2017年1月17日 (火)

新刊 熊谷高幸 『自閉症と感覚過敏』

9784788515079

熊谷高幸 著

自閉症と感覚過敏
――特有な世界はなぜ生まれ、どう支援すべきか?

四六判並製208頁
定価:本体1800円+税
発売日 17.1.27

ISBN 978-4-7885-1507-9

見本出来ました。
1月25日ごろ書店に並びます。

はじめに

    自閉症は不思議な障害である。この障害が初めて報告(Kanner 1943)されてから七〇年以上たつのに、障害の定義や、原因や、該当する人々の範囲についての考えが次々に変わってきている。

 私自身も、二五年前より自閉症の本を三冊著してきたが(熊谷 一九九一、一九九三、二〇〇六)、毎回、出版の後には解釈を修正しなければならなくなった。特に、この十年ほどのあいだは、大きく考えを変えることになった。その理由は、この本の中心テーマである、自閉症者の感覚過敏という問題に突き当たったからである。また、このような私の変化は、次のような、社会全体の自閉症の捉え方の変化にも連動している。

 第一に、自閉症と見なされる人々の数が年々ふえている。四〇年ほど前には二〇〇〇人に一人ほどといわれていたのが、いまでは一〇〇人に一人とまでいわれるようになった。

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《もっと読む 自閉症と感覚過敏 はじめに》

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2017年1月11日 (水)

新刊 ウヴェ・フリック 『質的研究の「質」管理』

9784788515086_2

ウヴェ・フリック 著/上淵 寿 訳

質的研究の「質」管理
――SAGE質的研究キット8

A5判並製224頁
定価:本体2400円+税
発売日 17.1.20

ISBN 978-4-7885-1508-6

見本出来ました。
1月20日ごろ書店に並びます。

本書について(ウヴェ・フリック)

  質的研究の質の問題をどう扱うかは、「SAGE質的研究キット」の他の巻でもいろいろな箇所で取り上げている。しかし、これは、質的研究一般にとって答えを見つけて、解決する必要のある重要な問いである。他の巻の著者たちは、本書よりも、この問題をより一般的にと同時により具体的に検討している。つまり、それぞれの巻で取り上げている具体的なアプローチや方法について、その質や妥当[訳注]性*の問題に携わっている。クヴァール(Kvale, 2007)は、インタビュー研究の妥当性や客観性*について有益な省察を行っている。アングロシーノ(Angrosino, 2007)は、観察とエスノグラフィーについて同様のことを行っている。バーバー(Barbour, 2007)は、フォーカスグループを取り上げている。これが、他の巻が本書よりもより具体的な理由である。

 他方で本書は、「SAGE質的研究キット」の他の巻よりも具体的である。というのは、質的研究の質の問題を管理する具体的な方略*を概観しようと試みているからである。この観点から、本書では問題全体を、研究プロセスに

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《もっと読む 質的研究の「質」管理 本書について(ウヴェ・フリック)》

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2017年1月10日 (火)

記事紹介 アズベリー &プローミン『遺伝子を生かす教育』

「能力発揮できる学校に」 福田病院・土屋医師 提言書を翻訳

キャスリン・アズベリー & ロバート・プローミン 著
土屋廣幸 訳『遺伝子を生かす教育』の紹介が熊本日日新聞・2017/1/5付にて掲載されました。記事は森本修代記者。弊社書籍をお取りあげくださいましたこと、こころよりお礼申し下げます。ありがとうございました。

福田病院(熊本市中央区)の土屋廣幸・小児検診部長が翻訳した、英国の行動遺伝学者による本『遺伝子を生かす教育』が出版された。「子どもはみんな同じではなく、一人一人違う。生まれつき持っている能力を発揮できる学校システムが必要だ」と提言する内容だ。

著者は、ヨーク大学のキャスリン・アズベリー講師と、ロンドン大キングスカレッジのロバート・プローミン教授。双子の研究をもとに、読み書きや運動の能力と、遺伝子の関係について調査した。

能力には遺伝性があるものの、「遺伝子がすべてを決定するわけではない」「偶然の経験と組み合わされて作用する」と指摘。子どもが何を楽しんでいるかを見て、「選択をサポートしてほしい」という。

また、「学校でうまく行かなくて、社会に出てからも低い地位のままだった親の子どもたち」にも言及。家庭の経済力が成績にも影響するとして、「恵まれない子どもたちに対する無料の質の高い就学前教育は、学習の機会を平等化するのに役立つ」と強調する。

「新人教師に遺伝学の研修を」など、具体的な教育政策のアイデアも紹介している。


9784788515024

キャスリン・アズベリー & ロバート・プローミン 著
土屋廣幸 訳

遺伝子を生かす教育
――

A5判並製192頁
定価:本2300円+税
発売日 16.11.10

ISBN 978-4-7885-1502-4

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2016年12月28日 (水)

