« 2017年8月 | トップページ

2017年9月

2017年9月25日 (月)

新刊 ニール・J・サルキンド『統計学のキホンQ&A 100』

9784788515413

ニール・J・サルキンド 著
山田剛史・寺尾敦・杉澤武俊・村井潤一郎 訳

統計学のキホンQ&A 100
――いまさら聞けない疑問に答える

A5判並製196頁
定価:本体1900円+税
発売日 17.9.25

ISBN 978-4-7885-1541-3

見本出来ました。
9月27日ごろ書店に並びます。

はじめに

 ますますデータの重要性が増しているこの世の中において,専門家だけでなく学生も,研究のプロセス,すなわち,最初に問題を設定し,データの分析・解釈をして最終的にレポートにまとめる過程と,その間に行われる全ての事柄について,理解を深めることがこれまでになく重要となっている。

 本書『統計学のキホンQ&A 100』は,研究を進める中で,研究法に関して誰もが疑問に思うであろう最も重要な質問を整理して取り上げ,回答を示すことを目的としている。

 本書を書いたのは,私自身,長年教育に携わる中で,多くの学生のみならず専門家も,どのようなトピックに焦点を定める必要があるのか,詳しい情報をどこで見つけたらよいのかについて,正しく案内してくれる簡潔な概説や本を必要としていることに気づいたからである。  本書は,研究法の重要なトピックについて復習を必要としている人や,この領域の完全な初学者で,何が重要な問題なのか

・・・・・・

《もっと読む 統計学のキホンQ&A 100 はじめに》

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年9月22日 (金)

新刊 J.スミス、S.ハスラム『社会心理学・再入門』

9784788515390

J.スミス、S.ハスラム 編
樋口匡貴・藤島喜嗣 監訳

社会心理学・再入門
――ブレークスルーを生んだ12の研究

A5判並製288頁
定価:本体2900円+税
発売日 17.9.25

ISBN 978-4-7885-1539-0

見本出来ました。
9月27日ごろ書店に並びます。

訳者あとがき

 本書は、Smith, J. R. & Haslam, S. A.(2012)Social Psychology: Revisiting the Classic Studies, SAGEの全訳である。

 本書で取り上げられている研究は、いずれも社会心理学の教科書に頻繁に取り上げられる有名な研究ばかりであるし、中にはテレビ番組などで取り上げられることのある研究もある。したがって、社会心理学者はもとより、心理学を学ぶ学生や一般の人にも馴染みの深い研究であると言えるだろう。

 しかしこれらの古典について、原典をきっちり精読したことのある読者はどれくらいいるだろうか。もしかしたら、それほど多くはないかもしれない。これらの古典について講義をしている社会心理学者の中でも、もしかしたら原典を読んだことがない人もいるかもしれない。恥ずかしながら私も、いくつかの研究については数年前まで原典を精読したことがなかった。

 それはなぜかと考えてみると、まさにこれらの研究が“古典”だからであろう。古典だからこそ多くの教科書で紹介されており、

・・・・・・

《もっと読む 社会心理学・再入門 訳者あとがき》

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年9月21日 (木)

新刊 村上克尚『動物の声、他者の声』

9784788515376

村上克尚 著

動物の声、他者の声
――日本戦後文学の倫理

四六判上製400頁
定価:本体3700円+税
発売日 17.9.25

ISBN 978-4-7885-1537-6

見本出来ました。
9月27日ごろ書店に並びます。

はじめに

 日本は、「大東亜戦争」と呼称した侵略戦争の帰結として、東アジアと太平洋地域に、かつてない規模の殺戮と破壊をもたらした。戦後を生きる人びとに、この事実は大きな思想課題となってのしかかった。欧米において、ナチスのホロコーストの衝撃が、学問や芸術に対して過去のままであることを許さなかったのと同様に、この戦争の記憶は、人びとに分有され、それぞれの領域で暴力への根底的な内省を促したのである。

 そのなかには、文学の創作を通じて、暴力の本質を問い、かつそれを克服するための倫理を見出そうと努めた者たちもいた。日本の文学史では、彼らの達成を「戦後文学」と呼んでいる。

 しかし、私たちは、戦後文学の倫理を正しく受け止められているだろうか。彼らの文学の固有性と正面から向き合う代わりに、なじみやすい倫理を外部から当てはめ、満足してしまっているということはないだろうか。

 ここで言う「なじみやすい倫理」とは、本書でしばしば批判的に

・・・・・・

《もっと読む 動物の声、他者の声 はじめに》

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年9月20日 (水)

