カテゴリー「お知らせ」の記事

2019年3月 8日 (金)

金菱清編『呼び覚まされる霊性の震災学』(新曜社)@NHKEテレ夜 3/7日夜11:30ろんぶ~ん

NHKEテレ夜 3/7日夜11:30「ろんぶ~ん」。テーマは「幽霊」。被災地のタクシーと幽霊の不思議な関係を調査した工藤優花さんの論文を、指導教授、金菱先生が解説しました。

『呼び覚まされる霊性の震災学』(新曜社)で論文を読めます。

見逃したかた再放送が 3月9日(土)午前1時(金曜深夜) にございます。

この番組前半の「心霊写真のでき方」論文も一見の価値大いにあります。高校生の科学研究の世界大会 #IntelISEF2018に日本代表として出場し入賞した、熊本県立宇土高校のメンバーの実像‐副像研究。先輩の疑問を後輩が引き継ぎ、公式化したそう。脱帽の研究です。


9784788514577

金菱清〔ゼミナール)編
東北学院大学震災の記録プロジェクト

呼び覚まされる霊性の震災学
――3.11 生と死のはざまで

四六判並製200頁
定価:本体2200円+税
発売日 16.1.20
ISBN 978-4-7885-1457-7

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2019年3月 7日 (木)

小熊英二著『〈民主〉と〈愛国〉』 朝日新聞「好書好日」平成の30冊 第9位に

◆朝日新聞「好書好日」平成の30冊 第9位に◆

小熊英二著
『〈民主〉と〈愛国〉――戦後日本のナショナリズムと公共性 』
が、朝日新聞「好書好日」が選ぶ 平成の30冊、第9位に選ばれました。

「戦後日本の代表的知識人を取り上げ、ナショナリズムと公共性の複雑なねじれを論じている。文学的なのも特徴的で、江藤淳論は特に優れている」(間宮陽介氏)

朝日新聞「平成の30冊」を発表 
⑥4-10位を紹介 「震災後」をいかに生きるか



好書好日 平成の30冊 ページへ

4788508192

小熊英二 著
〈民主〉と〈愛国〉
――戦後日本のナショナリズムと公共性

A5判968頁
定価:本体6300円+税
発売日 02.10.31
ISBN 4-7885-0819-2






本書の紹介
 次つぎと話題作を発表してきた小熊英二氏の〈日本人〉論第3弾の詳細をお知らせいたします。
 今回は、太平洋戦争に敗れた日本人が、戦後いかに振舞い思想したかを、占領期から70年代の「ベ平連」までたどったものです。戦争体験・戦死者の記憶の生ま生ましい時代から、日本人が「民主主義」「平和」「民族」「国家」などの概念をめぐってどのように思想し行動してきたか、そのねじれと変動の過程があざやかに描かれます。
 登場するのは、丸山真男、大塚久雄から吉本隆明、竹内好、三島由紀夫、大江健三郎、江藤淳、さらに鶴見俊輔、小田実まで膨大な数にのぼります。現在、憲法改正、自衛隊の海外派兵、歴史教科書などの議論がさかんですが、まず本書を読んでからにしていただきたいものです。読後、ダワー『敗北を抱きしめて』をしのぐ感銘を覚えられること間違いありません。

◆『〈民主〉と〈愛国〉』、第57回毎日出版文化賞受賞!◆

小熊英二著『〈民主〉と〈愛国〉』が、本年度日本社会学会奨励賞に続き、第57回毎日出版文化賞を受賞いたしました。「・・・・・・「高級な」言説が多々登場するが、著者のねらいはこれらの思想のなかににじみ出てくる「情」を明るみに出すことである。・・・・・・理論的な語りのなかに表出される「情のうごめき」の歴史こそ、知識人をふくむ日本人の「こころの歴史」になる。著者は吸引力のある論客を扱いながら、のみこまれないで、冷静な距離をとることができた。主題の選択といい、叙述方法の工夫といい、まことに斬新である。近年の名著といえよう」
(選考委員のことば:今村仁司氏)

