2019年3月18日 (月)

新刊 ゲルダ・サンダース『記憶がなくなるその時まで』

9784788516250

ゲルダ・サンダース 著
藤澤玲子 訳

記憶がなくなるその時まで
――認知症になった私の観察ノート

四六判並製336頁
定価:本体2800円+税
発売日 2019年3月25日
ISBN 978-4-7885-1625-0


3月27日配本、3月29日頃書店にて発売予定です。


訳者あとがき

 本書は、ゲルダ・サンダース(Gerda Saunders)著、Memory’s Last Breath: Field Notes on My Dementia, Hachette Books, 2017 の全訳である。本書は、若年性認知症の診断を受けた元学者の著者が、自らの過去や現在について内側と外側の両方から観察し、未来についての決断に至るまでの手記である。その過程で、自己とは何か、人間とは何か、生きているとはどういうことなのかということまで模索している。認知症をテーマとしているが、決して単なる闘病記ではない。冷静で客観的な観察眼を持ちながらも、どんな状況でもそこにユーモアを見出す著者の前向きな人柄が溢れる明るい内容となっている。認知症を患う人や家族が、様々な知識を得たり違った考え方を知るチャンスになるだけではなく、認知症とは無関係な人にとっても、人の生への洞察を深めることのできる本であろう。

 手記は、大きく三つの流れで構成されている。一つ目は、認知症についての調査内容であり、現在までの学術的背景である。単純に科学的な調査結果を述べるのみならず、哲学や文学など幅広い視点から認知症やそれに関わる記憶、脳、生と死を見つめたものとなっている。また、医療関係者やジャーナリストなど

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《もっと読む 記憶がなくなるその時まで まえがき》

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2019年3月14日 (木)

◎新曜社<新刊の御案内>■メール版 第188号■

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2018年3月14日発行
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◎新曜社<新刊の御案内>■メール版 第188号■

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◇トピックス
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●弊社刊行の、友田明美・藤澤玲子 著『虐待が脳を変える』の著者、友田明
美先生が来年1月19日、日本テレビ系列「世界でいちばん受けたい授業」に
著者・友田先生、出演しました。ちょうど7刷目の重版が出来上がりました。

『虐待が脳を変える』
http://shin-yo-sha.cocolog-nifty.com/blog/2019/01/212-2c9c.html


●NHKEテレ夜11:30「ろんぶ~ん」、「幽霊」の論文!心霊写真を撮る公式?&災害と幽霊の関係とは?
被災地のタクシーと幽霊の不思議な関係を金菱教授が解説しました。『呼び覚まされる霊性の震災学』(新曜社)で論文を読めます。

「ろんぶ~ん」、「幽霊」の論文!
http://www4.nhk.or.jp/ron-bun/x/2019-03-07/31/13502/2469015/


●朝日新聞、識者120人へのアンケートによる「平成の30冊」、第9位に小熊英二著『〈民主〉と〈愛国〉』が選ばれました。ありがとうございます。 

「平成の30冊」
https://book.asahi.com/feature/11021311


●温又柔さんの連載:<「国語」から旅立って>(よりみちパン!セ)第5回が更新されました!本連載は本年5月に書籍化の予定です。どうぞお楽しみにお待ちください。
https://www.shin-yo-sha.co.jp/yorimichipensees/wen5/





◇近刊情報
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3月中旬発売予定
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女性雑誌とファッションの歴史社会学
――ビジュアル・ファッション誌の成立
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坂本佳鶴恵 著
A5判上製392頁・本体3900円+税
ISBN 978-4-7885-1610-6  C3036
分野=女性学・ジェンダー・マスメディア

「an・an」と「non・no」の創刊は女性雑誌の大きな歴史的転換点となった。ガールズ・カルチャーに至る「女の子」文化の展開と女性読者の拡大、女性たちの生き方とアイデンティティ、ファッションへの欲望など、明治大正の婦人雑誌に発する女性雑誌の大きな流れを俯瞰する。量的・質的分析のバランスよいアプローチ。 

