記事 古田徹也著『それは私がしたことなのか』2024年6月16日読売新聞「始まりの1冊」

2024年6月16日付 読売新聞書評欄「始まりの1冊」にて、
古田徹也先生の『それは私がしたことなのか』を、おとりあげいただきました。


……自分がすでに書いたものから引っ張ってくるのではなく、全体としてひとつの流れのある思考を一から紡ぎたいと思った。しかも、一般書なのだから、研究書や論文よりも幅広い層の人が興味をもって読んでくれるような本をつくりたかった。自分なりにベストを尽くして、髙橋さんから最初のメールが届いてからちょうど2年後の2013年8月に、私の始まりの1冊、『それは私がしたことなのか』が刊行された。

……最初の2か月間はろくに反応がなかったが、そこから大きな変化があった。英米哲学とは異なる領域の哲学者や、社会学者、言語学者、さらに、看護師や作業療法士といった多様な職業の方からも、本を読んだ感想が届くようになった。特に、ある医師の方からいただいた手紙には、刊行当初に英米哲学の専門家から向けられた批判よりも、遥かに鋭く重要な批判が書かれていて、目を開かされた。
 本を世に出し、書店に置かれるとはこういうことなのだと知った。思いもかけない人々に届き、思いもかけない角度から、自分に見えている物事の意味や可能性や限界を教えてくれる。自分はいまも、このときの感動と、2011年夏に神田神保町の喫茶店で自分の論文の束を見たときの感動のなかにいる。だから、本と論文を書く意欲はまったく落ちていない。......





9784788513440古田徹也 著
それは私がしたことなのか

四六判280頁・定価2640円
発売日 13.8.2
ISBN 978-4-7885-1344-0




 

書評 楊 駿驍・鄧 剣・松本健太郎 編『日中韓のゲーム文化論』@2024年5月17日付「週刊読書人」

楊 駿驍・鄧 剣・松本健太郎 編
『日中韓のゲーム文化論  なぜ、いま〈東アジア・ゲーム批評〉なのか』

の書評が2024年5月17日付「週刊読書人」にて掲載されました。評者は渡辺範明氏。ご書評くださいました先生、書評紙ご担当者様、ありがとうございます。こころよりお礼申し上げます。  

 

かつて、日本のゲームファンもゲーム業界人も、日本国内の動向だけを見ていれば、それがほぼイコール世界の最先端であった幸運な時代があった。1970年代末~90年代、『スペースインベーダー』から初代プレイステーションぐらいまでの時代である。ところが2000年代、ハードスペックの向上とともに欧米型の大規模スタジオワーク有利の時代が訪れ、良くも悪くも職人気質な日本のゲーム業界は大作ゲームの開発に後塵を拝しはじめた。......2024年現在、「日本はもはやゲーム先進国ではない」という事実が、業界の共通認識になって久しい。つまり「日本のことだけ知っていればいい」という時代は、とうの昔に過ぎ去っているのである。それにも関わらず、私たちは自国以外のゲーム文化について、驚くほど無知である。......

......

本書を手に取る方に、最初に一読をお勧めしたいのは第一章「日本ゲームはいかに語られてきたか」である。評論家 中川大地へのインタビューを通し、日本におけるゲーム評論史の概略がわかる。「ゲーム史」でなく「ゲーム評論史」であるところが重要で、本書自体の立ち位置をメタな視点から確認する意味も持つ章といえる。

そして次にお勧めなのが第二章「ゲームフリークはバグと戯れる」である。人類学者・中沢新一によるこの「日本一有名なゲーム評論」のテキストは、1984年初出の「日本初のゲーム評論」でもある。テキスト自体の歴史的価値もさることながら、今あらためて読んでも電子ゲームの誕生からゲーム産業の黎明期にかけての空気が克明に記述されており、日本におけるゲーム受容史の序章としても興味深い。......

......
......

しかし、ここまで読むと、この二国のゲーム史に共通した、ある大きな要素にも気づかされる。それは、中韓の歴史の通奏低音となっている日本文化への警戒心である。日本は1970年代末~90年代、多数の先進的なハード/ソフトを生み出したが、それら日本製のゲームが自国に普及することが「文化的侵略」にあたるという意識は、中韓に共通していた。日本製ゲームの普及を許せば自国民の「日本化」を招くという両政府の思惑だけでなく、大衆の視点でも反日的感情と先進的ゲームへの渇望がアンビバレントに絡み合っていたようだ。初期の中韓ゲーム史は、このようなジレンマと戦いながらの「日本文化受容史」でもあったと言えるだろう。......

......
......



9784788518360   日中韓のゲーム文化論

  なぜ、いま〈東アジア・ゲーム批評〉なのか
  楊 駿驍・鄧 剣・松本健太郎 編
  出版年月日 2024/03/05
  ISBN 9784788518360
  A5判・400頁
  定価4,950円(本体4,500円+税)

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2024年5月20日発行
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◇トピックス
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〇書評
ご書評くださいました先生、掲載紙ご担当者様に心よりお礼申し上げます。
ありがとうございました。

角田 燎 著『陸軍将校たちの戦後史』の紹介が、日本経済新聞 2024年4月20日付に掲載されました。
https://shin-yo-sha.cocolog-nifty.com/blog/2024/04/post-4eb450.html


角田 燎 著『陸軍将校たちの戦後史』の紹介が、週刊読書人 2024年5月3日付に掲載されました。評者は好井裕明先生。
https://shin-yo-sha.cocolog-nifty.com/blog/2024/05/post-b15f35.html

 

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◇近刊情報
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2024年6月上旬発売
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わたしたちは見ている
──原発事故の落とし前のつけ方を
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市民が育てる「チェルノブイリ法日本版」の会 著
柳原敏夫・小川晃弘 編
A5判並製88頁・本体636円+税
ISBN 978-4-7885-1850-6  C0036
分野=市民運動・原発事故

原発推進・反対に関係なく、国家として原発を維持する以上、事故被災者の人権を守る法律が欠かせない。それはどのような法律か。制定によって何がもたらされるか。どう実現させるか。「市民が育てる『チェルノブイリ法日本版』の会」の提言と条例案。

*緊急出版
 「チェルノブイリ法日本版」を制定し、原発事故被災者に人権を!

 

著者
市民が育てる「チェルノブイリ法日本版」の会
https://chernobyl-law-injapan.blogspot.com/


編集
柳原敏夫:法律家
小川晃弘:メルボルン大学アジアインスティチュート教授


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2024年6月上旬発売
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誰が場所をつくるのか
─ポストヒューマニズム的試論
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森 正人 著
四六判並製352頁・本体3400円+税
ISBN 978-4-7885-1848-3  C1025
分野=哲学・思想・地理学

場所を問うことは、社会を、世界を、人間を問うことである。人や人あらざるものが出会い、いかなる相生と相克の末に場所は生成するのか。人文地理学の最新の議論も踏まえ、身体から国際社会まで様々なスケールの場所を題材に我々という地層を剥ぐ。

*人文地理学において注目されてきた「場所」について、ポストヒューマニズム的な見地から論じる初の試み。


著者
森 正人:三重大学人文学部教授


森 正人先生 既刊
『文化地理学講義』好評3刷
https://www.shin-yo-sha.co.jp/book/b591006.html

『展示される大和魂』
https://www.shin-yo-sha.co.jp/book/b455488.html

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2024年6月中旬発売
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アンラーニング質的研究
─表象の危機と生成変化
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楠見友輔 著
四六判並製312頁・本体3600円+税
ISBN 978-4-7885-1847-6  C1011
分野=質的心理学・質的研究法

質的研究は幅広い分野に拡大し、豊かな実践を生み出している。その一方で、方法は知らず知らずのうちに形骸化し、必要とされる変化を閉ざしてしまう可能性がある。質的研究を「アンラーニング(学びほぐし)」し、問いを創出しつづけるための本。


著者
楠見友輔:信州大学教育学部講師

 

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編集後記

 

ゴールデンウィーク明けのある日、Twitterで「保育園の洗礼」がトレンド入りしていた。

「保育園の洗礼」とは、新たに保育園に通い始めた子どもが風邪などの感染症に頻繁にかかることをさす言葉だ。

昨年の編集後記でふれたが、8月に誕生したわが子も4月から保育園に入園した。
今のところわが家は保育園の洗礼を受けていないね…と話していたのも束の間、ある週は5日間のうち4日も早退と休みを繰り返すことになってしまい、妻と交互に会社を休んだ。
洗礼からは逃げきれなかった。

できれば会社を休みたくないのだが、共働きなことをふまえると、夫婦で相談し休める方が休んで世話をすることになる。

 

『学校と日本社会と「休むこと」 「不登校問題」から「働き方改革」まで』(保坂享/著、東京大学出版会)

 

