カテゴリー「書評」の記事

2017年9月15日 (金)

紹介 中江桂子 著 『不協和音の宇宙へ――モンテスキューの社会学』

「北海道新聞」夕刊、「新潟日報」、「大阪日日新聞」ほか(2017年8月23日~)、
「解読×現代 不協和音」欄にて
中江桂子 著『不協和音の宇宙へ――モンテスキューの社会学』
が引用されました。掲載記事ご担当者さまに心よりお礼申し上げます。ありがとうございました。

不協和音とは、聞く人を不安定な気持ちにさせる、不調和な音。音楽の世界を飛び出し、集団の安寧をくずし、均衡をゆがめる「異分子」のメタファー(隠喩)として、社会全体でも疎まれる言葉となった。でも「不協和音」って、本当に悪者?
……
モンテスキューの専門家で成蹊大教授の中江桂子は3月末、「不協和音の宇宙へ」(新曜社)を出した。帯に「不協和音のないところに自由はない」とある。

17世紀末に生まれたモンテスキューは、著作「法の精神」で三権分立を唱えたことで知られる。中江は「背景にあった、多様性を重視する思想を知ってほしい」と話す。

「モンテスキューは、同町圧力が高まって、共感できない人を排除するという社会を、社会とはみなさなかった。むしろ、異質な人、自分にとって不都合な人と、関係性をつくり出して共存していくことが重要で、そうして初めて、社会といえると考えていた」
……
不協和音は、時と場合によって、ハーモニーを生みだす。不協和音を恐れず、議論を通して自分の譲れない部分を語り、他者と融和する努力を積み重ねることが、必要ではないだろうか

 

9784788515208

中江桂子 著

不協和音の宇宙へ
――モンテスキューの社会学

A5判上製312頁
定価:本体3900円+税
発売日 17.3.31

ISBN 978-4-7885-1520-8

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2017年9月 5日 (火)

武岡 暢 著『生き延びる都市』書評@2017年9月9日付「図書新聞」

「「特殊」のなかに「普遍」を読み解く」


武岡 暢 著『生き延びる都市――新宿歌舞伎町の社会学』
の書評が、2017年9月9日付「図書新聞」に掲載されました。評者は山本薫子先生。
ご書評いただきました先生、書評誌ご担当者さま、ありがとうございます。こころよりお礼申しあげます。

日本で最も知られている歓楽街・歌舞伎町の商店街振興組合、不動案オーナー、風俗産業関係者。路上の「キャッチ」「客引き」らに対する社会調査の分析をまとめた新進気鋭の社会学者の書

……本書の特徴の一つは、新宿歌舞伎町や性風俗店等という、それ自体が特別視され、また注目されやすい対象を扱っていながら、分析に用いる枠組みはあくまでオーソドックス、古典に徹している点である。先述した「仲介」ではジンメルの媒介=分離のメカニズムに基づいて説明がなされることで、特殊な人々の限定された行動としてではなく、普遍的な人間、社会の動態の一例として読者は理解することができる。

  
全体的に筆致は抑制され、歌舞伎町という場における、あるいは関連する主体の諸活動がいかにして存続されてきたのか、という問いの解明に著者は集中する。たとえば、性風俗店の店舗がその経営のために女性従業員たちを「飼い殺し」の状態に置くマネジメントの内容が本書では紹介されている。これは、待機時間が長いなど(その間の報酬はない)好待遇に置かれていない従業員に対して情緒的資源を動員する(「自分は必要とされている感じを与える」)ことによって、店舗にとっては都合がいい(女性従業員にとって有益とは客観的に評価し難い)状態が維持され続けていることを指す。性風俗産業にまつわるこれらの事象やその構造はすでに各種ルポルタージュや報道等で紹介されているものであるが、本書では女性の貧困や人権等の視点は導入せず、あくまでも店舗存続、産業継続に関するメカニズムの分析に徹している。

