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2013年1月

2013年1月31日 (木)

新刊 ロイック・ヴァカン『ボディ&ソウル』

9784788513198

ロイック・ヴァカン 著
田中研之輔・倉島哲・石岡丈昇 訳

ボディ&ソウル

四六判上製416頁・定価4515円
発売日 13.2.1
ISBN 978-4-7885-1319-8

見本出来ました。2月1日配本です。2月5日ごろ書店に並びます。

訳者解説

本書は、Loic Wacquant, Body & Soul: Notebooks of an Apprentice Boxer(Oxford University Press, 2004)の全訳である。この本は二〇〇〇年にフランス語で刊行されたCorps et ame. Carnets ethnographiques d’un apprenti boxeur(Agone, Comeau & Nadeau)をヴァカンが英語版に編集したものである。これまでに英・仏語版を合わせて九つの言語で出版されている。英語版の公刊後にはQualitative Sociology(28巻2号、2005年)およびSymbolic Interaction(28巻3号、2005年)誌上で特集が組まれ、複数の書評論文とそれに対するヴァカンのリプライが掲載された。 ロイック・ヴァカンは、一九六〇年生まれ、フランスのモンペリエ出身である。HEC(高等商業学校)入学後に産業経済学を専攻していたが、たまたま聴講したピエール・ブルデューの公開講義に触発され社会学を学び始めた。以降、ブルデューの講義に頻繁に通うようになり、講義後にはブルデューの自宅まで歩きながら熱心な議論をおこなう間柄となった。HEC卒業後に渡米し、シカゴ大学でウィリアム・ジュリアス・ウィルソンの指導の下で黒人ゲットーの調査研究を開始した。ウィルソンは日本でも『アメリカのアンダークラス』、『アメリカ大都市の貧困と差別』(共に明石書店)の著者として知られるが、その基になったシカゴ大学調査プロジェクト「都市貧困と家族生活をめぐる研究」の主要メンバーとしてヴァカンは活躍した。一九九四年に博士学位を取得し、現在はカリフォルニア大学バークレー校社会学部教授である。一九九七年にはマッカーサー・フェローに選出されるなど高い評価を得ている。昨今ではヨーロッパ、南米、アジアでの数々の学会やシンポジウムにスピーカーとして招聘されている。

 

    ・・・・・・

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2013年1月29日 (火)

◎新曜社<新刊の御案内>■メール版 第127号■

2013年1月28日発行 メール版 第127号
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◎新曜社<新刊の御案内>■メール版 第127号■

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◇トピックス
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●書評

『甦る「ゴンドラの唄」』の著者・相沢直樹氏のインタビューが新年1月6日
付の日本経済新聞「あとがきのあと」で紹介されました。「いのち短し、恋せ
よ少女」で有名な、「ゴンドラの唄」の受容の歴史を追った意欲的な本。
http://shin-yo-sha.cocolog-nifty.com/blog/2013/01/2013117-3d29.html


『甦る「ゴンドラの唄」』はまた「週刊ポスト」2013年2月1日号に書評掲載
されました。評者は川本三郎氏。
http://shin-yo-sha.cocolog-nifty.com/blog/2013/01/post-64e9.html



杉本章吾著『岡崎京子論』の書評が昨年末12月23日、日本経済新聞に掲載
http://shin-yo-sha.cocolog-nifty.com/blog/2012/12/post-d85a-1.html



週刊文春1月24日号の「文春図書館」で根ヶ山光一著『アロマザリングの島
の子どもたち』が酒井順子氏に紹介されました。本書のテーマである、子ども
の母親以外の養育(アロマザリング)を「家庭内にこもるのでなく、様々な人
とともに『ケア』するという姿勢は、私達にとってヒントになるのでは」と評
されています。
http://shin-yo-sha.cocolog-nifty.com/blog/2012/12/post-d85a.html




●受賞

弊社、第9回出版梓会新聞社学芸文化賞を賜りました
http://shin-yo-sha.cocolog-nifty.com/blog/2013/01/9-3574.html

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◇近刊情報
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2月下旬発売予定
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『テレビという記憶』
──テレビ視聴の社会史
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萩原 滋 編 A5判上製264頁・定価2730円(税込)
ISBN 978-4-7885-1329-7 C1036
分野=メディア論・社会心理学

◆「公共的記憶」はどのようにつくられてきたか?

