッスン——ツーリズム・リテラシー入門』

山口誠・須永和博・鈴木涼太郎著『観光のレッスン——ツーリズム・リテラシー入門』2022年度観光学術学会学会賞(教育・啓蒙著作賞)を受賞いたしました。

観光学術学会


9784788517066 観光のレッスン
ツーリズム・リテラシー入門

著者 山口 誠 著
須永 和博 著
鈴木 涼太郎 著

出版年月日 2021/02/18
ISBN 9784788517066
4-6判・194ページ
定価 1,540円



紹介 清水 亮 著『予科練「戦友会」の社会学』@東京大学 BiblioPlaza 2022/7/22

東京大学 BiblioPlazaにて著者・清水亮氏による著作物紹介のページが公開されました。(2022/7/22)

「予科練」戦友会の社会学(日本語)


Yokaren Senyukai no Syakaigaku(英語)


戦場の死の空虚さを際立たせる、生き残りたちの生と絆の横溢。その広がりに関心を寄せる多様な読者に、刺激を与えるものとなれば幸いである。


 

97847885176151 97847885176152 清水 亮 著
『「予科練」戦友会の社会学  戦争の記憶のかたち』

2022/03/31
ISBN 9784788517615
A5判256頁・3520円

書評 『六〇年安保闘争と知識人・学生・労働者』、大原社会問題研究所雑誌766(2022.8)

猿谷弘江著『六〇年安保闘争と知識人・学生・労働者』 の書評が、「大原社会問題研究所雑誌」766(2022.8)に掲載されました。
評者は中村勝己氏。中村先生、掲載誌ご担当者さまに、深くお礼申しあげます。ありがとうございました。



9784788517172  『六〇年安保闘争と知識人・学生・労働者』
  社会運動の歴史社会学

 著者 猿谷 弘江 著
 ジャンル 社会学 > 歴史社会学
 出版年月日 2021/03/31
 ISBN 9784788517172
判型・ページ数 A5・392ページ
 定価 5,500円(本体5,000円+税)
 在庫 在庫あり





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2022年7月15日発行
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〇書評
ご書評くださいました先生、掲載紙ご担当者様に心よりお礼申し上げます。
ありがとうございました。


木村至聖・森久聡編
『社会学で読み解く文化遺産:新しい研究の視点とフィールド』
の書評が学術誌3誌に同時掲載されました。


「文化経済学」19巻1号、評者 澤村 明氏
「フォーラム現代社会学」21号(2022)、評者 須藤 廣氏 
「年報地域社会学」34集(2022)、評者 中筋直哉氏
https://shin-yo-sha.cocolog-nifty.com/blog/2022/06/post-5da179.html



山本めゆ著『「名誉白人」の百年』の書評が6月26日付神奈川新聞ほかに掲載されました(南日本新聞、琉球新聞、沖縄タイムス、北日本新聞、高知新聞、宮崎日日新聞、京都新聞、岩手日報、新潟日報、上毛新聞、愛媛新聞)。

評者は堀内隆行氏。
https://shin-yo-sha.cocolog-nifty.com/blog/2022/07/post-579401.html




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https://clarus.shin-yo-sha.co.jp/





◇近刊情報
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8月中旬発売予定
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オノマトペの認知科学
ー「認知科学のススメ」シリーズ 第9巻
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日本認知科学会 監修
秋田 喜美 著
内村 直之 ファシリテータ
四六判並製184頁・本体1800円+税
ISBN 978-4-7885-1782-0 C1011
分野=心理学・認知科学・言語学


豊かな描写力をもち、私たちの言語活動に彩りを与えるオノマトペ。
その表現のシックリ感の源や、語彙・文への溶け込み方を分析すると、言語そのものの本質が見えてくる。

「言語の起源」という謎へも示唆を与える、オノマトペの明快で刺激的な入門書。


*高校生から読める、認知科学入門シリーズの第9巻。
*豊富な事例と段階を追った丁寧な解説。要所要所でクイズも挿入する、初学者のための親切な構成。


著者
秋田喜美(名古屋大学文学部・大学院人文学研究科准教授)


「認知科学のススメ」シリーズ
https://www.shin-yo-sha.co.jp/search/s13271.html




8月下旬発売予定
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文化遺産と防災のレッスン
ーレジリエンスな観光のために(仮)
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山下晋司・狩野朋子 編
A5判並製216頁・本体2000円+税
ISBN 978-4-7885-1780-6  C1026
分野=観光学・建築学・現代思想


今日、地球規模での大災害が頻発し、文化遺産も災害の危機にさらされている。
本書は「レジリエンス」という概念に注目しながら、文化遺産、観光、防災の絡み合いをさぐる。

それを通して「災害の時代」に文化遺産とともに生きることの意味を考える。


*サステイナビリティ(持続可能性)からレジリエンス(復元力)へ!
*「文化遺産をいかに護るか」ではなく、「文化遺産でいかに地域を護るか」を考える。
*編者・山下晋司は、観光人類学の泰斗。



著者
山下晋司(東京大学名誉教授)
狩野朋子(帝京平成大学准教授)

弊社関連書
山下 晋司 編
『観光文化学』
https://www.shin-yo-sha.co.jp/book/b455923.html


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編集後記


ソフトボールをはじめてかれこれ10年以上たつ。

試合に出られない万年ベンチ要員の私に与えられたのは、スコアをつけるという仕事だ。


ひとマスを5つに分割した独特の図に独特の書記法で、バッターの一打席を、ピッチャーの一球一球を記録して、結果ゲームのプロセスすべてを記録する。
つけられたスコアから実際の試合を想像するのが最近、地味に楽しい。



室 靖治著 『「記録の神様」山内以九士と野球の青春』(道和書院)

