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2012年7月

2012年7月25日 (水)

新刊 佐藤公治『音を創る、音を聴く』

9784788512955

佐藤公治 著
音を創る、音を聴く

四六判304頁・定価3360円
発売日 12.07.25
ISBN 978-4-7885-1295-5

見本出来ました。7月24日配本です。7月26日ごろ書店に並びます。

  はじめに  評論家・小林秀雄が書いた小さな文章がある。「美を求める心」という題名で昭和32年に書かれたものである(『小林秀雄・全作品21』新潮社)。若い人たちに向けて書いたものであるから実に平易な文章である。小林は美しいものを観、聴いた時の感動は私たちの心の中に真っ直ぐに入り、私たちの心を波立たせると言う。そして美しいものは人を黙らせる。美には人を沈黙させる力があるとも言う。  

 美には人を救う力がある。音楽を聴いて勇気をもらい、絶望から救われた経験は誰でも持っているだろう。その時の感動を言葉で言い表してみよと言われてもできない。仮に言葉で言ってみても、言葉を口にした途端に、むなしくなってしまうのである。そんなものではなかったと。

 今、私たちの生活の中で、そして学校の中でコミュニケーションの力、あるいは言葉と対話の力が衰え、細くなっている。だからコミュニケーション力をつけよう、育てようというわけである。他方で、このこととはまるで逆行するようにコミュニケーション・ツールはどんどん進化しているし、発信される情報で溢れかえっている。インターネット情報、ツイッター、そして携帯電話。もちろん、それらのコミュニケーション活動はカッコ付きのコミュニケーションである。  

 私たちはその人の声、身体から出てくる生身の言葉を聴かなくなってきている。あるいは芸術にふれていく場合でも、作品に直接目と耳でふれなくてもコピーされたもので済ませてしまうことが多くなっている。映像や録音というその場で直接身体を通して経験することのない世界は、私たちの身体運動的経験を貧弱なものにしてしまっている。同時に、ヴァーチャルな情報や記号によって抽象化された情報で頭の中をいっぱいにしてしまっている。それでもまだコミュニケーション力が足りないという。

 学校教育では間違ったコミュニケーションのための教育や対話論が横行している。もちろん、それは学校現場だけの話ではない。流暢にしゃべること、人とうまく話ができること、人に自分の考えをうまく伝えることがコミュニケーションや対話の力であると、思い違いをしている人たちが多い。大事なのは対話関係である。ロシアの言語学者・バフチンは「テキストの問題」(『ミハイル・バフチン著作集8』新時代社)という小さな論文で、対話的活動と対話的関係を一緒に扱ってはならないと言っている。対話的関係は対話する者同士が議論したいこと、話題にしたいことをめぐって反論、同意を求めて声と声をぶつけ、重ねることによって作られる。そして、この対話的関係は時間と空間が隔たっている場合であっても生まれるものである。このようにバフチンは言う

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《もっと読む 音を創る、音を聴く はじめに》

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ためし読み

ためし読みできる本を追加しました。

音を創る、音を聴く PDF

ソーシャルグラフの基礎知識

ぜひご興味のある方はお読みください。

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2012年7月24日 (火)

新刊 春木良且 著『ソーシャルグラフの基礎知識』

9784788512986

春木良且 著
ソーシャルグラフの基礎知識

A5判176頁・定価1890円
発売日 12.07.25
ISBN 978-4-7885-1298-6

見本出来ました。7月24日配本です。7月26日ごろ書店に並びます。

  おそらく本書の読者は,Facebookのトップページ(http://www.facebook.com/)を見たことがあると思う.そこには,図 0-1に示すような点と線で結ばれた不思議な画が描かれている.おそらくこの意味することは想像がつくとは思うが,それが本書のテーマである.

 ITの世界で,ここ数年の最も重要なトレンドは,言うまでもなくソーシャルメディアだろう.数年前にはmixiが話題になったし,最近で は,TwitterやFacebookが,ビジネスの世界のみならず,世界レベルで,政治,社会など様々な領域をも巻き込んで大きな話題になってきてい る.さらに,端末としてスマートフォンやタブレット型PCの普及が,その傾向に拍車を掛けているという点も見逃せないだろう.しかし,ソーシャルメディア とは何かと言えば,想定するシステムによって,その定義は異なってしまう.FacebookやTwitter,mixiなど,ソーシャルメディアの範疇に 入るシステムは様々存在するが,ユーザから見た機能としては,それらに何か共通する機能があるとは思い難いのではないだろうか.

