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2013年8月

2013年8月24日 (土)

新刊 岡 昌之・生田倫子・妙木浩之 『心理療法の交差点』

9784788513495

岡 昌之・生田倫子・妙木浩之 編

心理療法の交差点

四六判上製320頁・定価3570円
発売日 13.9.1
ISBN 978-4-7885-1349-5

見本出来ました。8月27日配本です。

8月30日ごろ書店に並びます。

まえがき

 私はかつて次のように書きました。「心理療法が多様なのは、人間の多様性、文化、社会、個人の人間的特質の多様性があるからである。一言で言えば、心理療法とは人間的コミュニケーションによる関係の微調整であり、クライエントがより良い生活、人間関係を生きられるようなキッカケを与える、知性的および感性的な一連の体験の構造化である。それは必然的に、人間の文化の微細な様相に関わり、それゆえに工学や医学の得意とする科学・技術的過程の単純明快さとは、異なる様相を表すことになる」―(『臨床心理学とは何だろうか』第8章 新曜社、二〇一一)

 さらに私は次のように書きました。「そしてまた、これら多くの心理療法は、ばらばらに切り離されて存在しているのではなく、歴史的にも社会的にもつながっており、そのつながりの様子もまた複雑であり、多様なのである。そもそも、このような問いを発して答えを手探りするという心的作業の意味は、その試みを通して、心理療法という発想と技術の本質を考えるというところにあるのではないかと筆者は考えており、その線で以下の考察を進めていきたい。この章が心理療法に関心をもつ読者の『考えるヒント』になったら幸いである」(同右)  そうしたことを常々考えていた私にとって出会いがありました。二〇一〇年の日本心理臨床学会の秋季大会で、東北大学の長谷川啓三先生の企画により「セラピーの交差点」という興味深いシンポジウムが開催され、私もコメンテーターとして参加しました。

 このシンポジウムは、異なる立場で心理療法を実践される四人の先生方が、司会者の生田倫子先生から提供された事例の見立てと介入方針をそれぞれ解説し、お互いの異同を自由にディスカッションするというものでした。

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2013年8月23日 (金)

新刊 辻本昌弘 『語り─移動の近代を生きる』

9784788513532

辻本昌弘 著

語り─移動の近代を生きる

四六判上製232頁・定価2730円
発売日 13.9.1
ISBN 978-4-7885-1353-2

見本出来ました。8月27日配本です。

8月30日ごろ書店に並びます。

序章

 生きる――それはどういうことなのだろうか。  人間とは、なによりもまず飲みかつ喰わなければならない存在である。結局のところ、死の淵から逃げまどい、貧しさに耐え、家族を飢えから守ろうと右往左往する、こんな当たり前のいとなみが生きるということなのではないだろうか。今この瞬間も、地球上の多くの人々がなんとか生き延びようと格闘している。ぎりぎりのしのぎをしている人間の姿から眼をそらしたところに“生”の理解はありえない。  飲みかつ喰うという営為は、芸術や祈りの対極にあるものではない。太古より人類は、糧を得るために汗水を流しながら、壁画を描いたり、文様を刻んだり、詩歌を謡ったりしてきたのではないのか。どんなに苦しくとも、否、苦しいからこそ、人は祈らずにはいられなかったのではないのか。これまた当たり前の人間の姿であろう。  当たり前の人間の姿にこそ真に学ぶべきものがある。私は、そんな人間の姿を描き出したいと思う。  本書は、戦前の沖縄に生まれ、本土で十代を過ごし、さらにアルゼンチンに渡った男の評伝(生活史)である。男の名を崎原朝一という。その半生において、朝一は時に貧しさに耐え、流転を繰り返し、そして独自の俳句を残した。本書では、インタビュー記録と多岐にわたる文書資料を用いて朝一の半生と精神の軌跡をたどっていく。

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2013年8月22日 (木)