新刊 横田正夫『大ヒットアニメで語る心理学』

9784788515420

横田正夫 著

大ヒットアニメで語る心理学
――「感情の谷」から解き明かす日本アニメの特質

四六判並製192頁
定価:本体1800円+税
発売日 17.9.25

ISBN 978-4-7885-1542-0

見本出来ました。
9月27日ごろ書店に並びます。

はじめに

 『君の名は。』と『この世界の片隅に』が大ヒットしたことは記憶に新しい。日本のアニメーションは、これらの作品以外にも毎年たくさん劇場公開されており、話題に上ることも多い。子どもから大人まで巻き込んでしまうことも珍しくない。日本のアニメーションが、ここまで日本の観客に食い込むのかとただ驚くのみである。

 しかしただ驚くだけでよいのだろうか。こうした作品を詳しく分析できれば、これらの作品を受け入れてきた観客の心理に近づくことができるのではなかろうか。なぜならば、作品を見て共感して、リピーターになっている人が多いということであろうから、そこには観客を引き付けるものがあり、観客はそこにのめり込み、魅せられている。魅せられるという状態にならなければ、二度三度観たいとは思わないだろう。もし魅せられる理由がわかれば、今の人々の心理がいくばくか理解できたことになるのではないか。

 これまでアニメーションの研究を続けてきて、キャラクターの特徴や

・・・・・・

《もっと読む 大ヒットアニメで語る心理学 はじめに》

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年9月15日 (金)

紹介 中江桂子 著 『不協和音の宇宙へ――モンテスキューの社会学』

「北海道新聞」夕刊、「新潟日報」、「大阪日日新聞」ほか(2017年8月23日~)、
「解読×現代 不協和音」欄にて
中江桂子 著『不協和音の宇宙へ――モンテスキューの社会学』
が引用されました。掲載記事ご担当者さまに心よりお礼申し上げます。ありがとうございました。

不協和音とは、聞く人を不安定な気持ちにさせる、不調和な音。音楽の世界を飛び出し、集団の安寧をくずし、均衡をゆがめる「異分子」のメタファー(隠喩)として、社会全体でも疎まれる言葉となった。でも「不協和音」って、本当に悪者?
……
モンテスキューの専門家で成蹊大教授の中江桂子は3月末、「不協和音の宇宙へ」(新曜社)を出した。帯に「不協和音のないところに自由はない」とある。

17世紀末に生まれたモンテスキューは、著作「法の精神」で三権分立を唱えたことで知られる。中江は「背景にあった、多様性を重視する思想を知ってほしい」と話す。

「モンテスキューは、同町圧力が高まって、共感できない人を排除するという社会を、社会とはみなさなかった。むしろ、異質な人、自分にとって不都合な人と、関係性をつくり出して共存していくことが重要で、そうして初めて、社会といえると考えていた」
……
不協和音は、時と場合によって、ハーモニーを生みだす。不協和音を恐れず、議論を通して自分の譲れない部分を語り、他者と融和する努力を積み重ねることが、必要ではないだろうか

 

9784788515208

中江桂子 著

不協和音の宇宙へ
――モンテスキューの社会学

A5判上製312頁
定価:本体3900円+税
発売日 17.3.31

ISBN 978-4-7885-1520-8

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年9月14日 (木)

◎新曜社<新刊の御案内>■メール版 第173号■

2017年9月11日発行 +++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
◎新曜社<新刊の御案内>■メール版 第173号■ +++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

◇トピックス
__________________________________

書評/紹介

●武岡 暢 著『生き延びる都市──新宿歌舞伎町の社会学』の書評が、2017年9月9日付「図書新聞」に掲載されました。評者は山本薫子先生。 「日本で最も知られている歓楽街・歌舞伎町の商店街振興組合、不動案オーナー、風俗産業関係者。路上の「キャッチ」「客引き」らに対する社会調査の分析をまとめた新進気鋭の社会学者の書」

http://shin-yo-sha.cocolog-nifty.com/blog/2017/09/201799-6a49.html


フェアのお知らせ

●心理学書販売研究会&丸善雄松堂、丸善丸の内本店フェア
心理学に何ができるか 国家資格〈公認心理師〉時代の到来

2017年より施行される「公認心理師」という、心理の国家資格の法制化により、心理職の仕事の状況は大きく変わっていくことが予想されます。このような状況をふまえて、心理学のこれからを考える基本書・ロングセラー、そして新刊をとりそろえたフェアを企画しました。