ながらく教育現場で勤務していた著者が、学校や会社、またスポーツの現場など様々な方面から「休むこと」を考える本。

第5章 高校野球と「休み」では、史上初の「延長18回引き分け再試合」の例の紹介や、「球数制限の導入」など野球ファンも楽しめる内容となっていた。

高校野球好きとしてはここの章をもっと取り上げたいのだが、グッとこらえて他の気になった章を紹介する。

第2章 日本社会の働き方 より。
まず「半ドン」という言葉。みなさんはご存知だろうか。かつて日本の学校や企業の多くは土曜日も半日働く形だった。
半分が休日(オランダ語でゾ[ド]ンタク)なので、半ドン。
上司に聞いて言葉だけは知っていたが、本書によると1988年ごろから「1日8時間、週48時間」から、「週40時間、1日8時間」への移行がはじまり、1997年に全面移行となったそうだ。

ところが皮肉なことに、週休2日に移行したにもかかわらず、時間外労働や休日出勤が増え、結果として労働時間は増えてしまったという。
「24時間戦えますか?」をキャッチフレーズとする栄養ドリンクのCMもこの頃だ。
ここから「過労死」の話題へと本書は続いていく。

 

学校を休むこと、仕事を休むことについて改めて考えるきっかけになれば、というのが執筆動機だと著者はあとがきで語る。
冒頭の「保育園の洗礼」の対処も、夫婦お互いの職場の理解があって休めているが、実際には休めなかったり片方が定職を諦めたり、といったことも起こっているのだろう。

誰もが生活と労働を無理なく両立させていくために、「休むこと」に対する意識改革は不可欠と思われるので、広く読まれてほしい1冊だ。(H

 

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◇奥付
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次回発行は2024年6月下旬を予定しております。

 

書評 角田 燎 著『陸軍将校たちの戦後史』 週刊読書人 2024年5月3日付

角田 燎 著『陸軍将校たちの戦後史』
の紹介が、週刊読書人 2024年5月3日付に掲載されました。評者は好井裕明先生。ご書評くださいました先生、掲載紙ご担当者さま、ありがとうございます。

 

アジア・太平洋戦争をめぐり多くの戦争社会学研究成果がある。それらは戦争観・戦争の記憶研究であり軍隊体験者の戦後史研究であり戦友会の研究群だ。本書は元陸軍将校たちという軍人エリートをめぐるものであり、先行研究の欠落を埋める貴重な成果だ。

……『偕行』の言説をただ印象的に読み解くのではなく「会の中心世代/世代間相違」「会の資産/社会関係資本」「政治との関わり」「戦後社会から陸軍、陸軍将校へ向けられた視線」という四つの分析軸を設定し、そこから時代状況や文脈に感応した著者独自の論述は説得的であり思わず読みこんでしまう。本書を読んで最も印象に残ったのは「陸軍の反省」の内実であり、元陸軍将校たちのどうしようもない「エリート」性だ。……

 

9784788518391 『陸軍将校たちの戦後史』
「陸軍の反省」から「歴史修正主義」への変容
角田 燎 著
2024/03/19
9784788518391
4-6判・264頁 定価 3190円

紹介 角田 燎 著『陸軍将校たちの戦後史』日本経済新聞 2024年4月20日付

角田 燎 著『陸軍将校たちの戦後史』
の紹介が、日本経済新聞 2024年4月20日付に掲載されました。掲載紙ご担当者さま、ありがとうございます。

旧陸軍を率いたエリートである将校らは、戦後どのような戦争観を持ったのか。軍でのキャリアや世代で異なるが、時代によって社会の風当たりは変わり、戦争観も変容していく。陸軍士官学校の同期生会をもとにした親睦団体としてスタートした「偕行社」の会報に注目し、つぶさに分析した。......戦争体験者が減り、社会が移り変わるなか、戦争を語り継ぐ難しさを浮き彫りにする。



9784788518391 『陸軍将校たちの戦後史』
「陸軍の反省」から「歴史修正主義」への変容
角田 燎 著
2024/03/19
9784788518391
4-6判・264頁 定価 3190円

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2024年4月19日発行
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〇書評
ご書評くださいました先生、掲載紙ご担当者様に心よりお礼申し上げます。
ありがとうございました。


金菱清著『生ける死者の震災霊性論 災害の不条理のただなかで』の寸評が東京新聞2024年3月31日付に掲載されました。
https://shin-yo-sha.cocolog-nifty.com/blog/2024/03/post-bfb31d.html


楊駿驍・トウ 剣(トウはのぼりへんにおおざと)・松本健太郎 編『日中韓のゲーム文化論 なぜ、いま〈東アジア・ゲーム批評〉なのか』の紹介が2024年3月30日付「日本経済新聞」にて掲載されました。
https://shin-yo-sha.cocolog-nifty.com/blog/2024/04/post-a3c4ea.html


五十嵐 素子・平本 毅・森 一平・團 康晃・齊藤 和貴 編『学びをみとる』の書評が、「教育展望」2024年4月に掲載されました。
評者は寺崎千秋氏。
https://shin-yo-sha.cocolog-nifty.com/blog/2024/04/post-05b3f6.html


角田 燎 著『陸軍将校たちの戦後史』の紹介が、毎日新聞 2024年4月6日付にて掲載されました。
https://shin-yo-sha.cocolog-nifty.com/blog/2024/04/post-712bb5.html

 

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連載 『自己の科学は可能か』出版記念シンポジウムの現場から
https://clarus.shin-yo-sha.co.jp/categories/1074

 

◇近刊情報
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2024年5月上旬発売
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社会学者のための
論文投稿と査読のアクションリサーチ
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樫田美雄・栗田宣義 編著
A5判並製192頁・本体2200円+税
ISBN 978-4-7885-1846-9  C3036
分野=社会学

(表向きには)ブラックボックスとされてきた論文投稿と査読の舞台裏で、実際には何が行われているのだろうか。現場で起きていることに分け入り、「論文投稿と査読の様々な局面」に応用可能な知見を、社会学者たちへ還元する。


*社会学誌の編集委員を渡り歩いた編著者による、実地的な裏付けのなされた〈講義編〉全6章。

*関係者以外は閲覧できない、投稿者と査読者による改稿プロセスと査読コメントのやり取りも〈実践編〉として特別に公開。

*学術誌の編集委員を経験してきた5名の社会学者と、査読誌へ論文を掲載した3名の研究者によるホンネトークを収録した〈座談会編〉。


編著者
樫田美雄:摂南大学現代社会学部教授
栗田宣義:甲南大学文学部教授


弊社関連書
『新社会学研究 2023年 第8号』
https://www.shin-yo-sha.co.jp/book/b633655.html


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2024年5月中旬発売
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質的研究のためのフォーカスグループ
─SAGE 質的研究キット 4
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ロザリン・バーバー著
大橋靖史 監訳
A5判並製240頁・本体2800円+税
ISBN 978-4-7885-1847-6  C1011
分野=質的心理学・質的研究法

マーケティングにおける手法として紹介されることが多かったフォーカスグループを、質的研究におけるデータ収集方法の柱の一つとして位置づけ、他の質的手法といかに組み合わせるか、フォーカスグループの強みをどう活用するかを理論と実践から解説。


*SAGE 質的研究キット全巻完結!


著者、監訳者
ロザリン・バーバー:イギリス・オープンユニバーシティ名誉教授。
大橋靖史:淑徳大学総合福祉学部教授


SAGE質的研究キット シリーズ 全8巻
https://www.shin-yo-sha.co.jp/search/s13272.html

 

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編集後記

 

以前の編集後記で触れた、京成八幡駅前の山本書店さんが4月5日で閉店した。

「1000円以上購入で20%引き」でたくさん購入していたら、最終週は「1000円以上購入で半額」になり、またさらに購入。
最終週は5回も訪問してしまった。

いつ行ってもお客様で混雑しており、地元に愛されている古本屋さんだったとあらためて感じた。閉店が惜しい。


最後ということで大量に購入してしまったのだが、その中から数冊紹介したい。

『紀州路の歴史ロマンを歩く』(寒川萬七/著、創樹社美術出版)
値段なんと10,000円。
半額で買えるこの機会を逃したくないと、なんとか妻を説得。
いままで購入した古本の中でもっとも高い買い物となったが、帰省の際に祖父母と読むのが楽しみだ。


『岩波文庫解説総目録 1927~1996』全3冊(岩波文庫編集部/編)
どこを探しても値段の書いてある場所がわからず、緊張しながらレジに持っていったらセットで500円だった。安い。


『認知心理学事典』(新曜社)
自社本を購入。
半年前に初めて足を運んだときからずっと棚にあった。
閉店後の4/6(土)、なんと店内を整理しながらお店を開けているという情報がSNSから入ってきた。
慌ててお店に行ったら、この本が棚にポツンと残っていたので思わず買ってしまった。1998年発行、在庫僅少本です。


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閉店つながり?ではないが、弊社も神保町の倉庫の契約終了に伴って出庫が基本的に埼玉の倉庫からとなった。

