2018年10月13日 (土)

書評 ジャン=フランソワ・ドルティエ 著/鈴木光太郎 訳 『ヒト、この奇妙な動物──言語、芸術、社会の起源』

図書新聞2018年10月20日号にて
ジャン=フランソワ・ドルティエ 著/鈴木光太郎 訳
『ヒト、この奇妙な動物──言語、芸術、社会の起源
の書評が掲載されました。
評者は中尾央氏。評者の先生、掲載誌ご担当者さまには心よりお礼申し上げます。
ありがとうございました。

9784788515802

ジャン=フランソワ・ドルティエ 著
鈴木光太郎 訳

 

ヒト、この奇妙な動物
――言語、芸術、社会の起源

 

四六判上製424頁
定価:本体4300円+税
発売日 2018年5月10日
ISBN 978-4-7885-1580-2

著者あとがきより

原著 L'Homme, cet etrangeanimal の最初の版は2004年に刊行され、2012年に全面的に書き直された改訂版が出た。本書はこの改訂版にもとづいているが、その後の5年間に先史考古学ではいくつもの重要な発見があったため、5章、6章、8章についてはそれらを加えて、書き直ししてもらってある。本訳書はさしずめ2018年版のL'Homme, cet etrangeanimal といえるかもしれない。

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2018年10月12日 (金)

新刊 ティム・ラプリー『会話分析・ディスコース分析・ドキュメント分析』

9784788515994

ティム・ラプリー 著
大橋靖史・中坪太久郎 ・綾城初穂 訳

会話分析・ディスコース分析・ドキュメント分析
――

A5判並製216頁
定価:本体2400円+税
発売日 2018年10月15日
ISBN 978-4-7885-1599-4


10月18日配本、10月20日頃書店にて発売予定です。


本書と第2版について

ウヴェ・フリック

 ディスコースを分析することは、現在、質的研究における主要なアプローチの一つとなっている。会話を分析することは、データとしてのドキュメントの利用と同様に、質的研究の歴史において長い伝統がある。こうしたアプローチにおいて、データ収集はしばしば、自然に生じるやりとりを記録することで、材料のセットを作り出したり、あるいは、たとえば新聞記事を選んだり各種機関のファイルからドキュメントを選ぶことに焦点があてられている。このプロセスでは、インタビューやフォーカスグループといった、特に研究プロセスのためにデータを作り出す伝統的なデータ収集の方法はマイナーな役割を果たしている。ここで決定的なのは、むしろ研究目的のために現存する材料を利用可能にし、まとめ上げる方法である。したがって、音声やビデオ材料の書き起こしやアーカイブの作成といったステップが研究プロセスにおける中核となり、単なる技術的な、もしくは些細な問題

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《もっと読む 会話分析・ディスコース分析・ドキュメント分析 本書と第2版について》

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2018年10月 1日 (月)

新刊 原田広美『漱石の〈夢とトラウマ〉』

9784788515987

原田広美 著

漱石の〈夢とトラウマ〉
――母に愛された家なき子

四六判並製288頁
定価:本体2800円+税
発売日 2018年10月5日
ISBN 978-4-7885-1598-7


10月3日配本、10月5日頃書店にて発売予定です。


はじめに(一部抜粋)

 私は「フロイトが患者の夢を聞くようにして」漱石を読んだ。テクスト論の時代を経たと言えども、やはり作品は、作者の深層を映している。だから私は、作品から漱石の深層を読み解くようにして漱石を読んだ。その理由として、十代の頃に初めて私が漱石に触れて強い感銘を受けた作品は『こころ』であったが、その後、心理療法家としての私が、評論の対象として、初めに関心を寄せた漱石の作品は『夢十夜』であったということもある。漱石の深層心理に触れてみたくなったのだ。

 振り返れば、『夢十夜』についてのこのような発想を最初に私に与えたのは、十代の頃に読んだ江藤淳の「『夢十夜』で露呈された漱石の低音部」などという記述であったと思う。また、私は精神分析医ではないが、心理療法家として、「夢」について

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《もっと読む 漱石の〈夢とトラウマ〉 はじめに(一部抜粋)》

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2018年9月26日 (水)

新刊 熊谷高幸『「心の理論」テストはほんとうは何を測っているのか?』

9784788515970

熊谷高幸 著

「心の理論」テストはほんとうは何を測っているのか?
――子どもが行動シナリオに気づくとき

四六判並製232頁
定価:本体2200円+税
発売日 2018年10月1日

ISBN 978-4-7885-1597-0


10月1日配本、10月3日頃書店にて発売予定です。


あとがき 

 「心の理論」は、今では、子どもの発達にかかわる誰もが気にすることばになっている。しかし、その正体はわかりにくく、専門家だけが立ち入る分野になりつつある。このため、人々は、横目でそっと、このことばを見つめながら、通り過ぎていくのが現状である。

