新刊 内藤千珠子『愛国的無関心』
内藤千珠子 著
四六判上製258頁
定価:本体2700円+税
発売日 15.10.30
ISBN 978-4-7885-1453-9
見本出来ました。11月6日ごろ書店に並びます。
世紀が変わってからの十数年、日本や日本人という言葉の語感は大きく変化した。少し前まで、戦争という単語は日本の過去を語るものであったのに、いま では日本の未来に起こりうる危機を告げる身近な言葉と化した。その文脈を、新しい愛国主義やナショナリズムが支えている。
論理を複雑な議論をとおして考えることよりも、イメージやわかりやすい図式が好まれるのが、いまの空気である。だからこそ、シンプルな愛国的感覚は、あ たりまえで自然な感情として認識され、世の中に広く行きわたっているといえるだろう。日本人という単語に自分を預けることで自我を保とうとするメンタリ ティは、日本や日本人という記号を無条件に肯定する力になる。日本人としての誇りをもって日本を愛するのは当然のことであり、自虐的な姿勢で過去を反省す る時期はもう終わった、歴史に対する一般的な態度として、そのような疚しさなどもはや見飽きた、という感覚が支配的になりつつある。・・・・・・
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