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2010年3月 6日 (土)

書評 ジャクリーン・ローズ 著/鈴木 晶 訳『ピーター・パンの場合』

ジャクリーン・ローズ 著/鈴木 晶 訳

『ピーター・パンの場合』の書評が「週刊読書人」10/3/5号に掲載されました。評者は安達まみ氏。

       

原著は1984年に刊行され、児童文学批評史に残る記念碑的な研究書。著者ジャクリーン・ローズは現在ロンドン大学クイーン・メアリー・コレッジ英文科教授。本書をひっさげて論壇にデビューし、その挑発的な主張により児童文学や文学批評の世界で物議をかもした。本書は「児童文学」という概念を無批判に受けとめ、その中に無垢な子どものイメージを見出そうとする大人の姿勢に警鐘を鳴らし、ロックの経験主義的認識論やルソーの幼児教育論にまでさかのぼって論述し、おとなの欲望により捏造された子どもの〈無垢〉の神話の虚構性を暴く。現在もなお登場時のインパクトを失わず、英語圏の大学の児童文学クラスにおいてカルチュラル・スタディーズの必読書でありつづけている。・・・・・・

作者バリの手を離れ文化的フェティッシュとして無限に増殖し流通するピーター・パンが、にもかかわらず単一性を表象すると見なされるのは、なにを意味するのか。ローズの矛先は、階級やセクシュアリティの問題を含めた言語政策、教育理論、文学的堕落と文化的腐敗への教育的・政治的配慮、商業など社会・文化のあらゆる側面に向けられる。・・・・・・

 ご掲載誌ご担当者さま、評者の先生にこころよりお礼申し上げます。

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