さらに、こうしたじでょうのは池にある店舗内の閉鎖性に対して、歌舞伎町におけるストリート(路上)の開放性についても注目がなされる。商店街振興組合による街頭パトロールへの同行を繰り返すなかで、著者は組合員ら(ビルオーナー)と客引きやスカウトとの巧妙な棲み分けを発見しているが、これは本書においてもオリジナリティのある、出色の着眼と分析と言っていいだろう。……


9784788515130

武岡 暢 著

生き延びる都市
――新宿歌舞伎町の社会学

A5判上製336頁
定価:本体4400円+税
発売日 17.2.28

ISBN 978-4-7885-1513-0

 

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2017年7月27日 (木)

書評 森 正人著『展示される大和魂――〈国民精神〉の系譜』@しんぶん赤旗

森 正人著『展示される大和魂――〈国民精神〉の系譜』
記事が、2017年7月23日付「しんぶん赤旗」に掲載されました。評者は高岡裕之氏。評者の先生、掲載紙記者の方に、こころよりお礼申し上げます。ありがとうございました。




国家への帰属意識を多様に注入

戦前の日本人を呪縛した「大和魂」や「日本精神」という言説については、これまで思想史、政治学、歴史学などの領域で数多くの研究が積み重ねられてきた。これに対し本書の著者は、気鋭の地理学者である。本書において著者は、しばしば自明のものとして扱われる「日本という国家」への帰属意識が、明治以降、いかにして創出され培養されてきたかを、地理学ならではの空間的視点を生かしながら多面的に描き出している。
・・・・・・現代の状況を論じた第5章をも含め、新しい世代のナショナリズム批判の動向を示す好著である。
……

9784788515192_2

森正人 著

展示される大和魂
――〈国民精神〉の系譜

四六判並製282頁
定価:本体2600円+税
発売日 17.3.31

ISBN 978-4-7885-1519-2

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2017年7月26日 (水)

紹介 2017年上半期の収穫から@週刊読書人 2017年7月21日付

週刊読書人 2017年7月21日付「2017年上半期の収穫から」
漫画研究 秦美香子先生に
是永 論 著『見ること・聞くことのデザイン』をご紹介いただきました。

秦美香子先生ありがとうございました。

 マンガなどのメディア表現に対する読者の理解がどのように産出されるかを分析している。エスノメソドロジーの視点を応用しメディア表現を分析する方法が参考になる

9784788515093

是永論 著

見ること・聞くことのデザイン
――メディア理解の相互行為分析

四六判並製232頁
定価:本体2400円+税
発売日 17.4.11

ISBN 978-4-7885-1509-3

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2017年7月25日 (火)

紹介 2017年上半期の収穫から@週刊読書人 2017年7月21日付

週刊読書人 2017年7月21日付「2017年上半期の収穫から」
社会学 中筋直哉先生に下記書籍のご紹介をいただきました。

武岡 暢 著 『生き延びる都市』
「もし社会学が、風俗ルポのより素人っぽいものでも上から目線で見てきたような嘘を言う評論でもないなら、こうあるべきだというような誠実な研究」

中江桂子 著『不協和音の宇宙へ』
「外見は地味だが中身はデュルケーム以来の社会学の歴史を創造的に破壊する力を秘めている」

(もう一冊は森山至貴著『LGBTを読みとく クィア・スタディーズ入門』(ちくま新書))

9784788515130

武岡 暢 著

生き延びる都市
――新宿歌舞伎町の社会学

A5判上製336頁
定価:本体4400円+税
発売日 17.2.28

ISBN 978-4-7885-1513-0






9784788515208中江桂子 著

不協和音の宇宙へ
――モンテスキューの社会学

A5判上製312頁
定価:本体3900円+税
発売日 17.3.31

ISBN 978-4-7885-1520-8





中筋直哉先生の著作
『群衆の居場所』

4788509369

 

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2017年7月24日 (月)

書評 森 正人著『展示される大和魂――〈国民精神〉の系譜』

森 正人著『展示される大和魂――〈国民精神〉の系譜』
記事が、2017年7月24日付読売新聞・文化欄に掲載されました。掲載紙記者の方には、こころよりお礼申し上げます。ありがとうございました。