史上最年少の完全試合、13者連続三振、1イニング4三振、これはロッテの佐々木朗希の今年の記録であるが、

毎日の試合を淡々と「記録」するという作業、その蓄積があってはじめてこれらを「新記録」といえる。

本書は戦前・戦後の日本の職業野球・プロ野球草創期の試合の「記録化」に生涯をかけて取り組み、

没後13年を経て公式記録員として野球殿堂入りした山内以九士の物語だ。

以九士の功績としてもっとも大きいのは、打率、勝率、防御率などの数字で野球を見る楽しみを数倍にしたことだ。

過去の記録を整理することによって発掘した新記録のエピソードや、凝り性であった彼の編み物をはじめとする数々の趣味についての話も、彼の変人・奇人ぶりを伝えて面白い。


好きな道にまっしぐら進んだ以九士だが、彼は江戸中期から続く松江きっての豪商「山内佐助商店」の跡取り息子であった。

継いだはいいがそれを妻・長に任せ、自分は記録の世界へ。結果、身上は潰れてしまう。

彼の業の深さを思わせる実家のくだりだが、著者(以九士のお孫さん)によって淡々と描かれている。

家族・親戚が以九士を憎んだり、恨んだりする風もない。

以九士の家族、一族、そして友人たちの愛によって世に出た野球愛の本だ。(N

書評 山本めゆ著『「名誉白人」の百年』@共同通信 2022年6月26日他

山本めゆ著『「名誉白人」の百年』

の書評が6月26日付神奈川新聞ほかに掲載されました(南日本新聞、琉球新聞、沖縄タイムス、北日本新聞、高知新聞、宮崎日日新聞、京都新聞、岩手日報、新潟日報、上毛新聞、愛媛新聞)。評者は堀内隆行氏。ご書評くださいました先生、掲載紙ご担当者様ありがとうございます。こころよりお礼申し上げます


・・・・・・20世紀後半、アパルトヘイトの時代に日本人(駐在ビジネスマン)は、南ア体制と手を結ぶ代わりに、白人に準じた特権的地位を与えられていると批判された。これに対して本書は、南アの人種社会で時に抑圧者の側に立ったのは、日本人だけでなく中華系、インド系住民も同様だったと説き、100年の歴史を振り返る。・・・・・・本書の最大の価値は、アパルトヘイトの時代を生きた日本人と中華系住民にインタビューし、その葛藤を活写した点にあるだろう。

・・・・・・



9784788517653
「名誉白人」の百年
南アフリカのアジア系住民をめぐるエスノ-人種ポリティクス

山本 めゆ 著
2022/03/30
ISBN 9784788517653
4-6判・256頁
定価2,970円 在庫あり

書評 木村至聖・森久聡編『社会学で読み解く文化遺産:新しい研究の視点とフィールド』@学会誌書評

木村至聖・森久聡編
『社会学で読み解く文化遺産:新しい研究の視点とフィールド』
の書評が学術誌3誌に同時掲載されました。

「文化経済学」19巻1号、評者 澤村 明氏

「フォーラム現代社会学」21号(2022)、評者 須藤 廣氏 

「年報地域社会学」34集(2022)、評者 中筋直哉氏


 評者の先生方にこころよりお礼申しあげます。

 

9784788516878 社会学で読み解く文化遺産
 新しい研究の視点とフィールド
 木村至聖・森久 聡 編
 出版年月日 2020/11/20
 ISBN 9784788516878
 A5判・216頁
 定価3,080円(本体2,800円+税)
 在庫あり

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2022年6月20日発行
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〇書評
ご書評くださいました先生、掲載紙ご担当者様に心よりお礼申し上げます。
ありがとうございました。

清水 亮 著『「予科練」戦友会の社会学』 の書評が2022年6月4日付、
朝日新聞書評欄に掲載されました。評者は保阪正康氏。
https://shin-yo-sha.cocolog-nifty.com/blog/2022/06/post-2cc980.html

 

能智正博・大橋靖史 編『ソーシャル・コンストラクショニズムと対人支援の心理学』の書評が

「こころの科学」最新号(224号2022.7)に掲載されました。評者は安達映子先生。
https://shin-yo-sha.cocolog-nifty.com/blog/2022/06/post-f9a27a.html


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◇近刊情報
_________________________

 

6月下旬発売予定
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ヴィゴツキー小事典
――思想・理論・研究の構想
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佐藤公治 著
四六判並製304頁・本体2800円+税
ISBN 978-4-7885-1779-0 C1011
分野=現代思想・心理学・教育学

ヴィゴツキーは人間精神の発達、教育を考える上で欠かせないが、その著作は多岐にわたり、読みこなすのは容易ではない。

重要な著作をとりあげ、思想・理論だけでなく、その背景にある研究構想まで含めて踏みこみ、一冊で理解できるヴィゴツキー案内。

*一冊でわかるヴィゴツキー案内


著者
佐藤公治(北海道大学名誉教授)

 

 


6月下旬発売予定
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詩歌療法の理論
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小山田隆明 著
四六判並製224頁・本体2300円+税
ISBN 978-4-7885-1778-3  C1011
分野=カウンセリング・心理学・詩歌論

詩歌療法という言葉を知らずとも、古来人は、詩歌に心理的な効果のあることに気づいていた。

古今東西の詩(歌)集や詩について書かれた本に詩歌療法のルーツを辿りながら、

現代の詩歌療法の理論を構築するための方途を探る、前著『詩歌療法』の続編。

*詩歌を詠み、読むことのカタルシス

 

著者
小山田隆明(岐阜大学名誉教授)

 

弊社関連書
小山田隆明 著
『詩歌療法』
https://www.shin-yo-sha.co.jp/book/b455709.html

 

 

 


6月下旬発売予定
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旅と観光の人類学
――「歩くこと」をめぐって
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橋本和也 著
四六判並製304頁・本体2800円+税
ISBN 978-4-7885-1763-9 C1011
分野=社会学・観光

観光とは「地域を歩くこと」から始まる。歩くことは迷うことでもある。日本古来の「旅」、インゴルドの徒歩旅行論などに刺激され、

「観光まちづくり」や「地域芸術祭」を歩き回った著者自らの体験を振り返りながら、観光のあるべきかたちを模索する。


*観光人類学の先駆者が自らの「歩いた」軌跡をたどりつつ、「観光」とは何かを熱く語る、恰好の入門書。


著者
橋本和也(京都文教大学名誉教授)

 

 


7月中旬発売予定
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賢治童話の魔術的地図
――土俗と想像力
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私市保彦 著
四六判上製264頁・本体2900円+税
ISBN 978-4-7885-1762-2 C1036
分野=文芸評論

賢治の童話は、岩手の野山が古くから伝えている声にひたすら耳を澄ませ、

本好きの賢治が海外の文学から響く声との共鳴に心うごかされて生まれた。

民俗的なもの、科学的なもの、宗教的なものなどの混交する魔術的宇宙の謎に世界文学の視点から迫る。

*生成変化する賢治のお話群を丁寧に解きほぐし、比較文学の手法でその魅力を解き明かす。

著者
私市保彦(武蔵大学名誉教授)

 


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編集後記

井狩春男著『本は読むより書く方が10倍楽しい』(新風舎)、2002/10

いま自費出版の世界はどうなっているのだろうかという疑問から、本書を手にとった。

著者の井狩春男氏は当時、出版業界にいる者で知らない人はいないぐらいの有名人。

鈴木書店という取次店で仕入課長・部長として務め、「日刊まるすニュース」という新刊書籍のお知らせを毎日! 