書評 山本武利著『日本のインテリジェンス工作』 @図書新聞 2017/1/1付

山本武利著『日本のインテリジェンス工作』の書評が、「図書新聞」2017年1月1日号に掲載されました。評者は川成洋氏。ご書評くださいました先生、掲載紙ご担当者様に、心よりお礼申し上げます。ありがとうございました。

インテリジェンス工作は、「極秘」作戦である

……概して各枢軸国に駐在した外交官や武官たちの情報活動は著しい成果を挙げたことは否定しないが、残念ながら彼らの暗号は瞬時に解読され、日本に不利に作用したのは歴史の皮肉としか言いようがない。本書は、日中・太平洋初期における、日本軍のインテリジェンスの代表的な組織や機関、それに諜報員――陸軍中野学校、中国、満州におけるメディア戦術・戦略、対ソ・インテリジェンス機関としての731部隊、スウェーデン公使館附陸軍武官小野寺信大佐(後に少将)――の実態を。アメリカやオーストラリア情報機関の情報集積・分析の成果を加味して可能な限り詳らかにしている。

ところで、この分野の研究には、重大な桎梏となっているものがある。それは敗戦がはっきりした時点で、おそらくニュルンベルク軍事裁判の轍を踏むまいとしたためか、被告側の証拠になるような公的文書などをことごとく焼却したために、実態の把握はきわめて断片的な、あるいは関係者の個人的な回想に頼らさるを得ないのである。

本書の圧巻は、「北欧の日本陸軍武官の対ソ・インテリジェンス工作」である。……



9784788514997山本 武利 著

日本のインテリジェンス工作
――陸軍中野学校・731部隊・小野寺信

四六判288頁上製
定価:本体2800円+税
発売日 16.11.1

ISBN 978-4-7885-1499-7

関連記事 山本武利著『日本のインテリジェンス工作』 解説 小畑利夫

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2016年12月26日 (月)

書評 三浦倫平著『「共生」の都市社会学』 朝日新聞2016年の収穫

三浦倫平著『「共生」の都市社会学―下北沢再開発問題のなかで考える』 が、朝日新聞2016年12月25日付「2016年の収穫 心に残る本 書評委員が選んだ「今年の3点」」に掲載されました。評者は武田徹氏。ご書評くださいました先生、書評紙ご担当者様にこころよりお礼申し上げます。ありがとうございました。

かたや高度利用の実現を求め、かたや昔ながらの町並みにこだわる。「変えろ」と「変えるな」がガチにぶつかり膠着しながら都市再開発問題。サブカル都市「下北沢」を事例に住む者だけでなく、文化享受者をもアクターとみなし、それぞれの権益を調整する視点を導入。二項対立からの脱却の糸口を探る。
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ほか
『樺太を訪れた歌人たち』 松村正直著 ながらみ書房
『全裸監督村西とおる伝』 本橋信宏著、太田出版
とともにお選びいただきました。
(村西とおる監督の米国では懲役370年の求刑というのはすごい......)

9784788514706

三浦倫平 著

「共生」の都市社会学
―下北沢再開発問題のなかで考える

A5判上製464頁
定価:本体5200円+税
発売日 16.3.31

ISBN 978-4-7885-1470-6

 

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2016年12月22日 (木)

書評 神山潤 著 『朝起きられない人のねむり学』 こころの科学no191/2017年1月

神山潤 著 『朝起きられない人のねむり学』の書評が、「こころの科学 no191/2017年1月」に掲載されました。評者は本多真氏。ご書評くださいました先生、記載誌ご担当者様に、心よりお礼申し上げます。ありがとうございました。

本書は小児神経学、臨床睡眠学を専門とし、睡眠外来を訪れる若者を長年支えてこられた、神山潤先生の手による本である。著者は睡眠科学の最先端の科学者でもあったが、日本での睡眠軽視と夜型化・睡眠不足の進行に危機感をもち、以後「早起きの会」発起人となり、睡眠の正しい知識と活用について各地で啓発活動を精力的に継続されてきた。この本も単なる医学知識紹介やハウツー本とは異なり、日常生活での眠りの視点にたち、一人ひとりが自分の眠りと向き合い、考え、どう具体的な行動につなげるかについて、熱く訴えかける内容となっている。

……若者へのメッセージは、著者独自の慧眼が示され、評者が感銘をうけた章である。睡眠外来を訪れる一人ひとりの生活によりそう著者だからこそ示せた根本的な治療の道筋と考える。まず文部科学省の統計から日本の若者の自己肯定感の低さ、社会に対する無力感が示される。そこで自己肯定感や無力感にアプローチし、自分自身のかけがえのなさに気づくこと、自然への畏敬の念を生むことが、自分自身の身体に対する謙虚さにつながり、結局は眠りを大切にすることつながるという指摘である。自分自身の時間管理者となる、捨てる力をつける、という実用編の課題も、自己肯定感の高さがカギとなろう......



