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2012年8月

2012年8月31日 (金)

記事 『3.11 慟哭の記録』

9784788512702

「土地の記憶 時との記録 下」に
「人類史に残す等身大の言葉 被災者本人がつづるリアル」として

金菱清 編
東北学院大学 震災の記録プロジェクト 
3.11 慟哭の記録
――71人が体感した大津波・原発・巨大地震
の記事が、8月24日付京都新聞に掲載されました。

・・・・・・「聞き書きだと、聞き手が聞きたいことだけの内容になる。前後の文脈が見えづらく、被災者が体験の中で何を重視しているのかも分からない」

被災者自らが書くことにこだわった金菱の原点には、生まれ育った大阪で体験した阪神大震災がある。

「マスメディアは横倒れになった高速道路や火災現場の上空からの映像ばかりを流し、その下で人々がどう生きたのかまったく伝わってこなかった」

今回の震災でも津波の空撮映像がくり返し流され、イメージを決定づけた

「圧倒的な映像で下記消された小さな声、本人が描くディティールにこそ震災のリアリティがある」。

写真を一切載せなかったのも、言葉そのものへの信頼を取り戻す意図が込められている。・・・・・・

震災後の混乱と悲しみの中で、遺族らは何を思い、手記を書いたのか。

チームに参加した東北学院大学2年の渡辺英利(20)も筆者のひとりだ。宮城県七ヶ浜町の自宅の裏山で津波に襲われ、祖母とつないだ手をはなしてしまった。祖母は数日後、遺体で見つかった。

避難先のアパートで家族が寝静まった深夜、パソコンに向かった。震災当日に祖母と食べたケーキ、目の前で津波に押しつぶされた自宅、そして手がはなれた瞬間のこと。祖母の死は「私のせいだ」と自分を責め続けた。

「書き始める前には、いつも涙がこぼれた。でもやり遂げたいという思いの方が強かった。おばあちゃんの最後を知っているのは他の誰でもない。私が書くんだって」

津波で息子を亡くした27歳の息子のことをつづった同大職員の小原武久(56)も「この本は息子への弔い。一生、何かあるたびに読み返すと思う」と、執筆の意味をかみしめる。

未曾有の災害をどう記録し、後世に伝えていくか。被災地での試みは始まったばかりだ。金菱の前書きで「世界の読者のみなさまへ」と呼び掛けている。なぜなら一人として同じではない被災者たちの等身大の言葉は、「人類史の記録」として大きな意味を持つなのだから」

関連記事 「被災者71人 慟哭の手記」 『3.11 慟哭の記録』

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2012年8月27日 (月)

◎新曜社<新刊の御案内>■メール版 第122号■

2012年8月24日発行 メール版 第122号
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◎新曜社<新刊の御案内>■メール版 第122号■

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◇フェア情報

9月10日から11月2日まで、東京、紀伊國屋書店新宿南店5階フェア棚にて
心理学書販売研究会フェア企画、「お薦めの心理学書 新刊・基本書2012/2013」
を開催いたします。9月以降は心理学学会が多い季節、心理学専門書版元の新刊
も多く出版されます。それら話題の新刊と各社ロングセラー書を集めたフェア
です。ぜひご来店ください。

詳細は下記ページで、追ってお知らせいたします。
心理学書販売研究会ブログ http://shinpanken.blogspot.jp/

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◇近刊情報
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9月中旬発売予定
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『発達の基盤:身体、認知、情動』
――発達科学ハンドブック4 
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日本発達心理学会 編
根ヶ山光一・仲真紀子 責任編集
A5判上製336頁・定価3780円(税込)
ISBN 978-4-7885-1302-0 C1011
分野=発達心理学

◆「身体・脳」から心の発達を考える

心の発達をとらえる上で、生物学的視点は欠くことができません。心のありよ
うが身体に反映され、逆に身体のありようが心に影響する、という心と身体の
密接な関係は、これまでも心理学の研究対象になってきました。さらに近年、
脳科学の技術的進歩により、脳と心の働きに関して客観的な知見が得られるよ
うになり、心理学界に大きなインパクトをもたらしつつあります。本書では心
と身体の重要な接点である脳科学・認知・情動に焦点を当て、環境から情報を
受けとめ、統合し、新たな内容を創り出していく「生物としてのヒト」のあり
方を探りつつ、個体の生から死までの変化過程を科学的立場から考察します。 

●発達科学ハンドブックシリーズ



9月下旬発売予定
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『あたりまえの親子関係に気づく・エピソード65』
――
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菅野幸恵 著
四六判並製190頁・予価1890円(税込)
ISBN 978-4-7885-1303-7 C1011
分野=心理学・育児


◆親子はいつもロマンティックな関係じゃない!

