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2015年4月

2015年4月28日 (火)

新刊 佐藤公治『ヴィゴツキーの思想世界』

9784788514287

佐藤 公治 著

ヴィゴツキーの思想世界
――その形成と研究の交流

四六判並製320頁
定価:本体2400円+税
発売日 15.5.1
ISBN 978-4-7885-1428-7

見本出来ました。
5月1日ごろ書店に並びます。

はじめに(一部抜粋)

 今からちょうど八十年前に、三十七歳の若さでこの世を去った心理学者がいる。ロシアで生まれ、ロシアから新しい心理学を生み出していこうとしたヴィゴツ キー、その人である。心理学の世界では、研究のテーマや話題になる人物が短い周期で変わることが多い。その中で、亡くなってから八十年も経っている人の研 究が再び注目されることはきわめてまれである。

 それではどうして、今、ヴィゴツキーなのだろうか。この再評価の動きの背景には、人間と人間精神の見方についての反省と転換が起き始めていることがあ る。人間を社会的存在としてみることの必要性に気付き始めたということで、彼は人間精神を正しくとらえていくためには、心理学はどのような学問であるべき かということを問題にしてきた。今日でもその新鮮さは失われていない。彼が指摘したことから、心理学の人間研究としてとるべき方向が明らかになってくる。

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2015年4月27日 (月)

新刊 牛山美穂『ステロイドと「患者の知」』

9784788514256

牛山 美穂 著

ステロイドと「患者の知」
――アトピー性皮膚炎のエスノグラフィー

四六判並製224頁
定価:本体2100円+税
発売日 15.5.1
ISBN 978-4-7885-1425-6

見本出来ました。
5月1日ごろ書店に並びます。

はじめに(一部抜粋)

  息もできないぐらい痛かったし、何のために生きてるのかっていう感じだし。痛い、もう全身しびれて。手は動かせないし。でも寝れないし、すごい痛くて。 ご飯自分で食べるのも最初はしんどいわけ。全部入れてもらうの、口の中に。本当に目も開かなかったし、テレビも見れないし、ただ本当に時間を1から100 まで数えてとかいうのを繰り返す感じだよね。12時間ぐらい、気が狂うぐらい掻いて、そのあと12時間激痛みたいの繰り返してたの。寝る時間がないよね。 本当大変だった。泣いても痛いじゃん。絶対に泣けないし。でもお母さんを見たら、私の姿見て泣くし。自分じゃ見えないけどすごい辛かったみたいだよね、パ ンパンでね。最初の24歳のときに、初めてリバウンドのすごい酷いのがきたときとか、お母さんが最初見たとき、家帰ってきて悲鳴上げて。自分が死んじゃっ たのかと思うぐらい。お母さんが、こんな姿になってとかいって泣きながら目のここら辺の傷をふくの。私、生きてんのかなとか思いながら。(麻美 28歳女 性)

 この語りは、アトピー性皮膚炎患者の麻美さん(28歳女性)が、過去の激しい症状の悪化について語った際のものである。通常、アトピー性皮膚炎という と、ただの軽い皮膚の湿疹と捉えられがちだが、実際のところ、アトピー性皮膚炎は、この語りにみられるほど壮絶な様相を呈することもある病気である。しかし、

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2015年4月20日 (月)

新刊 東園子『宝塚・やおい、愛の読み替え』

9784788514164

東 園子 著

宝塚・やおい、愛の読み替え
――女性とポピュラーカルチャーの社会学

四六判上製344頁
定価:本体3400円+税
発売日 15.4.20
ISBN 978-4-7885-1416-4

見本出来ました。
4月27日ごろ書店に並びます。

まえがき

  ある日曜の午前一一時、兵庫県宝塚市の武庫川のほとりに建つ白壁の大きな劇場。

 開演アナウンスが流れ、客席の明かりが落ちると、場内にひしめいていたざわめきがすっと収まる。音楽とともに緞帳が上がり、真っ暗な劇場に舞台から光が あふれる。独特の舞台化粧にきらびやかな衣装を身にまとった出演者たちが、大掛かりな舞台装置に居並ぶ。ここは宝塚歌劇団の本拠地の宝塚大劇場である。二 〇一四年に百周年を迎えた宝塚歌劇は、女性だけで男性の役も女性の役も演じ、歌と踊りを盛り込みながら男女のラブロマンスを描いた舞台で知られる。その観 客席を見ると、かなりの割合を女性が占めている。彼女たちの年齢はさまざまながら、舞台に注ぐ真剣なまなざしは変わらない。客席に座るファンたちは、華や かなステージの上にいったい何を見ているのだろうか。

 同じ日の同じ時刻、大阪府大阪市の港湾地区にある国際展示場。

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2015年4月17日 (金)