著者 お茶の水女子大学社会学研究科教授

*明治大正から平成初めまでの代表的な女性商業誌の創刊、全盛、休刊までを見渡し、女性、メディア、ファッションなど幅広い読者の関心に応える
*登場する雑誌は、主婦の友、女性自身、an・an、non・no、JJ、MORE、クロワッサン、Hanako、VERYなど。元編集長のインタビューも興味深い




4月上旬発売予定
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変貌する恋愛と結婚
――データで読む平成
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小林 盾・川端健嗣 編
四六判並製228頁・予価2500円+税
ISBN 978-4-7885-1630-4 C1036
分野=社会学・社会問題・社会調査

少子化が続く現代。男女の恋愛・結婚事情に変化は起きているのか。全国1万2000人のビッグデータから、恋愛・結婚・家族についての経験と心理を克明に分析。その多様性と不平等を実証的に解明した日本における初めての大規模恋愛レポート。

*「日本版キンゼイレポート」と呼びうる1万2千人分のビッグデータを分析
*恋愛、結婚、出産について一歳ごとのパネルデータも収集



4月上旬発売予定
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コモンズとしての都市祭礼
――長浜曳山祭の都市社会学
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武田俊輔 著
A5判上製320頁・予価4200円+税
ISBN 978-4-7885-1629-8 C3036
分野=社会学・人類学・伝統芸能


縮小する地方都市の伝統は現代においていかに継承されるのか。近世以来の祭礼を通じて負担と名誉を分ちあう「町内」社会の変容とダイナミズム、観光や文化財行政を通じて編成される都市のネットワークを、コモンズ論の視点から分析する気鋭の挑戦。

*全国の伝統ある地方都市に共通する祭礼とコミュニティの継承・更新の問題を分析
*ユネスコ無形文化遺産など現在注目の社会的文脈との関係性も考察



4月上旬発売予定
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選択と誘導の認知科学
「認知科学のススメ」シリーズ10
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山田 歩 著/内村直之 ファシリテータ/ 植田一博 アドバイザ
四六判並製192頁・予価1700円+税
ISBN 978-4-7885-1618-2 C1011
分野=認知科学・社会心理学・行動経済学

洗剤選びから政治的立場の決定まで、人の選択には無自覚に方向性を決める「癖」がある。選択結果を誘導する認知的環境や選択肢の設計はいかなるものか。誘導技術は善用できないのか。人の情報処理の仕組みを解明し、さらなる考察へと誘う入門書。

*商品選び、臓器提供意向、政策判断など豊富で身近な研究結果から考える
*日本認知科学会監修の人気シリーズ第4弾!

「認知科学のススメ」シリーズ
https://www.shin-yo-sha.co.jp/series/invitation-to-cognitive-science.htm



4月中旬発売予定
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音楽化社会の現在
――統計データで読み解く ポピュラー音楽(仮)
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南田勝也・木島由晶 ・永井純一 編著
A5判並製208頁・予価2500円+税
ISBN 978-4-7885-1621-2 C1036
分野=音楽社会学・若者論

CDの売上げ低迷や音楽雑誌の廃刊などを見れば、だれしも音楽文化は衰退していると思うだろう。しかし統計データによると、「音楽はこんなにも人気があったのか」と驚かされる。若者の音楽文化受容の実相を統計データから「正確に」読み解いた一冊。

*「音楽の終焉」や「若者の音楽離れ」などの論調ばかりが喧伝されるが、その実態は?
*統計的手法の正しい使い方による学問の面白さを、具体的に例示する



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編集後記

会社のある神保町・九段下という町では、3月になると袴を着た女の子を多くみかけます。卒業式シーズンで、専修大学、共立女子大という学校があり、また武道館という大きな会場があるからです。色あざやかな着物とは対照的に、私はこの季節はどうも苦手で、どんよりと憂鬱な気分におちいります。卒業が学生時代の暗さを思いおこさせるせいでしょうか、それともただ花粉症だからでしょうか。

さて、「現代思想」2019年3月号の特集は、「引退・卒業・定年」。これまた季節柄、直球な特集だと思いつつページをめくると、冒頭の髭男爵・山田ルイ53世と武田砂鉄氏の対談「理にかなわない生存―芸人×ライターの続け方」があり、山田氏の繰り出す正確無比なパンチのような「たとえ」にやられてしまった。