 しかし、「心の理論」は、人の心を読む能力なのだから、子どもが人々とかかわる中で形成されていくはずである。だから、人々がかかわる、その現場から離れたところで議論が進められているのは非常に残念な状態である。

 本書で述べてきたように、心を読む行為は、行動を読む行為から生まれる。そして、

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《もっと読む 「心の理論」テストはほんとうは何を測っているのか? あとがき》

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2018年9月20日 (木)

新刊 川野健治・勝又陽太郎 編 学校における自殺予防教育プログラム  GRIP ─グリップ─

9784788515963

川野健治・勝又陽太郎 編
学校における自殺予防教育プログラム  GRIP ─グリップ─
──5時間の授業で支えあえるクラスをめざす

A5判並製136頁
定価:本体1800円+税
発売日 18年9月25日
ISBN 978-4-7885-1596-3
ができました。配本は9月21日、書店さま店頭には26日頃になるかと存じます。





相談するスキルは生きる力だ

GRIPは「いのちの大切さ」を教育する方法とは一線を画す、新しい自殺予防教育プログラムです。このプログラムが目指すのは、自殺に至る前に子供同士や子供と大人の間で「援助関係が成立する」こと。相談する/されるためのスキルを、5時間の授業で体験的に学習できるよう構成されています。
本書は豊富な図表とともに、プログラムの具体的な実施方法をていねいにわかりやすく解説した書籍です。中学校での実施方法を中心に、他の発達段階への応用例や効果検証の結果なども提示されており、GRIPを実施する人はもちろん、自殺予防教育に関心をもつすべての人に役立つよう作られています。また、教員が自傷や自殺を授業で扱う際に抱きがちな不安を取り除き、効果を高めるための工夫も随所に盛り込まれています。ワークシートや動画などの教材は関連資料ページからいつでも入手できるため、準備の負担が軽く、継続して取り組むことができます。

推薦のことば!

「命を大切にしよう?」

自傷によって心の痛みをなんとかやり過ごしている生徒にとって、
これほど腹立たしい「お説教」があるだろうか。
自殺にかぎらず、深刻な悩みを抱えた子どもにとって本当に必要なのは、
「ダメ。ゼッタイ。」のような「根性論」ではなく、大人とつながり、相談できるようになることだ。
GRIPはそこに至るまでの道筋と具体的な方法論を提示してくれる。

国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所 薬物依存研究部 部長
/病院 薬物依存症センター センター長   松本俊彦氏(精神科医)


>>>>>詳細ページ

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2018年9月18日 (火)

◎新曜社<新刊の御案内>■メール版 第183号■

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2018年9月10日発行
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◎新曜社<新刊の御案内>■メール版 第183号■
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◇トピックス
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温又柔さんの新連載:「国語」から旅立って(よりみちパン!セ)が10月1日よりスタートします!! 温さんからのコメントをいただきました。
◇書評情報
高校生へ本との出会いを提供するwebサイト「スタディサプリLIBRARY」で、ノーマン著『誰のためのデザイン 増補・改訂版』(四六判・本体3300円)が「夏休みに読みたいオススメ本」として紹介されました。評者は山本貴光氏。高校生のみならず広い読者層に応える、認知科学とデザインのロングセラーです。
◇話題の本
小林多寿子・浅野智彦編『自己語りの社会学』(四六判・本体2600円)ですが、順調に売れ始めています。サファリング研究・エスノメソドロジーなど、社会学による最新の質的研究の成果がまとめられた好著です。
https://www.shin-yo-sha.co.jp/mokuroku/books/978-4-7885-1586-4.htm
◇学会情報
9月、新曜社出展の学会です。
9月15日-17日
日本教育心理学会@慶応大学日吉
9月25日-27日
日本心理学会@仙台国際センター
9月29日-30日
日本混合研究法学会@順天堂大学医療看護学部
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◇近刊情報
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9月下旬発売予定
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『漱石の〈夢とトラウマ〉』
──母に愛された家なき子
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原田広美 著
四六判並製288頁・本体2800円+税
ISBN 978-4-7885-1598-7  C1090
分野=文学評論・心理療法
漱石作品を「夢分析」のように読む
「私はフロイトが患者の夢を聞くようにして漱石を読んだ」という心理療法家の著者が、『猫』から『夢十夜』『こころ』そして『明暗』までの主要作品を取り上げ、漱石の深層心理を「独特の手法」で分析します。それは、小説の登場人物たちの、生い立ちからもたらされた「トラウマ」を、「冒険(投企)」を通していかに克服し、自分の「夢」を実現していくか、その過程を丹念に分析していくものですが、そこに漱石自身も参加させて、自身の「トラウマ」の結果である胃潰瘍、神経衰弱などを、漱石が文学の「創作」を通じていかに解放(治癒)していったかを、作品分析とからめて辿っていきます。そこには作中人物とともに苦しむ漱石の姿がよく描かれていて、新たな魅力と希望をあたえます。数多ある漱石論に一石を投じる意欲作といえましょう。



