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2011年11月22日 (火)

紹介 牧野陽子著 〈時〉をつなぐ言葉

9784788512528 牧野陽子 著
〈時〉をつなぐ言葉

11.10.17付 産経新聞に掲載された紹介、ようやく手に入れたのでアップいたします

978-4-7885-1252-8
46判392頁・定価3990円 

記事は海老沢類氏。ご紹介くださいました先生、掲載紙ご担当者の方に心よりお礼申し上げます。ありがとうございました。

成城大教授の牧野陽子さん ハーンの「再話」から学ぶ

                      (『産経新聞』2011.10.17)

成城大教授の牧野陽子さん
 「雪女」「耳なし芳一」…。ラフカディオ・ハーン(日本名・小泉八雲、1850~1904年)が日本の古い物語を、西洋で育った人間の目を通して語り直 した「再話」作品は、広く日本で読み継がれている。成城大教授の牧野陽子さん(58)は『〈時〉をつなぐ言葉-ラフカディオ・ハーンの再話文学』(新曜社)で、オリジナリティーを重視する文学観とは一線を画した「再話」文学の意義を見つめ直している。

 ギリシャで生まれ、米国で新聞記者として活躍したハーンは明治23年、40歳になる年に来日。その後、日本に帰化し、東京帝大などで英語や英文学を教えながら日本伝承の物語を英語で語り直した作品を数多く残した。

 「原話と西洋の文学的伝統がぶつかり合い、所々で重なり合っているのが面白い」と牧野さん。例えば、江戸時代の浮世草子に材を取った「青柳物語」。ある 男が柳の樹の精と結ばれる怪異譚(たん)で、ハーンは自然を利害の対象とみる西洋の功利主義的な考えではなく、人間と樹木が気持ちを通い合わせる日本のア ニミズム(精霊崇拝)的な自然観に軸足を置く。異文化同士が衝突した末に「ハーンの柔軟で寛容な宗教観」が浮き彫りになるというわけだ。

 一連の物語が原話をしのぐ知名度を誇るのは、英語教材として広く使われた事情もあるが、再話行為自体が「近代の西洋文明と向き合い、新たな日本を作り上げようとした当時の日本人の心と重なった」からだ。
 文学作品に限らず、そもそも「人は日常のさまざまな場面で“再話”をしている」という。母親が誰かに伝え聞いた話を、わが子にかみ砕いて説明するのも再話の一つ。時代を問わず繰り返される人間の根源的な知的営みといえる。

 「昔の人々の思いを受け止め、解釈し、未来へつなげていく行為。それは、東日本大震災で日本が揺らいでいる今こそ大切なことではないでしょうか」
                             (海老沢類)

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