太田省一氏「そして再び、アイドルグループは「学校」になった」、逆巻しとね氏の「卒業は存在しない」という、研究者という生き方を論じたもの、マンガ家・ウェブ「電脳マヴォ」主催の竹熊健太郎氏へのインタビュー、鈴木洋仁氏の「経営者は、引退できるのか?」、田中純氏「抵抗としての引退」、杉田俊介氏「老いぼれた親鸞と、猫たちと、吉本隆明と、妄想のホトトギスと」などなどつづくどの論考も読みごたえのある面白く、是非読んでいただきたい1冊だ。

太田省一氏「そして再び、アイドルグループは「学校」になった」は、アイドルの引退や卒業に着目することで昭和から平成にかけてのアイドル史を裏側から照射する試みである。分岐点としてのおニャン子クラブという部分に、歯科衛生士になるために卒業した女の子の記述があった。そのころ高校生だった私と友人たちは、彼女のことを志村と呼んでいたことを思い出した。メンバーのなかでは比較的地味だったため、志村のその選択は最善なものと「偉そうに」語っていたことは、今思い出しても恥ずかしい。アイドルとそのつくられ方を読み解き、語るというメタな遊びは、当時の「プロレス」の影響もあったのかもしれない。

すべてを紹介したくなるのだが、最後に田中純氏「抵抗としての引退」を。幕末・明治の革命期を全身で生き、その後体制の疎外者として引退した者たち、同様に死ぬべきはずが生き残ってしまった、昭和の戦中=戦後派の者たち。両者の引退という抵抗に共通する倫理的な核は、戦場で死んでいった同時代の死者なのだ。遅まきながらマンガ「ゴールデンカムイ」を最近読んではまった私に、とりわけ沁みる。 (N

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◇奥付
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次回発行は2019年4月上旬を予定しております。

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2019年3月13日 (水)

新刊 香川秀太・有元典文・茂呂雄二 『パフォーマンス心理学入門』

9784788516243

香川秀太・有元典文・茂呂雄二 編

パフォーマンス心理学入門
――共生と発達のアート

A5判並製230頁
定価:本体2400円+税
発売日 2019年3月20日
ISBN 978-4-7885-1624-3


3月15日配本、3月18日頃書店にて発売予定です。


まえがき

  本書は、パフォーマンス心理学を広く日本の学生、研究者、実践家と共有するために編まれた本である。

 パフォーマンス心理学におけるパフォーマンスは、新しい活動へのチャレンジを通して、今までの古いやり方や自分自身の見方も超えることを意味している。その典型例は、俳優の技であり、ごっこ遊びに興じる子どもである。自分ではない者に成りきって、今の自分とは異なる生を演じることがパフォーマンスである。

 しかし現在の私たちには、むしろ成果主義に基づいたパフォーマンスのほうが馴染みやすい。「ハイパフォーマンスのチームが高レベルの価値を提供します」、「コストパフォーマンスのよいサービスを提供」といった広告のことばが踊る中、俳優の演技が典型となる遊びや楽しさに通じるパフォーマンスの意味は忘れられがちである。

 本書が取り上げる意味でのパフォーマンスの概念は、人類学やドラマ研究、言語学等の、人間の本性に迫ろうとするさまざまなアプローチにおいて繰り返し主張され、議論されてきたものでもある。現在のパフォーマンス心理学は、そのような多様な流れの合流点に成立しているものである。

 たとえば、文化人類学には、伝統的な慣習行動の

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2019年3月12日 (火)

新刊 外山紀子・安藤智子・本山方子 『生活のなかの発達』

9784788516236

外山紀子・安藤智子・本山方子 編

生活のなかの発達
――現場主義の発達心理学

A5判並製264頁
定価:本体2200円+税
発売日 2019年3月15日
ISBN 978-4-7885-1623-6


3月15日配本、3月18日頃書店にて発売予定です。


編者まえがき

  食べる、寝る、身支度をする、遊ぶ、学ぶ、働く。人間の一生は、こうした営みを繰り返すことにある。昨日と今日とでは、そこにたいした違いはないようにみえる行動も、長いスパンでみれば、行動そのものだけでなく、意味づけにも、事象や環境とのかかわり方にも大きな変化がある。