◆『〈民主〉と〈愛国〉』、第3回大佛次郎論壇賞受賞!◆

小熊英二著『〈民主〉と〈愛国〉』が、本年度日本社会学会奨励賞、第57回毎日出版文化賞に続き、第3回大佛次郎論壇賞受賞を受賞いたしました。

今年度受賞作は小社『〈民主〉と〈愛国〉』の他に、篠田英朗著『平和構築と法の支配』(創文社) が受賞しました

大佛次郎論壇賞(朝日新聞社主催)とは? =
「小説、ノンフィクションなど幅広い分野で多くの作品を残した作家大佛次郎氏(1897-1973)の業績をたたえ、朝日新聞社は73年に大佛次郎賞を設け、優れた散文作品を顕彰、これに加え、わが国の論壇の活性化に寄与し、また21世紀のわが国の針路を指し示す一助になることを目指し、01年1月、新設される」。

ちなみに本年度(2003年)第30回大佛次郎賞は山本義隆著『磁力と重力の発見』(みすず書房)に決まりました

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2019年2月23日 (土)

お知らせ 社会運動史研究2 原稿募集

続刊予告 社会運動史研究 2 

2019年12月刊行予定
特集: 1968-69
小特集:運動史とは何か II
論文・インタビュー・書評ほか

投稿募集
 
『社会運動史研究 2』の原稿を募集します。 
原稿の種類は,論考・手記・調査報告・インタビュー記録・史資料紹介・書評などです。 
掲載の可否は編者が判断します。 
 
最初に投稿の申込みが必要です。以下のメールアドレス宛に,件名を「社会運動史研究・投稿の件」とし, 本文にお名前とメールアドレスを明記の上,ご連絡ください。折り返し詳細を案内します。 
 
socialmovementhistory2018@gmail.com 
 

投稿申込み締切 2019年4月末日

9784788516090

大野光明・小杉亮子・松井隆志 編

運動史とは何か
――社会運動史研究1

A5判並製144頁
定価:本体1500円+税
発売日 2019年2月15日
ISBN 978-4-7885-1609-0

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2019年1月30日 (水)

重版中 2月12日出来 友田明美・藤澤玲子 著 『虐待が脳を変える』

 2019年1月19日放送「世界一受けたい授業」に、友田明美先生が出演、本書も画面で紹介されました。本書は脳と虐待の関連が専門家以外のひとにもわかるように藤澤玲子さんとともに書かれた本です。
 
 こちらの放送にあわせて、6刷がちょうどできあがったところでしたが、すぐに在庫がなくなりました(テレビ、おそるべし)。再度重版をかけましたが、時間がちょっとかかるようで、2月12日出来予定です。しばらく切らすことになりますがお許しください。



9784788515451

友田明美・藤澤玲子 著

虐待が脳を変える
――脳科学者からのメッセージ

四六判並製208頁
定価:本体1800円+税
発売日 18年1月15日

ISBN 978-4-7885-1545-1

 

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2018年7月17日 (火)

「美しい顔」に寄せて――罪深いということについて 東北学院大学 金菱 清

「美しい顔」に寄せて――罪深いということについて

                      
                                                         2018年7月17日   東北学院大学 金菱 清

「エッセーやルポルタージュと比べて何が小説を特別にしているんだろう?」と自問しながら、NHKのインタビューのなかで、カズオ・イシグロが、小説とは何かについて自らの問いに答えている(『カズオ・イシグロ文学白熱教室』)。



「私はあることを発見した。物語の舞台は動かせるのだと。舞台設定は物語の中で重要な部分じゃない。これに気付いた後、舞台設定を探すのが難題になった。あまりに自由になってしまったからだ。・・・物語を色々な舞台へ、世界中の様々な場所、様々な時代へ移せると分かってしまったからだ。」(イシグロ)


「小説の価値というのは表面にあるとは限らない。歴史書を時代を変えていいとしたら、おかしなことになる。歴史家がそんなことをしたら許されないだろう。でも、小説では可能だ。つまりこれは、物語の意図するものは、表面の細かい部分には結びついていないということを意味する。小説の価値はもっと深いところにある。想像したアイデアの奥深いところにある。だからアイデアをいろいろな舞台に設定して考えてみる。どの時代に設定したらストーリーが最も活きるのか。・・・小説の中は自分たちのことと似ている。歴史上の出来事とは違っていても、倫理上の繋がりは同じだ。」(イシグロ)