メディア環境が激変する現在、若年層を中心にテレビの見方は多様化・個人化
し、影響力の低下が指摘される一方で、テレビ情報への依存度は年代を問わず
高水準を維持しています。本書では、間もなく還暦を迎えるテレビの歴史を視
聴者の立場で振り返り、中高生から高齢層まで幅広くインタビュー、ウェブ調
査などを行ってテレビ視聴の現況・テレビにまつわる記憶を明らかにし、世代
内・世代間の「記憶の共有」という視点から、テレビが果たす社会的役割の変
遷を世代ごとに検討しました。そこから浮かび上がる今後のテレビが果たすべ
き役割とは? 編者は慶應義塾大学メディア・コミュニケーション研究所教授。




3月上旬発売予定
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『ワードマップ 現代エスノグラフィー』(仮題)
──フィールドワークへの新しいアプローチ 
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藤田結子・北村文 編
四六判並製256頁・予価2310円(税込)
ISBN 978-4-7885-1328-0 C1030
分野=社会調査・社会科学一般


◆街へ出る前に、フィールドへ行く前に

フィールドワーク、エスノグラフィー(民族誌)について、手紙の書き方、ノ
ートの取り方から機器の扱い方まで、手取り足取り解説した本は多くあります。
J・クリフォードらの『文化を書く』以来、文化を誰が、どこから、どう書く
のか、という政治性が指摘されていますが、本書はそのような問題意識を組み
入れながら、ポジショナリティ、自己再帰性、表象の政治、当事者研究などの
基本概念を詳述し、介護、障害、ボランティアなどの新しい対象分野を取り上
げ、さらにはフィールドに出たときに調査者が出会う初歩的な問題についても、
体験をとおした適切なアドバイスをしています。これからのフィールドワーク
に必携の「思想的」ガイドブックといえましょう。




3月上旬発売予定
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『パラドックスの科学論』(仮題)
──科学的発見はいかになされるか
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井山弘幸著
四六判上製312頁・予価2940円(税込)
ISBN 978-4-7885-1327-3 C1040
分野=科学一般・現代思想


◆その魅力を語り尽くす

パラドックスとは何か、その魅力はどこにあるのでしょう。「一見、不合理で
あったり矛盾したりしていながら、よく考えると真理である事柄。逆説」と辞
書にはあります。「アキレスと亀」の話などが有名ですね。パラドックスはあ
らゆる分野に現われますが、特に科学の分野には多く、科学的発見が世間の常
識を覆すことでなされることが多いからでしょう。本書は、科学の歴史に現わ
れてきた多くのパラドックスを、ユーモアをまじえて詳述します。「アキレス
と亀」の卓抜な解釈から始めて、サイズの話、「量る」ことのパラドックス
(「たましい」や「幸せ」を量る)、ニセ科学、セレンディピティー論(発見
のパラドックス)、そしてサンデル先生の白熱教室でおなじみの「路面電車問
題」などまで、さまざまなパラドックスを取り上げ、意想外の思考が展開され
ます。パラドックスの魅力を満喫させてくれる第一級の読み物・テキストです。





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2013年1月24日 (木)

書評 相沢直樹 著 『甦る「ゴンドラの唄」』

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相沢直樹 著
『甦る「ゴンドラの唄」』
四六判上製336頁・定価3360円
発売日 12.11.20
ISBN 978-4-7885-1311-2