全国の取引書店、関係者に配信していた。『返品のない月曜日』(ちくま文庫)といったエッセイでも名高い。

私としては弊社書籍がまるすニュースにはあまりとりあげられなかったことをいまでも根にもっている。


本書自体は20年以上前に書かれている。発行元の新風舎は協力出版という名の自費出版で急成長した出版社だった。

自費出版を主とする出版社から、「本は読むより書く方が楽しい」と、自費出版を勧める本が出版されたわけだ。

書店に並ぶ、置かれる。(万が一)売れた場合には印税も支払うということをうたい文句に「自費出版」をすすめて拡大した新風舎の

出版活動は、本書刊行の4年後の2006年、新風舎は自費出版系を含めた年間出版点数では2788点と日本最大の出版社となる。

これは単純計算すると1日100冊の新刊を毎日出していた勘定になる。

これは本を流通させるためのさまざまな手続き(書籍の登録、配送スケジュール、店頭展示など)をなす流通インフラの恩恵に預かりながら、
それを破壊する活動となったのだ。

 

そうした自費出版をめぐる回顧・反省はさておき、あらためて本書を読みなおすとじつにおもしろい。

またジャンル別の書籍の返品率、有名無名の著者の初版部数と返品率などの数字、

そして自費出版を主とする出版各社のモデルケースなどはほかでは得られない、著者だから知りえた数字だろう。

見積書の見方、本の売り方などは今なお実践的で有用なものだ。


井狩氏の消息はあまり聞くことはなく、ずいぶん長い時間が経った。twitterで検索すると、

「写真集に詳しい井狩春男氏」として出ていたことを知る。2年前の記事なので、いまもお元気でおられるといいな。 (中山


デイリー新潮「宮崎美子、40年ぶり写真集が大ヒット」
https://www.dailyshincho.jp/article/2020/10291100/?all=1&page=3

書評 能智正博・大橋靖史 編『ソーシャル・コンストラクショニズムと対人支援の心理学』@「こころの科学」最新号(224号2022.7)

『ソーシャル・コンストラクショニズムと対人支援の心理学』の書評が「こころの科学」最新号(224号2022.7)に掲載されました。
評者は安達映子先生。ご書評いただきましたこと、ありがとうございます。こころよりお礼申し上げます。


・・・・・・各章の随所で述べられているように、主流派心理学は人の内部に「こころ」を想定し、その本質や普遍性を探ることで科学を自認してきた。そうした「こころ」の実在や実証を根底から疑うソーシャル・コンストラクショニズムは、心理学そのものへの大きな挑戦を含んでいる。「社会」ないし社会的存在としての人間を扱う社会学や、問題を因果関係から解放すべく「関係性」に焦点を当てる家族療法とは異なり、内面への志向性を強く孕む心理学がソーシャル・コンストラクショニズムと組み合うには、一定の時間を要したのかもしれないと思う。
 機が熟すのを待った甲斐があり、理論・研究・実践のレベルにおいて、本書は読者の関心に応える内容となっている・・・・・・





978788517509 ソーシャル・コンストラクショニズムと対人支援の心理学
理論・研究・実践のために

能智正博・大橋靖史 編
2021/12/31
ISBN 9784788517509
A5判328頁・3960円









書評 清水 亮 著『「予科練」戦友会の社会学』 2022年6月4日付、朝日新聞

清水 亮 著『「予科練」戦友会の社会学』 の書評が2022年6月4日付、朝日新聞書評欄に掲載されました。評者は保阪正康氏。ご書評くださいました先生、また掲載紙ご担当者さまに、心よりお礼申し上げます。ありがとうございました。

本書は、二つの特徴を持つ。一つは予科練という組織の特質や位置付けを、資料と先行書を用いて整理したこと。二つに「予科練之碑」の人物の銅像を論じつつ、「鬼気せまる集団的想像力」という語を用いて戦友会の心理的研究の一端を提示していることだ。

>>>>>> 書評全文を読む 朝日新聞社「好書好日」サイトへ



97847885176151 97847885176152 清水 亮 著
『「予科練」戦友会の社会学  戦争の記憶のかたち』
2022/03/31
ISBN 9784788517615
A5判256頁・3520円

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2022年5月23日発行
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(ご登録いただきましたアドレスは配信以外には使用いたしません)
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〇書評
ご書評くださいました先生、掲載紙ご担当者様に心よりお礼申し上げます。
ありがとうございました。

佐藤典司・八重樫文 監修・著 後藤 智・安藤拓生 著
『デザインマネジメント論のビジョン』 が、
讀賣新聞5月1日付書評欄にてご紹介いただきました。評者は西成活裕氏。
https://shin-yo-sha.cocolog-nifty.com/blog/2022/05/post-afa053.html