 本来的にいえば、フィクションであれ、ノンフィクションであれ、倫理的な繋がりが同じ地平にあることは論を
たない。しかし、『群像』6月号「美しい顔」はこの倫理上の繋がりをやはり裁ち切っていると問わざるをえない。作者の北条裕子氏からいただいた私(金菱)への手紙*1によれば、震災そのものがテーマではなく、私的で疑似的な喪失体験*2にあり、主眼はあくまで、(彼女自身の)「自己の内面を理解することにあった」とある(私信のため詳細は省く)。つまり、小説の舞台がたまたま震災であっただけであり、その意味においては、安易な流用の仕方も小説特有の「自由な」舞台設定と重なる。そして主人公の口を衝いて出る言葉を通して「雄弁」に震災を物語ろうとする。受賞の言葉にも、私信にも、執筆動機として震災の非当事者としての私的な自己理解の欲求が述べられ、おそらく次の小説の舞台装置があるとすれば、震災ではないだろうことは容易に想像がつく。つまりその程度の位置づけでしかない。


 「美しい顔」に参照された文献は、そのほとんどが、発災1年以内に公刊されたものだ。しかし、震災における現実の舞台はとうに次の課題に直面しているのである(『3.11慟哭の記録』は6年前の2012年発刊)。沈黙の中にある表現しえないものとは何かである。震災の「未だ」そのなかにいる私たち(被災者もそれを語る人々も)にとっては、場所と時間を自由に移動できるようなものではない、そのような世界と日々向き合わざるをえない。これは逃れえない主題である。簡単に離脱できるものではないのである。もしそれが可能ならば、小説においても示していただけたらと願うばかりである。


 

講談社の「その類似は作品の根幹にかかわるものではなく」というコメント*3は、言い方を変えれば、類似程度は文学的価値に比べれば、些末な問題であるとも聞こえてくる。根幹ではない私たちの軽い震災記録とは一体何かを考えざるをえない。今回多くを発言している人もまた、問題が収束すれば、震災とは切り離された処で無関心を装ったまま日常に安住することになるだろう。

 

7年余りという年月はどういうものであったのだろう。震災(被災地)の外では、震災をかようにようやく語り始めたようだが、震災の真っただ中にいる当事者は、ますます語らなくなっている現実がある。この逆転現象をどのようにみるのか。本作品では7年前のとある出来事のように雄弁に語られるが、7年経って今の被災者はその多くが口を閉ざして固く沈黙してしまっている。7年経ち、逆に7年前の記憶で止まったままの多くの読者にとって、本作品が「疑似的」に新鮮にうつるのだろう。だが事実は小説よりも奇なりの側面を抱えていることを私たちは常に現場で教えてもらう。それは次の記事に詳しい。


「あの日逝った大切なペット、ひとへ「今どこにいますか?」 揺れる思いを綴る」

https://www.buzzfeed.com/jp/satoruishido/3-11-tegami?utm_term=.bvGvjQA9Dq#.hlj8VjQP3w

金菱清編『悲愛 あの日のあなたへ手紙をつづる』*4インタビュー、石戸諭、Buzzfeed2017.3.11

つまり、当事者にインタビューをすれば震災を理解できるというものでは、すでになくなってきている。当事者もどう震災を理解してよいのか考えあぐねている場面に多々巡り会う。小説家だけが言葉を書く特権性を持ちうるのだろうか。否、市井の人々こそ言葉を書き綴ることの文学性を持ち合わせていると痛感する時がある。私は当事者が自らの意思で書き綴る手紙と、そこから読み取れる深い沈黙の意味を、ライティング・ヒストリーと呼んでいる*5。

 

さらにいえば、たとえ震災を直接的に語らなくても、そこから震災について十二分に示唆に富んだものを与えてくれる小説は少なくない。つまり、あえて小説の中で震災を仔細に描写しなくても震災を語りうると私は考えている。したがって、被災地に入るかどうかももはや関係ない。