新刊 D・Aノーマン『誰のためのデザイン?増補・改訂版』

9784788514348

D.A.ノーマン 著
岡本明・安村通晃・伊賀聡一郎・野島久雄 訳

誰のためのデザイン?増補・改訂版
――認知科学者のデザイン原論

四六判上製512頁
定価:本体3300円+税
発売日 15.4.20
ISBN 978-4-7885-1434-8

見本出来ました。
4月23日ごろ書店に並びます。

日本語版への序文

  私は40年以上にわたって何度も日本を訪れているが、来るたびに深く印象づけられる。そのエネルギー、創造性、優秀さにはいつも感銘を受ける。お気に入りの日本の料理はオコノミヤキだ。

 日本の技術者とデザイナーは、アイデアを斬新に組み合わせて製品を作り上げることで有名である。これは、いろいろなおかずが入っているベントーや、天カスやさまざまな具材で作るオコノミヤキにも似通ったところがある。

 私の好みの、ある日本製品はこの組合せ能力を示している。日本のそろばんとデジタル計算機という、二つの世界の最良のものを組み合わせているのだ。次 ページの写真はシャープのそろばん電卓で、1990年代に買ったものだが、1970年代終わりごろから1980年代初期にいくつかのモデルが生産された [1]。なぜこの組合せなのか。足し算や引き算は、そろばんのほうが電卓や紙と鉛筆よりも簡単で速くできる。だが、掛け算、割り算になると電卓のほうが簡 単で速い。そこでこの二つを組み合わせない手はない。まさにシャープはそれをやったのだ(図1)。 うまくできている?イエス。使いやすい?考えてみてほしい。

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2015年4月15日 (水)

・記事・紹介 文芸批評、30代が頭角 @日本経済新聞  2015年4月3日付 

文芸批評、30代が頭角 先達の思想くみ 時代読み解く

という記事が、2015年4月3日付・日本経済新聞 夕刊 「ぱーそん」に掲載されました。

小説や詩歌など個々の文学作品の評価にとどまらず、広く社会や時代の分析を手掛ける文芸批評で、30代の存在が目立ってきた。欧米の思想や理論から小説や詩歌の価値を裁断するのではなく、日本の文芸批評が積み重ねてきた伝統を踏まえる、地に足のついた議論が持ち味だ。

 

として、

『復興文化論』の福嶋亮大氏

『批評メディア論』の大澤聡氏

『福田恆存 思想の〈かたち〉』の浜崎洋介氏

『坂口安吾の未来』の宮澤隆義氏がとりあげられ、各氏のコメントが掲載されていました。

・・・・・
・・・・・・彼らが文芸批評に関心を持った時代背景は何か。福嶋氏や浜崎氏は思想家の柄谷行人氏(73)の著作を挙げる。夏目漱石などの近代日本文学からマルクス、資本主義、世界史の構造まで幅広く論じる構えの大きさに加え、柄谷氏の社会思想を実践に移す運動の試みが注目された。浜崎氏は「(柄谷氏が提唱した社会運動)『NAM』への参加と、その崩壊を目の当たりにしたことが、文学と実践の問題を徹底的に考えるきっかけになった」と振り返る。

バブル経済の崩壊と就職難、二つの大震災・・・・・・。現代日本に多くの問題が吹き出すさまを直視してきたことも、この世代の共通体験だろう。2月に著書『坂口安吾の未来』を刊行した宮澤隆義氏(37)は、無頼派の作家の坂口安吾の作品を通じて「危機の時代」である現代を見つめる。

「無頼=何の権威にも頼れない時代だからこそ、自分自身の言葉で語らざるを得ない」(宮澤氏)。ひょっとすると、現代ほど批評が鍛えられる時期はないのかもしれない。

(文化部郷原信之氏)

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2015年4月14日 (火)

書評 ジョン・サール著/菅野盾樹 監訳『意識の神秘』@週刊読書人2015年4月10日付

9784788514218ジョン・サール 著/菅野盾樹 監訳

意識の神秘
――生物学的自然主義からの挑戦

四六判上製272頁
定価:本体3200+税
発売日 15.2.20
ISBN 978-4-7885-1421-8

2015年4月10日付「週刊読書人」に掲載されました。評者は宮原 勇先生。評者の先生、掲載紙ご担当者様にはこころよりお礼申し上げます。ありがとうございました。


本書は哲学者サールが『ニューヨーク・レヴュー・オヴ・ブックス』誌上に掲載した書評と著者たちとの往復書簡を収めたものである(原著は1997年)。

・・・・・・むしろ、サールは、意識というものの存在を認めつつ、脳科学によって意識の発生を解明しようとするクリックやエーデルマンを評価する。クリックはクリストフ・コッホと共同で「NCC」(意識のニューロン相関者)仮説を証明しようとしていた。サールは、後年(評者の知る限り)コッホの著作『意識の探求』を推薦していたが、それはまさにサールのテーゼ、ある生命的実在は条件がそろえば、「意識」を因果的に生じせしめることを検証する試みであるからである。

本書で展開されている議論としては、デネットやチャルマーズとの論争が重要である。デネットやチャルマーズの大部で、いろいろな罠が仕掛けられている哲学書を読むのは危険である。しかしサールの手にかかると深く隠されていた哲学者たちの病巣がえぐり出される。・・・・・・