 「食べる」をみてみよう。歯の生え具合、咀嚼嚥下の力の加減、姿勢の保持、手先の器用さ等が発達すれば、食べられるものの範囲は広がり、子どもはより自立した食べ手になる。青年期になれば、「食べる」ことは相手との関係をつくり深めたり(あるいは拒否したり)、自己を甘やかしたり(あるいは否定したり)といった意味をもつようにもなる。大人になると、その意味はさらに多様化する。面倒くさくてやっかいなこと、取るに足らないこと、楽しみなこと、人間関係を広げ強める手段、自己抑制・自己制御が

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2019年3月11日 (月)

新刊 佐藤公治・長橋 聡 『ヴィゴツキーからドゥルーズを読む』

9784788516199

佐藤公治・長橋 聡 著

ヴィゴツキーからドゥルーズを読む
――人間精神の生成論

四六判並製312頁
定価:本体2800円+税
発売日 2019年3月15日
ISBN 978-4-7885-1619-9


3月15日配本、3月18日頃書店にて発売予定です。


はじめに ── なぜ、ヴィゴツキーとドゥルーズなのか (一部抜粋)

 1 ヴィゴツキーとドゥルーズの問題圏
 本書で中心的に取り上げるのは、心理学者のレフ・ヴィゴツキー(Lev Semenovich Vygotsky)と、哲学者のジル・ドゥルーズ(Gilles Deleuze)の人間精神の生成をめぐる研究とその思想である。ここで二人の研究者を論じることに奇異を抱くかもしれない。二人はまったく接点がなく、生きた時代も異なっているからである。ヴィゴツキーは19世紀も終わりに近い1896年にロシアで生まれ、青年時代にロシア革命を経験している。彼は結核の病のために三十七歳という若さで、1934年にこの世を去っている。一方、ドゥルーズはヴィゴツキーよりも一回り若い哲学者である。1925年にフランスで生まれ、1969年から大学の教員として活躍していた頃は、学生の民主化運動にも関わっていた。晩年は呼吸器系の病のために人工肺を使っていたが、1995年に七十歳で自らの命を絶っている。  ここで、なぜ、ヴィゴツキーとドゥルーズなのだろうか?   本書でヴィゴツキーとドゥルーズを取り上げようとしている意図を

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《もっと読む ヴィゴツキーからドゥルーズを読む はじめに(一部抜粋)》

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2019年3月 8日 (金)

金菱清編『呼び覚まされる霊性の震災学』(新曜社)@NHKEテレ夜 3/7日夜11:30ろんぶ~ん

NHKEテレ夜 3/7日夜11:30「ろんぶ~ん」。テーマは「幽霊」。被災地のタクシーと幽霊の不思議な関係を調査した工藤優花さんの論文を、指導教授、金菱先生が解説しました。

『呼び覚まされる霊性の震災学』(新曜社)で論文を読めます。

見逃したかた再放送が 3月9日(土)午前1時(金曜深夜) にございます。

この番組前半の「心霊写真のでき方」論文も一見の価値大いにあります。高校生の科学研究の世界大会 #IntelISEF2018に日本代表として出場し入賞した、熊本県立宇土高校のメンバーの実像‐副像研究。先輩の疑問を後輩が引き継ぎ、公式化したそう。脱帽の研究です。


9784788514577

金菱清〔ゼミナール)編
東北学院大学震災の記録プロジェクト

呼び覚まされる霊性の震災学
――3.11 生と死のはざまで

四六判並製200頁
定価:本体2200円+税
発売日 16.1.20
ISBN 978-4-7885-1457-7

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2019年3月 7日 (木)

小熊英二著『〈民主〉と〈愛国〉』 朝日新聞「好書好日」平成の30冊 第9位に

◆朝日新聞「好書好日」平成の30冊 第9位に◆

小熊英二著
『〈民主〉と〈愛国〉――戦後日本のナショナリズムと公共性 』
が、朝日新聞「好書好日」が選ぶ 平成の30冊、第9位に選ばれました。

「戦後日本の代表的知識人を取り上げ、ナショナリズムと公共性の複雑なねじれを論じている。文学的なのも特徴的で、江藤淳論は特に優れている」(間宮陽介氏)