新刊 アメデオ・ジオルジ 著/吉田章宏 訳 『心理学における現象学的アプローチ』

9784788513518

アメデオ・ジオルジ 著/吉田章宏 訳

心理学における現象学的アプローチ

A5判上製304頁・定価3570円
発売日 13.9.1
ISBN 978-4-7885-1351-8

見本出来ました。8月21日配本です。

8月23日ごろ書店に並びます。

まえがき

私[Amedeo Giorgi]は、1962年からずっと、心理学にとって適正な或る質的方法の問題に関わってきた。その前からもこの問題に心を悩ませていたのではある が、ちょうどこの年、現象学に基礎づけられたそのような一つの方法を開発するため、デュケイン大学(Duquesne U.; Pittsburgh, USA)に着任したので、この問題が私にとっての主題となったのである。しかし、初めてデュケイン大学に到着した当時の私の現象学的哲学に関する理解は、 最小限のものに過ぎなかった。そこで、着任後の5、6年を、ただただ現象学的哲学の知識を獲得することに費やした。デュケイン大学では、それは容易であっ た。というのも、[心理学科と同じ学部に所属する]哲学科の少なくとも3分の2は実存的現象学を指向する哲学者たちで構成されており、また、客員教授プロ グラムがあって、ヨーロッパの哲学者たちが招待され、現象学的思想におけるさまざまな専門についてのコースを教えていたからである。私は、それらのコース を受講し、それらの哲学者たちと議論することを、全体としてほぼ24年間、続けてきた。しかし最初の6年間は、私は主として学習者であった。私は、現象学 的哲学者たちがどのような主題を追究しているかを学んだ。そして、どのようにしたら、現象学的心理学は、哲学者たちの主題に敬意を払いつつも、それらとは 区別される心理学の主題を見出し、哲学から心理学を区別できるであろうかを見出そうと、努めていた。私は、哲学的現象学によって心理学を基礎づけたいと望 んだ。その理由は、この考え方に沿った人間存在の概念が、還元主義的(reductionistic)でなく、そして私の関心が、そもそも、人間の心理学 にあったことにある。また、哲学的現象学には、ある厳密な仕方で、意識を研究する方法が在ることも学んだ。そこで、どのようにしたら、その方法を心理学の 目的のために採用でき、役立てうるかを理解したい、と動機づけられたのだった。

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2013年8月19日 (月)

新刊 苧阪直行 『注意をコントロールする脳』

9784788513525

苧阪直行 編

注意をコントロールする脳

四六判304頁+カラー口絵2頁・定価3360円
発売日 13.8.25
ISBN 978-4-7885-1352-5

見本出来ました。8月20日配本です。

8月23日ごろ書店に並びます。

 この「社会脳」シリーズ第3巻『注意をコントロールする脳─神経注意学からみた情報の選択と統合』では、社会脳のはたらきのなかでも、とくに志向的な心 を担う注意を扱う。ここでも、1、2巻と同様に、最新の機能的磁気共鳴画像法(fMRI)や経頭蓋磁気刺激法(TMS)などの脳イメージングの方法と洗練 された実験心理学の手法を組み合わせて注意とは何かを考えたい。注意がどのようにコントロールされ、知覚や記憶とどうかかわるのか、その複雑なパズルを解 いていきたい。注意という心のはたらきの脳内メカニズムを、外部世界(知覚)から内部世界(記憶)まで広範に研究する新たな学問をここでは神経注意学 (Neuroattentionology)と名づけたい。本シリーズの「刊行にあたって」に示した社会脳研究の諸分野のモデル図に即すると、神経認知心 理学(Cognitive Neuropsychology)と密接にかかわるほか、「情報の選択と統合」という注意のキー概念において多くの分野と密接にかかわるのが注意である。

 身近すぎてわかっているつもりが、じつは科学的にはよくわかっていないものの一つがまさに注意である。注意とは何か、という問いは、経験的にはだれにで も答えられそうなものなのだが、脳から見た注意に関しては、今のところ答えるのが困難な問いなのである。注意は心理学では長らくブラックボックスのなかで の作業仮説にすぎなかったが、最近、その脳内メカニズムの全貌が注意のネットワークのはたらきとして捉えることができるようになってきた(本巻2章参 照)。いうまでもなく注意は必要な情報を選択し、不要な情報を排除し、さらに情報を統合する心のはたらきであり、背後にはそれを支える脳の機能がある。新 たな情報に気づき、何が重要な情報で、何が不要なのかをさまざまな状況下で判断するのが注意の主要な役割である。そのおかげで、当面不要な情報を抑えて、 現在必要な情報に注意を向けることができ、日常生活が無駄のないものになる。

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2013年8月16日 (金)

