カテゴリー「新刊」の記事

2017年3月21日 (火)

新刊 アラン・M・スレーター、ポール・C・クイン『発達心理学・再入門』

9784788515215

アラン・M・スレーター、ポール・C・クイン 編
加藤弘通・川田学・伊藤崇 監訳

発達心理学・再入門
――ブレークスルーを生んだ14の研究

A5判並製292頁
定価:本体2900円+税
発売日 17.3.25

ISBN 978-4-7885-1521-5

見本出来ました。
4月3日ごろ書店に並びます。

訳者あとがき

本書は、Slater, A. M. & Quinn, P. C., (2012) Developmental Psychology Revisiting the Classic Studies, SAGE の全訳である。
 編者の「はじめに」によれば、ここで取り上げられる古典的な研究は、「発達心理学のなかで誰もが知っているもの」である。しかし、正直に告白すれば、監訳者のひとりである私にとっては、本書を通してはじめて知る研究もあった。自分自身の視野の狭さに恥じ入るとともに、さらに心理学を学ぶ、学生・大学院生まで広げて考えたとき、この「誰もが知っている」という常識はどの程度あてはまるだろうか。

 じっくり研究するよりも早く論文を書くことが求められる現状においては、学生・院生に限らず、現役の研究者まで、ますます他分野の、しかも古典にまで目を向ける余裕はもちにくくなっている。しかしその一方で、一見、関係ないと思われる他分野での理論や知見が、また最先端だけではなく、源流に戻って考えることが、

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2017年3月17日 (金)

新刊  日本質的心理学会『質的心理学研究 第16号』

9784788515109

日本質的心理学会 編

質的心理学研究 第16号
――特集 質的研究における映像の可能性

B5判並製252頁
定価:本体3000円+税
発売日 17.3.20

ISBN 978-4-7885-1510-9

見本出来ました。
3月23日ごろ書店に並びます。

巻頭言

あらためて,対話の力
  『質的心理学研究』第16号が無事刊行の運びとなった。2002年に第1号が創刊されて以来,質的心理学ないし質的研究は着実に裾野を広げている。『質的心理学研究』へ投稿される論文も,投稿数に大きな変化はないが,分野やテーマの幅が拡がっているように感じる。編集委員会の側でも,なるべく多様な専門性をもつ編集委員がそろうよう努力している。

 質的心理学はまだ若い分野であり,新たな視点や方法を模索し創発することを重視している。一般に,新たな視点や方法の創発には,異質な者同士の対話が重要である。心理学(これ自体,広範な多様性を内包する分野だが)に限らず多くの分野や領域を横断する質的心理学は,そのような条件に恵まれているといってよい。実際,日本質的心理学会は設立以来,そのような対話の重要性を強調してきた。  そのような対話の場として重要なのが,毎年開催される大会であることは

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2017年3月 6日 (月)

新刊 金菱清『悲愛』

9784788515154

金菱清〔ゼミナール)編
東北学院大学震災の記録プロジェクト

悲愛
――あの日のあなたへ手紙をつづる

四六判変形上製240頁
定価:本体2000円+税
発売日 17.3.11

ISBN 978-4-7885-1515-4

見本出来ました。
3月11日ごろ書店に並びます。

あとがき

 震災を経験した当事者でさえわからないことがある。本書はそれを言葉につづる試みである。

 言葉をつづる試みは今回が初めてではない。私たちは五年前の二〇一二年三月に『3・11慟哭の記録 71人が体感した大津波・原発・巨大地震』(新曜社)を世に送り出した。前回の方法は当事者の手記という形で、災害という事象についてひたすら「経験」としての言葉を書きつづったものである。今回の「亡き人への手紙プロジェクト」は、同じ言葉でもこれほどの違いがあるのかと思わせるほど、異なる世界観を開示したといえるかもしれない。

 前回は災害の体験を一人ひとりの身の丈にあった小さな出来事として、一人称で書きつづった記録である。それに対して、今回の手紙は、いずれも愛するものへの「呼びかけ」から始まる。

 私たちは二〇一六年、世間を驚かせたタクシードライバーの幽霊現象をはじめとして、『呼び覚まされる霊性の震災学 3・11生と死のはざまで』(新曜社)を通じて、それまで社会科学でタブー視されていた死者の問題を

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2017年3月 3日 (金)