 

ただ現実的には、7年経った今でも行方不明の方がいて、たとえ1%でも生きていることを日々願って帰りを待っている家族がいる。そしていまだ手を合わせることもできない人がいる。語れない人がいる。現場では当事者性すらが奪われているのである。その生々しさを抱えたまま、薄皮一枚でかろうじて繋がり未だ傷の癒えない人々にとって、否応なく小説の舞台設定のためにだけ震災が使われた本作品は、倫理上の繋がり(当事者/非当事者の溝)を縮めるどころか、逆に震災への『倫理的想像力』を大きく蹂躙したのだと私は述べておきたい。その意味において罪深いのである。


 

*1 『3.11慟哭の記録71人が体感した大津波・原発・巨大地震』新曜社

https://www.shin-yo-sha.co.jp/mokuroku/books/978-4-7885-1270-2.htm

の参考文献不掲載と類似表現の問題に関して、2018年7月7日、『群像』の発行元である講談社を介して受け取った。


*2 疑似的な喪失とは、もっとも大切なものを喪う想像上の体験。金菱清「最後に握りしめた一枚を破るとき
疑似喪失体験プログラムとアクティブ・エスノグラフィ」『3.11霊性に抱かれて魂といのちの生かされ方』2018 新曜社 https://www.shin-yo-sha.co.jp/mokuroku/books/978-4-7885-1572-7.htm



*
3 「群像新人文学賞「美しい顔」関連報道について及び当該作品全文無料公開のお知らせ」(2018年7月3日、講談社HP
http://www.kodansha.co.jp/upload/pr.kodansha.co.jp/files/pdf/2018/180703_gunzo.pdf



*4 金菱清編『悲愛
あの日のあなたへ手紙をつづる』2017 新曜社

https://www.shin-yo-sha.co.jp/mokuroku/books/978-4-7885-1515-4.htm

*5 金菱「ライティング・ヒストリーの展開」『フォーラム現代社会学』172018: 137-147.




>>>>東北学院大学 金菱 清 「美しい顔」(群像6月号)についてのコメント(2018.7.6)
   へ



9784788512702

金菱清 編
東北学院大学 震災の記録プロジェクト 
3.11 慟哭の記録
――71人が体感した大津波・原発・巨大地震
四六版560頁・定価2940円
発売日 12.2.20
ISBN 978-4-7885-1270-2



 

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2018年7月 6日 (金)

東北学院大学 金菱 清 「美しい顔」(群像6月号)についてのコメント

「美しい顔」(群像6月号)についてのコメント

             2018年7月5日   東北学院大学 金菱 清

私は7月2日に『3.11慟哭(どうこく)の記録』の出版元である新曜社を通じて、短いコメントを発信しました。

 震災をいまだ言葉で表現できない被災者が多い中で、それを作家自身がどのように内面化するのかが問われています。本書『3.11慟哭の記録』は、容易に表現できない極限の震災経験を、編者の求めに応じて被災者が考え抜き、逡巡しながら綴った「書けない人々が書いた記録」です。単なる参考文献の明示や表現の類似の問題に矮小化されない対応を、作家と出版社に望みたいと考えています。(2018.7.2)

 私ども東北学院大学金菱ゼミナール・震災の記録プロジェクトは、この7年間震災と向き合い、毎年のように言葉を綴って出版してまいりました(『呼び覚まされる霊性の震災学』私の夢まで、会いに来てくれた『悲愛』 『3.11霊性に抱かれて』等)。

そのなかで一番初めに出した

金菱清編『3.11慟哭の記録―71人が体感した大津波・原発・巨大地震』(新曜社2012)

は、560頁50万字を超える文字だけで綴られた被災当事者による震災の記録集・手記です。それらは、次のように評価されているものでもあります。

 「巨大地震、大津波、原発事故に遭遇した71人の被災者が直後に万感の思いをこめて記録したものだけに、その価値は日本民衆史に残る。福島原発の大事故について19編の証言や告発などが胸を打つ」(歴史家・色川大吉氏 共同通信配信2012年3月25日ほか)