 技術的に見た場合,ソーシャルメディアはWebアプリケーションのひとつでしかなく,特に先端的な技術が用いられているといった類のものではない.それ ぞれのシステムでは,様々な工夫が施されて仕様が作られてはいるが,主にサーバ側で稼動し,クライアント側とはHTTPという通常のWebと同様のプロト コルでやり取りしながら,ブラウザ上で利用することが可能なシステムであり,他のWebアプリケーションと比べて,より多くのユーザが情報の編集に関与す る点を除けば,顕著な特徴はない.そのため,例えばFacebookやTwitterの入門書を読んだり,実際に使ったりしたとしても,ソーシャルメディ アそのものは理解できないかもしれない.

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《もっと読む ソーシャルグラフの基礎知識 はじめに》

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2012年7月23日 (月)

広告 12年7月23日付 朝日新聞サンヤツ

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12年7月23日付 朝日新聞サンヤツ掲載いたしました。
(大阪、名古屋、西部本社版 7月25日掲載)

掲載書籍は下記の通りです

二十世紀美術1900‐2010 (ワードマップ)
非合理性の哲学―アクラシアと自己欺瞞
詩歌療法―詩・連詩・俳句・連句による心理療法
コミュニティ臨床への招待―つながりの中での心理臨床
揺らぐ男性のジェンダー意識―仕事・家族・介護
3.11 慟哭の記録―71人が体感した大津波・原発・巨大地震

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2012年7月19日 (木)

◎新曜社<新刊の御案内>■メール版 第121号■

2012年7月18日発行 メール版 第121号
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◎新曜社<新刊の御案内>■メール版 第121号■

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◇トピックス
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●書評

D.A.ノーマン 著 野島久雄 訳
『誰のためのデザイン?』が、朝日新聞 6月17日付読書欄「ニュースの本棚 
■ゲーミフィケーション」にとりあげられました。評者は吉田寛氏。
http://shin-yo-sha.cocolog-nifty.com/blog/2012/06/post-67be.html


鈴木登美・十重田裕一・堀ひかり・宗像和重 編
『検閲・メディア・文学──江戸から戦後まで』が東京新聞夕刊2012年6月
12日「大波小波」に取りあげられました。
http://shin-yo-sha.cocolog-nifty.com/blog/2012/06/post-2c77.html


高橋修 著『主題としての〈終り〉』の書評が2012年6月10日上毛新聞(共同通信
配信)に書評掲載されました。評者は山本善行氏。
http://shin-yo-sha.cocolog-nifty.com/blog/2012/06/post-3161.html


●お知らせ
心理学専門書を刊行する有志出版社15社で活動しております「心理学書販売研
究会。昨年作成いたしました「心理学を学ぼう!」の残部が、少々あります。
http://shinpanken.blogspot.jp/2011/05/blog-post_25.html

ご興味のある方、メールにてお知らせください。お送りいたします。
sale※shin-yo-sha.co.jp ※を@に変更お願いします

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◇近刊情報
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7月下旬発売予定
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『ソーシャルグラフの基礎知識』
──繋がりが生み出す新たな価値 
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春木良且 著
A5判並製176頁・定価1890円(税込)
ISBN 978-4-7885-1298-6 C1036
分野=情報科学・ネットワーク分析・インターネット


◆ソーシャルメディア理解の鍵

Facebook開発の発端は、ザッカーバーグが、同じ学校の女子生徒の顔写真とプ
ロフィールが欲しいと思ったことだそうです。男子生徒なら誰でも考えそうな
ことですが、今や9億人以上がユーザーとなりました。他にも MixiやTwitter
が人気を集めていますが、これらはソーシャルメディアといわれます。どれも、
ネット上の人々の繋がりに関わっているからです。ソーシャルグラフは、こう
いう繋がりのネットワークを表現したものをいいます。ソーシャルメディアと
いうのは、ひとくちで言えば、様々な形でソーシャルグラフを作ったり、使っ
たり、分類・整理したりするシステムにすぎません。本書は、ソーシャルメデ
ィア理解の鍵であるソーシャルグラフの実態、機能、抽出、応用について、基
礎概念から理論までを分かりやすく解説した入門書です。著者は、フェリス女
学院大学教授。 




8月上旬発売予定
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『戦場へ征く、戦場から還る』
──火野葦平、石川達三、榊山潤の描いた兵士たち
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神子島健(かごしま たけし) 著
A5判上製560頁・定価5460円(税込)
ISBN 978-4-7885-1300-6 C1030
分野=近現代史・近代文学・社会学