新刊 藤澤伸介『探究! 教育心理学の世界』

9784788515116

藤澤伸介 編

探究! 教育心理学の世界
――

A5判並製312頁
定価:本体2300円+税
発売日 17.3.7

ISBN 978-4-7885-1511-6

見本出来ました。
3月10日ごろ書店に並びます。

まえがき

編 者
【1】閉ざされた本と開かれた本

 学問の本には閉ざされた本と開かれた本がある。とはいっても表紙の話ではない。中身の話だ。重要事項だけがまとめてある本は、読んでも思考が限定されるので内容が閉ざされている本だ。これに対し、詳しい解説があって色々な問題意識をどんどん広げていける面白い本は、内容が開かれた本である。

 左の表に公認心理師とあるから、「資格取得に役立つ教材なら、必要最小限の努力で効率よく記憶できるように、学習項目を簡潔にまとめた受験用指南書だろう」と推測し、本書を閉ざされた本だと誤解した方もあるかもしれない。

 しかし、本書の編集方針はそれと真逆である。意味も十分に理解できないままに断片的知識を機械的に暗記して試験だけ乗り切っても、試験が終わればほとんどの記憶は消失して、暗記に費やした時間とエネルギーが

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2017年2月27日 (月)

新刊 武岡 暢『生き延びる都市』

9784788515130

武岡 暢 著

生き延びる都市
――新宿歌舞伎町の社会学

A5判上製336頁
定価:本体4400円+税
発売日 17.2.28

ISBN 978-4-7885-1513-0

見本出来ました。
3月6日ごろ書店に並びます。

序章(一部抜粋)

 繰り返される「浄化」
 本書は、おおむね西暦二〇〇〇年から二〇一〇年前後までの新宿歌舞伎町について、その維持、再生産のメカニズムを経験的に解明することを目指す。以下ではまず、本書の題名について簡潔に説明することで、本研究全体の見取図を確認する。

歌舞伎町の「社会学」を副題としたのは、何もその抽象性でもって作業半径を大きく取っておくためではない。都市社会学的で地域社会学的であることはもちろん、局面によっては労働社会学的でもあるような、そうしたさまざまな―「社会学的」としか言い様がない―視点の組み合わせのうちに歌舞伎町という対象を浮かび上がらせようとすること、このことを積極的に示すためである。

主題の「都市」に込めた含意は、以下のような多様な論点の交差のうちに対象を見る見方のうちに表れている。つまり、住民だけでなく、移動する人びとを含めた各主体のネットワーク、彼女ら彼らの職業への

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2017年2月24日 (金)

新刊 村田周祐『空間紛争としての持続的スポーツツーリズム』

9784788515147

村田周祐 著

空間紛争としての持続的スポーツツーリズム
――持続的開発が語らない地域の生活誌

四六判上製240頁
定価:本体3600円+税
発売日 17.2.28

ISBN 978-4-7885-1514-7

見本出来ました。
3月6日ごろ書店に並びます。

はじめに

  かつて著者は、アジア式の水田技術を移転することによってアフリカの食糧問題や貧困問題を解決しようとする農村開発プロジェクトに参加していた。そのプロジェクト目標の根拠となったのが、アジア式水田の持続性と高い生産力である。これまでの熱帯雨林の焼畑に直播する陸稲栽培を、アジア式の水稲栽培(水田と育苗)へと移行させることは、連作障害を克服して熱帯雨林を保全し、世界規模のCO2排出量の減少に寄与する。さらに土地の生産力を格段に上昇させ、現地の食糧問題の解決にも寄与する。もっといえば、現地の消費量を超えた生産物を商品化することで現金収入を生み出して貧困問題にも寄与する。そんな「夢」のような農村開発であると計画実施された。少なくとも著者はそう信じて疑わなかった。ところが、実際に

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2017年2月21日 (火)

新刊 アラン・プラウト『これからの子ども社会学』

9784788515123

アラン・プラウト 著/元森絵里子 訳

これからの子ども社会学
――

四六判上製304頁
定価:本体3400円+税
発売日 17.2.20

ISBN 978-4-7885-1512-3

見本出来ました。
3月2日ごろ書店に並びます。

日本語版への序文

 『これからの子ども社会学(The Future of Childhood)』の初版を出版してから、10年以上経つ。本書は、子ども研究者たちに歓迎された。しかし、子ども社会研究にとって革新的で新しい方向性を示すものだったにもかかわらず、そのインパクトは、どちらかといえば控えめなものであったように思う。実際、一部には困惑や懐疑のムードすら感じられた。そういった人々は、「子ども社会研究」は疑いの余地なく成功しているのに、なぜこのような批判や明らかな方向転換によって台無しにされねばならないのか、と問うているようなのである。私の応答は常に、私が提案しているのは、新しい子ども社会研究の単純な意味での転倒ではなく、むしろその拡張や補強だというものである。もちろん、その意味するところも帰結もラディカルなものであるが。「子ども」は構築物であるとか、子どもは潜在的な行為者能力を持つ社会的行為者であるといった新しい子ども社会研究の鍵概念は、もちろん捨てていない。「子ども」を構築物として見る際に、