栗原 彬 著『〈やさしさ〉の闘い』が、
朝日新聞 折々のことば (鷲田清一氏)にとりあげられました。

その「余計な」行為は、何と人間の密度に充ちていることでしょう。
(栗原彬『〈やさしさ〉の闘い』から)2022/05/07 

間違っても、仲よしグループとか、ふれあい仲間とか、
あるいは情報網などということばは入れてほしくない。
(栗原彬『〈やさしさ〉の闘い』から)2022/05/08


西 成彦著『声の文学』の書評が「図書新聞」2022年5月28日付に掲載されました。

評者は内藤千珠子氏。
https://shin-yo-sha.cocolog-nifty.com/blog/2022/05/post-9f3b00.html



○新曜社ウェブマガジン「クラルス」
https://clarus.shin-yo-sha.co.jp/


赤地葉子さんの連載『赤地葉子のつれづれロック』最終回です。
ぜひお読みください。

第15回 鉄球と鎖(最終回)
https://clarus.shin-yo-sha.co.jp/posts/5711



◇近刊情報
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5月下旬発売予定
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アニメ的人間 叢書セミオトポス16
――インデックスからアニメーションへ
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日本記号学会 編
A5判並製164頁・本体2500円+税
ISBN 978-4-7885-1774-5 C1010
分野=現代思想・文化・風俗

アニメとは何か。人はなぜ動いているものに感動するのか。映画とどう違うのか。

イメージの運動に感動するのは近代以降の時間意識の変化によるというが、
その謎をめぐって、ジブリアニメなどを題材に、アニメ、アニマ、アニミズムなど縦横に論じる。

*最前線で活躍するアニメーターへのインタビューも収録。


編著
日本記号学会


「叢書セミオトポス」シリーズ
https://www.shin-yo-sha.co.jp/search/s13276.html



6月下旬発売予定
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森鴎外 「翻訳」という生き方
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長島要一 著
四六判上製290頁・本体2800円+税
ISBN 978-4-7885-1776-9  C1090
分野=文学批評・翻訳論

日本文学の近代化に奮闘した鴎外。『舞姫』などの創作、晩年の史伝で知られるが、翻訳をやめることはなかった。

彼にとって翻訳とは文化の翻訳であり、生きることそのものだった。

鴎外文学において「翻訳」の果たした役割を具体的・多面的にさぐる。

*鴎外没後百年に、単行本に未収録で入手困難なものを中心にまとめる。

*なかでも鴎外訳『即興詩人』の分析は、学会の権威をものともしない大迫力。


著者
長島要一(コペンハーゲン大学DNP特任名誉教授)




6月下旬発売予定
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保育実践へのナラティヴ・アプローチ
――保育者の専門性を見いだす4つの方法
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二宮祐子 著
A5判並製148頁予定・本体2300円+税
ISBN 978-4-7885-1775-2 C1011
分野=質的研究、保育、心理学

連絡帳、クラスだより、生活画、創作劇を対象に、それぞれのナラティヴ特性をいかした方法で分析し、

相互作用に埋め込まれた保育者の専門性の内実に迫る。

ナラティヴ・アプローチの基礎から実践的意義までを保育の実践からわかりやすく論じた一冊。


編者
二宮祐子(和洋女子大学家政学部准教授。教育学博士、保育士、社会福祉士。)






6月下旬発売予定
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越境と連帯
――社会運動史研究4
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大野光明・小杉亮子・松井隆志 著
A5判並製200頁・予価2000円+税
ISBN 978-4-7885-1777-6 C1036
分野=社会運動・戦後史

苛烈な戦争や弾圧に抗議の声をあげ、国家・民族・人種の壁を越えて支援に奔走した人びとがいた。

既成の組織によらない個人がつないだベトナム反戦・南ア反アパルトヘイト運動、

日韓アジアの人権・フェミニズム運動など、越境と連帯の系譜を描く特集。

*1970~80年代の脱植民地・反グローバリズム、抵抗と反戦に飛び込み、
力を尽くした人たちの軌跡を追う。


著者
大野光明(滋賀県立大学准教授)
小杉亮子(埼玉大学准教授)
松井隆志(武蔵大学准教授)




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編集後記


『シネシネナンデダ日記』高島利行著、第三書館

著者がこのコロナ禍にあって家族の統合失調症に向き合い、noteに書きはじめた記録を書籍化したのが本書である。

統合失調症は「ごくありふれた」病気です。
https://note.com/takashimt/n/n401993ad5943

なかなか紹介しにくい書名だが、ご家族の病気との格闘が「赤裸々に」書きとめられており、読んでいてじつにしんどい。

しかし読者のしんどさは読み終えれば終わるが、著者の闘いの生活はいまもずっと続いており、noteもずっと書き続けられている。

著者のすごいところは娘さんを病者と認めながらも、娘さんの理不尽さに真剣に腹をたてて反論し、愚痴をいったりするところ。

そこに闘いのすさまじさを読むキツさを和らげるユーモラスなものを感じさせるのだ。

実際はかなり神経を使うやりとりなのだろうけども。


本書途中、著者と奥さんとは離婚し、娘さんの介護は著者がひとりでやっていくことになる。

奥さんから渡された離婚に思いいたった手紙の内容はさすがに読者には明かされない。

ここまですべてをさらして書く著者が表にしない内容、読みたいような、読みたくないような。(N

書評 西 成彦著『声の文学』、「図書新聞」2022年5月28日付

西 成彦著『声の文学』の書評が「図書新聞」2022年5月28日付に掲載されました。評者は内藤千珠子氏。ご書評くださいました先生、書評紙ご担当者様に心よりお礼申し上げます。ありがとうございました。

 





文学の言葉が思い描く夢を、実現しようとする一冊だ。冒頭部には、目次の代わりに、さまざまな書物から引用された言葉がインデックスとして並べられている。引用した言葉に寄り添い、限りなく近づき、接触する。その言葉とともに思考し、批評する文学の言葉が、暴力に横領された世界のなかに、それとは異なりうる可能性を帯びた、別の世界の姿を膨らませていく。考察の対象として取り上げられるテクストは、小説を中心としながらも、ルポルタージュや学術的言語、映像テクストにまで広がっているので、本書を読む過程で、読者は自分が今存在している場所から離れたさまざまな場所に連れていかれ、過去や未来に関心を開きながら、複数の声が響く多彩なテクストを読むことの愉楽を経験することになるだろう

 

 

 

 

 

9784788517493声の文学
出来事から人間の言葉へ

西 成彦 著
2021/12/25
ISBN 9784788517493
4-6判272頁
定価2640円

書評 佐藤典司・八重樫文 監修・著 後藤 智・安藤拓生 著『デザインマネジメント論のビジョン』 、讀賣新聞5月1日付掲載


佐藤典司・八重樫文 監修・著
後藤 智・安藤拓生 著
デザインマネジメント論のビジョン』 が、
讀賣新聞5月1日付書評欄にてご紹介いただきました。評者は西成活裕氏。評者の先生、掲載紙ご担当者さまにこころよりお礼申し上げます。ありがとうございました。