の書評が、「週刊ポスト」2013年2月1日号に掲載されました。
評者は川本三郎氏。

評者の先生、掲載誌ご担当者さまに、心よりのお礼を申し上げます。ありがとうございました。

近代日本に登場したひとつの歌のことだけで一冊の本を書く。その着想、ひとつの歌を追い続けた熱意に感嘆する。
『ゴンドラの唄』。いのち短し、恋せよ、乙女・・・・・・は今も広く歌われている。いわば懐メロ。
・・・・・・
「恋せよ」とあるように恋愛賛歌。同時に、人間の命には限りがあるのだから生きているいまを大事にせよという生の讃歌にもなっている。この指摘が面白い。古くからヨーロッパ文化に流れる「カルペ・ディエム」(いまを楽しめ)の考え方と通い合うという。

当初、この歌を中山晋平は失敗作と思っていたし、吉井勇もさほど思い入れを持っていなかったというのは意外。

ところが一本の映画のなかで印象的に歌われたために、二人とも自分たちの作った歌を改めて見直すことになった。

言うまでもなく黒澤明監督の『生きる』(52年)。・・・・・・



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2013年1月22日 (火)

近刊 ヴァカン 著  ボディ&ソウル 

近刊のお知らせです。

ロイック・ヴァカン 著 田中研之輔、倉島哲、石岡丈昇 訳
ボディ&ソウル
四六上製416頁・定価4515円
ISBN 978-4-7885-1319-8

25日見本、2月1日配本書店さん店頭には2月5日ごろです。

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2013年1月18日 (金)

第9回出版梓会新聞社学芸文化賞受賞

先日2013年1月17日、第28回「梓会出版文化賞」授賞式がございました。
弊社、第9回出版梓会新聞社学芸文化賞を賜りました。

出版梓会会員社、新聞社文化部・ 学芸部のみなさま、ありがとうございました。こころよりお礼申し上げます。大変名誉なことで、これからの励みとさせていただきます。

 

選考のことば

 歴史の中の出来事は、記録されることで初めて後世に残される。いにしえの記録の多くは為政者のものだったが、二〇一一年三月に東日本を襲った大震災と津波、そして原発事故は、政府や電力会社による報告から、マスメディアによる報道、さらにはツイッターの個人的なつぶやきまで、さまざまな形で記録され、歴史となった。活字や映像、電子媒体に残された3・11の記録は、おびただしい数に上る

 だが、どんなに網の目を小さくしても、漏れてしまいがちな情報がある。美談の陰で起きていた犯罪とか、被災者の何気ない仕草とか、遺体触れたときの感触といったものだ。新曜社が出版した『3・11 慟哭の記録 71人が体感した大津波・原発・巨大地震』(金菱清編 東北学院大学 震災の記録プロジェクト)は、そんな網からこぼれがちな情報に満ちている。・・・・・・・
・・・・・・・
 包み隠さず体験を語る被災者たちのモノローグは、公式な記録や報道の陰に隠れがちな「3・11の襞の奥」まで伝える良質のドキュメンタリーだ。小さな活字で五四一頁。ひとりひとりの言葉の力で描く、長大な「震災エスノグラフィ」は、3・11関連の膨大な数の出版物の中でも傑出しており、最終的に全社一致で新曜社への受賞が決まった。

(東京新聞文化部長 加古陽治氏)

 

9784788512702

金菱清 編
東北学院大学 震災の記録プロジェクト 
3.11 慟哭の記録
――71人が体感した大津波・原発・巨大地震
四六版560頁・定価2940円
発売日 12.2.20
ISBN 978-4-7885-1270-2

本書は昨年末2012年12月25日、
BS11 宮崎美子のすずらん本屋堂 にて「2012年・ベストの一冊を本のプロ5人が大公開」にてご紹介いただきました。

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2013年1月17日 (木)

書評 根ヶ山光一著 『アロマザリングの島の子どもたち』 

 