 「一人として同じではない被災者たちの等身大の言葉は「人類史の記録」として大きな意味を持つ」(共同通信配信「連載土地の記憶・人の記録:大震災から1年半」2012年9月11日ほか)
 
 「ひとたび読み始めれば、感じるのは重さではなく人間の体温。時が経つほど価値を増す一冊」(AERA 2012年5月21日号)

 小説「美しい顔」(以下、本小説)において『3.11慟哭の記録』(以下、慟哭)との類似箇所が見られたわけですが、当初情報として類似箇所は何かを知らされていないなかで、本小説を拝読しました。では、50万字にものぼる慟哭の文字量のなかからどのようにして10数箇所の類似箇所が判明したのか。その作業は実はまったく難しくはありませんでした。

 といいますのも、本小説を読みますと、慟哭を詳細に照らし合わせるまでもなく、すぐにああ、これは慟哭の手記のこの方やあの方からモチーフを採ったものだとわかるレベルでした。その意味では、内容の成熟度に関わらず、学生のレポートでもネットから情報を採って自分の文章として加工してくる手法と大差がありませんでした。一般的に教育の世界では、こういうことをしないようにと学生に教えています。ですので、その程度の執筆のルール違反の問題だと考えています。それは小説だけ例外として看過するわけにはまいりません。慟哭の記録は単なる素材ではありません。

 それよりも、今回問題になっている表現の一言一句ではなく、ことの本質はその当時の『人間の体温』や『震災への向き合い方』にかかわるものだと感じました。

 慟哭の中でも最も多くの箇所が参照されている手記は、まさにその当時避難所で物資も情報もない中で、無神経に取材にやってくるマスメディアに向けられた「怒り」を表したものであったわけです。このモチーフは本小説でも踏襲されていると感じられました。

 あるいは別の手記において、食べ物のない、物資の届かない極限の状態のなかで「盗み」をせざるをえず、生きたいという感情からだったと自分をなんとか納得させる描写は、その当時の人の立場でなければ体現できないもので、これは現実の想像をはるかに超えるのです。そのモチーフも本小説に同様に見られました。

 震災は、ネットで溢れているように「面白い/面白くない」とか「飽きた」という消費の対象ではむろんありません。3.11の前だけや、こうした問題の時だけに思い出す対象でもありません。被災者は毎日震災との付き合いを余儀なくされているのです。

 一例でいえば、私が教えている大学には、津波で父母、祖父母を亡くしたり、いまなお行方不明の学生がいます。しかし学生同士で震災は話題にしづらく、たとえば同級生には父母は離婚をしたと嘘をいわなければやっていけません。嘘で表面を取り繕わなければならない、そんな現実に向き合いながら、一歩一歩薄氷を踏むように言葉を紡ぎだしているのです。


 果たして、本小説の作家や出版社、あるいは今回の件で報道するメディアの方々はこのような未だ言葉にも出せず、一人で黙して涙している人々に対して、フィクションであれなんであれ言葉を与えることになったのでしょうか? そのような向き合い方をされているのか問いたいと思っています。それは震災を読み込む人にも問われていると思われます。被災地在住の有名な小説家も7年経ったいまなお、震災について言及しえず、一言も語っていないといいます。言葉のプロの作家でさえ震災の問題を内面化し、自らの言葉とするのは、それほどまでに、簡単ではありません。


 その意味からいえば、究極的に、立場の違いはあれ、震災が人間という存在を今なお揺さぶるものである以上、震災において本質的に表現できないものとは何かという問いを突き詰めていく作業が、震災を表現することではないでしょうか。


>>>>>PDF版はこちら


>>>>>「美しい顔」に寄せて――罪深いということについて(18/07/17)


9784788512702金菱清 編
東北学院大学 震災の記録プロジェクト 
3.11 慟哭の記録
――71人が体感した大津波・原発・巨大地震
四六版560頁・定価2940円
発売日 12.2.20
ISBN 978-4-7885-1270-2

 

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2018年4月23日 (月)

