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2013年5月

2013年5月30日 (木)

新刊 村上宣寛『ハイキング・ハンドブック』

9784788513389

村上宣寛 著

ハイキング・ハンドブック

四六判並製320頁・定価2730円
発売日 13.6.4
ISBN 978-4-7885-1338-9

見本出来ました。5月31日配本です。

6月4日ごろ書店に並びます。

はじめに

 ハイキングや登山の世界では、経験の積み重ねがものをいう世界なので、どうしても個人的経験の重さが増す。また、著名なハイカーや登山家の著作の影響力が大きい。これは、日本でもアメリカでも同じである。
 私は、偶然にアメリカのPCTのメーリングリストに参加した。そこで、感じたことは、ほぼすべての事柄に「私の場合は上手くいった」という限定詞が付くことだった。一般性のある知識なのか、個人に限定される知識なのか、判断が難しい。
 ハイキングや登山の世界で、広く信じられている事柄をリストアップしておこう。

・靴1ポンドの重さは背中の荷物5ポンドに相当する。
・ブーツの足首のサポートは不十分で、ブーツを履いた人の方がシューズを履いた人よりケガが多い。
・マメは摩擦熱で生じる。
・マメを防ぐには、アルコールで足を毎日拭くとよい。
・荷物の重さを半分にすると、歩ける距離が飛躍的に伸びる。
・荷物が軽ければ軽いほど、安全である。
・ケガを防ぐには、ハイキングの前に入念なストレッチを行うとよい。

 靴の重さの影響はコリン・フレッチャーが『遊歩大全』に記述し、その後、軽量シューズやブーツを販売する時のキャッチフレーズに使われた。靴の重さと消費エネルギーの関係は、スポーツ科学の専門家による実験研究があるので、第二章や第三章で詳しく書いておいた。

    ・・・・・・

《もっと読む ハイキング・ハンドブック はじめに》

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2013年5月24日 (金)

受賞 平石典子 煩悶青年と女学生の文学誌

9784788512733

平石典子
煩悶青年と女学生の文学誌
――「西洋」を読み替えて
12.02.15
978-4-7885-1273-3
A5判360頁・定価4410円

第12回 島田謹二記念学藝賞
第18回 日本比較文学会賞
(日本比較文学会サイトへ)

を受賞いたしました。平石先生、おめでとうございます。

島田謹二記念学藝賞は、「比較文学比較文化」の分野で、中堅若手研究者による学問的な業績の奨励を目的に、東大比較文學會が毎年実施しています。

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2013年5月23日 (木)

新刊 サトウタツヤ『質的心理学の展望』

9784788513433

サトウタツヤ 著

質的心理学の展望

A5判上製288頁・定価3360円
発売日 13.5.30
ISBN 978-4-7885-1343-3

見本出来ました。5月29日配本です。

5月31日ごろ書店に並びます。

はじめに

本書は、筆者がこれまで執筆してきた論考のうち、質的心理学に関するものをまとめたものである。『方法としての心理学史』(2011)、『学融とモード 論の心理学』(2012)(いずれも新曜社刊)に続く第三弾である。今回もまた新曜社・塩浦暲社長に格段のご尽力をいただき出版することができた。まず最 初に深く感謝したい。

 発足10年を迎える日本質的心理学会。学会ができてしまえば有るのは当然という感じだが、私たちが大学院生のころは、質的研究という言葉も十分に浸透し ていなかったように思われる。社会問題、社会現象を扱おうと思った時、必ずしも実験や質問紙が有効なわけではない。そうした感覚をどうすれば良いのか、も てあましていた時期があった。

 幸いにも多くの人と出会うことで、質的研究の方法論についてたくさんのことを学び、多くのことを考え、多少なりとも成果を出すことができた。特に、複線 径路等至性モデルという方法論を創案できたことは小さくない喜びである。そして本書の内容は、東京都立大学(現・首都大学東京)の助手時代の仲間や後輩た ち、福島大学行政社会学部(現・行政政策学類)の学生・院生、立命館大学の学生・院生の皆さんと共に、社会現象を真剣に考えること、おもしろがること、を やってきた成果であるとも言える。

    ・・・・・・

《もっと読む 質的心理学の展望 はじめに》

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2013年5月21日 (火)