9784788513174

根ヶ山光一 著
『アロマザリングの島の子どもたち』
――多良間島子別れフィールドノート

の書評が、2013年1月24日号「週刊文春」の「文春図書館」に掲載されました。(ほか『父 水上勉』(窪島誠一郎、白水社)『大介護時代を生きる』(樋口恵子、中央法規)とともに)

評者は酒井順子氏

『アロマザリングの島の子どもたち』を読み、介護と子育ての共通性についてさらに考えさせられた。・・・・・・・発達行動学の研究者である著者は、かつて日本一出生率が高かった沖縄の多良間島でフィールドワークを行い、多良間の出生率の高さは、母親だけで育児を背負い込まないところにあるのでは、と見る。・・・・・・島における子育てシステムを他地域にあてはめるのは、困難であろう。が、相手が子どもであれお年寄りであれ、家庭内にこもるのでなく、さまざまな人とともに「ケア」するという姿勢は、私たちにとってヒントになるのではないかと思う」

評者の先生、掲載紙ご担当者さま、ありがとうございました。
心よりお礼申し上げます。


9784788513174

根ヶ山光一 著
『アロマザリングの島の子どもたち』
――多良間島子別れフィールドノート
四六判上製208頁・定価2310円
発売日 12.12.17
978-4-7885-1317-4

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2013年1月16日 (水)

記事 中山弘明 著 『第一次大戦の〈影〉』

9784788513150

中山弘明 著
『第一次大戦の〈影〉』
――世界戦争と日本文学
四六判上製336頁・定価3360円
発売日 12.12.14
ISBN 978-4-7885-1315-0

の紹介が、2013年1月13日 信濃毎日新聞に掲載されました。掲載紙ご担当者さま、ありがとうございました。

第一次大戦が終わった後、坪内逍遙は意欲的にページェント運動に取り組む。ページェントとは大衆を動員した演劇、音楽、舞踊の総合芸術イベント。彼はこれをデモクラシーの実践、世界戦争の代用物と位置付けた。が、著者はこれが戦争回避ではなく、総動員体制の基盤をつくってしまう皮肉を指摘する。・・・・・・未来戦記や新聞、講談、短歌などの言説が、いかに戦争とかかわったか・・・・・・

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2013年1月11日 (金)

新刊 ヤーン・ヴァルシナー『新しい文化心理学の構築』

9784788513259

ヤーン・ヴァルシナー 著
サトウタツヤ 監訳

新しい文化心理学の構築

A5判上製560頁・定価6615円
発売日 13.1.15
ISBN 978-4-7885-1325-9

見本出来ました。1月15日配本です。1月18日ごろ書店に並びます。

まえがき

本書は、文化心理学の分野におけるもろもろのアイデアを統合することへの冒険である――発達科学、人類学、社会学、歴史学、記号論、哲学の専門的知識の上に立って築き上げてゆく。基本的な焦点は深く現象学的なところにあり、行動ではなく、経験を生きてゆく人間という視点を、科学としての心理学の基礎におく。私の観点は、人間の経験を、文化的に組織化され絶え間なく個人的に再創造される主観的な現実と見なす伝統の上に築かれている(Valsiner, 1998a参照)。現在のこの観点のルーツは、一方でウィリアム・シュテルンの人格論的な枠組みにあり、もう一方はレフ・ヴィゴツキーとアレクサンダー・ルリアの文化的歴史的伝統にある。現在のかたちの本書の考えは、チャールズ・S・パースの記号論とカール・ビューラーの意味論を基礎とする記号論的心理学の一バージョンということになる。その成果は、完全に唯一無比な心理的現象の只中にありつつ、(Wissenschaftという古き良きドイツ語の意味で)科学的かつ普遍的であると主張する、もう一つの心理学的理論の構築である。  心理学はその歴史の中で、主題事象とその客観性に関する表面的な理解(心理学は行動を研究しているという行きわたった考えのこと)を採用することによって、科学の殿堂に属することを証明しようともがき続けてきた。このような努力はまったく実りのないものだった。そして本書における文化心理学というトピックについて言えば、われわれは最も複雑かつ魅力的な課題に直面している。すなわち、人間の個別性をそのすべての豊かさを失うことなく表現することを貫きながら、同時にその基本的知識において一般的でもある学範の構築へと導く、新たな提案をするという課題である。