「よりみちパン!セ」シリーズ 6点 配本日のお知らせ

Yoripen

「よりみちパン!セ」シリーズ 再スタート
「学校では教えてくれなかった」生きるための知恵の数々を、第一線の書き手 が書き下ろす、〈中学生以上すべての人のための〉ノンフィクションシリーズ 「よりみちパン!セ」が、装いもあらたに、弊社から再スタートされます!
岸政彦氏書下ろし新刊第1弾のほか、増補改訂版5点をお知らせいたします。
5月2日配本、5月7日発売予定です。
書店様へ 4月23日までにいただいたご注文は2日配本分にのせます。

「よりみちパン!セ」シリーズ


https://www.shin-yo-sha.co.jp/series/yorimichipensees.htm


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9784788515628

『はじめての沖縄』

岸 政彦 著 四六判並製240頁・本体1300円+税
ISBN 978-4-7885-1562-8 C0095
分野=社会学・政治学・歴史・思想・沖縄・文学

私たちは、沖縄をどう語るのだろう。
 若き日に、うなされるように沖縄に恋い焦がれた。やがて研究者として沖縄に通い始める。そこで出会った不安と心細さ、はじめてみた孤独な風景。
 何度でもくり返し、その風景に立ち戻りながら、沖縄で生まれ育った人びとが語る人生の語りを記録し、そこから沖縄の「歴史と構造」へと架橋する。かつてない、はじめての<沖縄本>。著者撮影の写真多数収録。


9784788515635

『改訂新版 ロボットは東大に入れるか』

新井紀子 著 四六判並製272頁・本体1500円+税
ISBN 978-4-7885-1563-5 C0095
分野=科学・人工知能・数学・教育











9784788515642

『増補新版 人間の条件 そんなものない』

立岩真也 著  四六判並製416頁・本体1800円+税
ISBN 978-4-7885-1564-2 C0095
分野=社会学・歴史・福祉・介護











9784788515659

増補新版 神さまがくれた漢字たち』

白川静/監修 山本史也/著  四六判並製192頁・本体1300円+税
ISBN 978-4-7885-1565-9 C0095
分野=文学・歴史・語学・漢字









9784788515666

『増補新版 おばあちゃんが、ぼけた。』

村瀬孝生 著 四六判並製192頁・本体1300円+税
ISBN 978-4-7885-1566-6 C0095
分野=社会学・福祉・介護











9784788515673

『決定版 日本という国』

小熊英二 著 四六判並製200頁・本体1400円+税
ISBN 978-4-7885-1567-3 C0095
分野=歴史・社会学・政治学・








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2018年4月18日 (水)

「裏社会学特集」サイゾー2018年4月号

サイゾー2018年4月号
は大人のための裏社会学特集ということで、

武岡 暢 著 生き延びる都市――新宿歌舞伎町の社会学
田中研之輔 著 都市に刻む軌跡―スケートボーダーのエスノグラフィー

といった、弊社の書籍をご紹介いただきました。この「裏」社会学特集、東洋経済新社さんから出版されたスディール・ヴェンカテッシュ著の『社会学者がニューヨークの地下経済に潜入してみた』をうけての特集だったようです。武岡先生はインタビューをうけられております。

すでに5月号が出ているようで、紹介が遅くなり申し訳ないのですが、この4月号、あの話題の漫画村の裏金事情、億が動く! という記事が掲載されており、非常に充実した内容でございます。が、表紙といいなかのグラビアといい、なかなか買って自宅には持って帰りにくいのが難です。

>>>>>特集記事の一部 PDFリンク

スタジオ・ボイスの412号の特集も「Documentary / Non-Fiction 見ようとすれば、見えるのか?」で、好井裕明先生のインタビューが掲載されていたりで、いまなぜエスノグラフィ再考が、と考えたくった次第です。



9784788515130武岡 暢 著
生き延びる都市
――新宿歌舞伎町の社会学

A5判上製336頁
定価:本体4400円+税
発売日 17.2.28
ISBN 978-4-7885-1513-0





9784788514690

 田中研之輔 著
都市に刻む軌跡
―スケートボーダーのエスノグラフィー

四六判上製274頁
定価:本体3200円+税
発売日 16.3.25
ISBN 978-4-7885-1469-0

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2018年3月19日 (月)