◆「戦争をする」とはどういうことか

戦後65年、戦争待望論が若い人の間からも出るようになりました。アンチ格差
社会として夢見られている面もあるようですが、現実の戦争はどのようなもの
だったのでしょうか。本書は一般の人間が兵士として召集され、戦場に征き、
戦闘をし、負傷を負い、還ってくるまでを、小説のなかに探ったものです。
『麦と兵隊』『土と兵隊』で爆発的な人気を誇った火野葦平、『生きてゐる兵
隊』で戦争の実態を描いて発禁をくらった石川達三、戦争の日常をニヒリステ
ィックに描いた榊山潤などの、戦場から復員までの小説をたどって、「兵士で
あること」「一般人に戻ること」の実際と困難を根底から描きます。復員兵、
傷痍軍人、戦争未亡人問題など、戦争は始めるのは簡単だが、終えるのは大変
だということが痛感されます。戦争・戦場・銃後を初めてトータルに捉えた、
気鋭の社会学者による力作「戦場論」です。




8月下旬発売予定
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『カルチュラル・インターフェースの人類学』(仮)
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前川啓治 編
A5判並製264頁・予価2520円(税込)
ISBN 978-4-7885-1301-3 C1039
分野=文化人類学・民俗学・現代思想


◆元気が出る民族誌の実践

いま人類学に元気がありません。ポストモダンをへて従来のやり方が通用しな
くなったこと、グローバル化により人類学が対象とする社会が変容したことな
どがあるようです。さらには、クリフォードの民族誌の書き方への根底的批判
─「部分的真実」(フィールドワーク)をいくら積み重ねても「全き真実」に
は到達できない─も大きいようです。一見もっともですが、本書は、それらに
あえて抗論し、「部分的真実」を積み重ねても「全き真実」に到達できる、新
しいフィールドワークの対象はいくらでもある(開発、宗教運動など)と考え
て新しい民族誌を目指します。その際のキイワードは「インターフェース」。
従来の研究が一つの民族・文化のなかで閉じていたのが、文化と文化の「間」、
その影響関係に注目するのです。そこから新しい魅力的なフィールドが生まれ、
新しい民族誌が誕生します。「元気が出る民族誌」の実践です。




8月下旬発売予定
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『二つのこころと一つの世界』
──
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坂野 登 著
四六判上製240頁・定価2940円(税込)
ISBN 978-4-7885-1299-3 C3011
分野=心理学・認知科学・脳科学


◆こころの世界を眺める新たなパラダイム

愛するこころと憎むこころ、喜ぶこころと悲しむこころ、女心と男心……など
など、相対立し矛盾する二つのこころから成り立っているように見える、私た
ち人間のこころ。心理学はこれまでこういったさまざまなこころの世界の両極
を実証的に明らかにしてきましたが、著者はさらに、脳科学と進化論的な適応
行動の知見を取り入れた観点により、これらさまざまな二つのこころの様相を
統一的にとらえることができるというアイディアを、丹念な実証の中で導きま
した。これまでとは異なるまったく新しいパラダイムから、新たなこころの世
界がみえる一冊です。著者は京都大学名誉教授。



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2012年7月18日 (水)

テレビ 『3.11慟哭の記録』編者金菱清 先生 登場

『3.11 慟哭の記録』 の著者・金菱清先生が、
先日の7月17日/2012 BSフジプライムニュースに登場、震災復興の現状と展望について、2時間弱にわたり 平野復興大臣、岡本復興推進会議委員(ゲスト)、フジテレビキャスター、解説委員の方々と討論いたしました。

BSフジプライムニュース
ハイライトムービー
http://www.bsfuji.tv/primenews/movie/index.html
6分40秒から金菱先生ととテロップ、本現物がうつっています

9784788512702

金菱清 編
東北学院大学 震災の記録プロジェクト
3.11 慟哭の記録
――71人が体感した大津波・原発・巨大地震
12.2.20
978-4-7885-1270-2
46判560頁・定価2940円

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2012年7月12日 (木)

新刊 目黒依子・矢澤澄子・岡本英雄 編『揺らぐ男性のジェンダー意識』

9784788512894

目黒依子・矢澤澄子・岡本英雄 編

揺らぐ男性のジェンダー意識――仕事・家族・介護

A5版250頁・定価3675円
発売日 12.03.30
ISBN 978-4-7885-1289-4

 

見本出来ました。7月12日配本です。7月17日ごろ書店に並びます。

 私たち「ジェンダー社会学研究会」は1995年に女性のジェンダー意識についての調査研究を行い,その成果を目黒・矢澤編著『少子化時代のジェンダーと母 親意識』(新曜社,2000)にまとめたが,そのさいの分析概念として,子どもの有無や就業状況,未既婚を問わず「母親になること」「母親であること」を 含む「母親意識」を用いた。正規雇用,非正規雇用(臨時やパート,契約など)のいずれでも,また男性に比べて低い報酬であっても,働く女性や共働きカップ ルが増加するなかで「母親意識」は日本の女性のジェンダー意識の中核をなすといえること,そして,社会環境の変化に伴い「母親意識」の内容は変化しつつ も,その中核性・重要性は継続していると判断することができた。つまり,女性のジェンダー意識と母親という意識には一貫性があるということである。