著者らは誰でもデザイナーになれると説き、本書の実践を強く勧めている。読後は自分でも何か動いて見たくなる一冊である

全文を読む>>>>>>讀賣新聞サイト
9784788517660『デザインマネジメント論のビジョン』
佐藤典司、八重樫 文 監修・著
後藤 智、安藤拓生 著
2022/03/30
ISBN 9784788517660
4-6判・264ページ
定価 2,640円(本体2,400円+税)

◎新曜社<新刊の御案内>■メール版 第220号■

2022年4月20日発行
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◎新曜社<新刊の御案内>■メール版 第220号■

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◇トピックス
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●お知らせ

弊社ではこのメールマガジン「新曜社<新刊の御案内>」を
メールマガジン配信会社から配信しておりますが、
配信会社のメール・広告が煩わしいという声を受けまして、
弊社からのメーリングリスト配信も行っております。

ご希望の方は下記フォームよりメールアドレスをご記入ください。
(ご登録いただきましたアドレスは配信以外には使用いたしません)
https://forms.gle/NC7HB16L25rCfuxm8

 

〇フェアのお知らせ
「心理学書販売研究会 おすすめの心理学書フェア」
丸善丸の内本店3階心理学コーナーにて開催中です。
会員社12社の売行き良好書を展示中です。
2022年4月13日-
http://shinpanken.blogspot.com/


〇書評
ご書評くださいました先生、掲載紙ご担当者様に心よりお礼申し上げます。
ありがとうございました。


ウィリアム・J・シャル 著 利島 保 訳『廃墟からの歌声』
中国新聞 2022年2月21日付にて紹介されました。評者は桑島美帆氏。
https://shin-yo-sha.cocolog-nifty.com/blog/2022/03/post-ca8066.html


BOOK交差点 山梨日日新聞 2022年3月6日付(共同通信配信)にて
『JJとその時代』鈴木涼美著(光文社新書・1232円)の紹介記事中、
『暴走族のエスノグラフィー』佐藤郁哉著が言及されていました。
評者は川村敦記者。
https://shin-yo-sha.cocolog-nifty.com/blog/2022/03/post-3d68f2.html


元村有希子氏「窓をあけて」2022年3月13日付にて新刊『逢える日まで』
著者・金菱清先生のこれまでの仕事(金菱清ゼミ・東北学院大学震災の記録プロジェクト)について紹介されています。
https://shin-yo-sha.cocolog-nifty.com/blog/2022/03/post-8d5a65.html


ウィリアム・J・シャル 著 利島 保 訳『廃墟からの歌声』
朝日新聞 2022年3月19日付にて紹介されました。評者は保阪正康氏。
https://shin-yo-sha.cocolog-nifty.com/blog/2022/03/post-daa212.html


山 愛美著『村上春樹、方法としての小説』の書評が
「臨床心理身体運動学研究」vol24 no.1 2022に掲載されました。
評者は廣瀬幸市氏(鹿児島大学大学院)。
https://shin-yo-sha.cocolog-nifty.com/blog/2022/04/post-8669f2.html


山口誠・須永和博・鈴木涼太郎著『観光のレッスン ツーリズム・リテラシー入門』書評が

『観光ホスピタリティ教育』第15号(日本観光ホスピタリティ教育学会、2022年1月発行)に掲載されました。
評者は鮫島卓氏(駒沢女子大学准教授)です。
https://shin-yo-sha.cocolog-nifty.com/blog/2022/04/post-930f9d.html

 

○新曜社ウェブマガジン「クラルス」
https://clarus.shin-yo-sha.co.jp/

 

 

◇近刊情報
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5月上旬発売予定
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価値を生む心理学
──人と製品・サービスを結ぶ科学
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小俣貴宣 編著/原田悦子 編集協力
四六判並製240頁・本体2400円+税
ISBN 978-4-7885-1772-1 C1011
分野=心理学/キャリア形成

グローバル化、多様化する時代、モノづくりとサービスに心理学は欠かせない方法論とスキルを提供する。

しかしそのことは、企業・大学・学生に十分認識されていない。                                             

心理学を活用した実践事例を紹介しつつ、心理学人材を活かすための具体的方策を提言。

*心理学は役に立たない? いや、役に立てられていないのだ!


編著
小俣貴宣(ソニーグループ株式会社シニアコグニティブサイエンティスト)

編集協力
原田悦子(筑波大学教授)

 

5月上旬発売予定
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集団浅慮
──政策決定と大失敗の心理学的研究
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アーヴィング・L・ジャニス 著/細江達郎 訳
四六判上製600頁・本体4300円+税
ISBN 978-4-7885-1770-7  C1011
分野=社会心理学

なぜ、聡明な人々が議論を重ねたのに重大な失敗となってしまったのか。

歴史的に重要なアメリカの政策決定の事例を取り上げて、集団にはたらく心理学的過程を明らかにし、

どうしたら避けることができるかに答えた、社会心理学の重要文献の待望の完訳。

*組織のリーダーが学ぶべき、大失敗を避けるための条件とは


著者
アーヴィング・L・ジャニス(カリフォルニア大学名誉教授、1990年没)

訳者
細江達郎(岩手大学名誉教授)

 

5月上旬発売予定
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ジェンダーの発達科学
──発達科学ハンドブック11巻
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日本発達心理学会 編/高橋惠子・大野祥子・渡邊寛 責任編集
A5判上製316頁・本体3700円+税
ISBN 978-4-7885-1773-8 C1011
分野=発達心理学・ジェンダー・フェミニズム

人は生物学的に男女に二分できないことが科学的に明らかになってきている。

性別とは何か。なぜ性別で差別や不利益が生じるのか。解決のための理論・方法とは。

生涯にわたる発達を解明する「発達科学」の視点からジェンダーをめぐる多様な課題に迫る。

 

*心理学から教育学、社会学、経済学、政治学まで、第一線の研究者が学際的・分野融合的にアプローチ。           
*ジェンダー研究、教育実践、心理的支援、社会政策に携わる人に。