 

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2013年1月10日 (木)

新刊 P. サガード『脳科学革命』

9784788513211

P. サガード 著
無藤隆監訳/松井由佳・松井愛奈訳

脳科学革命

四六判上製424頁・定価4410円
発売日 13.1.15
ISBN 978-4-7885-1321-1

見本出来ました。1月15日配本です。1月18日ごろ書店に並びます。

 はじめに

15歳のときに読んだ本で、私の人生は大きく変わった。そのときから、哲学と認知科学という、心の作用を研究する学際的分野へと向かう私の知の旅が始まったのである。サスカチュワン州サスカトゥーンの公共図書館で書架整理の仕事をしていたときに、バートランド・ラッセルの『宗教は必要か』(訳注1)を目にしたのである。カトリック系高校の生徒であり、ミサの侍者を務めたこともあった少年にとって、このタイトルは刺激的であった。特に、当時の私は、学校で聞く尼僧や司祭の教えに対する疑念が膨らんでいた。私は、神の存在に関する標準的な議論を打ち壊すラッセルの著作をむさぼるように読み、さらにジョン・スチュアート・ミルやジャン=ポール・サルトルなどの、同様に無神論的な哲学者の本を読み始めた。そして同じころ、図書館の職業に関するエリアの書棚整理をしていて、大学教員の快適な生活について書いた本を手にし、哲学教授になるという大望を抱くようになったのである。 驚くことに、この夢は現実となり、そして40年以上経った今、私を宗教から哲学へ、そして心理学や人工知能、神経科学にまでいざなってくれた、すばらしい学術的探検を回想することができる。私は今、脳が心を作るしくみの理解に対する現在の発展に、最初に哲学を発見したときと同じ興奮を覚えている。この10年の間に、神経科学における実験と理論的成果が急増し、人間の思考や感情、行動のしくみに関する洞察が大いに深まった。これらの成果は、伝統的な哲学の問題だけでなく、どうすれば人は良く生きられるのかという日常的な問題にも、大きな影響を与えるものであった。

 

    ・・・・・・

《もっと読む 脳科学革命 はじめに》

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2013年1月 9日 (水)

記事  『戦争が遺したもの』 鶴見俊輔・上野千鶴子・小熊英二 著

4788508877

鶴見俊輔・上野千鶴子・小熊英二 著
『戦争が遺したもの』
――鶴見俊輔に戦後世代が聞く
四六判404頁・定価2940円
ISBN  4-7885-0887-7

1月7日付東京新聞1面「筆洗」に
1月4日韓国で39年ぶりに無罪が確定した韓国の詩人・金芝河氏と鶴見俊輔氏のエピソードが引用されておりました。
          せっかくですので、該当箇所を本文より一部引用いたします。

鶴見 韓国で金芝河が監禁されていた病室まで会いに行ったら、金芝河は驚いた様子だった。なにも知らない日本人が、いきなり現れたんだから。
それで私は、英語でこう言った。「ここに、あなたを死刑にするなという趣旨で、世界中から集めた署名があります」とね。金芝河は日本語はできないし、英語もたいしてできない。だけど彼は、片言の英語でこう言ったんだ。「Your movement can not help me.But I will add my name to it to help your movement」(あなたたちの運動は、私を助けることはできないだろう。しかし私は、あなたたちの運動を助けるために、署名に参加する)。

これはすごい男だと思ったよ。朝鮮人とか韓国人jとか、そういうのを超えて、人間としてすごいと思った。もし私だったら、死刑になりそうになっている自分のところへ、署名をもって外国人がいきなり訪ねてきたら、何が言えるだろう。「サンキュー、サンキュー」ぐらいが関の山でしょう。