子ども虐待のニュースに、私も一歩誤っていたら……と身震いする思いのお母
さんも少なくないのではないでしょうか。親子関係は特別なつながりであり、
無条件の愛情で結ばれている、と信じられていますが、実際には、子育てはき
れいごとだけではすまない、子どもとの格闘の連続です。著者は15年以上にわ
たって母親にインタビューし、「子どもをイヤになる」瞬間を話してもらいま
した。そこから見えてきたのは、子どもとの楽しい幸せな面だけではなく、思
わずカッとなったり落ち込んだりする、ネガティブな面も含むアンビバレント
な子育ての姿です。親子も人間関係、楽しい時間だけでなく、軋轢、葛藤も経
験しながら豊かな関係が育っていく、というあたりまえに気がつけば、新しい
育児の視界が開けてくるのではないでしょうか。著者は青山学院女子短期大学
准教授。

●菅野先生の好評既刊書

 岡本依子・菅野幸恵・塚田‐城みちる 著
『エピソードで学ぶ乳幼児の発達心理学』


菅野幸恵・塚田みちる・岡本依子 著
『エピソードで学ぶ赤ちゃんの発達と子育て』





9月下旬発売予定
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『不妊治療者の人生選択』
――ライフストーリーを捉えるナラティヴ・アプローチ
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安田裕子 著
A5判上製304頁・定価3990円(税込)
ISBN 978-4-7885-1304-4 C1011
分野=女性学・心理学


◆現代日本で、子どもを産めないこととは? 家族を築くこととは?

少子化が社会の重要問題となっています。子どもをもたないという選択をする
人々がいる一方で、子どもを産みたくても産めない、不妊に苦しむ人々もいま
す。そういう人にとって、不妊治療は希望の拠り所ですが、必ず効果があがる
わけではありません。この本は、何年も不妊治療に通っても結局受胎せず、そ
れでも子どもを育てたいと、葛藤の末に治療をやめて養子縁組という非血縁の
家族を選択した女性たちの、これまでなかなか明かされることのなかった経験
を、丹念なインタビューを重ねてとらえた貴重な記録です。また、医療、福祉、
教育等さまざまな実践の場で注目を集めているナラティヴ・アプローチの方法
についての丹念な解説書ともなっているので、この方法に関心をもつ学生にと
っては、なによりの実践的なテキストとなるでしょう。





9月下旬発売予定
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『社会と向き合う心理学』『社会に向き合う心理学』
――
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サトウタツヤ・若林宏輔・木戸彩恵 編
A5判並製340頁・予価2940円(税込)
ISBN 978-4-7885-1305-1 C1011
分野=心理学


◆新タイプの心理学テキスト!

心理学は大学生になって初めて学ぶ学科なので、受講する学生は興味津々です。
でも、いざ教室に行ってみると……行動だの認知だの、実験だのと、どうも思
い描いていた心理学とは違います。ほとんど日常生活とは関係がなさそうなの
です。イヤ、廻り巡って重要な基礎知識なのだ、ということかも知れませんが、
心理学は実際には、もっと日常生活と密接に関連した学問なのです。いじめ、
通り魔、冤罪等々の社会的重大問題や、化粧、ダイエットの失敗、恋愛などの
個人的な重大問題も、みな、心理学のテーマですし、沢山の研究があります。
しかし、どういうわけか、こういう「応用」心理学については、大学でキチン
と教えられてきませんでした。そこで、満を持してのテキスト登場です。教室
を離れて社会に出てからも、その知識を活かすことができる心理学テキストの
誕生です。



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2012年8月20日 (月)

新刊 前川啓治『カルチュラル・インターフェースの人類学』

9784788513013


前川啓治 著
カルチュラル・インターフェースの人類学

A5判264頁・定価2520円
発売日 12.08.20
ISBN 978-4-7885-1301-3

見本出来ました。8月21日配本です。8月23日ごろ書店に並びます。

  おわりに 

 自省することは人類学者の重要な能力の一つであるが、オリエンタリズム批判以降の人類学の一部は、問いを民族誌における表象の問題に矮小化してきた。その 結果が、民族誌の書き方という特定化した問題になってしまった。「ライティング・カルチャー・ショック」というものは、あくまで民族誌の表象という限定さ れた範囲における根本的な見直しではあるが、それはフィールドから理論に至るまでの人類学の実践の一部にすぎない。(メタレベルからの批評としてではな く、)フィールドワークの実践においてこそ、われわれは自省しなければならないのではないか。

