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2017年10月

2017年10月13日 (金)

新刊 倉田剛『現代存在論講義 Ⅱ』

9784788515444

倉田剛 著

現代存在論講義 Ⅱ
――物質的対象・種・虚構

A5判並製192頁
定価:本体2200円+税
発売日 17.10.20

ISBN 978-4-7885-1544-4

見本出来ました。
10月23日ごろ書店に並びます。

序文

 本書は『現代存在論講義I』(2017年4月刊)の続編である。ただし先行するI巻を読まずにこのII巻から読み始めてもらっても一向に構わない。そもそもI巻とII巻とを問わず、各講義はかなりの程度独立しているので、基本的にはどこからでも読み始めることができる。むろん最初から順番に眺めてもらうのがベストではあるが、多様な関心をもつ読者に画一的な読み方を強いることはできない。このII巻から読み始める読者のために、この序文を使って、I巻の内容をごく簡単に振り返ることにしよう。

 実を言えば、最初の構想ではすべてのトピックスを一冊にまとめ上げる予定だったが、やや分量が膨らんでしまったこともあり、当初の予定を変更して二分冊にすることにした。だがそうした事情にもかかわらず、結果的にI巻とII巻との分け方はそれほど不自然なものにはならなかった。というのも、I巻が論じたトピックスはすべて存在論の「ファンダメンタルズ」(基礎)に属するのに対し、II巻のトピックスは必ずしもそうではないからである。

以下がI巻の大雑把な要約である。

 第一講義「イントロダクション─存在論とは何か」では、

・・・・・・

《もっと読む 現代存在論講義 Ⅱ 序文》

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2017年10月12日 (木)

書評 日本記号学会 編 『 「美少女」の記号論』

 
日本記号学会 編 『 「美少女」の記号論 セミオトポス12――アンリアルな存在のリアリティ』が共同通信配信、新潟日報、東奥日報、長崎新聞ほか「気になる一冊」欄にて紹介されました(9月24日-)。記事ご担当者様、ありがとうございました。
アイコンで自己守る

「美少女」。文字面だけで、胸を騒がせる、美、少、女…・
増え続けるアイドルたちをはじめ、2次元の世界では戦艦や動物、都道府県など、ありとあらゆる事物が擬人化され美少女となっている。しかし、はてさて美少女とは何か。小説の世界一つとってもナボコフの「ロリータ」と太宰治の「女生徒」、ルイス・キャロルの「不思議の国のアリス」の少女像はそれぞれ異なる。ならばと大学教授や評論家ら日本記号学会の面々が、まじめにその概念についてあれこれ議論したのが本書だ。
 
小沢京子和洋女子大准教授によると、「美少女」という言葉が大衆的に使われ始めたのは1980年代後半。「国民的美少女コンテスト」が分水嶺であるという。美少女が「日本においては、女性が自分で主体的に選び取る(略)アイコンへと変化している」と指摘。「理想のアイドル」たらんと努力するアイドルや、コスプレをする人らがこれに当たる。そのアイコンを、自己を守る「よろい」とするのだ。
 
パリ第8大学の大久保美紀非常勤講師も同様に「今熱心に『美少女』を追いかけるのは女性たち自身」とする。前川修神戸大教授に言わせれば、美少女は「どこにもいないにもかかわらず、どこにでもある記号」だ。美少女。それは学問の最先端でも、流し目をして消え去ってしまう、やはり手の届かない存在なのである。

9784788515352_2

日本記号学会 編

セミオトポス12 「美少女」の記号論
――アンリアルな存在のリアリティ

A5判並製242頁
定価:本体2800円+税
発売日 17.8.31

ISBN 978-4-7885-1535-2

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2017年10月11日 (水)

書評 森 正人著『展示される大和魂――〈国民精神〉の系譜』@図書新聞2017年10月7日号

森 正人著『展示される大和魂――〈国民精神〉の系譜』
書評が、2017年10月7日号「図書新聞」に掲載されました。評者は小野正章氏。
掲載誌ご担当者様、ご書評くださいました先生にこころよりお礼申し上げます。ありがとうございました。
……本書は、「国民精神」のひとつの典型とされる「大和魂」が明治維新以降、意図的に変容させられ、結果的には男らしさ、力強さとなるプロセス、その近代日本で創出された「国民精神」が言語化、具体化、可視化、そして商品化されながら浸透していくプロセスを多くの先行研究をもとにしながら、複合、かつ多角的に検討しながら論証しており、「国民精神」なるものの浸透の「仕掛け」が一筋縄では理解できないものであったことを論証している。ひとつの事象の分析に複合的領域から検討することの「面白さ」が本書によって示されている。

……一方で、不満に感じた点もある。ひとつは、戦前の「国民精神」のなるものの内実に変化がったのか否かについての論究がないことである。少なくとも、明治憲法・教育勅語が発布された十九世紀後半と二十世紀半ばにおける日本の状況や「国民精神」のよりどころとなった天皇観にも変容がみられる。こうしたことからくる「国民精神」の実質あるいは内容に変化が見られたのか否か、さらにそうし転機はいつと判断できるのか、などの論究が加われば、歴史研究としての重みが増すように思える。さらに、戦後の状況であるが、本書の指摘は本当なのでだろうか……


9784788515192_2

森正人 著

展示される大和魂
――〈国民精神〉の系譜

四六判並製282頁
定価:本体2600円+税
発売日 17.3.31

ISBN 978-4-7885-1519-2

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2017年10月 5日 (木)

新刊 中村桂子『ゆらぐ』

9784788515406

中村桂子 編/JT生命誌研究館発行

ゆらぐ
――生命誌年刊号 vol.88-91

A5判変型並製256頁
定価:本体1600円+税
発売日 17.10.15

ISBN 978-4-7885-1540-6

見本出来ました。
10月11日ごろ書店に並びます。

はじめに
 今年の動詞は“ゆらぐ”です。風に吹かれる木の枝や水面のかすかな動きなど不規則に少し動く感じを表わす一方、物事の基盤がぐらつくという意味もあります。

 まず、「基盤がぐらつく」に眼を向けます。生きものを機械のように見て進歩を求め、人間による自然の支配を考える現代社会の根っこはぐらついていないでしょうか。生命誌は、人間は自然の一部としますので、科学や技術もその中で生きる工夫として考えます。多様化しながらさまざまな新しい生き方を創り出してきた生きものの進化に学び、社会を基盤から考え直そうと思っています。

 それにはもう一つの“ゆらぐ”が大事です。機械は均一です。一方、生きものは一つ一つ異なる。人間はすべて共通のヒトゲノムの情報ででき上り、はたらいていますが、一人一人少しずつ違います。まさにゆらぎの中にいると言えます。それゆえに、しなやかに

・・・・・・

《もっと読む ゆらぐ はじめに》

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