開催場所 丸善丸の内本店 3F ミュージアムゾーン
期間:9/1(金)~10/31(火)
住所:〒100-8203 東京都千代田区丸の内1-6-4 丸の内オアゾ1F~4F
電話番号:03-5288-8881
営業時間:9:00~21:00
定休日:なし
詳細は →
http://shinpanken.blogspot.jp/2017/09/blog-post.html


●紀伊國屋書店新宿本店 3階にて開催しております、
『ワードマップ 現代現象学』刊行記念ブックフェア、好評です。
フェア会場限定で配布しております、36頁のブックレット、重版いたしました。

開催期間: 2017年9月30日まで
開催会場: 紀伊國屋書店新宿本店 3階 哲学思想書エンド台
選書と解説:   植村玄輝、八重樫 徹、吉川 孝、富山 豊、森 功次、村田憲郎、小手川正 二郎、   佐藤 駿、武内 大、宮原克典、新川拓哉、池田 喬、前田泰樹、葛谷 潤
企 画 : 酒井泰斗(ルーマン・フォーラム)
協 力 : 新曜社
詳細は→ http://shin-yo-sha.cocolog-nifty.com/blog/2017/08/post-47d5.html

________________________________

◇近刊情報
_________________________________


9月下旬発売
------------------------------------------------------------------
『統計学のキホンQ&A 100』
──いまさら聞けない疑問に答える
------------------------------------------------------------------
ニール・J・サルキンド 著
山田剛史・杉澤武俊・寺尾敦・村井潤一郎 訳
A5判並製196頁・予価1900円+税
ISBN 978-4-7885-1541-3 C1011
分野=心理学・研究法


理解することをあきらめる前に!

ビッグデータを持ち出すまでもなく、統計学への関心が高まっているものの、いざ学ぶとなるとつまづいたりあきらめかけたり・・・。本書は、『心理学研究法のキホンQ&A100』の著者が「平均値とは?」「なぜ確率が重要?」など、初心者の誰もが抱く100の疑問に一問一答形式で解説した入門書です。各疑問は1~2頁にまとめられエクセルの分析ツールで実習しながら理解を深めることができるトピックも。統計学を分かりやすく教えたい教師、データ分析に携わる社会人にも最適!

関連書
『心理学研究法のキホンQ&A 100──いまさら聞けない疑問に答える』
ニール・J・サルキンド 著 畑中美穂 訳
http://www.shin-yo-sha.co.jp/mokuroku/books/978-4-7885-1524-6.htm

9月下旬発売
------------------------------------------------------------------
『社会心理学・再入門』
──ブレークスルーを生んだ12の研究
------------------------------------------------------------------
J.スミス、S.ハスラム 編 樋口匡貴・藤島喜嗣 監訳
A5判並製288頁・予価2900円+税
ISBN  978-4-7885-1539-0 C1011
分野=社会心理学

人間の本質に迫る古典的研究を精選!

「スタンフォード監獄実験」など、今日でも私たちの人間理解に大きな影響を与え続けている社会心理学の古典的研究は、多くの教科書に取り上げられ、広く知られている一方で、近年、それらの研究の再現可能性や倫理的な問題が議論されています。本書は、こうした重要な研究が生まれた社会的背景や研究の実際、その後の批判と展開、社会に与えたインパクトまで、詳しく、誰でも興味深く読めるよう解説しています。普通の教科書では学べない、社会心理学研究の価値と魅力を改めて発見する、再入門への誘いの書です。

関連書
『発達心理学・再入門』
アラン・M・スレーター、ポール・C・クイン 編 加藤弘通・川田学・伊藤崇 監訳 http://www.shin-yo-sha.co.jp/mokuroku/books/978-4-7885-1521-5.htm




9月下旬発売
------------------------------------------------------------------
『大ヒットアニメで語る心理学』
──「感情の谷」から解き明かす日本アニメの特質
------------------------------------------------------------------
横田正夫 著
四六判並製192頁・本体1800円+税
ISBN  978-4-7885-1542-0 C0011
分野=心理学一般・アニメ・マンガ評論