9784788514799

神山潤 著

朝起きられない人のねむり学
―一日24時間の賢い使い方

四六判並製180頁
定価:本体1800円+税
発売日 16.6.1

ISBN 978-4-7885-1479-9

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2016年12月20日 (火)

新刊 村上陽一郎ほか『村上陽一郎の科学論』

9784788515062

柿原泰・加藤茂生・川田勝 編
村上陽一郎・小松美彦ほか著

村上陽一郎の科学論
――批判と応答

四六判並製436頁
定価:本体3900円+税
発売日 16.12.26

ISBN 978-4-7885-1506-2

見本出来ました。
12月26日ごろ書店に並びます。

はじめに

    科学史・科学哲学という新興の学問に身を投じてから約半世紀、村上陽一郎は、疑いなく、科学をめぐる議論の幅広い領野において、日本のオピニオン・リーダーの一人であり続けてきた。村上は、一九六八年に『日本近代科学の歩み―西欧と日本の接点』、一九七一年に『西欧近代科学―その自然観の歴史と構造』と、日本近代科学と西欧近代科学をそれぞれ広く射程に入れた書物を相次いで書き下ろし、日本における科学論研究の最前線に躍り出た。以降、村上は、科学史と哲学の融合を目指し、それまでもその後も村上一人にしかできないような、分野の垣根を越えて縦横に横断する独自な科学史・科学哲学研究を展開した。七〇年代から八〇年代にかけては、N・R・ハンソンや、P・K・ファイヤアーベントなどの「新科学哲学」を積極的に紹介して、科学論に新風を吹き込むとともに、日本におけるそれまでの常識的な科学観を一変させた。九〇年代以降は、

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《もっと読む 村上陽一郎の科学論 序文》

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2016年12月19日 (月)

新刊  北浜邦夫『夢』

9784788515055

北浜邦夫 著


――

四六判並製180頁
定価:本体1800円+税
発売日 16.12.20

ISBN 978-4-7885-1505-5

見本出来ました。
12月26日ごろ書店に並びます。

はじめに

   眠っている間に見えるもの、目を閉じていても見えるもの、それが『夢』です。人類が始まって以来、多くの人々が自分の自由にならないこの不思議な現象に関心をもってきました。私たちの祖先にとって、夢は神霊と交信できる神聖な時間でもあり、悪夢にうなされる恐怖の時間でもあったのです。恋人に会えるうれしい時間でもありました。それが最近科学によって、夢が眠っている間の脳のはたらきの反映であることがわかってきました。

 本書は『夢』を『現実』に引き出すつもりはありません。美しいもの、ロマンチックなものを科学のメスでベールを引き剥がして、味も素っ気もないものにしたいわけではありません。「美しい星空を眺めてロマンチックになる」のと「宇宙の神秘を探るワクワクの好奇心」とが同時に存在すると思って

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《もっと読む 夢 はじめに》

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2016年12月18日 (日)

記事 上野冨紗子&まちにて冒険隊 著『認知症ガーデン』

上野冨紗子&まちにて冒険隊 著『認知症ガーデン』の紹介が、読売新聞 2016/12/18付に掲載されました。


認知症の人の行動を体験談で

デイサービスの運営者が認知症の利用者との日々の出来事をつづった「認知症ガーデン」(新曜社)が出版された。著者は、神奈川県横須賀市のデイサービス「デイまちにて」の運営者。レクリエーションの時間にほかの利用者の邪魔をしていた男性が、著者が自宅を訪ねると、「一家のあるじ」としての顔を見せるなど、体験談を交え、認知症の人がとる行動の理由などについて、著者が考えをめぐらせている。



9784788515048

上野冨紗子&まちにて冒険隊 著

認知症ガーデン

A5判並製136頁
定価:本体1600円+税
発売日 16.11.20

ISBN 978-4-7885-1504-8

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2016年12月16日 (金)

紹介 上野冨紗子&まちにて冒険隊 著『認知症ガーデン』@図書新聞「16年下半期 読者アンケート」

12月24日付・図書新聞「16年下半期 読者アンケート」にて、
上野冨紗子&まちにて冒険隊 著『認知症ガーデン』をご紹介いただきました。
選者は松本卓也氏(ほか守中高明著『ジャック・デリダと精神分析』(岩波書店)、ソニア・キリアコ著『稲妻に打たれた欲望』(誠信書房)をおとりあげいただきました)。

書評くださいました先生、書評誌ご担当者様にこころよりお礼申し上げます。ありがとうございました。

『認知症ガーデン』は、デイサービスでの豊かな実践のなかから書かれた文学的エッセイ。あらゆる優れた精神療法は究極的には人やモノとの関係を新たに結びなおすことを目指すものであるが、認知症においては家族の側も当人との関係を結びなおすことに困難があり、そこにまた希望もある。


9784788515048

上野冨紗子&まちにて冒険隊 著

認知症ガーデン

A5判並製136頁
定価:本体1600円+税
発売日 16.11.20

ISBN 978-4-7885-1504-8

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