9月下旬発売予定
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『「心の理論」テストはほんとうは何を測っているのか?』
──子どもが行動シナリオに気づくとき
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熊谷高幸 著
四六判並製232頁・本体2200円+税 
ISBN 978-4-7885-1597-0 C1011
分野=発達心理学・自閉症

心は集団の中でどのように発達するか?
「サリーとアン課題」などで知られる「心の理論」テストは、他者の心を読む能力を測るもの、と考えられています。しかし、そもそもテスト場面の意味を理解するには、どんな経験と、それに基づく能力が必要なのでしょうか? 本書はまず、テストが実施される現場に立ち戻り、園児たちの具体的な反応を丁寧に分析します。さらに、この時期の子どもたちの生活を支配する集団の視点を取り入れた新テストを開発し、なぜ四歳頃を境にパスできるようになるのか、なぜ自閉症児はパスできないのか、といった謎にも、まるでパズルを解くように迫っていきます。「心の理論」研究に新たな視座を提示する刺激的な書。

熊谷高幸氏の本



9月下旬発売予定
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『学校における自殺予防教育プログラム  GRIP ─グリップ─』
──5時間の授業で支えあえるクラスをめざす
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川野健治・勝又陽太郎 編
A5判並製136頁・本体1800円+税
ISBN 978-4-7885-1596-3 C1037
分野=学校教育・臨床心理学・福祉
相談するスキルは生きる力だ
学校での自殺予防教育は法律でも規定され、取り組みが始まっています。しかし、子供の自傷や自殺を扱うことは教員にとって心理的ハードルが高く、「いのちを大切にしよう」という精神論に陥りがち。子供に必要なのは、自殺に至る前に相談する/されるスキルを獲得すること、そして大人とつながること。GRIPはそれを実証したプログラムで、中学1年生をメインに、小学校から大学まですべての学校で実施できます。本書は豊富な図表とともに具体的な実施方法をていねいに解説。教員の不安を取り除き、効果を高めるための工夫も随所に盛り込まれています。ワークシートや動画などの教材はオンラインでいつでも入手できるため、準備の負担が軽く、継続して取り組むことができます。



10月上旬発売予定
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『会話分析・ディスコース分析・ドキュメント分析』
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ティム・ラプリー 著
大橋靖史・中坪太久郎 ・綾城初穂訳 
A5判並製216頁・本体2400円+税
ISBN 978-4-7885-1599-4 C1011
分野=質的研究法・心理学・教育学・社会学・保健・看護

SAGE質的研究キット第7巻
心理学のみならず、医学、看護学、教育、保育など、様々な分野で、会話分析やディスコース分析に基づく研究が盛んです。しかし従来のテキストは、社会構築主義といった背景となる理論を解説することに主眼をおいたものが大半で、理論や考え方に馴染みがない初学者には非常に敷居の高いものでした。本書の特色は、データの具体的な集め方や書き起こし方について、その手続きやノウハウを実践的に解説しているところにあります。学生を指導する中で著者が苦労し工夫を凝らしてきた成果が存分に込められ、初学者や質的研究に馴染みがない研究者が最初に手に取るのに最適な一冊です。
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◇奥付
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次回発行は2018年10月上旬を予定しております。

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2018年9月13日 (木)

新刊 土屋廣幸『文科系のための遺伝子入門』

9784788515956

土屋廣幸 著

文科系のための遺伝子入門
――よくわかる遺伝リテラシー

四六判並製144頁
定価:本体1400円+税
発売日 2018年9月20日

ISBN 978-4-7885-1595-6


9月20日配本、9月25日頃書店にて発売予定です。


あとがき 

 遺伝子という言葉は、日常生活でもよく見聞きするようになった割には十分明らかでないまま用いられているように思います。けれども、これからの時代、遺伝子は医学、薬学、生物学、農林水産業、工業だけでなく、経済、経営、社会、政治さまざまな分野において、ますます利用が盛んになっていくでしょう。

 著者は医学部/大学病院小児科に所属していたころには、患者さんの診断・治療との関連から初歩的な分子遺伝学的解析に関わりました。やがて新生児の健診に従事するようになってから、生後間もなくの赤ちゃんたちも一人ひとり個性が異なることに気づき、論文発表するとともに、