書評 中山弘明 著 第一次大戦の〈影〉

9784788513150

中山弘明 著

第一次大戦の〈影〉

四六判上製336頁・定価3360円
発売日 12.12.14
ISBN 978-4-7885-1315-0

の書評が、5月25付図書新聞に掲載されました。

評者は加藤弘一氏。

戦争と文学というテーマは語りつくされた感があるが、「第一次大戦と日本文学」というありそうでなかった視点から大正期の思潮を読みとく試みである。

・・・・・・本書は文学の山すそをめぐってさまざまな話題がめまぐるしく論じられ、さながら当時流行したレビューのようであるが、基軸となる柱は一本通っている。いわゆる「大正生命主義」批判である。一九世紀末、科学への反動からベルクソンやニーチェの反合理主義的哲学がもてはやされ、神智学や降霊会などのオカルティズムも流行した。その波は大正期の日本にも達し、文芸界や思想界に「生命」という言葉が氾濫するという形であらわれた。

・・・・・個と普遍の直接的な結合が生命主義の魅力であるが、普遍と見えたものが特殊にすぎない可能性はつきまとう。人類のため、世界のためが民族のため、国家のためにすりかわってしまうかもしれないのである。

本書がとりあげる社会講談やページェント、短歌、新聞等々のテーマは個と普遍を媒介する特殊の領域に属する。大正生命主義というとらえ方は本書のような批判をともなってはじめて有効な視点となるだろう。

評者の先生、掲載紙ご担当者さまに心よりお礼申し上げます。ありがとうございました。

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2013年5月20日 (月)

◎新曜社<新刊の御案内>■メール版 第130号■

2013年5月20日発行 メール版 第130号
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◎新曜社<新刊の御案内>■メール版 第130号■

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◇トピックス
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●書評


佐藤卓己・渡辺靖・柴内康文 編
『ソフト・パワーのメディア文化政策』
の書評が、週刊読書人、2013年5月3日付、に掲載されました。評者は諸橋泰樹
氏。
http://shin-yo-sha.cocolog-nifty.com/blog/2013/05/post-3475.html


ロイック・ヴァカン 著
田中研之輔・倉島哲・石岡丈昇 訳
『ボディ&ソウル』
の書評が、5月8日付 北海道新聞書評欄に掲載されました。評者は藤島大氏。
http://shin-yo-sha.cocolog-nifty.com/blog/2013/05/post-866a.html


ジェレミー・テイラー 著  鈴木光太郎 訳
『われらはチンパンジーにあらず』
の書評が信濃毎日新聞2013年4月28日付書評欄に掲載されました。
評者は岡ノ谷一夫氏
http://shin-yo-sha.cocolog-nifty.com/blog/2013/05/post-7e84.html


●復刊いたしました

江森一郎 著『体罰の社会史 新装版』
四六判並製288頁・定価2520円(税込)
ISBN 978-4-7885-1335-8 C1021
本書の復刊にあたりまして、広田照幸先生よりご推薦の言葉を頂戴いたしまし
た。ご一読くださいませ。
http://shin-yo-sha.cocolog-nifty.com/blog/2013/04/post-7805.html


●おわび

申し訳ございません。4月刊行予定にしておりました、
「叢書 戦争が生みだす社会」 
2巻 引揚者の戦後  の発売が遅れております。
発売予定は7月となります。

定期にてご注文いただいております、書店さま、お客さまにはご迷惑をおかけ
いたします。心よりお詫び申し上げます。
また3巻 米軍基地文化につきましては現在、発売日未定となっております。

叢書 戦争が生みだす社会(全3巻) 内容詳細
http://shin-yo-sha.cocolog-nifty.com/blog/2013/03/post-a128.html

●近刊・お知らせ
前回ご紹介いたしました、
村上宣寛 著『ハイキング・ハンドブック』につきまして、
発売は6月4日を予定しております。かなり遅くなりましたが、お許しくださ
い。
なお村上宣寛ホームページ CompleteWalker
http://completewalker.blogspot.jp/
「The preface of Hiking Handbook & PDF of Chapter 2」より
本書の第2章がダウンロードできます。どうぞごらんください。

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◇近刊情報
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5月下旬発売予定
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『質的心理学の展望』
──
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サトウタツヤ 著
A5判上製288頁・定価3360円(税込)
ISBN 978-4-7885-1343-3 C1011
分野=心理学・質的方法

◆質的心理学をどう学ぶか、どう実践するか
質的心理学は、心理学ばかりでなく、社会学、教育学、医学、看護学など、広
汎な分野で注目を集めています。なぜ今、質的心理学なのでしょうか? そこ
には歴史的な必然があり、また、研究者たちの地道な取り組みがあります。本
書は、日本質的心理学会の母体となった研究誌、『質的心理学研究』立ち上げ
メンバーの一人である著者による、質的心理学を学び、実践するうえでの基本
的問題を考察した論集です。常に社会とつながる学問を探求してきた著者なら
ではの、ユニークで、既成概念を打ち破るエネルギーに満ちた刺激的な一書で
す。著者が質的研究を学んだ過程についての報告もあり、初学者にとっては質
的研究へのよい案内となっています。すでに質的研究を実践している研究者に
とっても、自らの方法を振り返るよい機会となるでしょう。著者は、立命館大
学教授。