本訳書は、原著の出版からやや時間は経ってはいるが、デネットやチャルマーズに対する徹底的な批判や、クリック、コッホの試みに対する注目と賛同は、今日改めてサールの炯眼ぶりを示すものであり、本書の翻訳の意義は大変大きい。また、訳文は明解でわかりやすく、本書は大変優れた訳書といえよう。

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2015年4月10日 (金)

近刊情報 『誰のためのデザイン? 増補改訂版』

『誰のためのデザイン? 増補・改訂版』
── 認知科学者のデザイン原論

D・A・ノーマン 著
岡本 明・安村通晃・伊賀聡一郎・野島久雄 訳
四六判上製512頁・本体3300円+税
ISBN 978-4-7885-1434-8 C1011
分野=認知心理学・ヒューマンインターフェースデザイン

「人間中心のデザイン」、「デザイン思考」、「ビジネスの実世界におけるデザインの問題について」を新しく増補いたしました。

4月17日見本、23日配本。27日発売の予定です。

なぜ増補・改訂版?

最初の版から25年の間に、
たくさんのことを学んだからである。
テクノロジーも大きく変化した。
最良の製品が常に成功するわけではない。
どんな新しいテクノロジーが出現するかを予測できる人もいない。
だが確実に予測できるのは、本書に述べるデザインの原則は
変わらずに残るということである。(本書まえがきより)

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2015年4月 3日 (金)

新刊 桜井 厚・石川良子『ライフストーリー研究に何ができるか』

9784788513983

桜井 厚・石川良子 編

ライフストーリー研究に何ができるか
――対話的構築主義の批判的継承

四六判上製266頁
定価:本体2200円+税
発売日 15.4.9
ISBN 978-4-7885-1398-3

見本出来ました。4月9日配本です。
4月13日ごろ書店に並びます。

あとがき

 本書の企画意図や経緯について、個人的な思いも交えながら簡単に記しておきたい。本書は桜井厚さんの定年退職の記念として企画された。桜井さんが立教大 学を退職したのは二〇一三年三月、それから二年が経過してしまったが、ともあれ出発点はそこである。桜井さんには二〇一〇年秋口に、記念になるような論集 を作りたい、そのために研究会を立ち上げたいと伝えた。締切りまでに各自で原稿を仕上げるのではなく、皆でテーマ・内容を検討しながら完成させていくよう にしたかったからである。そして二〇一一年一月、ライフストーリー研究会の若手の常連メンバーを中心に呼びかけて第一回目の会合を持ち、ここで「対話的構 築主義研究会」という名称が決まった。その後は数ヵ月おきに集まり、適宜メールでもやりとりを行った。また、八ヶ岳の麓にある桜井さんのご自宅で合宿した こともある。

 本書を企画するにあたり、調査研究の実践に基づいて方法論を論じること、執筆陣は若手に絞ること、この二点は最初から明確にイメージしていた。とくに前 者に関しては桜井さんも強いこだわりがあるようで、研究会でも次のように繰り返していた。方法論といってもいたずらに理論的検討に走ることなく、また単な る調査手順の解説に陥ることなく、常にフィールドに立ち返り、自分が何をやってきたのか論じることが重要である、と。執筆作業に行き詰ったときは、桜井さ んのこの言葉を思い出すようにしていた。

    ・・・・・・

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2015年4月 1日 (水)

新刊 苧阪直行『成長し衰退する脳』

9784788514270

苧阪直行 編

成長し衰退する脳
――神経発達学と神経加齢学

四六判392ページ+カラー口絵15頁
定価:本体4500円+税
発売日 15.3.30
ISBN 978-4-7885-1427-0

見本出来ました。4月1日配本です。
4月3日ごろ書店に並びます。

神経発達学と神経加齢学 への序(抜粋)

  社会脳シリーズ第8巻『成長し衰退する脳─神経発達学と神経加齢学』は社会脳からみた認識と行動の発生・発達を扱う神経発達学 (neurodevelopments)と加齢による衰退を扱う神経加齢学(neuroaging)をともに取り上げる。発達と加齢は異なる領域として別 に扱われる場合が多いが、本巻ではヒトの一生を俯瞰するパースペクティブから社会脳を通して、両者を連続した時間軸の中でとらえる試みをおこなった。国連 の統計によると2020年までに世界の65歳以上の高齢者人口は5歳以下の幼児人口を上回るという。そして、世界保健機構は2050年には世界の認知症患 者は1億3千5百万人に達すると予測している。ひるがえってわが国をみると、すでに少子高齢化は急速に進展中であり、30年後には認知症は1千万人近くに 達すると予測されている(苧阪 2014)。成長する脳と衰退する脳のバランスが失われると社会がどう変わるのかを予測する必要がある。

 xiページの図1に示すように、発達の区分としては生誕後28日以内を新生児(neonate)、29日から12ヶ月未満を乳児(infant)、 1~6歳を幼児(preschool children)、6~12歳を児童(school children)、さらに12歳以降を青年(adolescent)と呼んでいる。

    ・・・・・・

《もっと読む 成長し衰退する脳─神経発達学と神経加齢学 への序(抜粋)》

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