朝日新聞「平成の30冊」を発表 
⑥4-10位を紹介 「震災後」をいかに生きるか



好書好日 平成の30冊 ページへ

4788508192

小熊英二 著
〈民主〉と〈愛国〉
――戦後日本のナショナリズムと公共性

A5判968頁
定価:本体6300円+税
発売日 02.10.31
ISBN 4-7885-0819-2






本書の紹介
 次つぎと話題作を発表してきた小熊英二氏の〈日本人〉論第3弾の詳細をお知らせいたします。
 今回は、太平洋戦争に敗れた日本人が、戦後いかに振舞い思想したかを、占領期から70年代の「ベ平連」までたどったものです。戦争体験・戦死者の記憶の生ま生ましい時代から、日本人が「民主主義」「平和」「民族」「国家」などの概念をめぐってどのように思想し行動してきたか、そのねじれと変動の過程があざやかに描かれます。
 登場するのは、丸山真男、大塚久雄から吉本隆明、竹内好、三島由紀夫、大江健三郎、江藤淳、さらに鶴見俊輔、小田実まで膨大な数にのぼります。現在、憲法改正、自衛隊の海外派兵、歴史教科書などの議論がさかんですが、まず本書を読んでからにしていただきたいものです。読後、ダワー『敗北を抱きしめて』をしのぐ感銘を覚えられること間違いありません。

◆『〈民主〉と〈愛国〉』、第57回毎日出版文化賞受賞!◆

小熊英二著『〈民主〉と〈愛国〉』が、本年度日本社会学会奨励賞に続き、第57回毎日出版文化賞を受賞いたしました。「・・・・・・「高級な」言説が多々登場するが、著者のねらいはこれらの思想のなかににじみ出てくる「情」を明るみに出すことである。・・・・・・理論的な語りのなかに表出される「情のうごめき」の歴史こそ、知識人をふくむ日本人の「こころの歴史」になる。著者は吸引力のある論客を扱いながら、のみこまれないで、冷静な距離をとることができた。主題の選択といい、叙述方法の工夫といい、まことに斬新である。近年の名著といえよう」
(選考委員のことば:今村仁司氏)

◆『〈民主〉と〈愛国〉』、第3回大佛次郎論壇賞受賞!◆

小熊英二著『〈民主〉と〈愛国〉』が、本年度日本社会学会奨励賞、第57回毎日出版文化賞に続き、第3回大佛次郎論壇賞受賞を受賞いたしました。

今年度受賞作は小社『〈民主〉と〈愛国〉』の他に、篠田英朗著『平和構築と法の支配』(創文社) が受賞しました

大佛次郎論壇賞(朝日新聞社主催)とは? =
「小説、ノンフィクションなど幅広い分野で多くの作品を残した作家大佛次郎氏(1897-1973)の業績をたたえ、朝日新聞社は73年に大佛次郎賞を設け、優れた散文作品を顕彰、これに加え、わが国の論壇の活性化に寄与し、また21世紀のわが国の針路を指し示す一助になることを目指し、01年1月、新設される」。

ちなみに本年度(2003年)第30回大佛次郎賞は山本義隆著『磁力と重力の発見』(みすず書房)に決まりました

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2019年3月 6日 (水)

新刊 坪井秀人ほか 『世界のなかの〈ポスト3・11〉』

9784788516205

坪井秀人/シュテフィ・リヒター/マーティン・ロート 編

世界のなかの〈ポスト3・11〉
――ヨーロッパと日本の対話

A5判上製338頁
定価:本体5500円+税
発売日 2019年3月15日
ISBN 978-4-7885-1620-5


3月11日配本、3月14日頃書店にて発売予定です。


プロローグ(一部抜粋)