紹介 世界一受けたい授業 『虐待が脳を変える』

 3月17日放送「世界一受けたい授業」に、友田明美先生が出演、本書も一瞬画面で紹介されました。番組は虐待の早期発見が重要というつくりでした。本書は脳と虐待の関連が専門家以外のひとにもわかるように藤澤玲子さんとともに書かれた本です。

「わたしは、児童虐待でこころに傷を受け、遠い昔の経験によって残された傷によって悲しい運命と戦っている人をたくさん診てきた。そんな傷を負わせた多くの親とも対峙してきた。虐待と言うとどんなにひどい親ばかりいるのだろうと思われるだろうが、実際には、子どもを良くしようと必死でがんばっている普通の親もたくさんいるのだ。そんな親がなぜ子どもの身体やこころを傷つけるような酷いことができるのか? その答えはわたし自身の中にもあると思うし、多くの人がこころの中に抱きながら子どもを育てていることであろう」(本書あとがきより)

ぜひ読んでいただきたい一冊です。(2018/3/19)

9784788515451

友田明美・藤澤玲子 著

虐待が脳を変える
――脳科学者からのメッセージ

四六判並製208頁
定価:本体1800円+税
発売日 18年1月15日

ISBN 978-4-7885-1545-1

見本出来ました。
1月11日ごろ書店に並びます。

はじめに―児童虐待との深いかかわり

 わたしが医師として児童虐待と初めて出会ったのは、30年以上も前の1987年、まだ鹿児島市立病院の研修医だった頃のことだ。

 救命救急センターで当直していた夜、3歳の男の子が瀕死の状態で運ばれてきた。状態が非常に重かったため、医長も応援に駆けつけた。非常に強い力で何度も殴られたのだろう。男の子は、頭部打撲によって頭蓋内出血していた。身体には、タバコの吸殻で付けられた無数の火傷跡と、新しいものから古いものまで様々な傷があり、虐待を受けたことは一目瞭然だった。すぐに警察へ通報し、それからの3日間、私たちは不眠不休で治療にあたった。日常的にひどい病人やけが人をたくさん見ているわたしたち医療関係者ですら、何かしてあげないとこころが折れてしまいそうであった。しかし、そんなわたしたちの願いもむなしく、その子は3日後に亡くなった。

 テレビや新聞でしか見聞きしない児童虐待というものが現実にあるのだということを恐怖とともに知るとともに、まだ幼い命を助けられなかったという医師としての無力感を味わった経験であった。また、その子の親が最後まで虐待の事実を否認し続けたという事実も、当時のわたしにとっては衝撃的であった。

 それから何年か経ってわたしも親になり、虐待がもっと身近な問題となった。今は立派に成人し、むしろわたしを支えてくれている子どもたちだが、やはり難しい時期もあった。何をしても泣き続ける、親の言うことを

・・・・・・

《もっと読む 虐待が脳を変える はじめに―児童虐待との深いかかわり》

 

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2018年3月13日 (火)

お知らせ 長島有里枝さん × 大島智子さん × 西島大介さん トークイベント

9784788515574トークイベント
島有里枝さん × 大島智子さん × 西島大介さん

「それは平坦な戦場なのか? そして僕らはいまだに生き延びているか?」

 
イベントでは、同書籍に参加した、写真家・長島有里枝とイラストレーター・大島智子、そして漫画家・西島大介という稀有なトライアングルが、この作品の語られざる魅力にじわじわとアプローチしていきます。ぜひご参加ください。

 
日時 2018年4月7日 (土)  14:00~15:30
開場 13:30~
料金 1,350円(税込)
定員 110名様
会場 本店 大教室

詳細は ABCのサイトへ 



エッジ・オブ・リバーズ・エッジ
──〈岡崎京子〉を捜す


新曜社編集部 編/最果タヒ他 著
四六上製280頁

定価:本体1900円+税
発売日 18年2月14日
ISBN 978-4-7885-1557-4


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