6月中旬発売予定
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『ノットワークする活動理論』
──チームから結び目へ
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ユーリア・エンゲストローム著
山住勝広・山住勝利・蓮見二郎訳
四六判上製440頁・予価4935円(税込)
ISBN 978-4-7885-1347-1 C1036
分野=組織論・教育

◆活動理論の新しい展開!
活動理論で知られるエンゲストローム待望の新刊です。現在、各分野でチーム
ワークや協働が注目され、さまざまなネットワークやソーシャルメディアに関
わることが流行ですが、はたして、承認され繋がったという小さなエピソード
を除いて、本当に参加者や社会にとっての新たな価値が生まれているでしょう
か? 職場、医療、教育、法廷、生産現場等々で差し迫って求められているの
は、すばやく変化する予測不能な現場のニーズに応える、俊敏で柔軟な協働な
のです。それを可能にするのが、本書の提唱する、創発的な交渉によるノット
ワーキング(結び目づくりによる協働)です。多様な協働の現場の貴重な参与
観察から、協働が生まれる、あるいは阻害される状況をつぶさに報告した本書
は、革新が同一性の中からではなく、それぞれが異なる個性の結び目から生ま
れることを検証しています。

エンゲストロームの著作(弊社)

拡張による学習
http://www.shin-yo-sha.co.jp/mokuroku/books/4-7885-0689-0.htm

ノットワーキング
http://www.shin-yo-sha.co.jp/mokuroku/books/978-4-7885-1084-5.htm


6月下旬発売予定
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『ヴェブレンとその時代』
──いかに生きたか、いかに思索したか
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稲上 毅 著
A5判上製704頁・定価6720円(税込)
ISBN 978-4-7885-1340-2 C1036
分野=社会学・経済学・思想史

◆画期的なヴェブレン評伝!
「顕示的浪費」という鍵概念で消費社会を鮮やかに論じた『有閑階級の理論』
で知られるソースタイン・ヴェブレンは、ノルウェー移民の子としてアメリカ
に生まれました。そのような生い立ちにもよるのか、世の中の不公正に敏感で、
「不在所有制」「社会的共通資本」「製作者本能」などの、時代を何十年も先
取りする概念を考えだし、多くの重要な著作を発表しました。しかし一方で、
英語が不自由で気難しい人間だったため、研究者として恵まれず孤立していた、
などの否定的評価もされてきました。この「ヴェブレン神話」とでもいえるも
のに対して著者は、彼の全著作を読破し、新たに公開された一次資料にもつぶ
さに目を通して、全く新しいヴェブレン像を対置します。そこからは、英語が
達意で(書かれたものは難解だが)、学生・同僚にもめぐまれ、女性関係も華
やかな(ゆえに誤解もされた?)魅力的な人間像が浮かび上がってきます。今
後かならずや、アメリカも含めて、ヴェブレン評伝の決定版となることでしょ
う。