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2017年2月 3日 (金)

新刊 秋田巌『日本の心理療法 身体篇』

9784788514942

秋田 巌 編

日本の心理療法 身体篇
――

A5判上製256頁
定価:本体3200円+税
発売日 17.2.10

ISBN 978-4-7885-1494-2

見本出来ました。
2月13日ごろ書店に並びます。

   本書は二〇一二年三月二四日、京都文教大学で行われた公開シンポジウム『日本の心理療法 身体篇』が元となっている。それから本書出版までに思わぬ歳月を要してしまった。シンポジウムをまず文字起こしし、それを各先生方に加筆・修正していただくというプロセスのなかで――これは長文執筆の経験がある方ならご理解いただけると思うが――思わぬ行き詰まり・障壁に阻まれることがある。この「壁」は、真っ向から乗り越えようとさえしなければ意外にすんなり迂回できたりもする。しかしそれをしてしまうと、論文完成後の満足感・納得感が、言うまでもなく、低下してしまう。

 本書の執筆者のうち、お二人はごく早期に論文を提出してくださった。あとお二人におかれては数年もの時を要した。この遅れはひとえに編者たる秋田の怠慢に帰されるべきであるが、それにもまして執筆遅延のお二人が、論文記述途上に立ち現れる様々な困難を正面から受け止め、乗り越える作業をしてくださった賜物でもまたある。このことは、本書に目を通していただければ即座に了解していただけるであろう。
 と言って、早期提出のお二人の論文がいい加減な...

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2017年1月17日 (火)

新刊 熊谷高幸 『自閉症と感覚過敏』

9784788515079

熊谷高幸 著

自閉症と感覚過敏
――特有な世界はなぜ生まれ、どう支援すべきか?

四六判並製208頁
定価:本体1800円+税
発売日 17.1.27

ISBN 978-4-7885-1507-9

見本出来ました。
1月25日ごろ書店に並びます。

はじめに

    自閉症は不思議な障害である。この障害が初めて報告(Kanner 1943)されてから七〇年以上たつのに、障害の定義や、原因や、該当する人々の範囲についての考えが次々に変わってきている。

 私自身も、二五年前より自閉症の本を三冊著してきたが(熊谷 一九九一、一九九三、二〇〇六)、毎回、出版の後には解釈を修正しなければならなくなった。特に、この十年ほどのあいだは、大きく考えを変えることになった。その理由は、この本の中心テーマである、自閉症者の感覚過敏という問題に突き当たったからである。また、このような私の変化は、次のような、社会全体の自閉症の捉え方の変化にも連動している。

 第一に、自閉症と見なされる人々の数が年々ふえている。四〇年ほど前には二〇〇〇人に一人ほどといわれていたのが、いまでは一〇〇人に一人とまでいわれるようになった。

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《もっと読む 自閉症と感覚過敏 はじめに》

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2017年1月11日 (水)

新刊 ウヴェ・フリック 『質的研究の「質」管理』

9784788515086_2

ウヴェ・フリック 著/上淵 寿 訳

質的研究の「質」管理
――SAGE質的研究キット8

A5判並製224頁
定価:本体2400円+税
発売日 17.1.20

ISBN 978-4-7885-1508-6

見本出来ました。
1月20日ごろ書店に並びます。

本書について(ウヴェ・フリック)

  質的研究の質の問題をどう扱うかは、「SAGE質的研究キット」の他の巻でもいろいろな箇所で取り上げている。しかし、これは、質的研究一般にとって答えを見つけて、解決する必要のある重要な問いである。他の巻の著者たちは、本書よりも、この問題をより一般的にと同時により具体的に検討している。つまり、それぞれの巻で取り上げている具体的なアプローチや方法について、その質や妥当[訳注]性*の問題に携わっている。クヴァール(Kvale, 2007)は、インタビュー研究の妥当性や客観性*について有益な省察を行っている。アングロシーノ(Angrosino, 2007)は、観察とエスノグラフィーについて同様のことを行っている。バーバー(Barbour, 2007)は、フォーカスグループを取り上げている。これが、他の巻が本書よりもより具体的な理由である。

 他方で本書は、「SAGE質的研究キット」の他の巻よりも具体的である。というのは、質的研究の質の問題を管理する具体的な方略*を概観しようと試みているからである。この観点から、本書では問題全体を、研究プロセスに

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