編者
高橋惠子(聖心女子大学名誉教授) 
大野祥子(白百合女子大学等非常勤講師) 
渡邊寛(昭和女子大学助教)


「発達科学ハンドブック」シリーズ
https://www.shin-yo-sha.co.jp/search/s13264.html

 

5月下旬発売予定
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マスキュリニティーズ
──男性性の社会科学
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レイウィン・コンネル 著/伊藤公雄 訳
A5判上製460頁・本体7800円+税
ISBN 978-4-7885-1771-4 C3030
分野=社会学・ジェンダー

男性性は、時代や文化によって多様なだけでなく、ひとりの人間の内ですら矛盾した様相を見せる複雑な概念である。           

男らしさの複数性や相互の権力関係、男性性と社会構造との密接な関連性など、男性学の基本的視座を確立した古典的文献、待望の完訳。

*男性学の大家、レイウィン・コンネルの代表作。
*男性性を理論的・実証的に分析し、それが変容可能な概念であることを示す。
男性性とジェンダー関係、さらにはそれが埋め込まれている社会構造の変革可能性を、私たちに気づかせてくれる一冊。


著者
レイウィン・コンネル(オーストラリアの社会学者、シドニー大学名誉教授)

訳者
伊藤公雄(京都産業大学現代社会学研究科教授、ダイバーシティ推進室長)

 


_________________________

編集後記

近くの調布市立図書館には地元のスーパースター、水木しげる先生の著作を展示しているスペースがある。

ぬりかべが案内板になっているこの場所がけっこう好きなのだが、先日、設置されている展示ケースのなかに、              

つげ義春氏の雑誌記事と芸術院会員選出の新聞記事、そして有名なメメクラゲ(××クラゲ)の原稿コピーが置かれていた。

 

「つげは怠け者ですよ。いっこうに仕事をしない。それなのに、同じ作品が何度も何度も使われてお金が入ってくる。

自分は、あくせく新しい作品を描かなければやっていけないのに。けしからんですよ」(1)と言っていた水木さんが、

またけしからんと出てきそうな展示だ。

「望星」2022年3月号は旅特集だった。所収の川本三郎さんのエッセイ「つげ義春の秘湯、湯治場、隠里」は、

短いながらつげ義春にある「奥の思想」、放浪、世捨人願望を語るすぐれたつげ義春論だ。                       

温泉はひとときの世捨て人になるための儀式。現実には世を捨てたり、放浪の身になることは難しい。                  

そこで温泉であり、秘湯めぐりなのである。

 

つげ義春では「山井も井月を馬鹿者だ」とする『無能の人・日の戯れ』が好きで、水木さんのは『昭和史』がいちばん好きな作品だ。    

つげ義春はどこまでも現実のなかにユートピアをもとめて、水木先生は妖怪を描きながらどこまでも現実を描いた。

つげ作品の展示場所が図書館にできる日が来て、いつでも二人の作品が手にとれる場所となるのを心待ちにしている。            

さすがにつげさんは「名誉市民」は断ると思うけれど。  (N)

書評 山口誠・須永和博・鈴木涼太郎著『観光のレッスン——ツーリズム・リテラシー入門』@『観光ホスピタリティ教育』第15号

山口誠・須永和博・鈴木涼太郎著『観光のレッスン——ツーリズム・リテラシー入門』書評が『観光ホスピタリティ教育』第15号(日本観光ホスピタリティ教育学会、2022年1月発行)に掲載されました。
評者は鮫島卓氏(駒沢女子大学准教授)です。 ご書評くださいました先生に、心よりお礼申し上げます。ありがとうございました。



なぜ観光を学ぶのか、観光教育は誰のためにあるのか。コロナ禍でこの問いを自問する学会会員も多いのではないだろうか。コロナで不要不急の対象となった観光は、産業界のみならず観光学部・学科を擁する大学にも打撃を与えた。観光産業の業績不振は採用活動にも影響し、観光産業の人材育成機関として大学の観光教育は、出口を塞がれ、一時的にせよ機能不全に陥ったと言えるだろう。

コロナ前に観光を流行のひとつとして利用した人は一目散に観光の痕跡を消したかもしれないが、長年、実務経験や研究を続けて、観光の世界に身を置いてきた評者はそんなことはできない。コロナ禍で多くの観光産業従事者が自社の存在意義を問うたように、観光教育の現場でもその目的や意義を再考した人は少なくないだろう。そうした暗中模索の中で、本書は一筋の光を見出すものである......

 本書の特徴は、ツーリズム・リテラシーという概念を用いてリベラル・アーツとしての観光学を提起し、職業教育に偏る観光教育に一石を投じたことである。ツーリズム・リテラシーとは、多くの人びとが当たり前に経験し、透明化した観光の技能を体系化する方法のひとつとして本書では示されている。

・・・・・・
・・・・・・
最後に、実務家向けの観光教育を語る上でも本書は原石であることを指摘しておきたい。著者はよりよいオーディエンスの育成が結果として観光文化の醸成と観光産業にとっても恩恵をもたらすと述べているが、その逆もある。つまり観光を提供する人がツーリスト・リテラシーの技能を高めることは、よりよいメディエーター(観光業)のリテラシーを高めることにもなるということである。それはコミュニティ(観光地)のリテラシーとの関係においても同様であろう。・・・・・・

ツーリズム・リテラシーを実践知として体系化することは、実学を伴う観光学にとって大きな一歩である。一方で、観光産業従事者で観光学を学んだという人は極めて少ないのが実情である。その意味で、本書は観光を提供する人のための「観光学的ガイドブック」としても良書ともいえるかもしれない。

 


9784788517066 観光のレッスン
ツーリズム・リテラシー入門

著者 山口 誠 著
須永 和博 著
鈴木 涼太郎 著

出版年月日 2021/02/18
ISBN 9784788517066
4-6判・194ページ
定価 1,540円






書評 山 愛美著『村上春樹、方法としての小説――記憶の古層へ』@「臨床心理身体運動学研究」vol24 no.1 2022

書評 山 愛美著村上春樹、方法としての小説 の書評が「臨床心理身体運動学研究」vol24 no.1 2022に掲載されました。評者は廣瀬幸市氏(鹿児島大学大学院)。ご書評くださいました先生、掲載雑誌ご担当者様に心よりお礼申し上げます。ありがとうございました。