6月中旬発売予定
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『コピペと言われない
レポート作成マニュアル3つのステップ』
(仮題) ── ---------------------------------------------------------------------- 山口裕之 著 四六判並製108頁・予価1260円(税込) ISBN 978-4-7885-1345-7 C0081 分野=教育・言語学・論文作成 ◆コピペ力を引用力へ 多くの大学で盗作問題、とくにコピー&ペースト操作で継ぎはぎされたレポー トの問題が、学期末の風物詩になっています。「コピペ」をやめさせ自分の力 でレポートを完成するようにさせる教育は全大学必須と言えるでしょう。しか し電話帳のような分厚い家電の取扱説明書を読む人が少ないように、細かな文 章作法まで伝えるマニュアルは分厚すぎて使いづらいものです。大学新入生が やる気を失わずに書き始められるためには、まず最低限のポイント、「コピ ペ」と引用の区別を知り、調べたことを引用・要約しつつ自分の意見を述べる 方法に絞ったマニュアルが必要ではないでしょうか。初めて読む教科書として プレゼミにも最適な一冊です。著者は徳島大学総合科学部准教授 山口裕之先生の著作(弊社) ワードマップ 認知哲学 http://www.shin-yo-sha.co.jp/mokuroku/books/978-4-7885-1174-3.htm 6月下旬発売予定 ---------------------------------------------------------------------- 『それは私がしたことなのか』(仮題) ──〈行為の哲学〉入門 ---------------------------------------------------------------------- 古田徹也 著 四六判上製280頁・予価2520円(税込) ISBN 978-4-7885-1344-0 C1010 分野=哲学・思想・倫理学 ◆倫理的思考の故郷へ サンデル教授の公開講義ブームに始まり正しい行為とは何かを問う哲学書が人 気です。こうした本では以下のような極限的事例が議論されます。「列車が暴 走し線路上に立つ5人を轢かんとしている。ただし、眼前のレバーを引けば列 車は1人しか轢かない別の線路へと入る。引くべきか否か、その選択はどんな 理論で正当化されるのか……」。しかし、ジレンマに陥った中での苦渋の選択 というものから、倫理について多くを学べるのでしょうか。我々の目指すもの は、こうした状況で躊躇せず正しい行為を選び取れる、ということではないの ではないでしょうか。筆者は、我々の理解から乖離しない倫理の解明に向けて、 自由意志の有無、意図と行為の関係、さらには義務や責任と運との関係といっ た「行為」の深い謎へと切りこみます。ままならぬ世界で不完全な道徳行為者 として生きる人間の核心に迫る哲学入門書。著者は新潟大学准教授。 ___________________________________ ◇奥付 ___________________________________ □電子メールマガジン:「新曜社<新刊の御案内> 」(不定期発行) □HPアドレス http://www.shin-yo-sha.co.jp/ □blog:新曜社通信 http://shin-yo-sha.cocolog-nifty.com/ □twitterもよろしく:http://twitter.com/shin_yo_sha □このメルマガは『まぐまぐ』を利用して発行しています。 □購読・解除・変更手続きは http://www.mag2.com/ より行って下さい。 □掲載された内容を許可無く転載することを禁じます。 □発行:株式会社新曜社 営業部 〒101-0051 東京都千代田区神田神保町 2-10 電話  03(3264)4973(代) FAX 03(3239)2958 e-mail info@shin-yo-sha.co.jp ++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++ 次回発行は2013年6月下旬を予定しております。

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2013年5月16日 (木)

書評 佐藤卓己・渡辺靖・柴内康文 編 ソフト・パワーのメディア文化政策

9784788513136

佐藤卓己・渡辺靖・柴内康文 編
ソフト・パワーのメディア文化政策

A5判上製352頁・定価3780円
発売日 12.11.20
ISBN 978-4-7885-1313-6

の書評が、週刊読書人、2013年5月3日付、に掲載されました。評者は諸橋泰樹氏。うーむ全文掲載したいぐらいのスゴイ書評を書いていただき、ありがとうございました。ぜひ本紙書評をお読みください。


・・・・・・本書『ソフト・パワーのメディア文化政策――国際発信力を求めて』は、きわめてラディカルな共同研究の成果である。国内の文化財保護政策論と広報外交など文化交流政策論との間を埋める文化政策論と、情報の流通とその効果・影響において統合化と細分化が重層する機能を持つメディアに関するメディア政策論とを統合する二部構成が取られ、気鋭の若手研究者たちによる知見が惜しげもなく披露されている。学ぶところがありすぎて、各ページのほとんどの行に線を引くことになってしまったほどだ。

・・・・・・「メディア文化政策」の観点に立った国際発信力ということから、色いろなことを考えさせてくれる本書であったが、前述したように何よりも海外事情や歴史、研究所のレビューなど「知らないことだらけ」で勉強になる。そして何よりも批判的な態度に貫かれている。書名から、「日本文化」のプロパガンダ政策に役立つ本と思って読む安部や麻生のブレーン、官僚がいたら、それは著者たちが大いに望むところであるに違いない。

評者の先生、掲載紙ご担当者さまに心よりお礼申し上げます。ありがとうございました。

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2013年5月13日 (月)

新刊 日本記号学会『ゲーム化する世界』

9784788513396

日本記号学会 編

ゲーム化する世界

A5判並製248頁・定価2940円
発売日 13.5.15
ISBN 978-4-7885-1339-6

見本出来ました。5月15日配本です。

5月17日ごろ書店に並びます。

あとがき

  ロラン・バルトの見解に依拠するならば、写真とは現実をあるがままに反映する透明な表象、あるいは自己の他者としての現前を実現する媒介物というこ とになるのだろう。これと比較するならば、デジタル・イメージによって織りなされたコンピュータゲームの場合、そこからは写真とは異質な組成のリアリティ やアイデンティティが派生しつつある、そう考えることができるのではないだろうか。