何が観客の心をとらえているのか

長編アニメーションの人気が近年ますます沸騰し、幅広い支持を得ています。二〇一六年には『君の名は。』が記録的な興収をあげ、『この世界の片隅に』はアニメーション映画として史上初めて日本映画監督賞を受賞しました。『アナと雪の女王』や『進撃の巨人』の大ヒットも記憶に新しいところです。これらの作品の何が観客の心をとらえたのでしょうか。そのストーリーの組み立て方や作画の仕方に共通して見られる心理描写の特徴を読み解き、作品のヒットを通じて見える現代社会の心模様を考察します。帯に『この世界の片隅に』片渕須直監督と、『君の名は。』安藤雅司作画監督からの推薦のことばを掲載。




10月上旬発売
------------------------------------------------------------------
『アメリカ創価学会〈SGI‐USA〉の55年』
──アメリカ合衆国における創価学会インターナショナル
------------------------------------------------------------------
秋庭 裕 著
四六判上製272頁・予価2300円+税
ISBN 978-4-7885-1543-7 C1036
分野=宗教・社会学


どのようにして受け入れられていったのか

創価学会は圧倒的に巨大な宗教組織であり、世界各国に約220万人の会員を擁しています。世界への第一歩は1960年、アメリカから踏み出されましたが、学会の教えが、日本とは大きく文化背景の異なる風土にどのように届けられ、根付いていったのでしょうか。なぜ、いかに人々がメンバーとなり、信仰を継続していったのでしょうか。本書は、アメリカ創価学会の創立時からの歩みの綿密な調査研究にもとづく報告です。学会員にも実際にはよく知られていないその姿を、一般読者にも理解できるように描き出しました。そしてそれは、戦後日本人が何を求め生きてきたかを理解するための、格好のテクストともなっています。宗教や宗教団体は科学的な研究がもっとも扱いにくい領域の一つですが、信仰者のリアリティを疎外せずに、非信仰者の客観的な観察と理解と両立させることを目指した、宗教社会学の成果です。本書の続編『アメリカ創価学会〈SGI‐USA〉における異体同心』も、制作が進んでいます。




10月上旬発売
------------------------------------------------------------------
『ゲイカップルのワークライフバランス』
──男性同性愛者のパートナー関係・親密性・生活
------------------------------------------------------------------
神谷悠介 著
四六判並製224頁・本体2900円+税
ISBN 978-4-7885-1538-3 C1036
分野=LGBT・家族・社会問題


ゲイカップルの生活実態と素顔

映画『怒り』ではゲイ男性(妻夫木聡)がリッチな外食を楽しむ一方、相手(綾野剛)は家でコンビニ弁当を食べています。ゲイ男性が相手に「働かなくてもお金大丈夫なの?」と問いかけるなど、家計は別でお互いにプライバシーをもつゲイカップルの複雑な関係性がリアルに描かれています。本書はこうした知られざるゲイカップルの生活実態と素顔を、インタビューの語りから浮き彫りにします。社会学者ギデンスの親密性の理論を読み換えて、同性愛者の仕事と家庭、パートナー関係、ワークライフバランスへの理解を深め、従来の家族観やヘテロノーマティビティ(異性愛規範)を考えさせる好著です。




10月上旬発売
------------------------------------------------------------------
『ゆらぐ』
──生命誌年刊号vol88‐91
------------------------------------------------------------------
中村桂子編/JT生命誌研究館発行
A5判変型並製256頁・本体1600円+税
ISBN 978-4-7885-1540-6 C1045
分野=生命科学・科学論

一つ一つ異なる生命のゆらぎ

生命は細胞レベルで常にゆらいでいて、それゆえに続いてきました。今号では生命のゆらぎに眼を向け、自然の本質を考える知=サイエンスを見つめます。対談では、震災後に小さな《ひと》像を発表したアーティストの内藤礼氏や、東北民話を採訪する小野和子氏、生態学の湯本貴和氏、数学研究の森重文氏らと生命・自然を科学の枠を超えて語ります。また、細胞を対象とした多様なリポートのほか、一線で活躍する科学者たちが、たゆまぬ探究から成果を見出してきた研究人生を振り返るコーナーも読みごたえ充分です。

生命誌 年刊号バックナンバー
http://www.brh.co.jp/seimeishi/annual/
___________________________________

◇奥付
___________________________________

□電子メールマガジン:「新曜社<新刊の御案内> 」(不定期発行)
□HPアドレス http://www.shin-yo-sha.co.jp/
□blog:新曜社通信 http://shin-yo-sha.cocolog-nifty.com/
□twitterもよろしく:http://twitter.com/shin_yo_sha
□このメルマガは『まぐまぐ』を利用して発行しています。
□購読・解除・変更手続きは http://www.mag2.com/ より行って下さい。
□掲載された内容を許可無く転載することを禁じます。
□発行:株式会社新曜社 
営業部 〒101-0051 東京都千代田区神田神保町3-9 第一丸三ビル
電話  03(3264)4973(代) FAX 03(3239)2958 e-mail 
info@shin-yo-sha.co.jp ++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
次回発行は2017年10月上旬を予定しております。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年9月 7日 (木)