(2017/7/25 AM8:45)Amazon ベストセラー1位! (日本思想史) この某書店1位を宣伝目に入れている広告がよくありますが、あくまでジャンル1位で、私、これを一位というのはどうも良心がゆるさないのですが。
ともあれamazonでは1-4週間出荷になっておりますが在庫有りです。こちらの経緯についてはコチラ
お知らせ 在庫状況
ほかネット書店のリンクを貼っておきます。もちろん書店さんでのお取り寄せもできます。




作られ提示された「国民精神」
「大和魂」娯楽を通じて浸透
「大和魂」や「日本精神」とは何なのか。森正人・三重大学准教授(文化地理学)による『展示される大和魂』(新曜社)は、こうした「国民精神」が意図的に作り上げられたものだと指摘し、どう提示されてきたかを明らかにする。「今の時代だからこそ、自分たちの来た道を見定める必要があるのではないか」と森准教授は指摘する。
本書によると、忠孝や勤勉、勇猛果敢、慈母などのイメージを付される国民精神は日本人古来のものではない。大和魂や日本精神は江戸末期になって語られ出し、特に1930年代以降の戦時期に強調されたと説く。そこでは、日本文化の創出者としての空海や皇室の忠臣・楠木正成らが、大和魂や日本精神の体現者として、都合のいいように物語が作り出されていった……

9784788515192_2

森正人 著

展示される大和魂
――〈国民精神〉の系譜

四六判並製282頁
定価:本体2600円+税
発売日 17.3.31

ISBN 978-4-7885-1519-2

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2017年7月13日 (木)

書評 森 正人著『展示される大和魂――〈国民精神〉の系譜』

森 正人著『展示される大和魂――〈国民精神〉の系譜』
書評が、2017年7月9日付北日本新聞に掲載されました。評者は雑賀恵子氏。
掲載紙ご担当者様、ご書評くださいました先生にこころよりお礼申し上げます。ありがとうございました。

......お題目や説教だけでは、国民の身体に刻み込まれはしない。近代国民国家として軍隊を持ち、国民に戦場に赴くことを納得させるためには、仕掛けが必要だった。天皇を頂点とした近代家族国家への忠誠を、楠木正成らの歴史上の人物に具現化し、モデル像を創り上げ、「展示」の対象にしていくのもその一つだ。「国体」が血肉化した正成像を創り、国民教化と思想善導を目指す団体が結成され、伝記が出版される......

不安であるからこそ、人は同調圧力に屈しやすい。だが、安易なナショナリズムに背を向け、各人が各人である孤独と不安に向き合いつつ国家を経由しない連帯の可能性を信じるために、本書は読まれるべきだ


9784788515192_2

森正人 著

展示される大和魂
――〈国民精神〉の系譜

四六判並製282頁
定価:本体2600円+税
発売日 17.3.31

ISBN 978-4-7885-1519-2

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2017年7月10日 (月)

増田裕美子 著『漱石のヒロインたち――古典から読む』

増田裕美子 著『漱石のヒロインたち――古典から読む』の紹介が2017年7月9日付「山梨日日新聞」ほか愛媛新聞、京都新聞、河北新報、日本海新聞、徳島新聞、福井新聞に掲載されました。

夏目漱石が描く女性たちは鮮やかな印象を残す。「虞美人草」の藤尾は紫色が強調される。漱石は藤尾を紫式部と比較し、才能豊かな女性としての側面を描いたが、同時に「嫉妬」のイメージが強い六条御息所をも重ね合わせたと著者はみる。

「それから」の三千代、「三四郎」の美禰子、「草枕」の那美…。第1部は漱石のヒロインたちを取り上げ、第2部は「方丈記」や謡曲「船弁慶」と漱石文学との関係についてまとめた。第3部では「こころ」について考察している

9784788515291

増田 裕美子 著

漱石のヒロインたち
――古典から読む

四六判上製264頁
定価:本体3200円+税
発売日 17.6.15

ISBN 978-4-7885-1529-1

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2017年7月 7日 (金)