とくに「私」と、私をとりまく「現実」がイメージの水準で揺らぐ場という観点から、本書がゲームを題材に展開してきた議論を簡単にふりかえっておこう。第 一部の「マイコンゲーム創世記」では、草創期のゲーム作品をめぐる(プレイヤー=プログラマーによる)想像力とリアリティとの組合わせが現在のそれとは大 きく異なることが明らかにされた。三遊亭あほまろ氏が『スタートレック』をとりあげながら言及されているように、そこでは「完全に頭の中で組み立てて、頭 の中で映像化して想像するしかない」、あるいは「一緒にゲームしていても、隣の人間と自分とは考えてることが違う、考えてる世界が違うことがある」という 事態が発生しえたのである。その後、前川修氏が第二部のまとめで総括するように、一九八〇年代以降になると「インターフェースの向こう側が不可視にな り」、そこで、「ある意味で透明化したかに見える「スクリーン空間」の重層性や不透明性」が前景化されることになる。そして二〇一三年現在、(おもに第三 部で論及された題材であるが)オンラインゲームによって媒介される共同性の次元、あるいはコミュニティの次元は、この混濁した重層的空間において一定の拡 がりを獲得しつある。

    ・・・・・・

《もっと読む ゲーム化する世界 あとがき》

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2013年5月 9日 (木)

おわび 引揚者の戦後  発売遅れております 叢書 戦争が生みだす社会2巻

おわび

申し訳ございません。4月刊行予定にしておりました、

「叢書 戦争が生みだす社会」 

2巻 引揚者の戦後  の発売が遅れております。

発売予定は7月となります。

定期にてご注文いただいております、書店さま、お客さまにはご迷惑をおかけいたします。心よりお詫び申し上げます。

また3巻 米軍基地文化につきましては現在、未定となっております。

叢書 戦争が生みだす社会(全3巻) 内容詳細

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2013年5月 8日 (水)

書評 ヴァカン著 『ボディ&ソウル』

9784788513198

ロイック・ヴァカン 著
田中研之輔・倉島哲・石岡丈昇 訳

ボディ&ソウル

四六判上製416頁・定価4515円
発売日 13.2.1
ISBN 978-4-7885-1319-8

の書評が、5月8日付 北海道新聞書評欄に掲載されました。評者は藤島大氏。

・・・・・
「お前の感情が酸素を燃やしちまうからな」
先輩ブッチは、気持ちのコントロールの大切さをそう言った。老トレーナーのディーディーは技術書の無用を簡潔に説く。

「本じゃ、全部止まっている」
身体でつかんだ実感を知識と照合する。当事者にして観察者ならではの往復する視点は、貧しい環境がボクサーを生む、といった安易な分析から逃れ、そこにあるジムそのものがボクサーをつくる、という事実にいたる。本書はスポーツを学問に当てはめるのではなく、スポーツの渦中より導かれた考察の一冊である。そこが気持ちよい
・・・・・

評者の先生、掲載紙ご担当者に心よりお礼申し上げます。ありがとうございました。

藤島大さんといえば私にとっては東京新聞夕刊エッセイのイメージが強く、なかでもボクシングについてのエッセイを読むのをほんとうにたのしみにしております。国内の、タイトル戦ではないけど、いい試合を描くのが本当にうまく、観戦しなかったことが本当に悔しくなるような、そんなエッセイなんですよ、これが。氏にこの本の書評をしていただいたのはこれ以上ないよろこびです。

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2013年5月 3日 (金)

書評 J.テイラー著『われらはチンパンジーにあらず』

9784788513262

ジェレミー・テイラー 著  鈴木光太郎 訳

われらはチンパンジーにあらず

――ヒト遺伝子の探求
四六判上製450頁・定価4410円
発売日 13.2.20
978-4-7885-1326-6

の書評が信濃毎日新聞2013年4月28日付書評欄に掲載されました。
評者は岡ノ谷一夫氏

・・・・・・ここ数年でわかってきたことは、DNA配列の比較の上では省略されてきたさまざまな変異が、実は人間とチンパンジーの違いに大きく関わっているらしいのだ。これらの部位の多くは、特に脳の形成に影響する。だから1・6%というのは、差異を矮小化するし、単純化しすぎた数字である。DNA配列が似ているという前提は、遺伝的に似ているという飛躍につながり、さらには行動や認知の上でも似ているはず、というバイアスを生み出した。この反対に、系統発生的に離れた動物は、行動や認知の上でも似ていないはずだ、というバイアスも生じている。どちらもそれほど根拠はない・・・・・・ 

評者の先生、掲載紙ご担当者さまに心よりお礼申し上げます。ありがとうございました。

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