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2014年8月

2014年8月28日 (木)

新刊 秋田 巌『日本の心理療法 思想篇』

9784788514058

秋田 巌 編

日本の心理療法 思想篇

A5判上製304頁
定価:本体3200円+税
発売日 14.8.28
ISBN 978-4-7885-1405-8

見本出来ました。8月28日配本です。
9月1日ごろ書店に並びます。

はじめに

 私の魂は、今、よろこびに打ち震えている。シリーズ『日本の心理療法』を上梓できる運びとなったからである。

 私は一九八五年に精神科医となり、スイスのユング研究所留学を挟んで、九七年より京都文教大学で臨床心理学の教育に携わるようになった。そして、ふと気 がついてみると「講義科目」に並んでいるものは西洋、あるいはユダヤ・キリスト教圏で生まれ育った心理学・心理療法ばかりなのである。日本で生まれ育った 心理療法がないのであれば仕方がない。

 ところが、である。日本には、森田療法・内観療法・生活臨床をはじめとして日本で生まれ育った心理療法(精神療法)が少なからず存在する。それがまった く教えられていない。臨床心理学教育に比べて精神医学領域においては、事態はもう少しマシで、きわめて不十分ながらも教育されている。が、臨床心理学教 育、たとえば私の勤務する京都文教大学――臨床心理学に携わる者なら概ね誰でもが知っている、その道の「有名校」である。日本の心理臨床学の礎を築いたと 言える亡き河合隼雄先生が中心となって創立された大学でもある。質量ともに誇るべき陣容と教育内容を備えている――をしてこの状況。つまり、「日本の心理 療法」がほとんど教えられていない。そして、この「異常事態」は全国的なものである。

    ・・・・・・

《もっと読む 日本の心理療法 思想篇 はじめに》

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2014年8月19日 (火)

新刊 近藤総子『自分と出会うアートセラピー』

9784788513938

近藤総子 編著

自分と出会うアートセラピー

A5判並製260頁
定価:本体3400円+税
発売日 14.8.25
ISBN 978-4-7885-1393-8

見本出来ました。8月25日配本です。
8月28日ごろ書店に並びます。

はじめに

  私たちは意外に、「自分のこと」を知らないようです。そして「意外に自分のことを分かっていない」ことにも、ふだんあまり気づいていません。

アートセラピーの勉強会を始めたころの私たちもそうでした。

それどころか私たちは、「自分のことをもっと知りたい」とか、「自分のことが分かっていないから、つまずいたりトラブルが起きてしんどくなる」などとは、 考えてもいませんでした。せいぜい、「自分はよく人からカタイと言われるけど、甘えられずに育ったからしょうがない」などと、簡単に片付けてしまっていま した。

でも、言い訳をやめて、本当の自分を生きることができるなら!

私たちは、「アクティヴ・イマジネーションを用いたアートセラピー」を体験することができ、そのおかげで、目をみはるばかりの驚きや発見を通して、意識が拡大する感覚や深い変容に近づくことができました。

この本でご紹介するアートセラピーは、C・G・ユングが創始した「アクティヴ・イマジネーション」(能動的想像)の技法を用いて、絵に表現された「無意識 の思い」にアクティヴ(能動的)に関わっていった成果です。「自己成長」のためにはさまざまな方法がありますが、このアクティヴ・イマジネーションの技法 は、意識を拡大し、創造性を高め、人格の根底からの「変容」(変化)が起こるのを助けるもので、「これは二〇世紀におけるもっとも重要な発見の一つ」であ る、とも言われています。本書をお読みいただければ、その驚異的な力の一端がお分かりいただけると思います。

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《もっと読む 自分と出会うアートセラピー はじめに》

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2014年8月12日 (火)

お知らせ 新曜社営業部 夏季休業

新曜社営業部 8月13日から15日まで夏季休業いたします。18日より営業いたします。

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2014年8月11日 (月)

書評 日比嘉高著『ジャパニーズ・アメリカ』 毎日新聞 8月10日付

日比嘉高 著
ジャパニーズ・アメリカ

の書評が毎日新聞、2014年8月10日付に掲載されました。
評者は若島正氏。ご書評くださいました先生、掲載紙ご担当者さまにはこころよりお礼申し上げます。ありがとうございました。


