書評 『モダニティの想像力』
中川成美著『モダニティの想像力』
の書評が、2009年5月29日付「週刊読書人」に掲載されました。
評者は千葉一幹氏。評者の先生、掲載誌ご担当者さまに、深くお礼申し上げます。
「モダニティの想像力と題されたこの著で扱われるのは、夏目漱石、樋口一葉、小林多喜二、谷崎潤一郎、芥川龍之介、多和田葉子といった近・現代作家、さらには旅行記に日本美術史、往年のハリウッドのスター女優等、きわめて多岐にわたる。こうした多様な対象をつなぐ系が、近代=モダニティ、視覚性、情動、文学的想像力という概念である。
ならば、これらの概念はどのように結びつくのか・・・・・・・
しかしそうした過剰といえる読みは、そもそも「視覚と想像力をめぐる近代の考察にいま文学は積極的な関与が要求されている」という揚言に示される、中川の文学への過剰な期待に由来するとも言えるのだ。今日では、「古風」ともも言われかねない、この文学への「過剰な」期待こそ、この書の真骨頂であるのだ」
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