書評 『第四の革命』@週刊読書人 2017年7月7日付掲載

弊社刊、
ルチアーノ・フロリディ 著
春木良且・犬束敦史監訳/先端社会科学技術研究所訳
『第四の革命』の紹介が
「週刊読書人」 7月7日号に掲載されました。評者は吉川浩満氏。
ご書評くださいました吉川先生、掲載誌ご担当者様にはこころからお礼申し上げます。

なお「週刊読書人」は、全国のファミマ&ローソンの、マルチコピー機設置店でプリント購入できます。(e-SHINBUNから開始)

詳しくはこちらで→週刊読書人フェイスブック

二〇世紀末にはじまる情報革命が我々の社会にいかなるインパクトを与えているか、新たな情報通信技術(ICT)が我々の生活をいかに変えつつあるかについて、日々たくさんの言葉が費やされている。それもそのはずだ。ネットを介したコミュニケーションの増大、スマートフォンやSNSの普及、人工知能やブロックチェーンといった先端テクノロジーの開発など、ICTの進展によって、いま我々の暮らしが大きく変わろうとしている。これには誰も無関心ではいられないだろう。

本書もそうした流れに棹さす一冊である。だが、メディアやテクノロジーに関する解説書ではない。本書は情報哲学の観点から、いま我々が目にしているあらゆる現象をマクロなトレンドの多様な側面としての統合的に説明する哲学書である。
……
……
……
第四の革命の進行は、人間中心主義の思想にとっては都合の悪い事態かも知れないが、人間自身の幸福にとっては中立的である。ICTは我々を不幸にも幸福にもするだろう。だからこそ、この革命の内実を正確に理解しなければならない。本書は格好の一冊である。駆け足の説明が気になる箇所もあるが、テーマの巨大さを考えれば文句はない。有益な現代社会の入門書、情報化社会の問題集である。

関連書評

書評 『第四の革命』@日本経済新聞2017年6月24日付掲載 

今起こりつつある変化から未来の社会をあぶり出す良書」紹介@週刊ダイヤモンド

著者よりのメッセージ
フロリディ氏メッセージ(春木良且先生訳)(日本語.PDF)

9784788515222ルチアーノ・フロリディ 著

春木良且・犬束敦史監訳/先端社会科学技術研究所訳

第四の革命
――情報圏(インフォスフィア)が現実をつくりかえる

四六判上製376頁
定価:本体3400円+税
発売日 17.4.10

ISBN 978-4-7885-1522-2

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2017年6月26日 (月)

書評 『第四の革命』@日本経済新聞2017年6月24日付掲載

弊社刊、
ルチアーノ・フロリディ 著
春木良且・犬束敦史監訳/先端社会科学技術研究所訳
『第四の革命』の紹介が
「日本経済新聞」 6月24日付に掲載されました。評者は石田英敬氏。
ご書評くださいました石田先生、掲載紙ご担当者様にはこころからお礼申し上げます。

・・・・・・著者が強調するのは、「現実的なものが情報的なものになる」生活世界全般のスマート化、ヒトの「情報生命体化」である。

最近のAIブームの議論に見られるような、人間を超えた知性が出現するというような、「人間中心主義的な」議論はここにはない。

情報を環境問題として根本的に捉え直し、人間の自己理解を更新することで、「情報有機体」としてのヒトの新しいあり方とその倫理を描き出すことがめざされている。……

情報哲学者の本領とは、この大衆化を文明的本質まで掘り下げて考察することにある。豊富な先端事例をもとに、ヨーロッパ人らしい人文学的な知識をいかんなく発揮して書かれた、オーソドックスな情報文明論といえる。

関連書評 
「今起こりつつある変化から未来の社会をあぶり出す良書」紹介@週刊ダイヤモンド

著者よりのメッセージ
フロリディ氏メッセージ(春木良且先生訳)(日本語.PDF)


9784788515222ルチアーノ・フロリディ 著

春木良且・犬束敦史監訳/先端社会科学技術研究所訳

第四の革命
――情報圏(インフォスフィア)が現実をつくりかえる

四六判上製376頁
定価:本体3400円+税
発売日 17.4.10

ISBN 978-4-7885-1522-2

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