現在、神保町の倉庫にある10,000冊の本をひたすら箱詰めし、埼玉の倉庫に送る作業に追われている。
棚卸しを兼ねて1点1点数えながらの箱詰め。
書店勤務の頃の返品作業を思い出した。

入社して少しの期間だったが、自らで出荷を行う経験は
自社商品に触れる機会が多くあり、貴重な体験だった。
実際に出庫することで売れていることを肌で感じることができた。
書評が載ったときや、賞を受賞した際などわかりやすく注文が増える時がうれしかった。

いただいた注文を、間違わずに出荷すること。簡単に思えるがこれを毎日継続することが非常に難しいことがよくわかった。
倉庫の出荷担当の方々、いつもありがとうございます。


次回はNさんに「山本ビルの思い出」を書いてもらおう(H


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◇奥付
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紹介 角田 燎 著『陸軍将校たちの戦後史』毎日新聞 2024年4月6日付け

 

角田 燎 著『陸軍将校たちの戦後史』
の紹介が、毎日新聞 2024年4月6日付けに掲載されました。掲載紙ご担当者さま、ありがとうございます。

元陸軍将校たちが戦後に作った親睦団体「偕行社(かいこうしゃ)」の会誌を分析し、彼らの戦後史を浮き彫りにした。
この偕行社は、1952年、元軍上層部から敗戦時の陸軍士官学校生徒まで、親子以上の年齢差がある集団として始まる。……
 
 同じ元将校で、世代やキャリアの差、時々の風潮との関係で、何をどう考え、発言してきたかは大きく違う。その変遷は、戦後という時代を映し出す鏡だったとわかる。(生)

9784788518391 『陸軍将校たちの戦後史』
「陸軍の反省」から「歴史修正主義」への変容
角田 燎 著
2024/03/19
9784788518391
4-6判・264頁 定価 3190円

書評 五十嵐 素子・平本 毅・森 一平・團 康晃・齊藤 和貴 編『学びをみとる』@「教育展望」2024年4月

五十嵐 素子・平本 毅・森 一平・團 康晃・齊藤 和貴 編
『学びをみとる』の書評が、「教育展望」2024年4月に掲載されました。評者は寺崎千秋氏。ご書評くださいました先生、掲載誌ご担当者さま、ありがとうございました。こころよりお礼申し上げます。

 

「資質・能力の三つの柱」等の資質・能力を身につけるための「主体的・対話的で深い学び」が実現されているだろうか。この主体的に学ぶ子どもの学びを教師はどう見とればよいかが大きな課題となっている。「学びをみとる」と題した本書は、「教師の手だてをみとる」「生徒の授業経験をみとる」ことを目指し、この課題について正面から具体的に取り組んだ方法や成果を紹介しており、読者に光明を与えるものとなるだろう。……

 読み終えて、教師の手だての見方・考え方、子どもの学びの見取り方が一皮むけたように感じた。著者の研究・実践に感謝したい
 

9784788518230 五十嵐 素子・平本 毅・森 一平・團 康晃・齊藤 和貴 編
学びをみとる
エスノメソドロジー・会話分析による授業の分析
出版年月日 2023/11/07
ISBN 9784788518230
A5判・308ページ 定価 3,410円

楊 駿驍・鄧 剣・松本健太郎 編『日中韓のゲーム文化論』@2024年3月30日付「日本経済新聞」

楊 駿驍・鄧 剣・松本健太郎 編
『日中韓のゲーム文化論  なぜ、いま〈東アジア・ゲーム批評〉なのか』

の紹介が2024年3月30日付「日本経済新聞」にて掲載されました。ご担当者様、ありがとうございます。  

「……人類学者・中沢新一が1984年に書いたエッセーは、「ゼビウス」を例に予期せぬバグを楽しむプレーヤーを紹介。その後ゲームが物語性を帯びていく中、批評家・東浩紀が2004年に著した文章は美少女ゲームに着目する。また東がプレーヤーにとっての現実を「ゲーム的リアリズム」と概念化し、国内外の研究者に影響を与えたこともほかの論文から分かる。

 韓国や中国のゲーム社会史を振り返る論考では、勃興期、流入する日本製ゲームに対して侵略の歴史を背景にした不安感があったことも記されている。メディア論や記号論のほか、哲学や社会学からの考察が行われており、ゲーム批評の論点を網羅できる……」


9784788518360   日中韓のゲーム文化論

  なぜ、いま〈東アジア・ゲーム批評〉なのか
  楊 駿驍・鄧 剣・松本健太郎 編
  出版年月日 2024/03/05
  ISBN 9784788518360
  A5判・400頁
  定価4,950円(本体4,500円+税)

寸評 金菱清著『生ける死者の震災霊性論 災害の不条理のただなかで』@東京新聞 2024年3月31日付掲載

金菱清著『生ける死者の震災霊性論 災害の不条理のただなかで』の寸評が 東京新聞2024年3月31日付に掲載されました。ご担当者様、ありがとうございました。こころよりお礼申し上げます。

「東日本大震災に仙台市で遭遇した社会学者が、被災者の立場に深く共感して聞き取り調査した報告書。「死者」と向き合った状況を「呼び覚まされる霊性」と名づけ、亡くなった近親者が出てくる夢もタブー視せずに集めた。「幽霊」に仮託された死者との関係に思いを馳せることで、残酷な現実に封じ込められた心の奥底を見つめる」

9784788518421  生ける死者の震災霊性論

 災害の不条理のただなかで

 出版年月日 2024/03/11
 ISBN 9784788518421
 4-6判208頁・定価2530円(本体2,300円+税)

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2024年3月19日発行
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〇書評
ご書評くださいました先生、掲載紙ご担当者様に心よりお礼申し上げます。
ありがとうございました。

金菱清著『生ける死者の震災霊性論』が2024年3月7日付の読売新聞で紹介されました。記事執筆は小杉千尋氏です。
https://www.shin-yo-sha.co.jp/news/n56465.html



○新曜社ウェブマガジン「クラルス」

連載 『自己の科学は可能か』出版記念シンポジウムの現場から
第5回 僕らの主客間戦争(浅井智久)
https://clarus.shin-yo-sha.co.jp/posts/7906



◇近刊情報
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2024年4月上旬発売
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教師に正しい評価を
─有効性と改善のためにほんとうに必要なこと
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リンダ・ダーリング‐ハモンド 著
無藤隆 監訳/松井愛奈・野澤祥子 訳
四六判並製288頁・本体3200円+税
ISBN 978-4-7885-1843-8  C1037
分野=教育

エビデンスを重視する風潮の中、教師のパフォーマンスを数値化して評価する提案がなされている。しかしそれは有効ではない。調査の証拠と実例に基づいて、首尾一貫した効果的な教師評価のモデルを提示し、そこに含まれるべき要素と基準を具体的に示す。


*教育改革に関与するすべての政策立案者、管理者、教師のための、具体的な提言


著者、訳者
リンダ・ダーリング‐ハモンド:スタンフォード大学教育学部教授
無藤隆:白梅学園大学名誉教授
松井愛奈:甲南女子大学人間科学部教授
野澤祥子:東京大学大学院教育学研究科准教授


リンダ・ダーリング‐ハモンド先生 既刊
『よい教師をすべての教室へ』
https://www.shin-yo-sha.co.jp/book/b455824.html



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2024年4月下旬発売
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ハロルド・ガーフィンケル
─エスノメソドロジーの誕生と社会学のあゆみ
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ダーク・フォン・レーン 著
荒野侑甫・秋谷直矩 ・河村裕樹・松永伸太朗 訳
四六判並製300頁・本体3900円+税
ISBN 978-4-7885-1844-5  C1036
分野=社会学

いかにしてガーフィンケルはエスノメソドロジーを創造したのか。伝統的社会学との差異、周辺の質的研究や理論との関係、近年の応用的研究までをクリアにガイド。エスノメソドロジーから社会学を、社会学からエスノメソドロジーを理解するための超入門。


*最初期から晩期までのガーフィンケルの思想が通時的に理解できる、初の入門書


著者、訳者
ダーク・フォン・レーン:キングス・カレッジ・ロンドン教授
秋谷直矩:山口大学国際総合科学部准教授
荒野侑甫:埼玉大学教養学部学術研究員
河村裕樹:一橋大学大学院社会学研究科科研費フェロー
松永伸太朗:長野大学企業情報学部准教授



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編集後記


『読書アンケート 2023 識者が選んだ、この一年の本』(みすず書房 編)


雑誌『みすず』の休刊にともない、新年号恒例の特集として掲載されていた読者アンケートを書籍として刊行した一冊。
新刊・既刊を問わず、2023年に読んだ本のなかから、印象深かったものを識者の方々に挙げてもらう人気企画だ。

発売後すぐに東大生協駒場店に営業に行く機会があったので、予約して購入した。
まず仕事として、自社の本が掲載されているかを探すのだが、今年はなかった。

索引などがあればすぐに見つけることが出来るのに、と思うこともあるが、載っているかどうかわからない状態で本を楽しめるのは貴重な時間だなと思う。
探すためにすべての書名に目を通すので、気になる本が増えてしまうのが悩みだ。