 

・・・・・・
評者からみた本書は、「村上春樹の小説の創作過程を共に体験するような読み方を提示しながら、心理療法家が“深い井戸”の中でクライエントと出会う心理療法を進んで行く心構えを指南したものである」ということになる。勿論、心理療法家であっても村上春樹ファンならば、純粋に「なぜ村上の作品が多くの人を力づけ、惹きつけ続けているのか」の謎解きを楽しんでもらって構わないと思う。しかしながら、本稿に目を通す読者は必ずしも村上春樹ファンばかりではないと思われ、仮にそうであっても、ただ今セラピストを目指している方は言うに及ばず、既に目指して精進している方にも、心理療法家になっていくプロセスで身につけていかねばならない態度あるいは在り様を、我が学会員でもあるベテラン先輩が伝えてくれているのだということを、出だし早々にも紹介しておきたいのである。
・・・・・・
 読者を頂上の方へご案内すべく、本書を紹介する話題の切り口は幾つもあるが、本稿では「身体性」「異界」「日本/西洋」から照射を当てていく。

・・・・・・

 記憶、イメージ、在/不在、開け、触れる、表現、言葉など、評者が設定した三点測量(トライアンギュレーション)では上手く“頂上”を浮かび上がらせ切れなかったテーマがまだまだある。たとえ村上春樹ファンでなくとも、これらのテーマが琴線に触れるようなら、是非ともご自身の読みでご自分の体験と照らし合わせながら本書を読み通して欲しい、と思う。ノウハウばかりを売りにしている昨今の臨床心理学専門書とは一味も二味も違う、きっと得難い時間体験を与えてくれるだろう、と請け合える。

・・・・・・
評者は幸運にも、本書にまとめ上げられる以前のレクチャーやワークショップを山先生から直接対面で受ける機会に恵まれ、個人的な会話を通しても心理療法に止まらず多くのことを学ばせていただいた。学会大会ですら対面する機会が得難い現状にあっては、本誌掲載の『君の名は。』を巡る考察〔山、2021〕に魅了された読者は言うに及ばず、村上春樹作品をあまり知らない読者の方であっても、本書を通して気後れせず直に著者に“対面して”いただくことをお勧めして、本書の書評に代えたい。

 

 

9784788516571  村上春樹、方法としての小説
 記憶の古層へ
 山 愛美 著
 2019/12/24
 ISBN 9784788516571
 4-6判・244ページ
 定価 本体2,600円+税

 

 

ウィリアム・J・シャル 著 利島 保 訳『廃墟からの歌声』@朝日新聞 2022年3月19日付

 




ウィリアム・J・シャル 著 利島 保 訳

『廃墟からの歌声』
  が朝日新聞 2022年3月19日付にて紹介されました。評者は保阪正康氏。ご書評くださいました先生、掲載紙ご担当者様、ありがとうございます。こころよりお礼申し上げます。


残酷さから人情まで日本を理解

著者は広島、長崎の被爆者の健康調査、遺伝調査に尽力した研究者。その回想録だが、研究成果のみにふれた書ではない。日本を理解する「心理的移行過程」を克明に著しており、稀有な日本人論でもある。

・・・・・・日本人の文化、伝統への理解を深めたとき、著者は、あの戦争の内実にますます不思議な感がしたであろう。そのような呟きが行間から聞こえてくる。


>>>>>全文 @朝日新聞「好書好日」サイトへ

 

 

9784788517516 廃墟からの歌声
 原爆投下後の傷害調査にたずさわった遺伝学者の回想


 ウィリアム・J・シャル 著 利島 保 訳
 2022/01/15
 ISBN 9784788517516
 4-6判・432ページ
 定価 4,730円(本体4,300円+税)

紹介 『廃墟からの歌声』@中国新聞 2022年2月21日付

ウィリアム・J・シャル 著 利島 保 訳
『廃墟からの歌声』  が中国新聞 2022年2月21日付にて紹介されました。評者は桑島美帆氏。ご掲載、ありがとうございました。

 

原爆調査の回想録 翻訳出版

・・・・・・特に、7万人以上を対象にした新生児調査の描写は生々しい。自治体から出生情報を漏れなく入手し、生後6,7日までに地元採用の医師や保健師を伴って各家庭で検診した様子や、帰り際にせっけんを贈ると喜ばれたことなどを記述。原爆投下国による被害調査の徹底ぶりが伝わってくる。

一方、日本側の行政担当者との会議の「しきたり」や、沿道で無邪気に泥水で遊ぶ子どもたちの姿など、異国で見聞きした驚きをユーモアを交えて描写する。原爆被害の調査機関に勤務する日本人職員の複雑な心情も推し量る。利島さんは「遺伝学者としての任務とは別に、文化人類学的な鋭い視点で広島を観察していた」とみる。・・・・・・

 

 

9784788517516 廃墟からの歌声
 原爆投下後の傷害調査にたずさわった遺伝学者の回想


 ウィリアム・J・シャル 著 利島 保 訳
 2022/01/15
 ISBN 9784788517516
 4-6判・432ページ
 定価 4,730円(本体4,300円+税)

◎新曜社<新刊の御案内>■メール版 第219号■

2022年3月14日発行
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◎新曜社<新刊の御案内>■メール版 第219号■

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◇トピックス
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〇フェア

「心理学書販売研究会フェア」
有隣堂書店横浜西口店さま(エキニア地下一階)、文庫・新書棚近くのフェア棚にて開催中です。
同フェア棚では専門書を多くの方々に紹介するフェアを展開中です。
心販研フェアは3月末まで。この機会にどうぞお立ち寄りください。

 

〇書評
ご書評くださいました先生、掲載紙ご担当者様に心よりお礼申し上げます。
ありがとうございました。


河北新報社編集局・金菱 清 著『逢える日まで』の書評が、河北新報2022年
02月27日付に掲載されました。評者は土方正志氏。
https://shin-yo-sha.cocolog-nifty.com/blog/2022/02/post-3f8f23.html

