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2016年11月 9日 (水)

書評 三浦倫平著『「共生」の都市社会学』

三浦倫平著『「共生」の都市社会学―下北沢再開発問題のなかで考える』 の書評が、「図書新聞」2016年11月12日付に掲載されました。評者は植田剛史氏。ご書評くださいました先生、書評紙ご担当者様にこころよりお礼申し上げます。ありがとうございました。

・・・・・・さて、本書の実証編にあたる第三章以降は、著者が「都市への権利」をイシューとした都市社会運動と位置づける、下北沢再開発問題をめぐる運動の記録としても読める。その目配りの広さも魅力ではあるが、最も画期的な点は、来街者を正面から研究の俎上に載せた点にある。多くの地域研究・都市研究はこれまで、都市空間の使用者として、住居の有無や法的地位の如何にかかわらず、そこに住む者を暗黙のうちに前提としてきた。一定の土地に身体を定位させていること、そして、そこに生活の基盤があることを、ある街の権利主体であると主張するときの根拠として、多くの研究者もまた共有してきたといえる。だが、いうまでもなく、下北沢という街も、他の多くの街も、そこに住む者のみで成り立っているわけではない。著者は、来街者の意味世界もまた、そこに住む者の意味世界と等価なものとして研究対象に据える。そして、来街者の意味世界をも含む複数の意味世界から、異なる社会形成への構想が複数立ち上がり、それらがときに対立しつつも同時に存在することを、「共生」という地平に近づく契機として積極的に評価する。こうした「共同性」の捉え方を可能性として示した点は、本書が都市社会学に果たす重要な貢献といえよう・・・・・・

9784788514706

三浦倫平 著

「共生」の都市社会学
―下北沢再開発問題のなかで考える

A5判上製464頁
定価:本体5200円+税
発売日 16.3.31

ISBN 978-4-7885-1470-6

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