水島治郎先生が取り上げていた本が気になった。


『歴史のダイヤグラム〈2号車〉 鉄路に刻まれた、この国のドラマ』(原武史/著、朝日新書)


読書アンケートで千葉県民の私としては~と紹介されており、同じ千葉県民としてこれは気になると思い購入。
朝日新聞の人気連載「be」をまとめたもので、本書は二作目だ。

章ごとにテーマがある。
「天皇の祈りの旅」「都会を離れて」「文豪の夜行列車」「事件は鉄路で」「夢の駅弁」

どの章のどの話も興味深くおもしろいのだが、第二章「都会を離れて」の「半島としての千葉県」が特によかった。先生が読書アンケートでふれていた章だ。

大正末期まで荒川の本流に相当した隅田川は、東京東部の鉄道にとっての障壁となっていた。
東武鉄道も京成電鉄も長らく隅田川を越えられなかったという。

現在、東京から千葉方面に行くとなると総武快速線が思い浮かぶが、この線路である錦糸町ー東京間が地下でつながったのが1972年というから驚いた。

いまでも東京駅から千葉方面に向かうには、地下5階まで降りたり地上ホームから500メートル以上も歩いたりしないといけない、と書かれていて思わず笑ってしまった。日常的に使っているもののいざ文字で読むと大変だなと改めて痛感した。
この「半島」状態が改善するといいのだが。

ちなみに、弊社の最寄駅 神保町からだと都営新宿線で馬喰横山まで出て、馬喰町から総武線快速に乗れる。いちばん後ろの車両に乗れば歩く距離も短くて済むのでおすすめしたい。

神奈川住みの某編集者によると、神保町ー大手町ー東京 よりも、神保町ー馬喰横山(馬喰町)のほうが東京駅で人が降りるから座って帰れる、と言っていた。
神奈川方面の方、ご検討ください。(H


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◇奥付
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◇トピックス
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〇書評
ご書評くださいました先生、掲載紙ご担当者様に心よりお礼申し上げます。
ありがとうございました。

粟谷佳司著『表現の文化研究』の書評が「図書新聞」2024年2月24日付にて掲載されました。評者は長崎励朗先生。(崎は立つ崎)
https://shin-yo-sha.cocolog-nifty.com/blog/2024/02/post-cacdca.html

 

○新曜社ウェブマガジン「クラルス」

連載 『自己の科学は可能か』出版記念シンポジウムの現場から
第2回 自己という檻の中(弘光健太郎)
https://clarus.shin-yo-sha.co.jp/posts/7818

第3回 自己であることと科学すること(田中彰吾)
https://clarus.shin-yo-sha.co.jp/posts/7828

第4回 実感としての自己感の科学へ向けて(金山範明)
https://clarus.shin-yo-sha.co.jp/posts/7873

 

◇近刊情報
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2024年3月上旬発売
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生ける死者の震災霊性論
─災害の不条理のただなかで
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金菱清 著
四六判並製216頁・本体2300円+税
ISBN 978-4-7885-1842-1  C1036
分野=東日本大震災・災害

なぜ震災の被災者が自らを罪深いと思うのか、亡き人を思い、なぜ深い後悔に涙するのか。言葉にできない沈黙の中で、幽霊や夢に仮託しているのは何か。
人知れず孤立し、苦しみ続ける被災者への綿密なフィールドワークを通じ、実存から立ち上げる霊性論。


*聞き取り調査を究めた著者が明かす「インタビューの敗北宣言」。

*「語り」から「書く」へ。質的調査法の転換をフィールドワークの現場から明らかにする。

*大切な人をある日突然奪われる災害。誰もが直面しうる残酷な現実と、そこから立ち上る霊性とは何か、鋭く映し出す。

著者
金菱清:関西学院大学社会学部教授・放送大学客員教授

金菱清先生 既刊
『災害の記憶を解きほぐす』
https://www.shin-yo-sha.co.jp/book/b624308.html

『逢える日まで』
https://www.shin-yo-sha.co.jp/book/b598885.html

『呼び覚まされる 霊性の震災学』
https://www.shin-yo-sha.co.jp/book/b455547.html

 

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2024年3月中旬発売
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陸軍将校たちの戦後史
─「陸軍の反省」から「歴史修正主義」への変容
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角田 燎 著
四六判上製264頁・本体2900円+税
ISBN 978-4-7885-1839-1  C3036
分野=社会学・現代史

戦後、親睦互助を目的として戦友会を結成した旧陸軍のエリートたちは、戦争を指揮したことに自責の念を抱いていた。その彼らがなぜ「歴史修正主義」に接近し、政治団体として会を先鋭化させていったのか。陸軍将校たちの戦後史と戦争観の変容に迫る。


*これまでの軍隊経験者の戦後史研究はおもに、末端の兵士や下士官(準エ リート)を扱ってきた。本書は、旧陸軍の上級者であった者たちに焦点を絞り、彼らの戦後史と戦争認識を明らかにしている。

*戦友会を対象とした従来の研究群においても、戦友会の非政治性や、戦後世代へ会を継承することの困難さが指摘されてきた。一九九〇年代に会の政治化を遂げ、元自衛隊幹部へ門戸を開いた本書の事例は、戦友会研究の蓄積にも一石を投じるものである。


著者
角田 燎:立命館大学立命館アジア・日本研究所専門研究員

 

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2024年3月下旬発売
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インプロ教育の探究
─学校教育とインプロの二項対立を超えて
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高尾隆・園部友里恵 編著
四六判並製346頁・本体3200円+税
ISBN 978-4-7885-1841-4  C1037
分野=教育

インプロは、もともと学校教育と対立するかたちで生まれたが、「アクティブ・ラーニング」の重要性が言われるなか、学習方法の一つとして広まりつつある。インプロの研究者・実践者たちによる、今日のインプロ教育の多様な実践の報告と理論的な分析。


*インプロの考え方を教育現場で活かすための本


著者
高尾隆:東京工業大学リベラルアーツ研究教育院教授
園部友里恵:三重大学大学院教育学研究科准教授


園部友里恵先生 既刊
『インプロがひらく〈老い〉の創造性』
https://www.shin-yo-sha.co.jp/book/b559518.html


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2024年3月下旬発売
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質的心理学研究 第23号
─特集 産・学・官連携による/についての質的研究
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日本質的心理学会『質的心理学研究』編集委員会 編
B5判並製284頁・本体3200円+税
ISBN 978-4-7885-1838-4  C1011
分野=質的心理学

「知」の社会への還元、イノベーション創出を目的に推進されてきた産官学連携。異質な組織による協働、民間も含めた多様な人びとの参画はなにをもたらしたのか。特集ではこの営みを心理学的視点で分析した4本の論考でみていく。一般論文は11本収載。


質的心理学研究
https://www.shin-yo-sha.co.jp/search/s13251.html

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編集後記


京成八幡駅前に「山本書店」という古本屋さんがある。

店内は文庫新書から専門書までバランスのよい品揃えで、私のような古本屋さん初心者でも楽しめるつくりになっている。
将棋の本も充実していて、個人的にはうれしいポイントだ。


先日伺った際に購入した3冊。

『啓文社 七十年をふりかえって』
広島の書店、啓文社さんの歴史。いまや岡山本店やポートプラザ店など、岡山や福山といえば啓文社さんの名前があがるが、尾道で創業し福山に進出する際や倉敷店の岡山初出店の際の苦労が語られていて、あっという間に読んでしまった。

『出版大崩壊』(小林一博/著、イースト・プレス)
イースト・プレスといえば神保町の出版社だが、挟まれていた読者カードで2001年頃は西日暮里にあったことを知る。

『紀伊國屋文左衛門の生涯』(山木育/著、マネジメント社)
紀州(和歌山県)から出て,みかんを江戸に海上輸送して大きな利益を得たといわれる紀伊國屋文左衛門。
和歌山のみかん農家出身の私のために置いてあったのかというような本で、思わず購入。

どれも、古本屋さんならではの出会いだった。

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『絶滅危惧個人商店』(井上理津子/著、ちくま文庫)


駄菓子屋さん、魚屋さん、古本屋さんなど、素晴らしき個人商店の数々。
路地裏、駅前、商店街で見つけた魅力あふれる19軒を紹介する本。

本書の取材時期は2018年の秋から2020年の春まで。この本は単行本の文庫化だが、ちょうどコロナ禍の2020年12月に単行本が刊行されている。単行本のあとがきには「コロナ禍にもめげず、登場する全店が頑張っている」とある。名店揃いである。

登場するお店の中で、江東区南砂町の古本「たなべ書店」田辺さんがおもしろい。

用があるときは常連さんに店番を頼んで、三十三年間無休営業。
35坪の店内に少なく見積もっても10万冊の本。
著者の井上理津子さんは以前夕刊紙の連載で都内の古本屋さんを二百軒まわり、その中で印象が強かったお店というだけあって、店主も店内も強烈だ。