シュテフィ・リヒター

 書物の序言というものにはいろいろな役割がある。学術論集の場合には、収録された論文がどのようなテーマのもとに「集められた」のかを導入として説明するのが慣例となっている。くわえて、それらの論文を内容的に連関させながら、それまで見えにくかったその共通点や相違点を明らかにする。言いかえれば、新しい知の付加ないし知の前進を記録する。しかし、本書のための私の序言は別の狙いをもっている。それは本書やそのもとになっているシンポジウムの収穫を相対化することである。本来ならその成果を一つ一つ紹介すべきところなのだろうが、そのかわりに私がここで考えてみたいのは、われわれ研究者(広く、今日の制度化された学問研究に従事する者)にとって、「3・11」という出来事、いや事件に相応しいアプローチがなぜとてつもなく難しいのかということである。また同時に考えてみたいのは、そのような相応しいアプローチがどのようなものでありうるのかということだが、その場合「3・11」の真に批判的な分析には従来の研究の自己批判も

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《もっと読む 世界のなかの〈ポスト3・11〉 プロローグ(一部抜粋)》

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2019年3月 5日 (火)

新刊 上杉 忍 『ハリエット・タブマン』

9784788516083

上杉 忍 著

ハリエット・タブマン
――モーゼと呼ばれた黒人女性

四六判並製288頁
定価:本体3200円+税
発売日 2019年3月15日
ISBN 978-4-7885-1608-3


3月11日配本、3月14日頃書店にて発売予定です。


プロローグ

 二〇一六年四月二〇日、当時のアメリカ合衆国財務長官ジェイコブ・J・ルーは、二〇二〇年の女性参政権獲得一〇〇周年を機会に二〇ドル紙幣の表面に黒人女性ハリエット・タブマンの肖像を掲載する方針を発表した。現在、表面に掲載されている第七代大統領アンドルー・ジャクソンの肖像は裏面に移されるとのことである。もしこの計画が実施されることになれば、アメリカの紙幣に女性、しかも黒人の肖像画が印刷されるのは史上初めてである。

 このことについては、日本の新聞やテレビでも報道されたので覚えておられる方も多いかもしれないが、日本ではまだハリエット・タブマンのことは、ほとんど知られていないので、あまり関心を持たれなかったようである。

 これとは対照的にアメリカでは、子どもたちは教室でタブマンのことを学び、タブマンのことを知らない人は珍しいといわれている。タブマンをテーマとした絵本や読み物、DVDなども数多く出回っている。ちなみにタブマンは、南部メリーランド州の奴隷制度の下から一人で北部に

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《もっと読む ハリエット・タブマン プロローグ》

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2019年2月26日 (火)

新刊 フレド・ニューマン、フィリス・ゴールドバーグ 『みんなの発達!』

9784788516045

フレド・ニューマン、フィリス・ゴールドバーグ 著
茂呂雄二・郡司菜津美・城間祥子・有元典文 訳

みんなの発達!
――ニューマン博士の成長と発達のガイドブック

A5判並製224頁
定価:本体1900円+税
発売日 2019年3月5日
ISBN 978-4-7885-1604-5


3月1日配本、3月4日頃書店にて発売予定です。


2010年版へのイントロダクション

 『みんなの発達!』の初版が出版された1994年は、DSM-IV(『精神障害の診断と統計マニュアル』第4版)が出版された年でもあります。これほど対照的な2冊は他にないと思います。『みんなの発達!』は哲学者で街場のセラピスト、フレド・ニューマンが、社会学者の友人であるフィリス・ゴールドバーグと一緒に書いた本です。この本は数百人の普通の人びと、つまりニューマンのソーシャルセラピー実践に参加したクライエントたちの声で満たされています。この本のテーマは、人びと、人びとの感情、痛み、夢、関係、セラピーで交わされた会話、そしてその人びとの成長のための活動です。一方DSM-IVは、アメリカ精神医学会によって出版された本で、200人以上の精神科医と心理学者(実は、そのうちのほぼ半数が、製薬会社と金銭的つながりを持っています)が書いたものです。このマニュアルの扱うテーマは、297種類に分類された精神疾患であり、クライエントの症状と行動を診断するための

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《もっと読む みんなの発達! 2010年版へのイントロダクション》

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