……本書『ジャパニーズ・アメリカ』が豊富な資料や丹念な読解ととみに描き出しているのは、渡米熱がピークに達する1900年前後に始まり、第二次大戦中に日系アメリカ移民が強制収容所で生活することを余儀なくされた時期へと至る、日系アメリカ移民が日本語で書いた文学作品の全貌と、そのような営みを下から支えていた、移民地の日本語新聞や日本書店、そして収容所図書館といった文化的基盤である。 ここで取り上げられている作品には、わたしたちにとってなじみの深いものもあるが、たとえば永井荷風の『あめりか物語』を取り上げた章では、日本人作家永井荷風による異文化観察の記録としてではなく、アメリカに定住することも視野の中に入っていた、潜在的移民の文士志望者永井壮吉による、将来の行方も定かではない方向が映し出されたものとして論じられる。……

9784788513693

日比嘉高 著
ジャパニーズ・アメリカ

A5判上製392頁・定価:本体4200円+税
発売日 14.2.20
ISBN 978-4-7885-1369-3

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2014年8月 8日 (金)

新刊 山本武利・永井良和『占領期生活世相誌資料Ⅰ 敗戦と暮らし』

9784788514027

山本武利 監修/永井良和 編

占領期生活世相誌資料Ⅰ 敗戦と暮らし

A5判上製368頁
定価:本体4500円+税
発売日 14.8.15
ISBN 978-4-7885-1402-7

見本出来ました。8月19日配本です。
8月21日ごろ書店に並びます。

Ⅰ巻巻頭解説

  戦争も、いわゆる「戦後のどさくさ」も、遠い昔のことになった。遠い昔のことは、もっと遠い昔のことと区別することがむずかしくなり、あいまいな記憶となる。

 こうの史代のマンガ『夕凪の街・桜の国』(双葉社、二〇〇四年)は、戦争を知らない世代が、被爆という歴史的事実を受けとめていく可能性があるのかを考 えさせる作品であった。また、今後も、事実の記録と伝承の方法に道すじがたつことを示した点でも意義深いものだった。多くの賞が授けられ、評価も高い。そ して、二〇〇七年には映画化され、これまた好評を博した。

 二〇〇八年に発売されたこの映画のDVDには、出演者の記者会見、インタビューなどが収められている。記者会見には、第二部の主人公の父親役を好演した 堺正章も出席しており、作品についてコメントした。そのなかで堺は、原子爆弾が落とされた年をまちがえて「昭和十九年」と言ってしまう。もちろん、すぐに 訂正したし、堺が出演したのが「平成十九年」に設定された第二部であることを斟酌すれば、単純な言いまちがいとみなせなくもない。しかし、ベテランの、と いうより還暦を過ぎた堺正章が「終戦の年」をまちがう、ということに驚いた。だが、考えてみれば堺正章も一九四六(昭和二一)年の生まれで、戦争を知らな いのであった。

    ・・・・・・

《もっと読む 敗戦と暮らし Ⅰ巻巻頭解説》


占領期生活世相誌資料は全3巻、続刊の内容

Ⅱ巻 風俗と流行  松田さおり・永井良和編

第一章 性風俗、パンパン、鳩の街、男娼、オフリミット 松田さおり
第二章 アプレゲール、不良 岩本茂樹・松永寛明
第三章 衣服の変遷 加藤敬子
第四章 家庭生活のアメリカ化 加藤敬子
第五章 地方の風俗、集団見合い、ダンス、市民駅 永井良和

Ⅲ巻 メディア新生活  土屋礼子編

第一章 メディアの民主化(街頭録音と壁新聞) 土屋礼子
第二章 英語メディアと流行歌 土屋礼子・吉田則昭・市川孝一
第三章 活字に飢えて 土屋礼子・鈴木常勝
第四章 広告の新時代 竹内幸絵
第五章 博覧会と近未来 井川充雄・土屋礼子


(内容・執筆者は変更の可能性があります)
(14.08.11)



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2014年8月 7日 (木)

◎新曜社<新刊の御案内>■メール版 第143号■

2014年8月4日発行
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◎新曜社<新刊の御案内>■メール版 第143号■

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◇トピックス
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◆書評など