この結果から,私たちは男性のジェンダー意識とその変化についても,女性との比較という観点から父親意識に注目し,合わせて子ども・パートナー・親へのケア意識と,従来の制度的な一家のあるじ,世帯主としての職業意識のバランスが変化しているのではないかと想定した。

日本において年功序列・終身雇用制などで男性の職業キャリア・パターンが安定していた時代には,女性のジェンダー意識が変化しても,男性は働いて家族を養 うという「稼ぎ手・養い手」役割には変化がなく,男性は生産活動の主役であるというジェンダー文化や構造=ジェンダー秩序は維持され続けた。日本的経営の 成功によって男性の職業キャリア・パターンの安定が続く限り,日本社会の強固なジェンダー役割や意識は,男女を問わず個人レベルでも根強く存在していたよ うに思われる。しかし,成果主義の導入によって男性の職場ストレスが増大し,男性のキャリア・パターンの安定が崩れ始め,ホームレスやフリーター,ニート といった現象に象徴されるような雇用の不安定化が現実味を増すと,男性たちの中には自分たちのジェンダー役割を柔軟にとらえる兆しが現れてきたのではない だろうか。
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《揺らぐ男性のジェンダー意識 あとがき》

 

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2012年7月 5日 (木)

新刊 海野弘 著『二十世紀美術1900-2010』

9784788512979

海野弘 著
二十世紀美術 1900-2010


四六判288頁・定価2520円
発売日 12.05.25
ISBN 978-4-7885-1297-9

見本出来ました。7月9日配本です。7月11日ごろ書店に並びます。

 二十一世紀は二つ目のデケイド(十年)に入ったが、まだ先は見えない。しかも二十世紀の記憶は早くも失われはじめている。とりあえず、二十世紀のアートの年代記をまとめ、新しい時代に伝えたいと思った。

 すでにこの〈ワードマップ〉シリーズで海野弘・小倉正史『現代美術─アール・ヌーヴォーからポストモダンまで』(一九八八年)がある。うれしいことに版を重ねてきたが、すでに半世紀が過ぎ、その後のアートについて増補したいと編集部から求められていた。

 そのつもりで考えてみたが、二十一世紀に入っており、せっかくなら、すべて新しく書き直すことにした。構成としては、デケイド(十年)で区切り、一九〇〇年から二〇一〇年までを十一の章とし、各章を、展望を含む十のキーワードで語っていくことにした。

 この方法は、いくつかの主流を中心に語るこれまでの美術史ではなく、時代の全体をとらえて、時代のうねりを感じ取ってもらいたいと思ったからである。

 デケイドで区切ってみると、主流以外の思いがけない動きが見えてきた。特に二十世紀後半になると、これまでの〈アート〉ではとらえられない現象が増えてきて、単純な系統図からはみ出してしまう。デケイドならそれらを丸ごと括っていくのに便利であった。

 二十世紀のアートを丸ごととらえたいというのはとんでもない試みで、一人では無謀であったが、ともかく自分の生きてきた世紀を、もう一度たどり直していくのは楽しい仕事であった。
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《もっと読む 二十世紀美術1900-2010 あとがき》

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2012年7月 3日 (火)

新刊 浅野光紀 著 『非合理性の哲学』

9784788512962

浅野光紀 著
非合理性の哲学
――アクラシアと自己欺瞞
四六判上製402頁・定価3990円
発売日 12.07.06
ISBN 978-4-7885-1296-2

見本出来ました。7月3日配本です。7月6日ごろ書店に並びます

 非合理な現象と聞いて、一般には何が連想されるだろうか。前近代的な風習や儀礼、非効率な企業慣行、戦争やファシズムに見られる集団的熱狂、あるいは狂 信や狂気のような個人の心の逸脱だろうか。

本書で扱われる非合理性は、これらの現象とも関連性はあるが、そのささやかな日常性を特徴としている。最善の判 断に背く愚かな行為、最良の証拠に逆らう都合のいい信念が本書のテーマである。合理的に思考し、信じ、行為できるはずの通常の主体が陥る非合理性こそ、哲 学的な問題としての普遍性を有するもの、耳目を惹きつける華やかさや際立つ異常性とは無縁の場面で、私たちの心の構造について重要な事実を告げている問題 群である。

常軌を逸する度合いと内容の多彩さにおいてさまざまな形態を示す非合理性の、健常者にも馴染み深い、核となる部分を抽出してみたい。アクラシア と自己欺瞞、本書の課題は、この二つの非合理性をめぐる、古来から議論されてきた哲学的なパラドクスを解決することである。また、この作業を通じて、行為 を導く心の構造に関して、現代の経験科学的知見とも整合する、新たな認識に到達することである。
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《もっと読む 非合理生の哲学 序》

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