「映画のパンフレット、百円から二十五万円まで、ね」
「この仕事、毎日えんまさんになって、売れない本に引導を渡さなきゃならない」

涼しい顔をして言う店主の田辺さん。
たなべ書店は1986年に開業。元旺文社の営業マン。
開業のきっかけは岡山の古本屋さん「万歩書店」に足繁く通い、社長から「そんなに大量に買うなら、あなたも古本屋をやったら」と言われたのがきっかけ。

繁盛したきっかけとして「チリ交さん」(チリ紙交換業者)をあげる。
チリ紙交換のトラックを追いかけ、漫画や雑本を買い取る。そのうち「古紙再生業者よりも高く買ってくれる古本屋がいる」と業者から業者へと伝わり、取引業者が増える。

廃品回収に自治体が学校や町内会に報奨金を出すようになったなどの理由でチリ交さんが減ると、今度は「古本出張買取中。即、お宅までうかがいます」のチラシを近所に配りまくる。
こうした猪突猛進仕入れで在庫を増やし、90年代からの新古書店チェーンの台頭をものともせずに受け入れられていく。

昔に比べたらお客さんの数は「今じゃ静かなもんですよ」と店主はいうが、著者いわく都内の古本屋の中で客数は「トップ5」に入るというのだから恐れいる。

上京後はじめて住んだ街が江東区だったのに、まだ足を運べていない。
あと30年はお店を続けたいと言う田辺さん。近々行きたいと思う。

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はじめに紹介した山本書店さんも、40年以上続いてきたお店であるが、今年の3月頃に閉店となるようだ。
好きな店には行けるうちに行かねばならない。
我が子の散歩を口実に、妻に内緒で古本屋に向かうのであった。(H


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◇奥付
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書評 粟谷佳司著『表現の文化研究』@「図書新聞」2024年2月24日付

粟谷佳司著『表現の文化研究』の書評が「図書新聞」2024年2月24日付にて掲載されました。評者は長﨑励朗先生。ご書評くださいました先生、掲載紙ご担当者様にこころよりお礼申し上げます。ありがとうございました。




・・・・・・

(さらに)本書は当時のフォークソング運動を取り囲む社会状況を市民運動などとのネットワークとして把握することを試みる。たしかに、鶴見や片桐をイデオローグとするフォークソング運動が市民運動と結びついていったのは半ば必然であった。鶴見が創設にかかわった「ベトナムに平和を!市民連合(通称べ平連)」に代表されるように、彼が目指したのはマスとしての大衆を個人として能動的に意見を発する市民の集団へと組織することだったからだ。フォークソング運動をこうした文脈の中においてみると、「フォークは大衆のもの」というような表現の意味も違って見えてくる。ここで念頭に置かれている大衆は明らかにマスとは異なる。個性を捨象された均質な塊というよりは顔を持った一人一人の人間というニュアンスを帯びているのだ。これは1960年代以降の日本文化史を貫くいわば「下向きの圧力」に正統性を与える大衆観である。大衆に寄り添うことを肯定的に捉えるムードを形作った要素の一端を垣間見ることのできる視点であると言えよう。

こうしてみると、本書のタイトルが『表現の文化研究』であることも理解できる。本書は鶴見らによる、大衆のマスからの分離というプロジェクトを引き継ぎ、表現の受け手としての大衆を、表現する主体として読みかえようとする試みなのだ
・・・・・・


9784788517608  表現の文化研究
 鶴見俊輔・フォークソング運動・大阪万博

 著者 粟谷 佳司 著
 出版年月日 2023/09/15
 ISBN 9784788517608
 4-6判・248ページ
 定価 3,410円(本体3,100円+税)
 在庫 在庫あり

 

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2024年1月24日発行
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◇トピックス
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〇受賞
弊社刊行の烏谷昌幸 著『シンボル化の政治学』が第41回 政治研究櫻田會奨励賞を受賞しました。
烏谷先生、ご受賞おめでとうございます。
https://www.shin-yo-sha.co.jp/news/n55419.html

 

〇フェア
「新曜社ブックフェア」
京都大学生協ショップルネ店さまにて、2023年11月27日より開催中です。
お近くの方はぜひお立ち寄りください。
期間は1月31日までの予定でしたが、延長いたします。
2月16日(金)まで開催予定です。

 

○新曜社ウェブマガジン「クラルス」

連載 『自己の科学は可能か』出版記念シンポジウムの現場から
第1回 出版記念シンポジウムを振り返る(田中・今泉・金山・弘光・浅井)
https://clarus.shin-yo-sha.co.jp/posts/7799

 


◇近刊情報
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2024年2月下旬発売
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日中韓のゲーム文化論
─なぜ、いま〈東アジア・ゲーム批評〉なのか
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楊駿驍・トウ 剣・松本健太郎 編
A5判並製392頁・本体4500円+税
ISBN 978-4-7885-1836-0  C1036
分野=現代思想・ゲーム文化論

いまや世界中が「ゲーム化」している。しかしその思想的意味はどこにあるのか。欧米を追い越し先頭にたった日本、それに迫ろうとしている中国・韓国のゲーム文化。三国の優れた批評のなかに独自性を探りつつ、東アジアのゲーム文化を展望する論集。


*中沢新一、大澤真幸、吉見俊哉、東浩紀など諸氏の「伝説的」名論文を収録。

*同時に、ゲームの最先端を論じた斬新な論文も収録する。


編者
楊駿驍:早稲田大学講師
トウ 剣(トウはのぼりへんにおおざと):蘇州大学准教授
松本健太郎:二松学舍大学教授

 

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2024年2月下旬発売
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発達科学ハンドブック12巻
高齢期の発達科学

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日本発達心理学会 編
佐藤眞一・藺牟田洋美・田島信元 責任編集
A5判上製336頁・予価4400円+税
ISBN 978-4-7885-1837-7  C1011
分野=発達心理学・老年学

超高齢社会を迎えた今、数十年にわたる高齢期をどう生きるかが重要かつ喫緊の課題となり、生涯発達心理学の視点から科学的探究が進められている。長く生きることが喜びになる未来をどうつくっていくのか? 最前線の多様な研究とその成果を展望する。


*急速な高齢化が社会と高齢者自身にもたらす影響とは?
*生物学的成長と老化、および精神的加齢変化を統合的にとらえる視点からのアプローチ。


著者
佐藤眞一:大阪大学名誉教授
藺牟田洋美:東京都立大学准教授
田島信元:白百合女子大学・東京外国語大学名誉教授


発達科学ハンドブックシリーズ
https://www.shin-yo-sha.co.jp/search/s13264.html


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編集後記


2024年最初の新刊案内となります。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。

さて今回のお題は、まもなく休業となる神田駿河台の「山の上ホテル」。
休業が決まってから、ホテル内のコーヒーパーラーは連日整理券が配布されるほどの盛況ぶりのようだ(整理券を取るために朝9時から並んだ、という話を妻から聞いた)。


『山の上ホテル物語』(常盤新平/著、白水社)


神保町のすぐそばで75年の歴史を刻んだ山の上ホテル。
創業者 吉田俊男の、そしてそこに勤めた方たちの話である。
社長自ら書いた広告文、上野駅で客引きをしたエピソード、食へのこだわり……

戦後、ひとつの事業を成した人の仕事への情熱は、到底私の仕事などでは及ぶことの出来ない「苛烈さ」を持っているのだ、と感じた。

特に心に残った部分を引用したい。
P63「マニュアルは大嫌い」より。
吉田社長はこう言ったそうだ。
「マニュアルがあれば、誰でもちゃんとやれるけど、それだけではけっしていいとはいえないんだ」
マニュアルは基礎的にははじまりであり、一番いい方法はべつにある。「本当に心底、心から仕事をしなきゃだめだ」と。
ついついマニュアルを求め、正解探しをしてしまう自分にささる一言だった。


最後に、私と「山の上ホテル」の話を。
妻と付き合い始めた頃、義母と初めて会ったのが例のコーヒーパーラーだった。
交際相手として相応しいか一挙手一投足厳しい視線を送られ、どぎまぎしながらケーキを食べた、甘く苦い思い出だ。

このホテルが復活し、我が子が交際相手を紹介してきたら……
今度は私が連れて行こう。
そんな日がいつか来るのを待っている。(H


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◇奥付
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〇書評
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ありがとうございました。


関西学院大学震災の記録プロジェクト/金菱 清(ゼミナール)編『災害の記憶を解きほぐす――阪神・淡路大震災28年の問い』書評が「小説新潮」(24年1月号)に掲載されました。評者は東えりか氏(書評家)です。
https://www.shin-yo-sha.co.jp/news/n55316.html



