カテゴリー「新刊」の記事

2017年11月15日 (水)

新刊 エリク・H・エリクソン『アイデンティティ』

9784788515499

エリク・H・エリクソン 著
中島由恵 訳

アイデンティティ
――青年と危機

四六判並製464頁
定価:3300円+税
発売日 17.11.20

ISBN 978-4-7885-1549-9

見本出来ました。
11月21日ごろ書店に並びます。

まえがき
  ポール・フェダーン博士は、私が一九二〇年代後半にウィーン精神分析研究所で学んでいたときの教師の一人であったが、新しい概念を作ることにも失言にも同じく独創的な、魅力ある人物であった。当時、彼の「自我境界」の概念は、重要ではあるが曖昧であるとして、大いに論議された。われわれ学生は、その概念を説明するのに必要だと思われるだけ、セミナーを連続して開いてくれるよう先生に嘆願した。セミナーは三日間、夕方から長時間にわたって開催された。最終回を終えるにあたり、彼はようやく自分を理解してもらった、という面もちで、書類を収めながら、次のように問うたのだった。「さて、私自身、わかったのかな。」

 アイデンティティについて書いてきたことを読み返して、私は一度ならずこの質問を自らに問いかけたが、急いで付け加えなければならないのは、本書は、アイデンティティについて決定的な説明を与えるものではない、ということである。この主題について書けば書くほど、この言葉はあらゆるところに広がってゆき、計り知れない

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2017年11月13日 (月)

新刊 P.オルダーソン & V.モロウ、斉藤こずゑ『子ども・若者とともに行う研究の倫理』

9784788514973

P.オルダーソン & V.モロウ 著
斉藤こずゑ 訳

子ども・若者とともに行う研究の倫理
――研究・調査にかかわるすべての人のための実践的ガイド

A5判並製240頁
定価:本体2800円+税
発売日 17.11.20

ISBN 978-4-7885-1497-3

見本出来ました。
11月16日ごろ書店に並びます。

序論(抜粋)
   今日、子どもや若者は、彼らの生活の多様な側面について常に意見を尋ねられます。国や地方政府は子どものための無数の機関や支援提供者とともに、膨大な時間と努力と資金を投入して、熱心に子どもの意見を聞き、いろいろな支援を計画したり評価することに子ども自身が参加することを求めています。「国連児童の権利条約」(1989)は、子どもに影響を及ぼすすべての事項について子どもが自由に自分の意見を表明する権利を有すること、その場合、子どもの意見は、その子どもの年齢と成熟度に従って相応に考慮されることを明記しています(第12条)。さらにこの条約の54にわたる他の多くの条項も、子どもを尊重し子どもを参加させることに関連しています。各国政府による本条約の実行に関する進展状況の定期報告と、それへの国連委員会の応答に記録されているように、これらの児童の権利は、徐々に世界中の研究やコンサルテーション活動においていっそう尊重されるようになってきています(www.ohchr.org を参照)。しかし、子どもとともに行う子どもに関する研究やコンサルテーション活動は、倫理的問いを提起します。これらの問いを検討することは、効果的な研究の手順、方法、結果にとって極めて重要であるため、本書では研究がたどる主要な10段階で起こ

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2017年11月10日 (金)

新刊 三ヶ尻 陽一『新しい自然主義心理学』

9784788515482

三ヶ尻 陽一 著

新しい自然主義心理学
――自然法則に従う人間モデルからの出発

四六判並製168頁
定価:本体1800円+税
発売日 17.11.20

ISBN 978-4-7885-1548-2

見本出来ました。
11月16日ごろ書店に並びます。

序章

  地球に住んでいる生き物の中で、人は特別な存在であろうか。確かに人は、最も繁栄している生き物の一種である。他の生物から脅かされることも少なく、自然を開拓して大規模な街を作ることもできる。神が作りし選ばれた種族と考えることもできよう。山や丘の上から街を見下ろすと、星空よりもはるかに明るい人工の光に目を奪われる。真っ暗な山や海との対比から、人は自然から逸脱してしまった存在であるかのように感じられる。

 大都市の中で生活をしていると、自分自身が生き物であることさえ忘れてしまうことがある。舗装された道路を歩き、高くそびえ立つビルの中で仕事をこなし、時間通りに運行する電車やバスによって移動する。機械の歯車がかみ合うように人々の営みは連携し、社会を成立させているようにも思えてくる。やはり人間は、自然から逸脱しているのだろうか。

 はるか昔より、自然とは不可解なもので、恐怖の対象ですらあった。自然は制御することができないし、気まぐれに振り下ろされる自然の猛威に、

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2017年11月 8日 (水)