新刊 秋田 巌・名取琢自『日本の心理療法 国際比較篇』

9784788515307

秋田 巌・名取琢自 編

日本の心理療法 国際比較篇
――

A5変判並製224頁
定価:本体2800円+税
発売日 17.9.7

ISBN 978-4-7885-1530-7

見本出来ました。
9月6日配本、9月8日ごろ書店に並びます。



 本書『日本の心理療法 国際比較篇』は二〇一一年九月二三日に京都文教大学で開催されたシンポジウムをもとに、各シンポジストが後日あらためて練り直し、執筆した論考を収録したものである。

 ただし「国際比較」とは言っても、単に日本の心理療法を諸外国の現状とを横に並べて比較したものではなく、時間的、空間的、そして、主観的関与の深さにおいて、かなりの広がりを持った内容になっている。

 比較のなかで登場する主な国は日本、スイス、アメリカ、イギリスであり、大きく見ると日本と西洋諸国に根ざした文化とその影響力の比較になっている。中国も、リヒャルト・ウィルヘルムを通してユングに影響を与えた国として、そしてクーグラーと樋口和彦が訪れ、新たな文化的展開の可能性を秘めた場所として登場している。

 時間の広がりとして、一部を時系列順に

・・・・・・

《もっと読む 日本の心理療法 国際比較篇 序》

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年9月 5日 (火)

武岡 暢 著『生き延びる都市』書評@2017年9月9日付「図書新聞」

「「特殊」のなかに「普遍」を読み解く」


武岡 暢 著『生き延びる都市――新宿歌舞伎町の社会学』
の書評が、2017年9月9日付「図書新聞」に掲載されました。評者は山本薫子先生。
ご書評いただきました先生、書評誌ご担当者さま、ありがとうございます。こころよりお礼申しあげます。

日本で最も知られている歓楽街・歌舞伎町の商店街振興組合、不動案オーナー、風俗産業関係者。路上の「キャッチ」「客引き」らに対する社会調査の分析をまとめた新進気鋭の社会学者の書

……本書の特徴の一つは、新宿歌舞伎町や性風俗店等という、それ自体が特別視され、また注目されやすい対象を扱っていながら、分析に用いる枠組みはあくまでオーソドックス、古典に徹している点である。先述した「仲介」ではジンメルの媒介=分離のメカニズムに基づいて説明がなされることで、特殊な人々の限定された行動としてではなく、普遍的な人間、社会の動態の一例として読者は理解することができる。

  
全体的に筆致は抑制され、歌舞伎町という場における、あるいは関連する主体の諸活動がいかにして存続されてきたのか、という問いの解明に著者は集中する。たとえば、性風俗店の店舗がその経営のために女性従業員たちを「飼い殺し」の状態に置くマネジメントの内容が本書では紹介されている。これは、待機時間が長いなど(その間の報酬はない)好待遇に置かれていない従業員に対して情緒的資源を動員する(「自分は必要とされている感じを与える」)ことによって、店舗にとっては都合がいい(女性従業員にとって有益とは客観的に評価し難い)状態が維持され続けていることを指す。性風俗産業にまつわるこれらの事象やその構造はすでに各種ルポルタージュや報道等で紹介されているものであるが、本書では女性の貧困や人権等の視点は導入せず、あくまでも店舗存続、産業継続に関するメカニズムの分析に徹している。

さらに、こうしたじでょうのは池にある店舗内の閉鎖性に対して、歌舞伎町におけるストリート(路上)の開放性についても注目がなされる。商店街振興組合による街頭パトロールへの同行を繰り返すなかで、著者は組合員ら(ビルオーナー)と客引きやスカウトとの巧妙な棲み分けを発見しているが、これは本書においてもオリジナリティのある、出色の着眼と分析と言っていいだろう。……


9784788515130

武岡 暢 著

生き延びる都市
――新宿歌舞伎町の社会学

A5判上製336頁
定価:本体4400円+税
発売日 17.2.28

ISBN 978-4-7885-1513-0

 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2017年8月 | トップページ