→同記事が神戸新聞2022年03月05日付に掲載されました。


ジョルダン・サンド著『東京ヴァナキュラー』(池田真歩訳)の書評が、
「図書新聞」2022年2月19日号に掲載されました。
評者は鈴木智之氏。
https://shin-yo-sha.cocolog-nifty.com/blog/2022/02/post-81a6cb.html


○新曜社ウェブマガジン「クラルス」
https://clarus.shin-yo-sha.co.jp/


赤地葉子さんの連載『赤地葉子のつれづれロック』更新です。
ぜひお読みください。


第10回 流れ星と人工衛星
https://clarus.shin-yo-sha.co.jp/posts/5495


第11回 性暴力被害に声を上げる女性たち
https://clarus.shin-yo-sha.co.jp/posts/5496


第12回 今夜を救え 夜明けに抗え
https://clarus.shin-yo-sha.co.jp/posts/5497


◇近刊情報
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3月下旬発売予定
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質的心理学研究 第21号 2022/No.21
――特集 質的研究法の拡張――機械,AI,インターネット
--------------------------------------------------

日本質的心理学会『質的心理学研究』編集委員会 編
B5判並製192頁・本体2600円+税
ISBN 978-4-7885-1768-4 C1011
分野=質的研究・心理学

技術の進展は人びとの生活やリアリティを変え,研究においても新たな問いや
アプローチを生むことにつながる。特集では機械,AI(ロボット),インター
ネットなどをツールとした4本の論考により,拡張する質的研究法を提示する。
一般論文は5本掲載。

「質的心理学研究」シリーズ
https://www.shin-yo-sha.co.jp/search/s13251.html

 

4月下旬発売予定
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質的研究をはじめるための30の基礎スキル
――おさえておきたい実践の手引き
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ジョン・W・クレスウェル・ジョアンナ・クレスウェル・バイアス 著
廣瀬眞理子 訳
A5判並製430頁・本体4600円+税
ISBN 978-4-7885-1769-1 C1030
分野=心理学・研究法

質的研究者のように考えることから、研究に際しての感情的側面、リサーチク
エスチョンの設定、インタビューやデータ分析のノウハウ、論文を書くプロセ
スまで、実践に役立つ30の基礎スキルを豊富な具体例とともに学ぶハンドブッ
ク。

*混合研究法の第一人者である著者が実践し、教え、執筆してきたなかで得た
ノウハウを惜しみなく伝授。


著者
ジョン・W・クレスウェル(ミシガン大学教授)
ジョアンナ・クレスウェル・バイアス
(コロラド大学コロラドスプリング校助教)

訳者
廣瀬眞理子(関西学院大学非常勤講師)

 

 

 

_________________________

編集後記

スマホのアプリでマンガをよく読むようになった。

おすすめのアプリは「マンガBANG!」で一話タダで読めるコインを1日2回4つずつもらえる。

また広告を一回見るとコインを一枚もらえる仕組みになっており、この広告も一日最大5回利用できる。

最近読んだもののおすすめは「新宿スワン」という歌舞伎町のスカウトが主役のアウトローを描いたマンガ。

紙のマンガではまず出会わないと思うし、長編で続きを読みたくなるようなアイテムが選書されているのだろう。

アプリ内広告については、おそらく私の属性に応じてターゲッティングされているのだろうが、

電子タバコ、ゲームや借金減額アプリの紹介などが多い。

次から次へと読んでいくマンガと、常習性のあるタバコ、ゲームなどは親和性が高いのかもしれない。

続きが読みたくなるとコインを購入=課金してでも読みたくなるマンガ、「借金」までは地続きのようにみえる。

 

小島庸平著『サラ金の歴史』(中公新書)

昨年の新書大賞1位、そしてサントリー学芸賞社会風俗部門を受賞した話題書。評判通りの面白い書籍だ。

戦前からの高度成長期のサラ金史、そしてサラ金の与信と回収ノウハウを大銀行・大企業が吸収していく上質の研究は極上の物語だ。

家計の内部における夫と妻のせめぎ合いと消費者金融(の盛衰)との関係をみるという

「家計・ジェンダーアプローチ」という視点はじつに実際的だ。

サラ金問題研究会の弁護士たちが被害者の会結成にむけて協力者を探すが、当の被害者本人たちに「被害者」の意識がほとんどない。

そこで弁護士が厳しい取り立ての現状を自己紹介をかねて一人ひとり話してもらうように促したところ、

警戒心が一気に薄れ、仲間意識が芽生えはじめたという。

そこから誰にも相談できず、一人で孤独と不安のなか耐えていた被害者が仲間としてひとつに結束していく。

のちの貸金業規制法の制定につながっていく、「サラ金被害者の会」結成のさいのこのエピソードは印象的だ。

まず自分の窮状の理解と相談が重要。身内に相談できない借金はさらに状況を悪化させていく。

私は本書を片手に、借金の前にまずはこづかいの値上げ交渉からはじめよう。

これこそ本書のアプローチを実際的と評した理由なのだ。(N

_________________________

 

『暴走族のエスノグラフィー』佐藤郁哉著 @山梨日日新聞 BOOK交差点 2022年3月6日付(共同通信配信)

BOOK交差点 山梨日日新聞 2022年3月6日付(共同通信配信)にて
『JJとその時代』鈴木涼美著(光文社新書・1232円)の紹介記事中、『暴走族のエスノグラフィー』佐藤郁哉著が言及されていました。
評者は川村敦記者。

 

「......鈴木は2000年前後の、極端に日焼けした「ガングロ・ゴングロギャル」にも言及した。個性的であろうとすればするほど、その集団内では没個性的になっていくさまは、佐藤郁哉の名著『暴走族のエスノグラフィー』(新曜社・2640円)の暴走族のメンバーを想起させる。暴走族が青少年の一時的な「仮面」にすぎず、あっさり脱ぎ去られるさまも、ガングロギャル同様であった。

 

 

478850197x 暴走族のエスノグラフィー

モードの叛乱と文化の呪縛

著者 佐藤 郁哉 著
出版年月日 1984/10/15
ISBN 9784788501973
4-6判330頁
2,640円(本体2,400円+税)
在庫あり

 

«語り継ぐべきこと @毎日新聞「窓をあけて」 2022年3月12日付

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