〇フェア
「心理学書販売研究会 ロングセラーフェア@丸善丸の内本店」

11月2日より丸善丸の内本店さま3階、心理学書棚にて
「心理学書販売研究会 ロングセラーフェア」を開催いたします。
半世紀、四半世紀を越えてまだ読み継がれる書、そしてこれからの定番書を厳選して展示しております。お近くにお立ち寄りの際は、ぜひご覧ください。
https://shinpanken.blogspot.com/2023/11/blog-post.html


「新曜社ブックフェア」
京都大学生協ショップルネ店さまにて、11月27日より開催中です。
お近くの方はぜひお立ち寄りください。1月31日まで展開予定です。



○新曜社ウェブマガジン「クラルス」

『新社会学研究 第9号』論文公募のお知らせ(12月31日締切)

『新社会学研究』(第9号、新曜社から2024年秋に刊行予定)では、自由論題での論文掲載に向けたエントリーシートの募集をしています。
どなたさまも奮ってご応募ください。
https://clarus.shin-yo-sha.co.jp/posts/7581



◇近刊情報
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2024年1月下旬発売
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エスニック空間の社会学
―新大久保の成立・展開に見る地域社会の再編
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申惠媛 著
A5判上製352頁・予価4400円+税
ISBN 978-4-7885-1832-2  C3036
分野=社会学

エスニックな観光地「新大久保」の出現は、居住空間としての大久保地域をいかに変容させたのか。定住を要件とする従来の多文化共生論や地域社会像を批判し、住民だけでない多様な人々の共在から成るプロセスとしての、新たな地域社会概念を提起する。


*日韓両言語のネイティブだからこそできた、韓国出身者へのインタビュー調査も多数掲載されており、資料的価値にも富む。

*多文化共生の現場として知られる大久保地域と「新大久保」について、観光地化以降の状況を総体的に把握するための研究成果となっている。


著者
申惠媛:宇都宮大学国際学部助教



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よりみちパン!セ シリーズ
増補・改訂版 3点同時発売予定
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2024年1月下旬発売予定
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増補新版 死ぬのは、こわい?

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徳永進 著
四六判並製136頁・本体1600円+税
ISBN 978-4-7885-1833-9  C0095
分野=社会学、福祉

中学生の夢二は死の案内人=ホスピスの先生と一緒に病室をひとつずつ回る。一人ぼっちの人、家族といっしょにいる人。いろんな生、いろんな死。成人した夢二を追った後日譚を付す。あとがきにかえて=谷川俊太郎(詩)




*あとがきにかえて=谷川俊太郎(詩)

著者
徳永進:野の花診療所 所長



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増補新版 生きのびるための犯罪(みち)

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上岡陽江+ダルク女性ハウス 著
四六判並製224頁・本体1900円+税
ISBN 978-4-7885-1834-6  C0095
分野=社会学、福祉、精神保健

「回復」とは、薬やお酒への依存が止まることではなく、地域の中で、孤立せずに安心して暮らしていけること。哲学、障害学、社会学ほか各方面に大きな影響を与え続ける彼女たちの実践。長く入手困難だった1冊に貴重で最新の増補を付す。


*帯・推薦文=國分功一郎


著者
上岡陽江:ダルク女性ハウス代表・精神保健福祉士



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増補新版 だれか、ふつうを教えてくれ!

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倉本智明 著
四六判並製176頁・本体1900円+税
ISBN 978-4-7885-1835-3 C0095
分野=障害学、社会学、福祉

「共生」「多様性」「尊重」、そんなふわふわした言葉が隠してしまうこと―「ふつう/障害」について、なかなか聞けなかったこと、本当はよくわからないことを全盲の社会学者と真正面から考える。


著者
倉本智明:関西大学非常勤講師



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編集後記


 今年最後の編集後記は例年にならい、先日発表された紀伊國屋じんぶん大賞について書く。

 『謝罪論』(古田徹也/著、柏書房)はすでに取り上げてるし、『消費者の誕生』(林 凌/著、以文社)は書評でみて気になったまままだ買ってなかった。2位の『タイミングの社会学』(石岡丈昇/著、青土社)、10位の『超人ナイチンゲール』(栗原康/著、医学書院)は買ったが未読。


というわけで 『超人ナイチンゲール』(栗原康/著、医学書院)を手にとってみた。


 鬼才文人アナキストである著者が書く、かつてないナイチンゲールの評伝。一読、ナイチンゲールを現代日本によみがえらせる名講談の誕生と評したい。これは先日、千葉県は志津のときわ書房志津ステーションビル店で店長さんに勧めてもらった1冊で、志津で推されている本はつい買ってしまう。そしてもれなく面白い。


 上流階級の身でありながら戦場での傷病兵士の看護の仕事に就くだけでも変わっているが、その現場でも彼女は普通ではない。第四章のクリミア戦争でのナイチンゲールの闘いぶりは印象深い。


 病院食になる物資はあるのだが、支給されずに死んでいく兵士たち。死んだら物資がムダにならず良かったという官僚主義の地獄。この状況を異なる部局の管轄争いによる機能不全とみて、それをあらゆる手段で打破していくナイチンゲールを、ケアの現場におけるアナーキストとして著者は描く。


 なんと言われようがケアするためにとにかく行動。目の前の人を助けるために何をするか。ケアの原点を見た気がした。タイトルの「超人」はニーチェのことばを借りているという。お前はそこで何をするんだとナイチンゲールにアジテイトされ、ぶっとばされる読書体験をぜひ(H



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◇奥付
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〇書評
ご書評くださいました先生、掲載紙ご担当者様に心よりお礼申し上げます。
ありがとうございました。

元学徒兵の語りを「脱神話化」する
渡辺祐介 著『若者と軍隊生活 生還学徒兵のライフストーリー研究』の書評が図書新聞2023年11月11日付に掲載されました。評者は松岡昌和氏。
https://shin-yo-sha.cocolog-nifty.com/blog/2023/11/post-11e025.html

 

〇フェア
「心理学書販売研究会 ロングセラーフェア@丸善丸の内本店」

11月2日より丸善丸の内本店さま3階、心理学書棚にて「心理学書販売研究会 ロングセラーフェア」を開催いたします。
半世紀、四半世紀を越えてまだ読み継がれる書、そしてこれからの定番書を厳選して展示しております。お近くにお立ち寄りの際は、ぜひご覧ください。
https://shinpanken.blogspot.com/2023/11/blog-post.html


「新曜社ブックフェア」
早稲田大学生協ブックセンターさま(17号館B1F)にて、11月6日より開催中です。
ふだん店頭にない書籍ほか、図書目録などもございます。お近くの方はぜひお立ち寄りください。12月7日まで。

 

○新曜社ウェブマガジン「クラルス」

夏目漱石はどんな授業をしたのか?――受講ノートを探す旅

第7回 大学生よ、大学を軽蔑せよ?――東大の漱石が描いた早稲田スピリッ

連載再開にあたって
連載が途切れていた。再開にあたって、仕切り直しとして前回の続編は後回しにして、漱石が創造したもっとも魅力的な人物のうちの一人、『三四郎』に登場する佐々木与次郎について取り上げたい。この人を抜きにして、私の受講ノートを探す旅は続けられなかったと思うからだ。
https://clarus.shin-yo-sha.co.jp/posts/7549

 

『新社会学研究 第9号』論文公募のお知らせ(12月31日締切)

『新社会学研究』(第9号、新曜社から2024年秋に刊行予定)では、自由論題での論文掲載に向けたエントリーシートの募集をしています。
どなたさまも奮ってご応募ください。
https://clarus.shin-yo-sha.co.jp/posts/7581

 

◇近刊情報
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12月下旬発売
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自己の科学は可能か
―心身脳問題として考える
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田中彰吾 編
今泉修・金山範明・弘光健太郎・浅井智久 著
A5判並製224頁・3200円+税
ISBN 978-4-7885-1831-5  C1011
分野=心理学・哲学

自己は脳によって作られるのか? 身体性に規定されるのか? 記憶と物語から構築されるのか? 21世紀に展開されてきた「自己の科学」を振り返り、最先端の研究を紹介するとともに、「心身脳問題」という観点から未来を展望する熱いアンソロジー。


編著者
田中彰吾:東海大学文化社会学部教授/文明研究所所長

著者
今泉修:お茶の水女子大学人間発達教育科学研究所准教授
金山範明:産業技術総合研究所(AIST)主任研究員
弘光健太郎:ATR認知神経科学研究室(DCN)研究員
浅井智久:国際電気通信基礎技術研究所(ATR)主任研究員


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編集後記


先日、「一箱古本市」に出店者として参加した。


一箱古本市とは、「みかん箱サイズの箱一つ」程度の古本を持ち寄り、販売するフリーマーケットである。
このイベントに持っていったものの中から1冊紹介したい。


『社会を知るためには』(筒井淳也/著、ちくまプリマー新書)

社会学入門におすすめ、と以前参加した学会で有斐閣の方に教えていただいた本だ。
社会人になってから社会学に興味が湧いた、という私のような人間にも読みやすく書かれている。

