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2012年7月12日 (木)

新刊 目黒依子・矢澤澄子・岡本英雄 編『揺らぐ男性のジェンダー意識』

9784788512894

目黒依子・矢澤澄子・岡本英雄 編

揺らぐ男性のジェンダー意識――仕事・家族・介護

A5版250頁・定価3675円
発売日 12.03.30
ISBN 978-4-7885-1289-4

 

見本出来ました。7月12日配本です。7月17日ごろ書店に並びます。

 私たち「ジェンダー社会学研究会」は1995年に女性のジェンダー意識についての調査研究を行い,その成果を目黒・矢澤編著『少子化時代のジェンダーと母 親意識』(新曜社,2000)にまとめたが,そのさいの分析概念として,子どもの有無や就業状況,未既婚を問わず「母親になること」「母親であること」を 含む「母親意識」を用いた。正規雇用,非正規雇用(臨時やパート,契約など)のいずれでも,また男性に比べて低い報酬であっても,働く女性や共働きカップ ルが増加するなかで「母親意識」は日本の女性のジェンダー意識の中核をなすといえること,そして,社会環境の変化に伴い「母親意識」の内容は変化しつつ も,その中核性・重要性は継続していると判断することができた。つまり,女性のジェンダー意識と母親という意識には一貫性があるということである。

この結果から,私たちは男性のジェンダー意識とその変化についても,女性との比較という観点から父親意識に注目し,合わせて子ども・パートナー・親へのケア意識と,従来の制度的な一家のあるじ,世帯主としての職業意識のバランスが変化しているのではないかと想定した。

日本において年功序列・終身雇用制などで男性の職業キャリア・パターンが安定していた時代には,女性のジェンダー意識が変化しても,男性は働いて家族を養 うという「稼ぎ手・養い手」役割には変化がなく,男性は生産活動の主役であるというジェンダー文化や構造=ジェンダー秩序は維持され続けた。日本的経営の 成功によって男性の職業キャリア・パターンの安定が続く限り,日本社会の強固なジェンダー役割や意識は,男女を問わず個人レベルでも根強く存在していたよ うに思われる。しかし,成果主義の導入によって男性の職場ストレスが増大し,男性のキャリア・パターンの安定が崩れ始め,ホームレスやフリーター,ニート といった現象に象徴されるような雇用の不安定化が現実味を増すと,男性たちの中には自分たちのジェンダー役割を柔軟にとらえる兆しが現れてきたのではない だろうか。
・・・・・・

《揺らぐ男性のジェンダー意識 あとがき》

 

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