新刊 桜井 洋『社会秩序の起源』

9784788515475

桜井 洋 著

社会秩序の起源
――「なる」ことの論理

A5判上製558頁
定価:本体6500円+税
発売日 17.11.10

ISBN 978-4-7885-1547-5

見本出来ました。
11月10日ごろ書店に並びます。

あとがき

 本書は、心と社会を「なる」という観点から理解する一般理論の試みである。「なる」という思考法は、日本の文化だけに限られるものではないが、日本では馴染み深いものである。丸山真男は論文「歴史意識の『古層』」の中で、世界の諸神話に見られる宇宙創成論の発想を「つくる」「うむ」「なる」の三つにまとめ、これらのうち、「つくる」と「なる」が対極をなし、「うむ」はその中間に位置づけられると言う。「つくる」型の神話の代表は「神が世界を作った」とするユダヤ=キリスト教の世界創造神話であり、日本神話は「なる」発想の磁力が強い(丸山 1992: 299-300)。「つくる」と「なる」は本書の概念では言うまでもなく、「する」と「なる」に相当する。丸山はこの「なる」という考え方が、日本人の思惟の古層であると考える。この「なる」という思考法は、彼によれば「永遠不変なものが『在』る世界でもなければ、『無』へと運命づけられた世界でもなく、まさに不断に『成り成』る世界にほかなら」(同: 309)ない。

 「なる」ことが不断に「成り成る」ことであるなら、

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2017年10月31日 (火)

新刊 秋庭 裕『アメリカ創価学会〈SGI‐USA〉の55年』

9784788515437

秋庭 裕 著

アメリカ創価学会〈SGI‐USA〉の55年
――

四六判並製280頁
定価:本体1800円+税
発売日 17.11.5

ISBN 978-4-7885-1543-7

見本出来ました。
11月7日ごろ書店に並びます。

はじめに

 グローバリゼーションとナショナリズムが同時進行する現代の世界で、私たちは日々未曾有の時代を経験せざるをえない。二十一世紀の行方は、混迷の度合いをさらに深めていくばかりにも思われる。人類は、希望をもって未来を展望することができるのだろうか。  そういうなかで、一つだけ明らかなことは、どんなに国家や民族、そして宗教をめぐる緊張や対立が生じ、ときに深まろうとも、日に日に相互依存を深めていく地球社会の未来は、平和や友好や共生をキイワードにしてしか切り拓かれないという、シンプルな事実であるだろう。  そして、それらを実現しようとする試みを、半世紀以上前から創価学会=SGIが継続してきたことは、じつはあまり広く知られていないかもしれない。「もはや戦後で

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2017年10月30日 (月)

新刊 ジャン=ノエル・ミサ、パスカル・ヌーヴェル『ドーピングの哲学』

9784788515468

ジャン=ノエル・ミサ、パスカル・ヌーヴェル 編
橋本一径 訳

ドーピングの哲学
――タブー視からの脱却

四六判上製328頁
定価:本体4300円+税
発売日 17.10.31

ISBN 978-4-7885-1546-8

見本出来ました。
11月2日ごろ書店に並びます。

序章

クロード・オリヴィエ・ドロン

 いつまでも変わらずに今日的であるという、不思議な特徴を持ったテーマが存在する。メディアは自分たちの時事性をたやすく更新してくれるようなものに敏感であるので、そのようなテーマがお気に入りである。スポーツにおけるドーピングがそうしたテーマであることは間違いない。ジャン=ノエル・ミサとパスカル・ヌーヴェルの発案により、カンギレム・センターは、ドーピングをテーマにしたシンポジウムを、二〇一〇年五月に開催した。招待されたさまざまな研究者や実務家(哲学者、スポーツ医、社会学者ら)が、この問題について議論を交わしている間にも、現実あるいは推測の「事件」が、メディアの見出しを賑わせていた。イタリアのフランコ・ペッリツォッティは「生体パスポートの異常値のために」ツール・ド・フランスへの出場を禁じられたところであり、ポーランドの女子クロスカントリー・スキー選手コーネリア・マレクはエリスロポエチンの陽性反応のために出場停止処分を受け、主要な大会を離れたところでも、トム・ボーネンとリシャール・ガスケが、

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2017年10月13日 (金)

新刊 倉田剛『現代存在論講義 Ⅱ』

9784788515444

倉田剛 著

現代存在論講義 Ⅱ
――物質的対象・種・虚構

A5判並製192頁
定価:本体2200円+税
発売日 17.10.20

ISBN 978-4-7885-1544-4

見本出来ました。
10月23日ごろ書店に並びます。

序文

 本書は『現代存在論講義I』(2017年4月刊)の続編である。ただし先行するI巻を読まずにこのII巻から読み始めてもらっても一向に構わない。そもそもI巻とII巻とを問わず、各講義はかなりの程度独立しているので、基本的にはどこからでも読み始めることができる。むろん最初から順番に眺めてもらうのがベストではあるが、多様な関心をもつ読者に画一的な読み方を強いることはできない。このII巻から読み始める読者のために、この序文を使って、I巻の内容をごく簡単に振り返ることにしよう。