この本をきっかけに、社会学に興味を持ってもらえることがあればうれしいな、と思い、追加で購入したものを持っていったが、結果としては売れなかった。


だが、この本を通して思いがけぬ出会いがあった。
大学で社会学を専攻していた、という方がいらっしゃったのだ。

「この本は読んだんですか?」
「もしかして社会学お好きですか」
「大学で専攻しておりました」
思わずその場で社名も伝えてしまった。
すると、「新曜社の本は定期的にチェックしています」

ああ、こういった方々に弊社は支えられているのだと身をもって実感した。


その日、自社の総合図書目録を持参していなかったのが心残りである。
お渡ししたかった。
新曜社を支えてくださっている全国の皆様、ご希望があれば総合図書目録をお送りします。 最新版が今月出来ました。
件名を「総合図書目録希望」とし、お名前、ご住所を記載の上、下記アドレスまでお願いします。
info@shin-yo-sha.co.jp (H)

 

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書評 渡辺祐介 著『若者と軍隊生活』、図書新聞2023年11月11日付

元学徒兵の語りを「脱神話化」する

渡辺祐介 著『若者と軍隊生活 生還学徒兵のライフストーリー研究』の書評が図書新聞2023年11月11日付に掲載されました。 評者は松岡昌和氏。ご書評いただきましたこと心よりお礼申し上げます。

 

……
著者は、それぞれの元学徒兵へのインタビュー内容をまとめた後、続く章でそれぞれのライフストーリーを分析し、さらに終章で三人の経験に共通したパターンを浮かび上がらせている。それは軍務に精勤するメカニズムである。三人とも、生還への思いをもって軍務に就き、「よりましな居場所」を求めて軍という組織のなかでの社会的上昇を図っていった。さらに、軍隊生活で他者の役割に応えようとすることで責任感を発揮し、軍隊生活を習慣化させていった。こうした学徒兵の行動を、著者は「学徒兵の若者らしい生き方」ととらえている。それは、平時においても社会を支える「下からの力」となるものであり、それが結果として戦争を支えていたのである。

……

本書は、「平和教育」に「利用」される形で「神話化」された元学徒兵の語りを、綿密なインタビューと丁寧な分析によって「脱神話化」することに成功している。学校教育やメディアを通じた語りでのみ戦争を知ることになる著者や評者、そして多くの読者の世代にとって、この二一世紀の時代にどのような戦争像を描いていくかについてさまざまな模索が行われる。そのひとつの方向性が、本書が示したような、平時の生活者としての倫理や規範と戦争動員のメカニズムとの連続性を指摘していくことなのであろう。



9784788518162  『若者と軍隊生活 生還学徒兵のライフストーリー研究』

 渡辺 祐介 著

 出版年月日 2023/06/05
 ISBN 9784788518162
 判型・ページ数 4-6・384ページ
 定価 4,070円(本体3,700円+税)
 在庫 在庫あり

 

◎新曜社<新刊の御案内>■メール版 第237号■

2023年10月20日発行
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〇受賞
清水亮著『「予科練」戦友会の社会学』(新曜社)が第96回日本社会学会大会 学会奨励賞(著書の部)を受賞いたしました。
清水先生、おめでとうございます。

『「予科練」戦友会の社会学』
https://www.shin-yo-sha.co.jp/book/b602412.html

 

〇書評
ご書評くださいました先生、掲載紙ご担当者様に心よりお礼申し上げます。
ありがとうございました。

大内雅登・山本登志哉・渡辺忠温 編著『自閉症を語りなおす』の書評が、「図書新聞」2023年10月21日付に掲載されました。評者は高木美歩氏。
https://shin-yo-sha.cocolog-nifty.com/blog/2023/10/post-e4098a.html

 

〇フェア
「新曜社ブックフェア」
早稲田大学生協ブックセンターさま(17号館B1F)にて、
11月6日より開催いたします。
社会学・心理学などを中心に、ふだん店頭にない書籍も並びます。
12月7日までの予定です。

 

〇新刊情報

10月に刊行のD. A. ノーマン 著、安村通晃・伊賀聡一郎・岡本明 訳
『より良い世界のためのデザイン』、おかげさまで売れ行き好調です。
以下よりためし読みできます。

『より良い世界のためのデザイン』
目次・内容、ためし読み
https://www.shin-yo-sha.co.jp/book/b634104.html

 

○新曜社ウェブマガジン「クラルス」
https://clarus.shin-yo-sha.co.jp/

 

◇近刊情報
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10月下旬発売
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語り継ぐ経験の居場所
─排除と構築のオラリティ
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関礼子 編
四六判並製280頁・2900円+税
ISBN 978-4-7885-1830-8  C1011
分野=デザイン・認知科学

語り難い苦痛を呼び起こす記憶。なぜ語るのか。誰が、何のために、誰に向か
って語るのか。語られる記憶をどのように扱うことができるのか。語りから排
除されるもの、語りを継承する困難、語り手と聞き手の間の「伝わらなさ」の
現在を多面的に考察する。


編者
関礼子:立教大学社会学部教授

 

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編集後記


今月も編集後記の提出日が近付いていたが、どのネタで書こうかまだ悩んでいた。

候補1
私の母校、和歌山県立耐久高校が秋季近畿地区高校野球大会和歌山県2次予選で初優勝し、40年ぶりに近畿大会への出場を決めたことについて。
今年の夏は初戦敗退やったのに、どないしたんや。

候補2
藤井聡太さん8冠。
将棋本『万葉の郷 藤井憲郎詰将棋作品集』(双峰社発行、新曜社発売)の刊行もあり、藤井つながりで。また今月末に開催される出版健保の将棋大会に出場するのでこの線で……

 

候補1は「また野球」、候補2は私自身が将棋初心者なので「一手で優勢が変わる将棋は怖い」くらいの感想しか書けない。

というわけで、


『謝罪論 謝るとは何をすることなのか』(古田徹也/著、柏書房)

 

営業先の丸善津田沼店さまで担当者の方におすすめしてもらった本。


「すみません」と言っても謝罪が成立しているとは限らない


例えば、ここで私が明るい声で「すみません」と言ったとしたら「編集後記が遅れていることをぜんぜん反省していない」と思われてしまう。
また、神妙な様子で言ったとしても、これが数か月も続いてしまうと「反省の色は見せるが実際は反省していない」ことになる。
ことばで謝罪しても、行動が伴わないと謝罪にならないのだ。

さて、冒頭に述べたが母校の近畿大会出場、なにがあっても観戦しなければならない。
「すみません、来週なんですがお休みを……」
有給は当然の権利だが、そういう態度は出さず、すまなそうな感じで切り出すとしよう。(H)

 

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書評 大内雅登・山本登志哉・渡辺忠温 編著『自閉症を語りなおす』 「図書新聞」2023年10月21日付

大内雅登・山本登志哉・渡辺忠温 編著『自閉症を語りなおす』の書評が、「図書新聞」2023年10月21日付に掲載されました。評者は髙木美歩氏。ご書評いただきありがとうございます。掲載紙ご担当者様にもお礼申し上げます。


本書は(一財)発達支援研究所の研究者と自閉スペクトラム症(以下ASD)と診断された支援者らによって編纂された、対話に基づくASD支援を提唱するものである。……

ASD者は社会性の障害のために人の気持ちを理解することができないという知識に対し、大内らは定型発達者もまたASD者を理解できていないのだから、わからないのはお互い様と主張する。定型発達者とASD者のすれ違いは、それぞれが体験している世界や素朴な感覚をよく知らないために生じる「ズレ」に起因しているのである。そして、互いのズレを明らかにして調整する方法として大内らが提唱するのが「逆SST」である。ソーシャルスキルトレーニング(SST)は社会で暮らすために必要な対人・生活スキルを身に着けるためのプログラムだが、逆SSTはASD者が出題者として日頃理解されにくい自身の体験を語り、参加者はその人が「なぜそうしたのか」を本人に質問しつつ推理していく、対話的調整である。そこで明かされる理由は思いもよらない、専門用語の枠にはとても収まらないものが多い。……
……
コミュニケーションがうまくいかないとき、まず相手に尋ねてみよう、対話しようという本書の主張はじつに真っ当である。この本はASDを主題に書かれているが、多様性が求められる今日の社会においては誰もが身につけておきたい視点である。簡単なように思われるそれをいかに実践するか、それがいかにむずかしいかを丁寧に記述した本書は、誰かとのより良いコミュニケーションを希求する人の一助になり得るだろう。


9784788518155  大内雅登・山本登志哉・渡辺忠温 編著
 『自閉症を語りなおす』
 当事者・支援者・研究者の対話


 ジャンル 心理・福祉・看護・医療
 出版年月日 2023/05/20
 ISBN 9784788518155
 4-6判・320ページ
 定価 2860円(税込)

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2023年9月25日発行
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〇新刊情報

1.8月末に、復刊刊行いたしました六車由実著『神、人を喰う 新装版 人身御供の民俗学』が、早々に品切れ、9月12日に重版ができました。供犠の研究から介護の世界へ。本書が今なお新しい本であることを、新装版のあとがきで六車先生が語ってくれております。