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《もっと読む 文科系のための遺伝子入門 あとがき》

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2018年9月12日 (水)

新刊 小川・樫田・栗田・好井・三浦『新社会学研究 2018年 第3号』

9784788515925

小川博司・樫田美雄・栗田宣義・好井裕明・三浦耕吉郎 編

新社会学研究 2018年 第3号
――

A5判並製220頁
定価:本体1900円+税
発売日 2018年9月14日
ISBN 978-4-7885-1592-5

9月20日配本、9月25日頃書店にて発売予定です。


編集後記 

 第3号も無事刊行できました。「ファン文化の社会学」、公募特集「いま、地域を考える」で優れた興味深い論考を掲載しています。まずはご協力いただいた執筆者の方々、ありがとうございました。

 「3号雑誌」という言葉があります。「3号まで出したが、それ以上続かなかった雑誌」のことです。多様な理念を実現しようと、これまで多くの雑誌が刊行されてきましたが、諸般の事情により中断せざるを得なくなったものも少なくありません。「3号雑誌」にはしたくない。そうした思いを胸に、2号しか出ていない段階でしたが、私たちは昨年冬、今年初夏に関西と関東で合評会を開きました。雑誌を読まれている人々がどのような印象を持ち、いかなる批判を抱き、またどのような期待をお持ちだろうか。率直な意見を

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《もっと読む 新社会学研究 2018年 第3号 編集後記》

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2018年9月 4日 (火)

新刊 塙 幸枝 著『障害者と笑い』

9784788515901塙 幸枝 著

障害者と笑い
──障害者表象をめぐるコミュニケーションを拓く



四六判並製256頁
定価:本体2200円+税
発売日 2018年8月31日

ISBN 978-4-7885-1590-1

9月4日配本、9月6日頃書店にて発売予定です。





はじめに

メディアをつうじて障害者がいかに描写されてきたのかという問題は、社会において障害者がいかなる存在として捉えられてきたのかという問題と表裏一体の関係にある。そして、社会において障害者がいかなる存在として捉えられてきたのかという問題は、障害がいかなるものとして定義づけられてきたのかという問題と密接な関係にある。「障害者表象」と「障害者観」と「障害認識((1))」は、いつの時代にも連動しながら変遷してきた。だからこそ、メディアにおける障害者表象を考察することは、同時に、社会における障害者や障害の位置づけを明らかにすることにつながる。

昨今の障害者表象は、多くの水準でアンヴィヴァレントな状況に置かれている。たとえば、テレビや映画といったポピュラーなメディア領域における障害者の描かれ方は、もはやあからさまな差別や偏見とは無縁のようにみえる。しかし、それが「がんばる障害者」「純粋無垢な障害者」といった一方向的なステレオタイプであるという意味では、昨今の障害者表象もまた、ある種の差別や偏見をもたらしている。



>>>>>>>>>はじめに つづきをよむ

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2018年9月 3日 (月)

書評 金菱清ゼミ編『呼び覚まされる霊性の震災学』@朝日新聞「ひもとく 災害と風評」

朝日新聞、2018年9月1日付、書評欄に
金菱清〔ゼミナール)編 東北学院大学震災の記録プロジェクト
『呼び覚まされる霊性の震災学』がとりあげられました。

「ひもとく 災害と風評」というエッセイのなかで、3冊とりあげられたなかの一冊です。

他の2冊は
『流言蜚語』(清水幾太郎著、ちくま学芸文庫)
『原発事故と「食」』(五十嵐泰正著、中公新書)です。
評者の関谷直也先生にはこころよりお礼申し上げます、ありがとうございました。


・・・・・・
『呼び覚まされる霊性の震災学』は、タクシーに幽霊を乗せたというドライバーの体験談から始まる。被災地でこうした話を聞いた人は少なくない。私も聞いたが、民俗学者ブルンヴァンが紹介して有名になった「消えるヒッチハイカー」を連想し、典型的な災害流言と捉えてしまった。だが同書では、タクシーの走行記録や聞き取りから、その経験を死者との応答と霊魂への畏敬の念の構築過程と捉えた。事実/事実でないことの境界、死と生の共存が被災地ではリアリティーをもって存在することを研究課題とした。脱帽である。金菱清と彼の指導学生による東日本大震災後の一連の著作は、災害における多くの「死」が被災地でどう受容されていくか、死生観と霊性という災害社会学の新たな地平を開き続けている。......

9784788514577

金菱清〔ゼミナール)編
東北学院大学震災の記録プロジェクト

 

呼び覚まされる霊性の震災学
――3.11 生と死のはざまで

 

四六判並製200頁
定価:本体2200円+税
発売日 16.1.20
ISBN 978-4-7885-1457-7

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«新刊 日本記号学会『賭博の記号論』