図書新聞 2014年7月19日号 2014年上半期読書アンケートに弊社書籍4点を
お取りあげいただきました。

http://shin-yo-sha.cocolog-nifty.com/blog/2014/07/2014719-2014-d5.html

馬場公彦著『現代日本人の中国像』の書評が2014年6月29日、京都新聞(共同通信配信)ほかに掲載されました。評者は伊藤正氏。

http://shin-yo-sha.cocolog-nifty.com/blog/2014/07/post-04e6.html

「東日本大震災からの復興の多くの過程で、置き去りにされていること。それは「死者や過去(歴史性)の問題だ」と東北学院大学の若手社会学者である著者は言う」 『震災メメントモリ  第二の津波に抗して』 金菱清著の紹介が、産経新聞8月3日付に掲載されました。

http://sankei.jp.msn.com/life/news/140803/bks14080314000011-n1.htm
また金菱清 著 『震災メメントモリ』 の書評は、2014年8月3日、共同通信配信にて各紙に掲載されました。評者は若松英輔氏。

http://shin-yo-sha.cocolog-nifty.com/blog/2014/08/832014-7984.html
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◇近刊情報
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8月下旬発売予定
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『日本の心理療法 思想編』

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秋田 巌 編
A5判上製304頁・予価3200円+税
ISBN 978-4-7885-1405-8 C3011
分野=臨床心理学・心理療法

初めての、日本生まれの心理療法の懇切な解説!

複雑化する社会に呼応して、日本でも心理療法(心理カウンセリング)の重要性がますます認識されるようになりました。しかし、心理療法はその理論や方法の多くを海外から輸入して始まったため、いまだほんとうに日本人に適したものとはなっていないきらいがあります。ですが日本には仏教をはじめ、現代の心理療法に通じるすぐれた心のケアの伝統があります。ここに刊行を開始する「日本の心理療法シリーズ」は、日本生まれの心理療法に焦点を合わせ、その実践理論を紹介するとともに、それらの成立へと至らしめた日本独特の文化的背景について多角的な考察を試みます。日本人の心性にそった心理療法の発展に資するための画期的な著作群です。

第1回配本の「思想編」は、日本生まれの三大心理療法である森田療法、内観療法、生活臨床をとりあげ、それぞれの療法を代表する理論家/実践家が、基本的な考え方を、技法の創始者たちによる事例や創始者の人柄の分析など興味深い話題を交えつつ深く解説します。巻末には、日本の心理療法が西洋のそれと比べてどう異なり、そこに日本人の心性がどうかかわっているのかをめぐるディスカッションを収録しました。

以降、『身体編』『国際比較編』のタイトルを順次刊行します。心理カウンセラー、心理臨床を学ぶ学生の必読書としてお薦めください。

9月上旬発売予定
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『理解するってどういうこと?』
──理解するための方法と大切なこと
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エリン・オリバー・キーン 著/山元隆春・吉田新一郎 訳
A5判並製448頁・本体2200円+税
ISBN 978-4-7885-1409-6 C1037
分野=教育・学習

子どもたちに理解の仕方を教える具体的方法とエピソード

「望みさえすれば、誰でも深く理解することができ、知的な生活を送ることができる。」この本のメッセージです。単なるスローガンではありません。本当にそうであることを、実践によって実証し、そのための方法を詳細に述べた本です。子どもたちが優れた読み手、書き手になるために教師はどのようにはたらきかければよいのか、その際に重要なことは何か、効果的な方法とはどのようなものかを明快に、そして誰もが実行できるように丁寧に述べています。教えることがあまりに多く、掘り下げて教える時間なんてとてもない、と感じている教師にこそ、読んでいただきたい本です。いや、教師にとどまりません。本書は、ものごとを深く理解することの喜びに思いをはせるすべての人に宛てた、熱烈なメッセージです。

9月上旬発売予定
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『遊ぶヴィゴツキー』 (仮題)
──生成の心理学へ
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ロイス・ホルツマン 著/茂呂雄二 訳
四六判並製248頁・予価2400円+税
ISBN 978-4-7885-1408-9 C1011
分野=心理学・発達心理学

今の自分を超えて「発達」するために!