「大学勤務を辞め、生まれ育った沼津に戻り、介護の仕事を始めたため、残念ながら供犠の研究は続けられなくなった。
 では、供犠とは全く無関係の世界にいるのか。本書を久しぶりに読み返しながら、実は、決してそうではないと思うようになった。供犠を、儀礼的に暴力を発現させる場ととらえるなら、今、私が生きている介護の世界は、社会からの差別や非難につねに曝され、また一方、内にはいつ発現するかわからない生々しい暴力性も内在する、暴力とは切っても切り離せない場所であると思えるのである」

『神、人を喰う 新装版 人身御供の民俗学』
https://www.shin-yo-sha.co.jp/book/b630266.html

 


2.8月に刊行のM.Ohmerほか著、似内遼一ほか監訳『コミュニティを研究する』、定価9350円ながら売れ行き好調です。先日4年ぶりに出展した日本心理臨床学会の書籍販売にて、本書を手にとっていただいた先生から「著者の一人、Darcy A. Freedman 氏がコミュニティ心理学の分野でよく聞く」とお聞きしました。ソーシャルワーク、都市計画など、本のジャンルで迷っていたので、これだけでも学会販売に行った価値がありました、

『コミュニティを研究する』
目次・内容、ためし読み
https://www.shin-yo-sha.co.jp/book/b630253.html

 

 

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◇近刊情報
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9月下旬発売
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より良い世界のためのデザイン
―意味、持続可能性、人間性中心
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ドン・ノーマン 著
安村通晃・伊賀聡一郎・岡本 明 訳
四六判上製472頁・予価3500円+税
ISBN 978-4-7885-1827-8  C1011
分野=デザイン・認知科学

急速な技術革新の一方、気候変動や地球環境の汚染、行き過ぎた資本主義などの危機に直面している。政治・経済を含む何世紀にもわたってデザインされた実践の結果だ。人間性中心の、意味のある、持続可能な、我々の行動を変えるためのデザインの提言。

*『誰のためのデザイン?』等のベストセラー著者
*モノを超えて、人々の行動を変えるためのデザインへ


著者、訳者
ノーマン:UCSD認知科学部の名誉教授
安村通晃:慶應義塾大学名誉教授
伊賀聡一郎:エクスパーク合同会社代表
岡本 明:筑波技術大学名誉教授


著者関連書

誰のためのデザイン? 増補・改訂版 
認知科学者のデザイン原論
https://www.shin-yo-sha.co.jp/book/b455574.html


複雑さと共に暮らす
デザインの挑戦
https://www.shin-yo-sha.co.jp/book/b455756.html


エモーショナル・デザイン
微笑を誘うモノたちのために
https://www.shin-yo-sha.co.jp/book/b456052.html


インビジブルコンピュータ
PCから情報アプライアンスへ
https://www.shin-yo-sha.co.jp/book/b455838.html


未来のモノのデザイン
ロボット時代のデザイン原論
https://www.shin-yo-sha.co.jp/book/b455872.html

 


10月下旬発売
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心理学における質的研究の論文作法
―APAスタイルの基準を満たすには
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H・M・レヴィット 著
能智正博 監訳
B5判並製約200頁・予価3300円+税
ISBN 978-4-7885-1828-5 C1011
分野=心理学・質的研究

質的研究論文をどう書くか、評価するかの基準として、アメリカ心理学会で質的研究のための学術論文執筆基準が作られた。しかし基準は簡潔に書かれていて、そのまま論文に適用するのは難しい。基準を具体的な研究に橋渡しするための実践的ガイドブック。

**基準作成の中心的役割を果たした著者による懇切な記述


著者、訳者
H・M・レヴィット:マサチューセッツ大学ボストン校心理学部教授
能智正博:東京大学大学院教育学研究科教授

 


10月中旬発売
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学びをみとる
―エスノメソドロジー・会話分析による授業の分析
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五十嵐素子・平本毅・森一平・團康晃・齊藤和貴 編
A5判並製310頁・予価3400円+税
ISBN 978-4-7885-1823-0 C1037
分野=教育学・社会学

生徒の学習経験を捉える確実な方法は、学習活動を相互行為(やりとり)として捉え、「みとる」ことである。エスノメソドロジー・会話分析に基づき、授業実践の方法から学習経験の把握、授業の振り返りの仕方まで、豊富な事例で示した本邦初のテキスト。

*小学校から高校までの事例とわかりやすい解説で理解する
*「主体的・対話的で深い学び」が求められる令和の教育に必携の一冊


編者
五十嵐素子:北海学園大学法学部教授
平本毅:京都府立大学文学部准教授
森一平:帝京大学教育学部准教授
團康晃:大阪経済大学情報社会学部准教授
齊藤和貴:京都女子大学発達教育学部准教授

 


10月中旬発売
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新社会学研究 2023年第8号
―特集 飲食の社会学
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小川博司・樫田美雄・栗田宣義・好井裕明・三浦耕吉郎・関礼子 編集同人
A5判並製192頁・本体1900円+税
ISBN 978-4-7885-1826-1 C3036
分野=社会学

新型コロナウィルス感染症の拡大は、経済的困窮により食生活に困難な人々を
増加させるなど、食を社会問題として注目させることになった。特集「飲食の
社会学」では、マイノリティやジェンダーと食との関わりを扱う4本の論文と2
本のコラムを掲載。


*公募特集「社会学が歴史と出会うとき」には、2本の査読論文を所収。


著者関連書

新社会学研究 2022年 第7号
特集 ゲーム・チェンジャーとしての社会学
https://www.shin-yo-sha.co.jp/book/b614714.html

 


10月中旬発売
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直接行動の想像力
―社会運動史研究5
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大野光明・小杉亮子・松井隆志 編
A5判並製168頁・予価2100円+税
ISBN 978-4-7885-1829-2 C1036
分野=社会運動・戦後史

沖縄、北九州、三里塚、六ヶ所村で、身を挺していのちと土地を守る座り込み、反戦反核行動を、暴力と断じてはならない。アナキズムの系譜をもつ直接行動が呼び覚ます想像力とは。座談会(酒井隆史+阿部小涼+編者)、論考、インタビューを収録。


*編者の巻頭言に続いて、座談会「運動史から考える直接行動」では、デモ・反暴力・ジェンダーなどグローバルな運動史を語りつくす。
*インタビューは、小泉英政(三里塚)、松本麻里(横須賀)、飛田雄一(神戸)の各氏。
*東アジア反日武装戦線資料の徹底解読(松井)と、社会運動アーカイブズ(西淀川・公害と環境資料館)も必見。


著者関連書

越境と連帯(社会運動史研究 4)
https://www.shin-yo-sha.co.jp/book/b608077.html


メディアがひらく運動史(社会運動史研究3)
https://www.shin-yo-sha.co.jp/book/b586837.html


「1968」を編みなおす(社会運動史研究2)
https://www.shin-yo-sha.co.jp/book/b508457.html


運動史とは何か(社会運動史研究 1)
https://www.shin-yo-sha.co.jp/book/b455401.html


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編集後記

 


私事だが、8月に第一子が誕生した。
出産を控えた妻を置いて遠出など、言語道断。
そういうわけで、前回の編集後記に記した通り、この夏の甲子園は現地観戦が途絶える「波乱」となった。

 

子どもが生まれるにあたり、以前より読み進めていた本がある。

 

『3000万語の格差』(ダナ・サスキンド/著、掛札逸美/訳、明石書店)

 

家庭内の会話を録音して、言葉の数を数えた結果、乳幼児期~4歳までに聞く言葉の数(語彙量)が、家庭によって3000万語もの差があるそうだ。ざっくりまとめると、子供をよく観察して、豊富な語彙と肯定的な言葉でたくさん話しかけよう、ということだった。
数字の大きさに驚かされると同時に、親としてできる限り子にとってプラスになる言葉がけをしよう、と生まれる前から気が急いた。

ちなみに、「誉める」ことも漠然とした言葉ではだめなようだ。
例えば、「すごい!」「才能あるよ」と言うのは、子が何かできるようになるたびに発してしまいそうだが、努力の過程を誉めることが大事だという。才能がない、と諦める子ではなく、どんな状況でもやり抜く力を持つ子に育てるためだそうだ。


著者は「3000万語の格差」を克服する方法として「3つのT」を提唱する。

・Tune In (チューンイン)
→親のやり方に子供を寄せようとせず、子供が興味のある方に寄っていく

・Talk More(トーク・モア)
→子供と話す言葉を増やして、語彙量を上げる

・Take Turns(テイク・ターンズ)
→言葉のキャッチボール

 


さて、ようやく実践する時がやってきた。

新米パパは天使のようなわが子の姿を前に、「かわいい」と連呼するのみであった。

本書を役立てるのは、もう少し先の予定だ。(H)

 

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◇奥付
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