しかも彼は英語がそんなにできないから、ほんとうにベイシックな英語だけで、これを言ったんだ。まったく無駄のない、独立した言葉なんだ。詩人だと思ったよ。

それで十数年たって、ようやく彼が釈放されて日本に訪ねてきたとき、彼が京都の私の自宅までやって来たんだ。外でちょっと会ってお礼を言うとか、そういうのじゃ気が済まないって言うんだよ。古い儒教的なマナーなのかもしれないけど、そういう仁義もある人なんだ。

そういう人を相手にしていると、抽象的に朝鮮人を差別してはいけないとか、朝鮮人はかわいそうだとかいうのは、まったく超えてしまうよね。そんなことを考えているこっちのほうが、よっぽどかわいそうなんだ(笑)。この人を死刑にしてはいけないという思いが、朝鮮とか韓国とかを超えてしまうんだよ。
・・・・・・(本書336頁-)

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2013年1月 8日 (火)

新刊 アリス・ミラー『魂の殺人』新装版

9784788513204

アリス・ミラー 著
山下公子 訳

魂の殺人新装版

四六判上製400頁・定価2940円
発売日 13.1.20
ISBN 978-4-7885-1320-4

見本出来ました。1月15日配本です。1月18日ごろ書店に並びます。

新装版 訳者あとがき

『魂の殺人』を新装版にしたい、というメールを新曜社の小田さんからいただいたとき、「ああ、やはり、そうなのだな」と思いました。「そう」というのには、いろいろな意味があります。メールを受け取った日の何日前かに、たまたま立ち寄った、団地の書店の棚で一冊の『魂の殺人』を見つけ、少し驚いたということがありました。そこは、昔からある「普通の」本屋さんで。専門書をたくさんおいてある大型書店というわけではないお店でしたし。

 繰り返し報道される、いじめが原因の自殺。学校や教育委員会がいじめの実態解明に熱心ではない、という指摘などを耳にするたび、「『魂の殺人』のころとちっとも変わっていない」と気落ちするような思いをしていました。自分で訳しておきながら、とても奇妙な言いぐさですが、もしもこの社会で、ミラーの著作を本当に必要としなくなるのなら、それは願ってもないことだと、翻訳をしている時から今に至るまで、変わらずに思っています。ただ、たいへん残念なことですが、日本の社会は、『魂の殺人』が初めて翻訳出版されたときから現在まで、それほど変わっていないように感じるのです。

    ・・・・・・

《もっと読む 魂の殺人 新装版 訳者あとがき》

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2013年1月 7日 (月)

著者インタビュー 相沢直樹 著 『甦る「ゴンドラの唄」』

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相沢直樹 著
甦る「ゴンドラの唄」
――「いのち短し、恋せよ、少女」の誕生と変容

四六判上製336頁・定価3360円
発売日 12.11.20
978-4-7885-1311-2

の著者インタビューが、1月6日 2013年 日本経済新聞「あとがきのあと」に掲載されました。

・・・・・・「ゴンドラの唄」は1915年、島村抱月率いる芸術座がロシアの作家ツルゲーネフの小説「その前夜」を舞台化した際に劇中歌としてつくられた。ロシア文学の研究者としてツルゲーネフの日本での受容史を研究する過程で、このことを知った。「はじめはこの歌とツルゲーネフが結びつかなかった。調べているうちに、意外な事実や時代ごとの変化が見えてきた」

「その前夜」はモスクワの貴族令嬢とブルガリア男性との恋物語だ。芸術座の舞台では、2人が訪れたイタリアのベネチアでの場面で、ゴンドラの船頭が「ゴンドラの唄」を歌う。

ここで研究者ならではの疑問が浮かんだ。・・・・・・・

掲載紙ご担当者さまに心よりお礼もうしあげます。

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