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2015年4月14日 (火)

書評 ジョン・サール著/菅野盾樹 監訳『意識の神秘』@週刊読書人2015年4月10日付

9784788514218ジョン・サール 著/菅野盾樹 監訳

意識の神秘
――生物学的自然主義からの挑戦

四六判上製272頁
定価:本体3200+税
発売日 15.2.20
ISBN 978-4-7885-1421-8

2015年4月10日付「週刊読書人」に掲載されました。評者は宮原 勇先生。評者の先生、掲載紙ご担当者様にはこころよりお礼申し上げます。ありがとうございました。


本書は哲学者サールが『ニューヨーク・レヴュー・オヴ・ブックス』誌上に掲載した書評と著者たちとの往復書簡を収めたものである(原著は1997年)。

・・・・・・むしろ、サールは、意識というものの存在を認めつつ、脳科学によって意識の発生を解明しようとするクリックやエーデルマンを評価する。クリックはクリストフ・コッホと共同で「NCC」(意識のニューロン相関者)仮説を証明しようとしていた。サールは、後年(評者の知る限り)コッホの著作『意識の探求』を推薦していたが、それはまさにサールのテーゼ、ある生命的実在は条件がそろえば、「意識」を因果的に生じせしめることを検証する試みであるからである。

本書で展開されている議論としては、デネットやチャルマーズとの論争が重要である。デネットやチャルマーズの大部で、いろいろな罠が仕掛けられている哲学書を読むのは危険である。しかしサールの手にかかると深く隠されていた哲学者たちの病巣がえぐり出される。・・・・・・

本訳書は、原著の出版からやや時間は経ってはいるが、デネットやチャルマーズに対する徹底的な批判や、クリック、コッホの試みに対する注目と賛同は、今日改めてサールの炯眼ぶりを示すものであり、本書の翻訳の意義は大変大きい。また、訳文は明解でわかりやすく、本書は大変優れた訳書といえよう。

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