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2010年6月23日 (水)

新刊 矢守克也 著『アクションリサーチ ――実践する人間科学』

9784788512030
矢守克也 著
『アクションリサーチ――――実践する人間科学』
見本できました 。
奥付 10.06.25  ISBN 978-4-7885-1203-0
A5判・288頁  定価 本体2900円+税
6月24日配本で す。書店さん店頭には2,3日後。

あとがき

書物の「あとがき」には謝辞が添えられることが多いが,アクションリサーチについて書いた本書の場合,特にそうするのが相応しいように思う。アクションリサーチは,常に研究者と現場の方々との共同的実践であり,ここで共同的実践のパートナーのお名前をあげることは,「あとがき」の範囲を超えて,アクションリサーチの内実について欠くべからざる情報を読者に提供することにもなると思われるからである。

第1部で紹介した防災ゲーム「クロスロード」を用いたアクションリサーチは,非常に多くのパートナー(ユーザー)に恵まれてのものである。その全員をご紹介することは残念ながらできないので,ここでは一人だけ,ゲームの共同開発者であり,本文でも引用した「クロスロード」に関する拙著の共同執筆者でもある吉川肇子先生(慶応義塾大学)を,特に大切なパートナーとして記しておきたい。

第2部でとりあげた阪神・淡路大震災の語り継ぎ活動も,もちろん多くの方々に支えられている。ここでは,特に,代表田村勝太郎さんをはじめとする「語り部KOBE1995」のみなさま,第5章で紹介した大学生と被災者との共同活動を共にリードしてくれている舩木伸江先生(神戸学院大学),そして,第6章でとりあげた「災害メモリアルKOBE」の実行委員会のみなさま,とりわけ,イベントの実務面を取り仕切ってくださっている「人と防災未来センター」(兵庫県)のスタッフの方々,および,語り継ぎ活動について常に洞察に満ちたアドバイスを筆者に与えてくれる諏訪清二先生(兵庫県立舞子高等学校環境防災科)のお名前をあげ,感謝の意を表したい。

第3部については,Wolfgang Wagner 先生に感謝申し上げたい。第7章は,筆者が,半年間の在外研修期間を,先生が在籍する Johannes-Kepler-Universitat Linz(ヨハネスケプラー大学,オーストリア)で過ごした時期(1997―98年)の研究成果でもある。
本書は,主として,ここ数年間,すなわち,筆者が京都大学防災研究所に籍を移した2003年度以降にとり組んだアクションリサーチにもとづいて書かれている。したがって,もっとも旧い稿でも2000年以降に書いたものとなっている。しかし,筆者がアクションリサーチを知り,またそれについて学びはじめたのは,学生時代(1980年代)である。当時の恩師である故三隅二不二先生(大阪大学名誉教授)には,レヴィン(K. Lewin)直伝とも言えるアクションリサーチの根幹について教授いただいた。また,その後も,(財)集団力学研究所(福岡市)で企業の組織開発を中心とするアクションリサーチに直接タッチする機会を与えていただいた。また,学生時代から今日に至るまで,研究姿勢としてのアクションリサーチについて厳しく指導いただいているのが,杉万俊夫先生(京都大学)である。2人の恩師に心からお礼を申し上げ,この拙著を筆者なりの成果物として両先生に捧げたい。

第3章で書いたように,社会構成主義に立脚したアクションリサーチにおいては,それについて書き,書かれたものを共同的実践のパートナーや世間に問うことも,単なる報告(レポート)にとどまらず,研究実践の実質を構成する重要な要素である。その意味で,新曜社の塩浦暲さんには,書くことのパートナーとして大きなサポートをいただいた。末筆ながら,深甚の謝意を表したい。

2010年1月 震災から15年を迎える日に

                                     矢守克也

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