新刊 島村恭則『引揚者の戦後』

9784788513334

島村恭則 編

引揚者の戦後

四六判400頁・定価3465円
発売日 13.8.15
ISBN 978-4-7885-1333-4

見本出来ました。8月16日配本です。

8月21日ごろ書店に並びます。

序章

近代日本は、台湾、朝鮮、満洲、関東州、サハリン(南樺太)、千島列島、南洋諸島といった地域に侵出し、現地の社会を支配した。これらの地域には日本の統 治・行政機関が置かれ、多数の日本人が日本列島から移住して移住者の社会を形成していた。しかしながら、一九四五年八月一五日の日本敗戦で、日本はこれら の地域での支配権を失い、現地に居住していた日本人は、日本列島に帰還することとなった。こうして帰還してきた人たちのことを「引揚者」という(1)。引 揚者の数は、厚生省(当時)によると、約660万で、これは約330万の陸海軍軍人・軍属と、ほぼ同数の民間人を合わせた数字である(2)(厚生省援護局 編 1978: 25)。

これまで、引揚者についての学術研究は、引揚げの制度的側面についての研究(若槻 1995)、引揚者による引揚げ体験の記憶、語りや引揚者文学についての研究(川村1990; 成田2003, 2006, 2010)、満洲国政府や満鉄の関係者などエリート層の引揚者が戦後の日本社会・経済の復興、発展に与えた影響についての研究(小林 2005)などが行なわれてきた。また近年は、社会学の領域でも「帝国崩壊と人の再移動」という観点から、「引揚げ」を「残留」や「送還」といった隣接す る現象とともに論じ、より理論的な展望を得ようとする試み(蘭編著 2011)もなされるようになっている。歴史学においては、引揚げ研究の現状や引揚げ関連史料の読みとき方などを論じたものとして、阿部安成と加藤聖文の 論考(阿部・加藤2004, 2005)がある。また、近代日本の帝国主義的膨張、植民地支配については、倉沢愛子ほか編『岩波講座 近代日本の植民地』全8巻(2005-06)が詳 しい。

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2013年8月 9日 (金)

書評 佐藤雅浩 著 『精神疾患言説の歴史社会学』 図書新聞 2013年8月10日号

9784788513341
佐藤雅浩 著
精神疾患言説の歴史社会学

A5判上製520頁・定価5460円
発売日 13.3.28
ISBN 978-4-7885-1334-1

の書評が、図書新聞2013年8月10日号に掲載されました。
評者は金川英雄氏。

「今は使われなくなったが、昭和の頃「プレコックスゲフュール」という言葉があった。日本語に訳すと「統合失調症らしさ」とでもいうのだろうか。面接した時の未治療、あるいは状態の悪い統合失調症患者特有の奇妙な印象をいう。こういう全体的な雰囲気でも病名を診断した時代があった。「薬のさじ加減」と同じく、長年の修練によるカンがものをいった。

『精神疾患言説の歴史社会学』は一次資料、新聞を調査分析した大変な労作である。分かりやすくいうなら、「明治、大正、昭和の一般の人が精神病をどう見ていたかを、新聞記事から調べた」ということになるのだろうか。著者の新聞をチェックする長い昼と夜の姿が、行間から垣間見える。

この本のもう一つの計り知れない価値は、精神科疾患に関する新聞記事の詳細な検索簿、いわば住所録だということだ。……」

うーむ、全文掲載したいくらいの書評でした。ぜひ機会がございましたら、全文をお読みください。



評者の先生、掲載紙ご担当者に心よりお礼申し上げます。ありがとうございました。

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記事 福間良明 著 『焦土の記憶』

8月6日付東京新聞「筆洗」にて福間良明氏『焦土の記憶』への言及がございました。
[♪ピカッと光った原子のたまにヨイヤサー、飛んで上って平和の鳩よ…。一九四七年八月六日、つまり人類初の原子爆弾投下から丸二年たった日、広島市中心部では「平和音頭」にあわせて人々が通りを練り歩いたそうだ▼戦争体験がどう語られてきたかを検証した『焦土の記憶』(福間良明著、新曜社)によると、四六年八月六日の地元紙一面には「けふぞ巡り来ぬ平和の閃光(せんこう)」「広島市の爆撃こそ原子時代の誕生日」との見出しが掲げられた・・・・・・]
続きを読む ≫≫東京新聞コラム「筆洗」2013年8月6日

9784788512436 福間良明 著
『焦土の記憶』――沖縄・広島・長崎に映る戦後
11.7.15 978-4-7885-1243-6
46判536頁・定価5040円