ヴィゴツキーはフロイト、ピアジェと並び称される心理学の巨人です。ヴィゴツキーの唱えた「発達の最近節領域」という概念は、心理学ばかりでなく、教育の領域にも深く浸透していますが、その斬新な思想はいまだ十分に理解されているとはいえません。しかし本書は、ヴィゴツキーの解説書ではありません。ヴィゴツキーの心理学をさらに発展させて、子どもから大人まで、現代社会に生きる私たちが今の自分を超えて「発達する」ための環境を生み出す、生成の心理学の探求の軌跡であり、活動の報告です。世界中の子どもたち、若者、そして企業人が取り組み始めている、遊ぶ=プレイする=パフォーマンスすることによって今の自分よりも成長発達した姿を周囲の人々と生み出していく、新しい、躍動する活動への誘いです。

9月上旬発売予定
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『女性研究者のワークライフ・バランス』 (仮題)
──実体験から語られる困難・対処法・社会のすがた
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仲真紀子・久保南海子 編
A5判並製128頁・予価1300円+税
ISBN 978-4-7885-1406-5 C1036
分野=社会問題・ジェンダー・子育て

結婚、妊娠、出産、就職──どう乗り越える?

晩婚化や高学歴化、不景気等、社会的状況の変化に伴い、家庭を持つ女性・男性がともに働き、仕事を通じた自己実現をめざすワークライフ・バランスが近年注目されています。しかし出産適齢期がキャリアを積む重要な時期とちょうど重なる女性研究者たちは、どうやって対処しているのでしょうか。そのような困難に直面し、乗り越えた研究者の方々に、現実的な解決策、活用した制度とその実際、夫婦間の役割分担、つらい時の心の持ちよう等、実体験から語っていただきました。働く女性の支援体制をどうつくりあげていったらよいのかについても、大きな示唆に富む本です。

9月中旬発売予定
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ワードマップ『現代アメリカ』
──日米比較のなかで読む
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渡辺 靖 編/庄司 香・柳生智子・和泉真澄・
舌津智之・倉科一希 著
四六判並製272頁・予価2500円+税
ISBN 978-4-7885-1403-4 C1030
分野=現代アメリカ論・日米関係

日本の「盟友」アメリカとはどんな国なのか? 

集団的自衛権の閣議決定により、いよいよアメリカのための戦争に参加せざるをえないことにもなりそうです。しかし、私たちはアメリカという国について、どれくらい知っているでしょうか。たとえば、大統領は絶大な権力を握っているように見えますが、現実には議会や裁判所に手足をしばられています。さらに共和制、連邦制を基本に州の力が強く、国立の大学はほとんどありません。法律も、国と州で食い違うことがしばしばです。このようにアメリカは独裁を許さないという建国の理想を強烈に保持していますが、「世界の警察」という
現実も生きています。アメリカン・ドリーム、ディズニーランド、企業家精神、銃・ドラッグ、ロウ対ウェイド、LGBT、日米安保などのキイワードで、日米の比較に留意しつつ、政治・経済から、文化まで多面的に「アメリカのいま」を捉えます。
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◇奥付
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書評 金菱清 著 震災メメントモリ  共同通信配信 8月3日 2014年

金菱清 著 震災メメントモリ の書評が、  8月3日、共同通信配信にて、中國新聞ほか掲載されました。評者は若松英輔氏。ご書評いただきました先生ほか、掲載紙、掲載紙ご担当者様にはこころよりお礼申し上げます。ありがとうございました。

……社会学者として被災地にあって著者は、苦しむ人々を傍観し、観察したりはしない。解析する前に寄り添おうとする。遺族たちとの対話を繰り広げるなかで彼は、死者の存在を黙殺したままではもう、一歩も進めないところに来ていることを実感する。むしろ、死者の問題は遺族にとって最優先の問題だったことに気が付く。

……震災は問題を生んだのではない。露呈したのである、という思いが本書を貫いている。著者は実践的かつ実証的な態度を崩さない。震災以前の被災地の状況を歴史的に踏まえつつ、地域共同体、祭り、偽りの産業振興といった問題を論じる。これらの営みと死者を語ることは矛盾しない。

また、被災者が精神の平安を取り戻すための具体的な方法として「書く」こと(=記録筆記法)に言及されているのはきわめて意義深い。人は誰も自らを慰め、励まし、ときに救う言葉を、すでに内に秘めている。「書く」とは、それらの言葉を自分の中に発見する行為でもあるからだ。