 人類学者が一般的に嫌うのは、超越的な視点である。なぜなら、権威や権力がその背景に付随してくるからである。超越的な立場からの批評ではなく、葛藤を 含む現実のインターフェースの絡み合いのなかで、超越論的な取り組みによって、つまり同時に内と外に位置するところから、同時に他者構築と自己構築を行 なってゆくことこそが、人類学者の原実践である。

 人類学の成果は百花繚乱という様相を呈している。まさにポスト・モダンといわれる知の状況に呼応して、人類学は多様になってきている。人類学がなんでも ありの学問になってゆくのか、人類学のスピリットとでもいうべきものを維持し、そのなかから発展的に対象を拡げ、対象を深め、時代状況に応じた展開を目指 してゆくのか、まさにその岐路に立っていると編者には思われる。本書の各章で展開された諸論は、いずれも現代の人類学の主要なテーマを取り扱っており、今 後のアプローチの方向を示すものである。

・・・・・・

《もっと読む カルチュラル・インターフェースの人類学 おわりに》

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2012年8月15日 (水)

この一冊 足立重和 著『郡上八幡 伝統を生きる』

郡上おどりは、今年は7月14日に始まり、9月8日で躍り納めとなります。
8月13~16日は、午後8時から明方まで踊り続ける盂蘭盆会です。
いちどは行って見たいお祭りです。

本書は地元住民の語りと リアリティにこだわり、風情とノスタルジー、公共事業へのもどかしさ、町衆 システム等、伝統を守る郡上八幡人の生きざまを浮かび上がらせた名著です。

9784788512023

足立重和 著
『郡上八幡 伝統を生きる』
──地域社会の語りとリアリティ

四六判320頁・定価3465円
発売日 10.08.15
ISBN 978-4-7885-1202-3

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2012年8月14日 (火)

新曜社 営業部 8月13日-15日  夏期休業

新曜社 営業部 8月13日-15日  夏期休業いたします。
編集部はやっております。また急用の場合はメールにて対応いたします。

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2012年8月 6日 (月)

新刊 神子島 健『戦場へ征く、戦場から還る』

9784788513006

神子島 健 著
戦場へ征く、戦場から還る

A5判560頁・定価5460円
発売日 12.08.15
ISBN 978-4-7885-1300-6

見本出来ました。8月6日配本です。8月8日ごろ書店に並びます。

  序章 本書の問いとその背景  

 「うちの新聞はこの戦争を「侵攻」と書いた。反戦デモは世界中で起きている。どう思うか」〔中略〕

 「この戦争にいろいろ批判があるのは知っている。だがおれたちは兵隊だ。飯を食って、銃を磨いて、敵を殺さないと家族に会えないんだ。やるべきことをやるのさ」  兵士にとって戦争というのは、殺すか殺されるかだけなんだ。お前の質問は意味がない。そういわれたような気がした。     

 ここで引用した新聞記事は、イラク戦争時の米軍部隊に同行(embed)取材をした、『朝日新聞』の野嶋剛記者の書いたものである。

 出口の見えない戦争において「やるべきことをやる」としても、果たして兵士は家族に会えるのか、その保証はどこにもない。だがここには自らの戦っている戦争 自体の意味は宙吊りにして、「兵隊」としての自己を受け容れ、淡々と与えられた役割をこなす人の言葉が見える。しかし一方で、彼はその役割を終え家族に会 うことを心の支えとすることで、「殺すか殺されるか」の場である戦地での自己を保っているのであろう。兵士としての自己ではなく、父親として、夫として、 息子としての、つまり家族とのつながりにおける自己が戦地での彼に入り込んでいる。むろん両者は一人の人間のなかで並存し得る。だがよき父やよき息子であ る自己が前面に出すぎると、「敵を殺」す自己との矛盾が顕在化しかねない。家族が兵士の心の支えであるとしても、彼はその矛盾を起こさない場合においてし か、家族のことを考えないようにするだろう。

 彼は従軍記者の質問をはねつけている。当の記者からすると、兵士の気持はお前にはわかるまいというコミュニケーションの不可能性を宣告されているように 思えたのだろう。だがこの返答は、自らが現場に放り込まれてしまっている戦争の意義に疑問を差し挾むことが、兵士としての自己を揺るがしかねないことを警 戒した、兵士の側からのコミュニケーションの拒否でもあるのだ。兵士としての自己と、兵士でない自己との葛藤。これは本書全体を貫く重要なテーマの一つで ある。

・・・・・・

《もっと読む 戦場へ征く、戦場から還る 序章》

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