 実を言えば、最初の構想ではすべてのトピックスを一冊にまとめ上げる予定だったが、やや分量が膨らんでしまったこともあり、当初の予定を変更して二分冊にすることにした。だがそうした事情にもかかわらず、結果的にI巻とII巻との分け方はそれほど不自然なものにはならなかった。というのも、I巻が論じたトピックスはすべて存在論の「ファンダメンタルズ」(基礎)に属するのに対し、II巻のトピックスは必ずしもそうではないからである。

以下がI巻の大雑把な要約である。

 第一講義「イントロダクション─存在論とは何か」では、

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《もっと読む 現代存在論講義 Ⅱ 序文》

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2017年10月 5日 (木)

新刊 中村桂子『ゆらぐ』

9784788515406

中村桂子 編/JT生命誌研究館発行

ゆらぐ
――生命誌年刊号 vol.88-91

A5判変型並製256頁
定価:本体1600円+税
発売日 17.10.15

ISBN 978-4-7885-1540-6

見本出来ました。
10月11日ごろ書店に並びます。

はじめに
 今年の動詞は“ゆらぐ”です。風に吹かれる木の枝や水面のかすかな動きなど不規則に少し動く感じを表わす一方、物事の基盤がぐらつくという意味もあります。

 まず、「基盤がぐらつく」に眼を向けます。生きものを機械のように見て進歩を求め、人間による自然の支配を考える現代社会の根っこはぐらついていないでしょうか。生命誌は、人間は自然の一部としますので、科学や技術もその中で生きる工夫として考えます。多様化しながらさまざまな新しい生き方を創り出してきた生きものの進化に学び、社会を基盤から考え直そうと思っています。

 それにはもう一つの“ゆらぐ”が大事です。機械は均一です。一方、生きものは一つ一つ異なる。人間はすべて共通のヒトゲノムの情報ででき上り、はたらいていますが、一人一人少しずつ違います。まさにゆらぎの中にいると言えます。それゆえに、しなやかに

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2017年9月25日 (月)

新刊 ニール・J・サルキンド『統計学のキホンQ&A 100』

9784788515413

ニール・J・サルキンド 著
山田剛史・寺尾敦・杉澤武俊・村井潤一郎 訳

統計学のキホンQ&A 100
――いまさら聞けない疑問に答える

A5判並製196頁
定価:本体1900円+税
発売日 17.9.25

ISBN 978-4-7885-1541-3

見本出来ました。
9月27日ごろ書店に並びます。

はじめに

 ますますデータの重要性が増しているこの世の中において,専門家だけでなく学生も,研究のプロセス,すなわち,最初に問題を設定し,データの分析・解釈をして最終的にレポートにまとめる過程と,その間に行われる全ての事柄について,理解を深めることがこれまでになく重要となっている。

 本書『統計学のキホンQ&A 100』は,研究を進める中で,研究法に関して誰もが疑問に思うであろう最も重要な質問を整理して取り上げ,回答を示すことを目的としている。

 本書を書いたのは,私自身,長年教育に携わる中で,多くの学生のみならず専門家も,どのようなトピックに焦点を定める必要があるのか,詳しい情報をどこで見つけたらよいのかについて,正しく案内してくれる簡潔な概説や本を必要としていることに気づいたからである。  本書は,研究法の重要なトピックについて復習を必要としている人や,この領域の完全な初学者で,何が重要な問題なのか

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2017年9月22日 (金)

新刊 J.スミス、S.ハスラム『社会心理学・再入門』

9784788515390

J.スミス、S.ハスラム 編
樋口匡貴・藤島喜嗣 監訳

社会心理学・再入門
――ブレークスルーを生んだ12の研究

A5判並製288頁
定価:本体2900円+税
発売日 17.9.25

ISBN 978-4-7885-1539-0

見本出来ました。
9月27日ごろ書店に並びます。

訳者あとがき

 本書は、Smith, J. R. & Haslam, S. A.(2012)Social Psychology: Revisiting the Classic Studies, SAGEの全訳である。

 本書で取り上げられている研究は、いずれも社会心理学の教科書に頻繁に取り上げられる有名な研究ばかりであるし、中にはテレビ番組などで取り上げられることのある研究もある。したがって、社会心理学者はもとより、心理学を学ぶ学生や一般の人にも馴染みの深い研究であると言えるだろう。

 しかしこれらの古典について、原典をきっちり精読したことのある読者はどれくらいいるだろうか。もしかしたら、それほど多くはないかもしれない。これらの古典について講義をしている社会心理学者の中でも、もしかしたら原典を読んだことがない人もいるかもしれない。恥ずかしながら私も、いくつかの研究については数年前まで原典を精読したことがなかった。

 それはなぜかと考えてみると、まさにこれらの研究が“古典”だからであろう。古典だからこそ多くの教科書で紹介されており、

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