……この本の内実は震災の詩学というべきである。詩学とは、人間の魂のうめきに秘められた意味をどこまでも追及しようとする態度をいう。

良書である。長く、真摯な営みに裏打ちされた、希少な好著である

9784788513891金菱清 著

震災メメントモリ

四六判上製240頁
定価:本体2400円+税
発売日 14.6.20
ISBN 978-4-7885-1389-1

掲載紙、中國新聞、秋田魁新聞、髙知新聞、福島民友、北國新聞、福島民報(8・2付)、徳島新聞、南日本新聞ほか

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2014年8月 6日 (水)

新刊 紅野謙介・高榮蘭ほか『検閲の帝国』

9784788514010

紅野謙介・高榮蘭ほか 編

検閲の帝国

A5判上製488頁
定価:本体5100円+税
発売日 14.8.8
ISBN 978-4-7885-1401-0

見本出来ました。8月7日配本です。
8月11日ごろ書店に並びます。

あとがき(日本語版刊行に寄せて)

   二〇一四年は甲午(きのえうま・こうご)の年である。以前の二度の甲午年は東アジアの地域秩序を決定付けた重要な年であった。一二〇年前の一八九四 年、日清戦争あるいは甲午戦争と呼び習わされる東北アジア戦争が勃発した。この戦争を経て中華帝国は解体され、日本という近代帝国が姿をあらわした。

 興味深いことに、韓国近代小説の嚆矢である李人稙の『血の涙』(一九〇六年)は、この戦争の惨状から物語を始めている。しかし、その年に犠牲になった朝 鮮の東学農民軍や中国旅順の農民たちの声は、いまだ私たちには聞こえてこない。これらの人々には自分たちの声を伝えるいかなる媒体も、その人たちを代弁す るいかなる公的な議論の場も与えられなかった。

 六〇年前である一九五四年は、停戦会談によって終結した朝鮮戦争の始末を付けるためにジェノヴァ会談が開かれた年であった。朝鮮戦争は朝鮮半島の分断を 強固なものとし、東アジアの冷戦を構造化した。ジェノヴァ会談は朝鮮半島と東北アジアに真の平和をもたらすことはできなかった。東アジアの冷戦体制は新し い方式の思想統制と検閲制度を定着させ、その権威に挑むあらゆる人々の声を沈黙させた。

    ・・・・・・

《もっと読む 検閲の帝国 あとがき(日本語版刊行に寄せて)》

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2014年8月 4日 (月)

新刊 岡田美智男・松本光太郎『ロボットの悲しみ』

9784788514041

岡田美智男・松本光太郎 編著

ロボットの悲しみ

四六判並製224頁
定価:本体1900円+税
発売日 14.8.20
ISBN 978-4-7885-1404-1

見本出来ました。8月7日配本です。
8月11日ごろ書店に並びます。

ロボットの悲しみ プロローグ

  それはある朝の公園での出来事だった。桜のシーズンということもあって、「花見でもしようか…」と朝早くに出かけたのだけれど、生憎、小雨模様でまだ 少し肌寒い。ただその公園の桜はちょうど満開であり、人出もまばらなこともあってか、静かに花見をするにはいい雰囲気であった。
 公園の中をしばらく歩いていると、そこにポツンと立っている一人のおばあちゃんの姿が目に留まった。「花見をしているのかな…」と思いつつ、もう少し近 づいてみると、その胸の中には小さなぬいぐるみ型のロボット。おばあちゃんはその小さなロボットを抱っこしながら、一緒に花見をしていたのだ。「きれいだ ねぇ…」「ねぇ、きれい、きれい」とそのロボットに優しく語りかけながら…。

 高齢者が小さな犬や猫を抱きかかえて、一緒に公園などを散歩する姿はよく目にすることだろう。それがここでは小さなロボットに置き換わっただけなのだ。 その意味で、「あぁ、そういう時代なのかなぁ」とそこを通り過ぎることもできたのかもしれない。ただ、この光景を目にして、なにか一言では表現しきれない ような、少し複雑な気持ちを抱いたのだった。
 それは「えっ?これでいいのだろうか…」という漠然としたもの。それにくわえて、なにか痛々しさのようなもの、後ろめたさのようなもの、そして居たたまれなさのようなものをそこに感じたのである。

    ・・・・・・

《もっと読む ロボットの悲しみ プロローグ》

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