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2013年8月 7日 (水)

新刊 大沢 昇『ワードマップ 現代中国』

9784788513426

大沢 昇 著

ワードマップ 現代中国

四六判290頁・定価2730円
発売日 13.8.20
ISBN 978-4-7885-1342-6

見本出来ました。8月8日配本です。

8月12日ごろ書店に並びます。

 はじめに

第一部「時代別(縦軸)で見る現代中国」では、中国四千年の歴史のなかで、現在の「中華人民共和国」を理解するため、アヘン戦争以降の事件の流れを読み解く。初めて「夷」ではない、「外」と接触したとき、中国人はどう対応したか、約一七〇年の歴史を各時代のキーワードから振り返る。中華民国成立後の百年、とりわけ人民共和国後の六〇年余りの激動を主要な事件・人物群像を中心に時代を追って見ていきたい。そうすることで、急激な社会主義化が、「文化大革命」を経ることで、逆に大胆な「国家資本主義」になぜ、変貌したかを解明する。

 名目上の「社会主義」下で、現在の過剰な「資本主義」を生んだのは、二千万人の餓死者を出したといわれる「大躍進」運動、一千万人以上の犠牲者がいるという「文革」の武闘、そして二回の天安門前広場での非武装の民衆を「人民の政府」が鎮圧するという悲劇があったことをバイアスをかけずに見ていきたい。

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2013年8月 6日 (火)

新刊 古田徹也『それは私がしたことなのか』

9784788513440

古田徹也 著

それは私がしたことなのか

四六判280頁・定価2520円
発売日 13.8.2
ISBN 978-4-7885-1344-0

8月2日配本、そして発売です。

 それは私がしたことなのか 目次

はじめに

第1章 行為の意図をめぐる謎
1-1 「手をあげる」-「手があがる」=?
1-2 出来事を引き起こす心の働きとは何か
1-3 意図をめぐる問題―そもそも意図とは何か
1-4 機械の中の幽霊―ライルによる物心二元論批判
1-5 機械の―「心→脳」と巻
1-6 決定論を支持するかに見えたる一科学的な知見の検討
コラム① 心身問題の行方

第2章 意図的行為の解明
2-1 意図と信念の諸特徴
2-2 心をめぐる「一人称権威」は何を意味するのか
2-3 心の「隠蔽説」を超えて
2-4 行為の理由と原因
2-5 心は身体の中には存在しない
2-6 意図せざる行為の存在
コラム② 現代の英語圏の行為論の流れ


第3章 行為の全体像の解明
3-1 意図性の薄い行為―やむをえない行為、他人からの強制に従う行為
3-2 意図せざる行為①―「悪質な過失」について
3-3 意図せざる行為②―「純然たる過失」について
3-4 意図せざる行為③―悲劇と行為者性
3-5 意図せざる行為の全体像
3-6 行為の全体像
コラム③ 共同行為について


エピローグ 非体系的な倫理学へ
あとがき
索引

装幀――気流舎図案室

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2013年8月 2日 (金)

新刊 小林秀樹『居場所としての住まい』

9784788513488


小林秀樹 著

居場所としての住まい

A5判上製216頁・定価2310円
発売日 13.7.26
ISBN 978-4-7885-1348-8

見本出来ました。7月31日配本です。

8月1日ごろ書店に並びます。

はじめに

 子ども部屋は引き籠もりを招くのだろうか。夫婦が別室で寝るのは多いのだろうか。ルームシェアや三世代同居を円満に暮らすにはどうしたらよいのだろう か。さらに、日本の家族と住まいは、今後どうなっていくのだろうか。本書は、このような問いにナワバリ学を通して答えるものである。

 今日、私たちは住まいを語るときに、「居間」「おばあちゃんの部屋」「秀樹ちゃんの部屋」のように、その部屋を誰が使っているかに着目する。さらに、3LDK、4LDKという表現が一般化しており、その記号から、おおよその間取りを想像している。

 しかし、実は、このように住まいを語るようになったのは、ごく最近のことだ。ひと昔前は、子ども部屋のような個室はなかったし、もちろんリビングルーム やダイニングキッチンもなかった。その代わりに、来客をもてなす座敷や、仏壇があるホトケの間があり、しかも、部屋と部屋の仕切りは薄い襖ふすまであっ た。それが、戦後の高度成長期を通じて大きく変化し、今日のような住まいが一般化したのである。

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